『泣かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
だいぶ昔に舘ひろしさんが歌ってた曲のタイトルが同じだったなということしか思い浮かばない…
ダメだ!ネタ切れです(笑)
また明日!
テーマ:泣かないで
震える背中に触れるのに戸惑う。
「大丈夫だよ」
繰り返すあなたの目は嘘をついていた。
#泣かないで
「どうして泣いてるの」
「しくしく…っ、うぅ〜」
一人の女の子に、私は思わず手を差し伸べた。
「お母さんが、帰っでぎでくれないの……っ。みーちゃん、さみしいよぅ」
「……そっか。あなたも私と同じだね」
幼い少女の手を柔く握って安心させる。一人でずっとこんな人気のないところで佇んでいたのだろうか。このまま一人にしていたら危険過ぎる。
「ねぇ、あなたの名前、何て言うの?」
「……お、お母さんが知らない人には名前を教えちゃいけないって、」
「ううん、私は知らない人なんかじゃないよ。あなたの、仲間」
「仲間……?それなら、ずっとわたしと一緒にいてくれる?」
「ふふっ、うん。そうする」
私の言葉を聞いた少女は、パアッと表情を明るくさせた。
「わ、わたしね、湊っていうの」
「みなとちゃん?可愛いお名前だね」
この子の喜ぶ顔が見れるのなら、どんな褒め言葉でもいいから言ってあげたいって思った。初対面なのに、おかしいよね。
それでも、自分と似たこの子を、私と一緒で孤独の中一人怖がって寂しがっているこの子を、笑顔にしてあげたいって思ったんだ。
だから───、
「湊ちゃん。もう、泣かないで」
そう言って、私は少女の頬を伝う涙を優しく拭った。
「うんっ。お姉ちゃん、優しいね」
私と湊ちゃんは、二人手を繋いで同じ方向へと歩いていく。これからどこに向かうのかは分からない。だけど、気の向くままに、この子とどこか遠くの世界へ行けたらいい。
私たち二人の背中を、真っ赤に燃える夕日の光が照らしてくれていた。
泣かないで
泣かないで
私の心
さみしいと
一人だと
泣かないで
娘達
私達は大切な人を亡くした
泣かないで
泣かないで
目の前で泣かないで
こっちまで泣きたくなる
泣かないで
あなたの泣き顔は見たくなかった
泣かないで
またすぐ会えるから
泣かないで
今は笑顔でいて
「涙って色のない血液って話知ってる?」
くるくると真っ白の指先で赤ペンを遊ぶ先生はこんな姿でも様になってしまうからくやしい。
普段は大人しい先生の唯一素が見れる時間。
「血……透明なのにですか?」
「そう、人間って不思議だよね。あ、2番間違ってる」
ぐっと顔の距離が縮まってバクバクと心臓が嫌な音を立てる。
近くで見れば見るほど先生の魅力に惹かれる。
もちろん好きなのは顔だけでは無いのだが。
「じゃあ泣いてる時は怪我してる時と一緒なんですね」
「うん、そうなるね。心も一緒で怪我をするんだよ、…ただ涙を流す場所が違うだけで。」
「じゃ、じゃあ泣いてる人になんと声をかけるのが正解なんでしょうか」
「……適当な言葉をかけてしまうぐらいなら声をかけないのが正解だよ。慰めるのは簡単じゃないからね」
あんまり悲しそうに先生が笑うから後先考えずに口が動いた。
手に握っていたペンを投げて先生の手を掴む。
「先生、私!先生が泣きそうな時は絶対に慰めますから!」
「……なぁにそれ、…じゃあその時までに『泣かないで』に変わる言葉を探しておいてくれるかな、」
2023.11.30『泣かないで』
涙を拭う方法を知らないのです。あなたの頬に流れる水滴を眺めて、ただ呆然と立ち尽くすことしか出来ないわたしをどうか笑ってください。それでその涙が止まるなら何よりと存じます。笑うことが出来ないというのなら、どうか叱ってください。どうか怒ってください。情けないと口汚く罵ってください。それであなたの雨が晴れるなら、それ以上の幸せはないはずなのです。どうか、どうか、寄り添うことしか出来ないわたしにだけは、あなたの想いを聞かせてほしいと願うのです。
ワン、とひと鳴き。
か細い鳴き声だった。言葉が交わらないことがどうしようもなく悔しくて、もどかしかった。伝えたいことがあるのに、声が出ない。徐々に落ちていく体温を取り戻したくて、毛布に来るんだ体を抱える。もっと一緒に居られるはず、と固くなる体にすがりつく。どこにも行かないで、ずっと傍に居て。漏れ出るのは嗚咽ばかりで、言葉にすらならなかった。
#泣かないで
どうして私は泣いてるの?
これは嬉しさ故なのか
これは悲しさ故なのか
どうして私は泣いてるの?
貴方は私を1番愛す
みんなは私を1番嫌う
どうして私は泣いてるの?
貴方は私とここにいたい
みんなは私に消えて欲しい
どうして私は泣いてるの?
私は貴方とここにいたい
私は1人で消えちゃいたい
その涙がこぼれ落ちるより早く、気づいたらもう抱き寄せていた。
腕の中で、"ウ"とも"ワ"とも取れるような声を漏らす園田さん。
困らせている。
分かっているのに、その理性とは裏腹に、腕にはどんどん力が入っていった。
「……あ、の、深山くん」
「……やめろよ、もう」
「……え」
───知っているんだ。
いつも穏やかに笑う彼女が、本当は誰より傷つきやすいこと。
「あんな人のために、心も涙も使うの、やめろよ」
人の痛みに敏感で、嘘をつくときはいつだって誰かのためで。
「……あ、のね。私、大丈夫だよ。ちょっと、ネガティブになっちゃっただけで」
ほら、また、今も。
「……そんな顔で泣いてるやつのどこが、大丈夫なんだよ!」
「っ……」
泣かないで欲しい。笑って欲しい。
羨まれるくらい幸せに包まれている方が、この人にはよっぽど似合う。
「もっと大事にされてろよ」
「……してくれてるよ」
「デートすっぽかして一人にして、泣いてる時にそばにいないやつが、いつ大事にできるんだよ!」
「っ、」
最悪だ。
こんなの駄々こねた子供と同じだ。
感情的になって、傷えぐるような事言って。
こんなんだから、どうしようもない男なんかに負けるんだ。
「……ありがとう、深山くん」
……それなのに、この人は。
「私のために、怒ってくれて。ありがとう」
こんなくだらない感情吐露に、
プレゼントを貰った時みたいな笑顔を見せるから。
「───」
泣かないで欲しい。
けど、でも。
どうしてもその涙も含めた上で、今の自分でありたいと言うのなら。
「……泣くなよ、一人で」
どうか、せめて、
「悲しいときは、俺を呼んで。一人で泣かないって約束して」
俺だけはこの人のこと、
俺の全部で大切にしたい。
「……深山くん」
「声、大きくしてごめん」
首を小さく横に振り、ゆっくり微笑む園田さん。
「……ありがとう」
俺を映さない、優しい瞳だと思った。
お題︰泣かないで
「涙を飲んでるんだね」
瞬きをするたび戻っていく涙。瞬きで涙がこぼれ落ちぬよう下まぶたの裏へ涙を押し込んでいるのが、まるで飲んでいるかのようで。
「涙を飲んでるんだね」
水を飲んでは泣いて飲んでは泣いてを繰り返し、飲んだ水がすべて涙になっていた。涙を流すために水を飲んでいるかのようで。
「また涙を飲んでるんだね」
拭うこともせず流し続ける涙はいずれ口に入っていく。
涙を飲んでいる。また。
「泣かないで」
泣かないで。だってどうしていいか分からない。
泣いて欲しいと願われた人生の始まり
泣いても良いと言われた人生
泣かないでと思う人生の終わり
泣かないで
笑っててほしい。
笑ってる顔が見ていたい。
無理していない幸せそうな笑顔。
泣いているのも辛いけど、それを一緒に背負え無い事が、
もっと辛い。
「泣かないで」
泣かないで、なんて少し無責任だ。状況によるけど人って泣くときはなくもんでしょ
〇〇しないでって結構無責任だよな。
泣くのは感情が溢れているからそれをせき止める行為だと思うんだよね
も〜、泣かないでよ!
私が泣かせたみたいじゃん!
「実際貴様のせいで俺は泣いてるんだ」
え?そうなの?
「お前が俺を勝手に置いて逝くから....」
そうだね...でもさ泣かないで
私は君の笑ってる顔が見たいな
「貴様などの為に笑ったりはしない」
全く酷くなぁ
じゃあ、笑っててよ
泣きたい時は泣いてね
怒りたい時は怒ってよ
苦しい時はちゃんと言うんだよ
来たくても来ちゃ駄目だよ
私は偶に見せる君の笑ってる顔が好き
だから、泣かないで
「貴様は狡いやつだな」
# 9
【泣かないで】
「いっぱい、悪いことしちゃったなぁ」
楽しいこともたくさんあったけど、あれもこれもしてあげたかったって後悔ばっかりだ。
「一人で泣いてないといいけど」
「ごめんなさいしたいの?」
「うん」
「たからものあげるといいよ。なかなおりしよって」
帰ってきてくれるなら、いくらでもなんでもあげるのに。
「とっても大事だったんだ」
気づくの遅すぎた。
「いってあげた? だいじって」
「伝えられなかったんだ」
「じゃあ、いってあげないと」
「うん」
それで「もうどこにも行かないで」って言うんだ。
【泣かないで】
「ねえハルヒロ。この先……まっすぐだっけ」
大学終わりのことだ。
隣を歩くメイが、ぽかーんとした表情で首を傾げた。
道順は何度も教えたはずなのに、どうにもメイは方向音痴である。
「違うよメイ。右に曲がって、左に曲がって、その後まっすぐだよ」
でも、右に曲がって、左に曲がるから、結局、方角的にはまっすぐと同じ……なのか?
メイは野生的な感を持っていたりするのだろうか。
ほら、太陽の方向で決める……みたいな。
いやいや、山の中じゃないんだし。
「そっか! さすがはハルヒロ!」
「心配になるよ。メイの方向音痴には」
「昔にもこういうのあったよね。ほら、高校入学前の時?」
高校入学前というと、メイが引っ越してきた時のことか。
そんなことあったっけ。あんまし、覚えてない。
ハルヒロとメイが出会ったのは確かにその時だけど、経緯はもう覚えてない。
いつのまにか仲良くなって、高校で話すようになって、同じ大学に行ってた……みたいな。
「そんなのあったっけ?」
「あったよ! 運命の出会いを果たした時のことを忘れるなんて。ハルヒロは非情だ!」
メイが頬を膨らませ、抗議してくる。
表情はご立腹だが、目は楽しそうだ。
* *
ハルヒロは夜道を歩いていた。
その時は特に理由はなく、ただ夜道を歩いていた。
したがって、特に行き先はない。
街並みは相変わらずで、田舎の雰囲気。
人っこ一人、道行く者はおらず、たまに車が通るだけ。
「明日から、高校生活……か。めんど」
もうすぐ春休みが終わる。
ただそれだけが、ハルヒロの中で渦を巻いていた。
特に充実してはいなかったが、休みが終わるのは憂鬱だ。
「疲れた」
気がつくと、ハルヒロ神社に来ていた。
真っ暗で、なんだか不気味。
幽霊、お化け? みたいな。そういうものはあまり信じていないけれど……。
少し、怖かった。
しかし、ずいぶんと歩いたので、すぐに引き返すほどの体力は残っていない。
ハルヒロはボロけたベンチに腰掛けた。
「……ッ!? ゆ、幽霊っ!?」
明らかに、泣き声……だよね?
座っていると、泣き声が聞こえてきた。鼻水をすする音? みたいな。
すごくリアルで、不気味すぎて怖すぎる。
心臓が止まるかと思った。
ハルヒロは音がする方へ歩いた。
いや、なんだか。怖いんだけれど、確かめずにはいられない……。
「だ、大丈夫……ですか? ど、ど、どうして泣いてる……の?」
女の人が、うずくまって泣いていた。
ほら、やっぱり幽霊なんていない。
どちらかというと、ハルヒロの方が幽霊みたいだ。
きょどりすぎ、自分。
春休み、ろくに人と会話してなかったから声がおかしい。
「迷子になった」
女の人はメイと言った。
メイは最近引っ越してきたらしく、散歩に出掛けて迷子になったらしい。
真っ暗だったけれど、ずいぶん彼女は可愛らしかった。
目の保養? みたいな。見ているだけで、見惚れてしまいそうになった。
こんな可愛い子いるんだと、感心した。
それにしても、引越してすぐ一人で外に出るなんて、肝が据わっている……のか。
「泣かないでよ。その、ほら、僕……道知ってるし? だから……その。安心というか。いや、不審者じゃないよ? 多分同い年だから安心……だと……思う……から」
自分でも何言ってるのかよくわからない。
とりあえず泣き止んで欲しくて、ハルヒロは頑張った。
「ふふっ」
そんなにおかしかったのだろうか。
でも、ようやく、メイの笑顔が見られた。
「ハルヒロ君」
「どうしたの?」
帰り道。
夜の道を歩くメイは、目元を少し赤らめながらハルヒロの袖を掴んだ。
同級生の女子と一緒に歩いたことなんてなかったハルヒロは、それだけで心臓を跳ねさせた。
「また私が迷子になったら、見つけてくれる?」
メイはどうやら方向音痴だったらしい。
彼女はこれからも迷子になる前提のようだ。
迷子になった人を見つけるのは酷く骨が折れるよ。流石に。困る。
今日はたまたま見つけただけだし。
「迷子になる前に、僕に言ってよ。道案内くらい? はしてあげる……から。また泣かれたらその……めんどいし」
そうだ。
泣かれるとすこぶる大変だ。
ハルヒロが泣かせたみたいな。もし人の目が合ったら、嫌だ。
「めんどいなんて、ひど〜。じゃあ、私が泣かないよう、ハルヒロ君にはこれからも頑張ってもらうしかないですね」
メイはとても、親しみやすかった。
初対面なのに、会話がしやすかった。
高校生、春。
ハルヒロとメイの出会いは、涙から始まった。
「いつか終わりが来る」
「ふりかえると愛おしく思う」
先人の言葉なんて聞こえないよ
わたしもわんわん泣きながら
ただ歯くいしばってやりすごす
そんな日々をきみは覚えてるんかなぁ?
《泣かないで》
どんなに辛いことがあっても、
泣くことを我慢してきた。
心配をかけるから泣かない。
大丈夫だと思わせたいから泣かない。
でも、心配していることをわかってもらうために泣くことを隠さない。
母が泣くと言うことは、それだけのことをしたと言うことをわかって欲しい。
大事な大事な子供だから。
蓼を食う 虫もこの世に いるかしら
藍を抱えて 泣くなよ乙女
あなたの涙を見たことがない
信頼を裏切られたときも
希望が打ち砕かれたときも
どんな失意のときでも
仕方ないさ、と
笑ってみせる
心の中で
ひとりきりで泣かないで
泣いていいよと抱きしめさせて
「泣かないで」
#261