『桜散る』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
去年
ベランダの片隅に舞い落ちて
残しておいた春の証明は
いつの間にか消えていた。
今年も春は来たはずなのに。
#20「桜散る」
桜散る。
桜散る頃も
2人に逢いたい。
桜散るのは
あっと言う間だけど
次の季節も
楽しみ。
私には
桜散る頃までは
花粉症だから
終わったのも快適。
苦
卒業だ。この学校から。僕には好きな人がいた。だけど、結局伝えられなかった。あの人はここから落っこちてしまった。あの人は3年生。僕は1年生。あの人は僕と同じ部活で先輩後輩の関係。いつも、部活の仲間や僕にわからないことがあったら教えていた。だからか、みんなあの人のことを「大人びた人」と言っていた。あの人が最期にいた屋上には遺書があって、書かれていた言葉は「大人になりたくない」だった。そうして、あの人は散ってしまった。
部活のみんなはそれを知らない。先生しか知らない。僕はあの人はいつも屋上で過ごすから、いつも隠れて見ていた。だから、一番最初に遺書をみた。
そして僕は、あの人のなりたくなかった大人になってしまう。
『桜散る』より
残り1枚、
はらりはらりと散っていった桜の花びらに紛れて、
お前が最後の涙を1粒流した事を、
俺は分かっている。
ここで眠る俺のために
毎日舞う花びらに隠れては涙を落とし、
今日、これで最後だと前を向いたお前へ、
キスのひとつも落とせねぇ自分が恨めしいが、
そんなことしちゃ前を向けねぇかと
1つ諦め、
落ちない涙を残り1枚の花びらに紛れて落とした。
「桜散る」
真夜中。
目が覚めた私は、窓から見える桜を見ていた。
雲で少し隠れた空の満月の光が、花が少なくなった桜を照らす。
私はずっと、動き行く空を横目に桜を見ていた。
その桜の木の花は、少し青っぽい、暗い色の空にだんだんと奪われるように散っていく。
散った花びらが、眩しい、早朝の出たばかりの太陽の前を何度も横切っていく。
遂に、花が無くなってしまった。
それと同時に、私は『残念だけど、しょうがない。』と思った。
私は、昔、こんな癖があった。
物に『~さん』や『~ちゃん』とつけていた。
今となっては馬鹿のようだが、あの何も知らない純粋な時だからこそできたことだろう。
じゃあね、桜ちゃん。また来年。
同時に、昔の友達のことを思い出した。
もう、会えないだろうけど。
人生も、桜のようだ。
『桜散る』
春先の2週間ほどは落ち着かない
遠回りしては桜の木を訪ね歩く
気持ちだけ先走って春めいて
まだ冷たい風に身を縮める
桜が咲いて写真を撮って
いつもの雨が降り 風が吹き
はらはら散るのを眺め
瑞々しいみどりが
あっという間に溢れたら
もう初夏を思わせる
土や草のにおい
散る桜はみごとに
季節の幕を引いて行ったんだなぁ
「桜散る」
#79
桜散る
どんなに華やかでも
散ったら動かない塵芥
地面に散らばる残骸が
つい今しがたまで動いて
呼吸していたことさえ疑わせるほど
呆気なく虚しい
生命が尊いと言われるのは
末路が可哀想なのが決まってるから
4月〇○日
親友の誕生日が過ぎた何日か後に
桜はどんどん散っていった
何だか寂しそうに
悲しそうに
散っていった
でも大丈夫
私達は何時でも繋がってるから
安心して!
また逢えるから
泣かないで
大丈夫
大丈夫
また桜が咲いたら私達はまた逢える
でも散ればさよなら。
なんかね私も泣いちゃいそうだよ笑
『大丈夫!私達はずっと親友だよ!』
って親友に言われたから
頑張るしかないか笑
また桜が
咲いて
散って
また蘇って
私達も桜の様に
逢えて
さよなら
逢えて
さよならの繰り返し
またね大親友よ
桜が咲いた
満開
気を取られている間に散る
私の気持ちのように
雨に打たれ
人に踏まれ
次、桜が咲くときは
ずっと咲いてたらいいな
それと私のココロも満開になるといいな
こうして、毎年私の長い春は過ぎる
〈桜散る〉
今年も美しく花開き
そして束の間の華の宴
直ぐに散ってしまうこの潔さ
短いからこそ来年がまた楽しみというもの
決して儚いとは思わない
自分の魅せ時を承知している
そしてわたしもこうありたい
「桜散る」
さぁーーと
あっと言う間だった
ピンクのヴェールは
優しさの余韻一つ
残さずに
私の目の前から消えて
あとに残るのは葉のみ
これから実が実るのかしら
この桜の木に
途端に
興味が失せてしまった
やはり咲いてたほうが
美しいのだ
桜も
女も
桜の木に背を向けて
歩きだす
散って
果実を実らせなかった
女は去らなければ
次の春に向けて
歩きださなければ
桜散って
余韻などに浸る間もなく
桜散る
桜は咲き乱れ、そして散っていく。
まるで人間の若さのようだ。
一生懸命に咲いて、あっという間に
青春は過ぎていく。
青春、それは人生の春。
人生の春というからには、
満開になるまで頑張りたい。
でも、思ったように花開かなくても
無駄なんてことはない。
花びらが散ってしまっても、
また次の春を待とうじゃないか。
桜散る
桜が散るのは、一瞬。
いざこざな人間関係も一瞬で終わればいいのに、
そうしたら、自分もみんなも幸せになるに違いない。
#22 桜散る
季節の移ろいに境目はなくて
新しい季節はだんだんと
ひとつずつ明らかになっていく
だけど、桜の季節だけは
そんなふうにはできていない
まだサイズの合わない制服姿で
降りしきる桜の雨に打たれるがままのぼくは
初めて、別れというものを知る
遠くに行ったきみへ
何を言えばよかったのだろう
黒塗りの誘拐犯の後ろ姿を
眼鏡の奥、ただ青に光る瞳に焼き付けて
無力なままに立ちすくんだ
桜の終わりは、季節の終わり
桜の終わりは、きみとの終わり
満開の桜を見に行こうと
毎年思っているのに。
気づいたら散ってる。
まだ、桜で感動するのは先って事?
見るまで死ねないじゃん。
#桜散る
誰もが花の種を持っていると、中学の先生は言っていた。
誰もが可能性の塊であり、桜のつぼみであり。
「君たちだけの花を咲かせることが、これからの人生の課題です」と。
桜の花が咲きかけた卒業式の日、涙ぐみながら私は先生の話を聞いていた。
あれから数年後。
私は、私だけの花を咲かそうと努力した。
美術大学に入るため、何枚絵を描いたかわからない。
私は必ず自分の桜を咲かせるのだと、手を止めることなく描き続けた。
桜が咲きかけた合格発表の日。
私の桜は、散ってしまった。
桜散る
ずっと一緒にいた。
楽しい時も悲しい時も。
当たり前のように続いてた。
しかし、幸せは終わる。
それは、分かってはいた。
桜散る頃、やってきた。
桜は苦手だ
青空に映える桜も
夜空に映える桜も
雪に添う桜も
雨に耐える桜も
散って舞う桜も
水面に浮かぶ桜も
地面に着いた桜も
踏みつけられた桜も
儚いくせに
ずっと綺麗だから
寿命が尽きても
ずっと綺麗だから
その鮮やかな桜色が
私の目には眩しいから
あなたの美しさには
敵わないんだ
見蕩れてしまって
切ないんだよ
桜が散る季節
それは私が
上を向いて歩ける季節。
_ ₂₈
『桜散る』
ひらりひらりと舞う花びらは美しい。
儚いからこその、美しさだと思う。
夜桜になると、その美しさは妖艶になる。
桜散るように、儚く美しい人生にしたいものだ。
(儚さとは無縁に生きてますけど)
桜が咲く時季にだけ現れるあの人に会うために、南から北へ旅をする。「君も難儀な人だね。よりにもよって私だなんて」と笑うだけで決して突き放しはしない、優しくて残酷な人。
「そう思うのなら、連れていってちょうだいよ」
「それは困ったなあ」
彼の通った直後に桜が咲き、彼がその土地から離れると散っていく。
桜の季節しか会えないあなたとの一年に一度の逢瀬。この旅が昨年より一日でも長く続くようにと祈りながら、終わりを知らないふりをして歩いていく。
【桜散る】