『暗がりの中で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
暗がりの中で、僕はきみを想う。
あの人の第一印象は美しいと思った
まるで平安時代の貴族のように美しさを感じ取れた
あの人のくしゃりとした笑顔を生涯忘れられない
今の僕のこころは空っぽだ
あの人がいたときのこころが熱く火照ることはない
今は求めている
きみに変わる何かを
それでも僕はきみを想い続けるだろう
命ある限り。
暗い森の小道で子ギツネに出会った。
その子は自転車の僕に気付くとすぐ道の脇の熊笹の茂みに隠れた。
この辺に巣があるのかなぁと辺りを見渡しながら自転車を漕ぎ進めると、なんとその子が付いてきている!
住宅街に差し掛かっても3mほどの距離を保ちながら付いてくる。
無人駅の前では、試しに小さなロータリーを2周してみた。それでもずっと僕の対角線を走っている。
なんか愉しくなってきて、その子の足音を聴きつつ時々振り返りながら一緒に走った。
自宅まで付いてきたらどうしようかなぁと思いながら走っていたら、1kmほど走った辺りだろうか、いつの間にか足音が聴こえなくなりその子は居なくなっていた🦊
子狐の人懐こさに驚きつつ
付かず離れずランデ·ヴー愉し
#暗がりの中で
暗がりの中で
暗がりの中で
耳をすませば
両親の声
未知なる世界の音
「もうすぐ、会えるね」
水に浮かんで
鼓動のリズム
期待と不安の日々
十月十日過ぎ
ついに、出て行く
初めての光
探した「ママってだれ?」
暗がりの中で
まぶた閉じれば
両親の声
わたしは、愛されていた
暗がりの中で
暗がりの中で、
月光に浮かぶ、君の影。
闇に染まる、私の影。
静寂の帳に包まれ、
二人だけの、
愛の誓いを交わす。
この世で最期の誓い。
虚構の結婚式。
純白のドレスも、
軽やかなベールも、
華やかなブーケもない。
ただ、布の白に包まれた君。
互いの指に、
見えぬ指輪を交わす。
二人の温もりだけが、
唯一の証。
愛を誓い合い、
誓いの口付を交わす。
全てが消え去っても、
君と共にあるならば、
それだけで満ち足りる。
病める時も。健やかなる時も。
富める時も。貧しき時も。
そして、
…死せる時も。
暗がりの中で、
君と私は永遠を誓う。
冷たい静寂が深まり、
時は静かに止まる。
何があろうとも、
決して君の手を離さない。
さあ。二人で、
最期の一歩を踏み出そう。
…永遠の闇へと。
#12 暗がりの中で
眠れないまま明日を探していました。何も見えないまま、必死で手を伸ばして。
明日は明るいのだと誰が保証してくれるのでしょうか。探し当てた明日は絶望かもしれないのに。
それでも、ほんの少しの明かりを辿るように、明日を探すのです。
眠れない夜の騒がしい孤独。暗がりの中で、静かに確かに声を上げて、明日を。
「はあ……はあ…………」
じっとりと額を流れていく冷や汗。さっきまで見ていた悪夢が、まだ脳内に焼き付いている。現実離れした内容なのに、現実に起きそうな嫌な感覚がまとわりついてぼくを離さない。
一体どうしてだろう。最近見る夢はどれも現実離れした悪夢ばかりだ。ある日は得体の知れない怪獣のようなものに追いかけられてみたり、またある日は拷問されている人を眺めていたり。それはもう気持ちが悪くて、また寝ようなどという気持ちが全く湧いてこない。何度寝たとて悪夢を見て飛び起きそうな、嫌な予感がぼくをしっかりと捉えて「寝るな」と警告しているみたいだ。
確かにぼくは生まれつき運が悪い。何をしても裏目に出るし、何も起きずに外出を終えられたこともない。だからといって睡眠まで奪われてしまえばその先に待っているのは【死】のみだ。それだけは避けたい。
「ふぅー……」
やっと乱れていた呼吸が落ち着いてきた。カラカラに渇いた喉を潤そうと、スマホの灯りを頼りにキッチンに向かった。コップを手に取り水を入れようと蛇口を捻るも、水が出ない。今日は30度を超えた熱帯夜だ、水が凍っているはずなどない。かといって水道の水が自然の熱で蒸発するはずもない。こんなことがたまにあるのだ。
やはりぼくは運が悪い。
諦めて冷蔵庫の牛乳を取り出すことにした。少しずつコップを満たしていく、ほんのりと甘い香りを放つ白い液体。一気に飲み干せば口いっぱいに香りより強い甘みが押し寄せて身体中に染み渡っていく。潤った喉に満足してベッドに戻ろうと思った時、ふと窓の外が目に入った。
「……綺麗。」
いつもは気にも留めなかった窓の外。そこには無数の星々が煌めいていた。一階だからか他の家に阻まれてあまり見えないけど、それでも物凄く綺麗だ。
なんだか無性に嬉しくなって気がつけば数時間見とれていたらしい。真っ暗だった空はいつの間にか白みがかっていた。今日も仕事があることなんて気にもならないくらいゆっくりとした時間を過ごせたのは、認めたくないけど悪夢のおかげだ。ぼくの運の悪さも少しは役に立つ日があるんだ。
少しだけ、ぼくは自分を好きになれた気がした。
お題【暗がりの中で】
暗がりの中で見る光は眩しすぎて、わずらわしい。
他人のことを喜べない今みたい。
【暗がりの中で】
『暗がりの中で』
部屋を暗くして、
鉄塔が赤く点滅をしている景色を眺めていると
懐かしい気持ちが込み上げて来る。
点滅するその光は
私の鼓動と同じように一定のリズムを刻み
心地が良い。
その光は、忘れていた子供の時の
感情を思い起こさせて
自然と自分の心の中が解放されて行くようだ。
大人になると
泣く場所も笑う場所も
子供の時のように自由に得られない。
虚勢や見栄を張って
自分の心を偽っている。
泣きたい時だって、大きな声で笑い時だって
無理矢理
気付かないふりをして、
自分の心を隠したままでいてしまう。
行きたい場所があると分かっていても、
見つけにいかないまま、
大人を過ぎて行く。
行き着く場所が無く、落ち着かない心は、
限界の範囲さえも分からなくなって、
いつしか心を少しずつ壊して行く。
自分でも気付かないままに壊れて、
残るのは苦しさだけ。
だけど、もし、
その苦しさに気付けたのなら
立ち止まって欲しい。
そのまま暗がりの中で、彷徨う位なら
どんなに小さくても良い
明るくなくても良い。
せめて、指先が少しでも見える位の
あなただけの光を見つけて。
どこかに溶け込めるようにと生暖かい奥へと進み行く身体。カチャカチャうるさい卵焼きと、あ行から始まるやさしい掛け声を聞かなくなっちゃったのはいつからだ。気づけばそこに申し訳なさはなくて、気づけばシャンプーもなくて。丸めようとしたら嫌らしい誤りが勝ってしまった時のダンゴムシからでる汁ってなんでこう血でもなく透明でもなく、白なんだろう。
劇場が好きだ。まず、暗いのが良い。
様々な娯楽で溢れている昨今、それこそスマホで鑑賞できないものはほとんどないであろうご時世でも、アイドルや歌手のライブ、劇団の劇場などには、今も撮影の制限がかけられている。
肖像権などの問題の他に、今一緒の時間を過ごしている という特別感や一体感が生まれるのだろう。動画や写真撮影の立ち入りをほぼ一切許さず、また数時間に渡って、ステージを見るためだけの行為というものは、私にとってある種の高揚感を与える。
スマホもいじれずつまらないという人もいるだろう。
けれど少なくとも私にとってみれば、そんなことを悩むくらいなら、そもそも安くない料金を払って観劇するものでもない気がする。「つまらない」人からしてみれば、観劇なんてそれこそコスパがよくないだろう。
ただ暗がりの中の席から、スポットライトを浴びて歌い踊る彼らを観る時間というのは、極めて贅沢。
その暗闇に身を委ねる甘美な胸の高鳴りが、私を光のステージの世界へと誘う。
真っ暗な劇場の中で、ステージだけが光り輝き、燦々と煌めく。
観劇は好きだ。暗くなければ意味がない。
お題/暗がりの中で
勉強は楽しい。
シャーペンやボールペンの書く音が好きでさ。その音を聞くために、勉強してるというのはあるかな。
でも難しいんだよね…頭こんがる…。
数学は特に苦手かな、国語や社会は得意かも。理科と英語は普通、かな…単元次第にもよるから。
でも勉強しても無駄なんだ。
努力をしても誰からも見られない。そもそも報われることすらない。
もう終わりだよね。その上くらべられてさ。
比べられることがいっちばん嫌。
嫉妬し続ける自分も醜すぎて嫌になる。気持ち悪くなって。
もう何すれば認められるんだろう。
僕が何やっても認められることなんてないのかな。やっぱ諦めるしかないのかな。
どれだけ嫌で嫌で泣いても勉強したって。
結局は無理。誰も、僕のことなんて見てくれなくって。
人気のある子ばかりを見て。なんで?僕も頑張って頑張って、頑張ってこの点数をたたきだしたのにって。
そう考えるともう無理なんだろうな。
いつの間にか暗がりの中で佇んで。なにもする気にも起きなくって。なにもしたくなくて。
ずっとぼーってしてるだけ。無駄な時間だね。
今はもう…なんというか、報われたいとか認められたいっていう気持ちはたくさんあるんだよ。
でももう無理だろうなって気持ちもあるから。勉強は普通に楽しいからやってる。
その度に虚しくなってるだけだけどね。
もうすぐで定期テストがあるんだけどね。嫌だなぁ。
またうちが苦しむじゃんか。あの子の、彼奴のせいでさ。
別に彼奴が全部悪いって訳じゃあないけど。ただこっちが勝手に嫉妬してるだけど。
褒められて浸ってる彼奴を見てうちがどんな気持ちになるか。理解してくれる日なんて来ないだろうけど、きたらいいなって。
何も見えず、何も聞こえない
暗がりの中で、ただ静かに目を閉じている
煌々たる光が生む眩しさに
私は恐れ逃げ出し
安寧と静寂を守る闇夜に隠れ
全てが過ぎ去るのを待っていた
ただ息をすることが、酷く苦しかった
しかし、いかに残酷であろうと
人生とはきっと儚く美しい
足元を微光が照らした
この暗がりを抜け
今度は光の下で生きねばならない
刹那の憩いの中で
世界を照らす光の暖かさに
一体どれほど焦がれたことか
全てを隠し安寧をもたらす闇の静穏たるを
一体どれほど望んだことか
闇夜に一筋の光
瞬く間に流れていく
願いが叶いますように
闇夜に無数の光
煌々と輝く
美しさに息をのむ
闇夜を照らす光
神々しく見守ってる
手をかざしパワーをもらう
秋の夜長
心地良さを感じる風
楽しむ静寂のひととき
〜 暗がりの中で 〜
プツンと何かが切れる音がした。
気が付くと制服姿のまま家を飛び出していた。
空がオレンジ色に染まって日がもうすぐ落ちようとしている。行くあてもないままただただ走っていく。てかあっても畑くらいだし。もう畑の中にでも住もうかな。
出来もしないことをふわふわと考えていると急に地面が近づいてきそのままぶつかってしまった。どうやら私は転んでしまったらしい。
ひんやりと冷えている土が心地よく感じた。荒い呼吸音と風に揺られる草達の音、しばらくするとどこかから誰かが歩いてくるような音が聞こえてきた。
さすがに倒れた女の子がいたらびっくりされてしまう。重たい体を起こし顔を上げるとバチンと音の主らしき人と目が合ってしまった。
年の近そうな男の子がなんとも言えない顔で私を見つめている。絶対こいつ失礼なこと思ってるだろ。
「…どっか良いとこ連れてって」
なんとなく、その男の子に向かって言った。眉間に皺を寄せてすごく嫌そうな顔をし、そのまま私に背を向け歩き出す。
まあさすがに突然そんなこと言われたら誰でも困るよな、と思いながら私ももうすっかり暗くなった道を戻ろうと男の子に背を向けると後ろから「良いとこ、今から行くけどお前もくる?」という声が聞こえた。
振り返ると彼もまたこちらを見ていた。
沈黙の中、ふたり並んで歩いていく。しばらくすると彼が口を開いた。
「いつも思ってたけどこんな時期でもカーディガン着るとか暑くないのか?」
「いつも?どっかで会ったことあったっけ?」
「失礼だな、クラス同じだぞ」
あーそういえばなんか顔見たことあるなとは思ったけど
「ごめん、まだ全員の顔は覚えてないんだ」
「まそれもそうだな」
話しかけた時はすごい嫌そうな顔をしていた気がしたけどどうやらそうでもないらしい。数分ほど歩いていると何か光っているようなものが見えはじめた。
「わあ…」
思わず声が出た。光っているものの正体は数え切れないほどのホタルだった。絵本とかテレビとかで何回か見たことはあるけど実際に見たのは初めてだった。
「すっごく綺麗!!こんなとこがあったんだね!!」
笑顔で彼に向かって言うと少し笑い、ホタルの方へと目を向けた。
「…なんかあったんだろ。話聞くぞ、僕でもよかったら」
「その感じで僕呼びなんだ」
「うるせぇよ」
暗がりの中で1匹、彼のホタルが私の心の中で小さく光った。
〖暗がりの中で〗
手を伸ばせばあなたがいた
名前を呼べば返事があった
手を伸ばせばあなたに触れられたのに
あなたの名前を呼べば返事をしてくれたのに
今はあなたが見えない
あなたからの返事がない
どこへ行ってしまったの?
私を置いて…
私は暗がりの中
あなたを必死で探し続ける
【暗がりの中で】
[まゆ 私の人生No.❓]
私が幼稚園から帰ってくると、ママは料理を中断し、携帯でパパと話していた。電話が終わるとママは私に言った
「おかえり。そうだ、まゆ」
「何?」
「今日はパパが仕事から早く帰って来て、良い所に連れて行ってくれるみたい。それで、ついでに外へ食べに行く事になったから着替えてパパ待ってよっか」
「良い所って?」
「行ってからのお楽しみ」
そう言ったママの表情は、とてもワクワクしているみたいだった
服を着替えた私は幼稚園での疲れが出たのか、リビングのソファに座って録画していたアニメを見ながら何度か寝落ちしそうになっていた。録画していたアニメを丁度見終えた頃、パパが帰ってきて家族3人で、車で1時間程の場所にある街へと向かって、その街のファミレスで夕食を食べた
夕食を終えると外はすっかり暗くなっていた。店を出るとパパが、私が 暗がりの中で 迷子にならない様にと、私をおんぶして歩いた。それから少ししてパパが足を止め、私達に言った
「いよいよだぞ」
次の瞬間、さっきまで暗がりだった景色が一変し、街の至る所が綺麗にライトアップされた
そう、パパがママと私を連れて来た良い所は街を使ったイルミネーションだった。その光景に私は思わず声を漏らした
「綺麗」
想像よりも、それは綺麗な光景だった。パパの背中から初めて見るイルミネーショはまるで、夢の中に居るかの様だった。そんな綺麗な光景を眺めていた私だったけれど、程よい満腹感と、幼稚園での疲れと、おんぶ中に感じる心地よい振動によって、イルミネーションを見ている途中で私の意識は途切れ、パパの背中の上で深い眠りについていた
それから私が目を覚ました時は既に深夜で、私はパジャマを着て布団で寝ていた。その状況に私は最初、夢と思っていた。だけど朝になってママが、昨日のイルミネーションの写真を見せてくれた。そこにはパパにおんぶされて気持ち良さそうに眠る自分の姿があった。
「もう一回見に行きたい。最後までイルミネーション見たい」
「それじゃあ、土曜日にまた3人で行こ」
「約束」
私はママと指切りをして幼稚園に行った。そして土曜日の夜、再びイルミネーションを見に行った。
それがきっかけで私はイルミネーションが大好きになった。
※この物語はフィクションです
暗がりの中で 作:笛闘紳士(てきとうしんし)
暗がりの中で、ここまで歩いた。
光は差し込まず、
ただ足元のレールの感覚を頼りに
その道筋に沿って辿ってきた。
このレールの先にあるのはきっとただの袋小路。
何も選ばなかった己の袋小路。
【暗がりの中】
暗がりの中で見た月はいっとうに明るかった。
柔らかく包み込んでくれる光はあたたかいようでつめたく、どこかさみしかった。
誰問わず照らすその光はどこまでも平等で、いつまでも孤独だった。
あんま迂闊に褒めないで欲しい、
その言葉だけを引き摺るから
僕はずっと暗闇の中を歩いていた
人の笑いや怒りが不可解で
無表情だったから先生に叩かれた
宿題をしてこなくて正座させられたけれど
全く何も考えなかったし悪気も無かった
普通になることいつからかそれが目標になった
何もわからないから
いじめられることもあまりなかった
友達は僕を誘ってくれた
けれどずっとそのままではなかった
いくつもの壁が立ちはだかった
少しずつ色々なことが見え始めて
高校の時お前に友達なんかいないぞと言われた
僕は初めて泣いた
社会に出てからも何度も躓いた
そして10回以上転職したと思う
今はもう履歴なんかわからない
人並みの悩み苦労そんなものは本当の苦労ではない
本当の苦労は人にはわからない苦労だと思う
私はそんな苦労を物心ついてからしてきたから
人にわかってもらえるような苦労で泣こうとは思わない
今はずいぶん普通に働いている
営業的なこともしている
年齢がいくほど霧が晴れて今が一番幸せだ
今では老眼も出て髪も薄くなった
あっという間にここまで駆け抜けてきた
瞬きしているうちにここまで来た気分だ