『愛情』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『愛情の庭』
カンパネラが去った後 白濁した記憶の断片 ごめんねと言えばよかった 後悔はいつも口ごもりしているね 小さな裏庭 種を蒔く かつてセージが咲いていた場所 荒地からあなたへ 届けばいいな 届いてくれたらな
宿題をしないといつも叩かれた
だから娘を叩いた
なんでも上手くやらないと暴言を吐かれた
だから娘にも暴言を浴びせた
そうしていつの間にか、娘に自分の影を見るようになった
そんな娘が不気味で、突き放した
娘は私の元を去っていった
私が悪いとわかっていながら過ちを正せないでいた
娘には私のようになってほしくなかった
だから、私は追わなかった
1127 愛情
愛情
小さい頃から不自由ないお金と欲しいものを与えられ生きてきた。
それが愛されてる証だと思ってた。
私以外の兄姉は両親と一緒に食事したり、旅したり、喧嘩したり、笑ったり。
そんな思い出の多さこそが愛情をかけられた証拠。
家族の証
私は本当の愛を知らずに生きてきた。
本当の家族を知らずに生きてきた。
それ以前に、
誰にも愛情を与えられなかった私に愛情が与えられるはずはない。
愛は平等とはそういうこと。
end
愛情
ボクは感情表現が苦手だ。
何より、ボクは恋愛が特に苦手だ。
正直、ボクは人の事に興味はない。
男、女、という考え方にも興味はないし、
前に学校の人と話をしていて、恋愛の話をして全く理解が出来なかった。
そういう恋愛観も無ければ、きっとボクは付き合いづらい生物であり、中身は臆病な妄想空想想像大好き変な奴なのだから、尚更好きになった相手は困惑するんだろうな、と思って生きていた。
だから、
恋愛として好き、男女として好き、感情を出すのが苦手、
なボクは、好きになっても遠目で見る事しか出来なかったな、と思う。
そんなボクでも、今一番仲の良い人がいる。
その人はとんでもなく面白い変な人だった。
その人は虹色のステンドグラスが常に心の太陽で光っていて、その中で環境や相手との関係に溶け込む為にいろんな色に合わせやすい緑色に、芯の強い黒色が綺麗な人で、ボクはそんな凄い人と仲が良い。
見た目は凛としてキリッとしてる生真面目そうで、凄くミステリアスで男女か分かんないぐらい、とにかく究極の美、と思ってしまう程、神秘的な人なのに、中身はすぐにその場で反射神経のように喋ったり歌ったり踊ったり、一緒に変な高いノリについてきたり、時にはちゃんとしっかりはっきり言い合いもできる、本当に心の底から変な人だった。
このギャップにボクは心臓が星みたいにキラキラ輝いて、
この輝きをボクは忘れずに、ずっと相手をしてもらった。
ボクは本当に感情表現が苦手、つまり、愛情表現も苦手なのだ。
愛情と言うのは、本当に難しいものだと思った。
相手に自分の気持ちを伝えるのは、軽装備でエベレストに登るぐらい難しいし、その山という壁を乗り越えるのも難しい。
想像力がある分、ボクはいろんな事を考えるから、すぐに迷って、悩んで、考えて、動けずにいる。
しかもそれを伝えずに、一人で考え込むから良くなかった。
けど、その人はそんなボクの話を聞いてくれた。
お互い、考えることや好きなこと、嫌いなことも真逆だった。
唯一、趣味は一緒だったが、それ以外は全部真逆で、意見の話し方も真逆だから、ぶつかる事もある。
お互いに、何故、アナタはそう思うの?と思っているだろう。
けど、それが良かった。
その人はボクの考え方を面白い、と思い。
ボクはその人の考え方を素敵だ、と思った。
そこから思ったのは、
愛情というのは、相手を理解すること。と思った。
何かと思うのは、自分だけの愛情はきっと、相手に伝わなければ愛情、つまり愛情表現とはならない。
一方通行の愛もあると思う、けど、ボクは思いを伝えるからこそ、愛情なのかな?と思う。
ボクは幼い頃から親にちゃんと愛情を貰った訳では無い、
からこそ、相手に思いを伝えるのは苦手だった。
ボクの気持ちは相手に伝わるのか?
こんなに感情を出すのも、表情に出すのも、自分自身の気持ちを話すのも、苦手はボクが、相手に伝わるのか?
そんな不安も吹っ飛ばしたのは、その人だった。
臆病のボクとは真逆の猪突猛進の相手はとにかく一緒にいて楽しかった。
ボクにとって、その人とは恋愛関係、というよりかは、
とにかく思いを伝えて大切にしたいな、と思う人だった。
そう思うのは、ボクにとって、ボクを認めてくれた人だったから。
愛情というのは、気持ちを伝えないと、
愛情と呼べないのかもしれない。
なんて個人の話だから、他の人がどう思うかは自由だ。
ボクはボクの考え、人は人の考え。
だからこそ、愛情というのは深い。
ボクはこれからも、愛情を伝えれるだろうか?
それはお互いが生きてる内に出来たらいい。
人の人生は長いし短い、けど、だからこそ伝えないといけない。
形も言葉も人それぞれだから良いし、ボクはボクのやり方がある。
それを受け入れてくれた相手を、大事にしたい。
それが、愛情だと思う。
なんて独り言を、ボクは今日も呟く。
愛情
愛情は激しいものより
穏やかな方がいい
恋愛してると
どうしても喜怒哀楽
色んな感情が激しくなるように思う
穏やかな愛情
穏やかな日常
あれもこれもっていうより
のんびり気楽な方がいい
って書きながら
年をとったからか?
って自問自答してる私
愛情とは 相手のことを思い 愛を与え続ける事かなと思う… いつも私のそばに居てくれる白いモフモフ君には できる限り言葉や行動で表現してるつもりだ 縁があって せっかく巡り合えた相棒なので これからも大事にしたいし 楽しく過ごしていきたい… 私ももっと頑張るぞ!
ポポヤ
『愛情』
愛情なんてそそがれなくていい
愛情なんてものを知ったら
もっと求めてしまう
「表面上だけでも愛がほしい」
いつもあなたに愛をたくさんあげてるのにどうして気づいてくれないの
他の生物のそれは表面上の愛だよ
心からの愛をずっとあげてるのに気づいてくれないんだね
「愛情」
#愛情
淡く濁った銀世界
空気と散った君と息
切れた指が痛む
思い出すのは、
君がくれた絆創膏
冷たいのに、苦しいのに
なぜか手に取るアイスクリーム
君が好きだった味
いつまでも続くリフレクション
神様願うリコレクション
こんな歪な愛でも、
受け入れてくれてありがとう
冬は溶けないから
まだこの中で歌ってる
また今日も、空を見上げて
君をアイス
恋人が欲しい。
っていうか貴女に振り向いて欲しい。
僕は愛情に飢えてるのかな?
こんなに貴女を一途に思ってるのに。
貴女は流し目で僕をみるだけ。
他の人に心を許さないで。
僕だけを見てよ。
これは間違いなく、ホンモノの愛情だよね。
お題 : 愛情 #56
自分で言うのもなんだけど、僕は愛情を表に出すのが苦手なタイプだ。
彼女に対してもそう。嬉しくても何でもないような素振りをしてしまう。
嬉しいことは素直に嬉しいと顔や態度に出せたらとても楽しいのだろうか。
彼女は愛情をストレートに出してくるから余計にそう思う。
ある日思い切って彼女に、いつもありがとう大好きと笑顔で伝えてみた。
そうしたら彼女は目をぱちくりさせた後、顔を真っ赤にしてうずくまって泣き出してしまった。
どうしたの? どこか苦しいの? 大丈夫? と慌てる僕に彼女は言った。
めちゃくちゃ嬉しいけど、突然の愛情過多は心臓に悪いからほどほどにして……と。
……僕はこういう時、どんな顔をすればいいのだろうか。とりあえず笑えばいいのかな……?
『愛情』
「俺のこと本当に好きなのか?」
「うん、好きだよ」
「俺とお前の好きは違うようだ。別れよう」
また今回も私は失敗した。なんで男ってのはそういうことをやった後で言うんだろう?
そういうあなたこそ、私のことなんて性欲を満たすだけの道具としか思ってないんでしょ? って言ってやりたい気持ちもあったけど、それは言わなかった。私も同じだからだ。
そそくさとシャツのボタンをとめてネクタイまできっちりと巻くと、彼は私のことを一度も振り返らずに出て行った。
私は仰向けに寝て、ホテルの天井を眺める。こういう時は一人になりたくない。一昨日も夜を共にしたカズユキでも呼んでみようか。
手を伸ばしスマホを掴むとカズユキの名前を探す。
「もしもし、カズユキ今暇?」
『ん? ああ、暇っちゃー暇かな』
「こっち来ない?」
『何? また欲求不満?』
「そんなところ」
私はカズユキに位置情報を送ると、ルームサービスでも頼もうと机に置いてあったメニューを開いた。このホテルは隣の居酒屋のメニューがオーダーできるらしい。
お酒は瓶や缶のビールか酎ハイかソフトドリンクだけど、ちゃんとした料理が食べられるのは嬉しい。ビール二本とサラダと、ポテトフライ、軟骨唐揚げと、お腹もすいたし焼きそばでも頼んでみようか。適当にオーダーして、料理が来るのを待つ。
部屋の端に設置された小さなエレベーターみたいなのが点滅して、そこに料理とビールが届いた。会わなくていいなんて便利なシステムだ。コロナとか流行ったし、人に会わない仕組みはこれからも増えていくのかもしれない。
コンコン
ドアがノックされた。たぶんカズユキだろう。私は全裸にバスローブだけ羽織ると、入り口のドアを開けた。
「何? もういますぐにでもって感じ?」
「違うよ。さっきまで彼氏、あ、元彼になったんだけど、淡白な感じ終わりを迎えたところ」
「あ〜なるほどね。ルミちゃんやっぱり別れちゃったんだ?」
私が別れるのをカズユキは予想していたらしい。誰にでも分かるのかな?
私は性欲が強い。だから週に一回じゃ足りないし、一晩に何度もしたい。だけど彼氏にそんなこと言えないし、疲れたが口癖の彼氏にそんなことを言っても断られるだけだと思って、他の人で発散するようにしてた。
一度だけ昔の彼氏には言ったことがあるけど、冗談だと決めつけられて流された。それで余計に言えなくなったんだ。
彼氏としてはそんな私の行いが気に入らなかったようだ。私としては最大限に気を遣ったつもりだったけど、それは世間の一般常識からは外れているらしい。
「好きだったんだけどね……」
「だろうね。我慢してたんでしょ? 彼氏のために」
「うん。だけど、ダメだった」
じゃあどうしたらよかったのか。好きだった。だから彼のことを優先したし、彼が望む私でいようと頑張った。それではダメなのか。
「これ、食っていい?」
「いいよ。そのポテト、めんたいディップ美味しかったよ。ビールも飲んでいいよ」
「本当だ、これ美味いな」
カズユキはホストで、店は0時からだ。だからそれまでは一緒にいてくれる。深夜に営業が終わった後もアフターがなければ一緒にいてくれる。
カズユキがなんでこんなどうしようもない私に付き合ってくれるのか。それは体だけの関係だからだ。
「俺のことは好きにならないくせにね〜」
「カズユキはそんなの求めてないじゃん。愛とか恋とかさ」
「それはそうだね〜俺はそんなの信じない」
カズユキも孤独な人だ。誰の愛も信じられないらしい。母親に捨てられた過去がそうさせると言っていたけど、本当のところは分からない。
こうして私たちみたいな人間は外れもの同士肩を寄せ合って過ごすしかない。
私はなんでこんなに性欲が強いんだろう? カズユキに抱かれながらそんなことを考えた。肌と肌が触れ合うと安心する。一人じゃないと感じる。私にとっては性欲と愛情は別ものなんだけど、それを理解してくれる人は少ない。
「必要とされたい……」
「どうした? 俺が必要としてるよ」
「違うの。私は愛情も欲しいの」
「それは俺では無理だな」
私は分かっていてカズユキにそんなことを言ったんだ。カズユキだって人を愛したくないわけじゃない。愛したいけどできないんだ。私は酷い。
「ごめんね」
「謝らなくていいよ。愛してるってどんな感じ?」
「分かんない。私も愛とか分かんないかも。いつも間違ってるって言われるし」
「なんだ、分かんないの俺だけじゃないのか」
「そうだね。愛ってなんだろうね? でも私にとってカズユキは大切だよ」
「そっか。俺もルミちゃん大切だよ。やらせてくれるってだけじゃない。理解しようとしてくれるし、辛い時にそばにいてくれる」
他人がどう言ったっていい。愛が分からなくてもいい。カズユキは私のことを大切だと言ってくれた。今はそれ以上に望むものなんてない。二人だけに分かる関係でいい。
(完)
また、明日から仕事だな
生活保護以下の給料で
生活しないといけないの真面目に
何とかして欲しいわ・・・・
《題名:愛》
愛が欲しい 愛が足りない
なんて愛を探してる僕ら
愛の証 たった一度のハグと
いくつものキスなんだって
愛がそんなに欲しいかよ、なんて
叫ぶ僕らは愛に飢えていた
愛したい 愛されたい
愛しなきゃ愛されないことわかっているから
愛にだって形がある
愛にだって時間がある
愛にだって重さがある
愛にだって行き先がある
愛したい 愛されたい
愛しなきゃ愛されないことわかっているから
(テーマ:愛情)
愛情
それを強く抱くのはまだ先かもしれない
それに、今の私はそれがなんだか分からない
けれど
「この人が幸せであって欲しい」
「この人の笑顔を守ってあげたい」
と無条件に願ってしまうことが愛情ならいいなと思う
「愛情」
赤ちゃんに愛情を注ぐってよく聞くけど、
どこからどこまでが愛情で、過保護で、虐待なんだろう。適度にっていうけど具体例を出してくれないと世間と感覚が違う気がして怖い。それに赤ちゃん時代の愛情の注ぎ具合によって、大人の時の性格(?)が変わるのもよく聞く。まだ子供いないから大丈夫だけど、子供ができたら愛情が注げるか不安
愛情に見返りを求めてはいけない
まぁ、理解は出来る
こちらが愛情をかけたいと思っているから
見返りは求めない
だが、愛情をかけたいと思わなくなった瞬間
会うことすら無理になる
愛情とは湯水のように湧くものではない
時として枯れることもある
枯れたら再び湧くことはほぼ無いだろう
【愛情の形】
午前8時頃、私は車窓から景色を眺めている。
自然溢れる景色が次第に都会に染まっていく。
学校に近づくほど、胃がキリキリと痛みだす。
1時間後、私は270日ぶりに教室に入るらしい。
不登校では無くなるらしい。
遂に学校に着いてしまった。
今は始業式の途中だ。
なので、周りには誰もいない。
昇降口には担任の先生と保健室の先生が、
並んで私を待っていた。
「おはようございます〜」
先生とお母さんが挨拶をする声が聞こえる。
その後も何か喋っていたような気がするが、
私は不安で何も覚えておらず、
気づけば担任の先生と一緒に廊下を歩いていた。
「この後先生は転校生を迎えに行くから、先に席に着いてていいよ」
え、教室に先生がいてくれるわけじゃないの?
そんなの、絶対に気まずいじゃん…。
なんて言えず、唯一「……はぁ、」という相槌しか打つことができなかった。
教室の前に着いた。
壁越しに楽しそうな声が聞こえる。
扉を開ければ、私もその世界に飛び込める。
本当に?
私には見える、
皆がワイワイと楽しんでいるところに、
私がいきなり扉を開けて、
「え?」と困惑するところが。
その時の皆の顔は、私にとっては見るに堪えない光景だろう。
「じゃ、扉開けるよ。いい?」
「……はい。」
「大丈夫、うちのクラスは優しい人ばかりだから。」
そう言って、先生は私の背中をトントンと軽く叩いた。
先生にとってはエネルギーの注入のつもりなのだろう。
それが私にとって、エネルギーなのか毒なのか分からなかった。
先生が教室の扉をガラガラと開けた。
「さ、入って」
先生が耳打ちしたのを合図に、私は教室に足を踏み入れた。
いや、踏み入れるしか無かった。
私はずっと下を向いていた。
今、皆はどんな顔をしているのだろう。
私はそれを見るのが怖い。
肩紐をぎゅっと握り締めて耐えるしか無かった。
辛い、辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い…
「海愛ちゃん、」
誰かが私を呼ぶ声が聞こえた。
思わず顔を上げると、
友達―かのんちゃんがいた。
「ここ、私の隣だよ」
そう言って、隣の席を指差している。
「ありがとう」
私は席に着き、辺りを見回した。
本を読んでいる人、
勉強している人、
大勢で騒いでる人、
スマホを観ながら会話している人、
色々な人がいた。
ああ、私は浮いていない。
きっと皆にとって、さっきの出来事は些細な事に過ぎなかったんだ。
私はそれが嬉しかった。
変に心配されたり、困惑されたりするのは嫌だった。
だから、この空気感が心地よく思えた。
「おーい、皆うるさいぞ」
先生が皆を叱り、空気は一気に氷柱のように冷たくなった。
「……、この後転校生来るぞ」
「よっしゃーー!」
「マジで!?」
「やったぁ!」
氷柱が一気に溶け、再び空気が温かくなった。
「海愛ちゃん、転校生だって!」
「うん、ワクワクするね!」
私は少しだけ考えた。
先生が始業式の日に学校に来るように勧めたのは、転校生が来ると分かっていたからなのかな。
転校生の存在によって、私が変に浮くこと無くカモフラージュできるから、なのかな。
もしかすると、の話だけど。
「長瀬あいりです、大阪から来ました!」
転校生―あいりちゃんは、とても明るい子だった。
「え、大阪弁しゃべれるの?」
「しゃべれるでー。
ま、そんなコテコテでは無いけどな。」
「もうかりまっかー?」
「ぼちぼちでんなー、
ってそれあんまり使わんねん!」
うわぁ、本当に大阪弁だ。凄いなぁ。
あいりちゃんとは席が近いこともあり、
3人でに一緒に過ごすようになった。
「ここって静岡やねんな?
静岡弁ってあるん?」
「あるよ。でも、あんまり聞かないかな。」
「うん、近所のおじいちゃんおばあちゃんが使ってるくらいかな。」
「へー、皆使ってるわけでは無いんやなぁ」
あいりちゃんの大阪での話は、どれも面白いものばかりだった。
「よく『大阪の人はたこ焼き毎日食べてるんやろ』って言われるねん。
そんなわけないやん。飽きるて。」
へえ、大阪の人って毎日たこ焼き食べてるわけでは無いんだ。
私が再び学校に登校し始めてから、あっという間に2週間後が過ぎた。
勉強は案の定難しくて、頭が混乱する毎日だ。
部活は……、
未だにバンドのメンバーと会えていない。
1回だけ、廊下ですれ違ったけれど。
目が合った瞬間、相手はビックリして目が真ん丸になっていた。
しかし、1秒も経たないうちにすっと視線を逸らされてしまった。
仕方ない。
きっと、そんな簡単に話せる仲ではないのだ。
そんな折、ある人から手紙が届いた。
手紙の差出人は、槇原さん夫婦だった。
「愛情」
人にとって
必要不可欠かもしれない。
だけど1番
邪魔なものなのかもしれない。
こうして私を縛るもの。
「生」で私を縛るもの。
生きる呪縛。
見返りを求めない、ひたすら愛しいもの。
そうでありたかったけど、私には無理だったもの。