『愛情』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私の母は、そよ風みたいな人だった。
月白色の髪を一本の三つ編みにして、紫翠石みたいな綺麗な目をしていて、
白磁器みたいなすべすべした温かい肌で、よく私の頭を撫でてくれた。
私には、たくさんの兄弟姉妹がいたけど、皆、一人ひとりを見てくれた。
母は仕事が忙しくて、あまり家に居なかったけど、
私たちの面倒を見る人たちが、たくさんいて、その人たちが色々してくれた。
母は、よく私たち一人ひとりを抱きしめて『世界一の宝物』と言っていた。
それを言われると、私は嬉しくて、嬉しくてたまらなかった。
たくさんの愛情を注ぎ、時には諌め、よく褒めてくれる、そんな母だった。
時は経ち、旅立つ頃に成った。
その時、気が付いた。いや、ずっと…どころか、違和感が在った。
何故、そんなに若いのだろう…と。
何故、そんなに仕事を教えてくれないのだろう…と。
何故、容姿が全く似ていないのだろう…と。
そう、母と私では…どう考えても年齢的に親子では無いこと。
そして、私は後に知ることになる。
本来なら、赤子の頃に家族と共に秘密裏に処刑されていたことを。
当時処刑人だった、まだ子どもだった母が、私を匿い、戸籍を変え、
私が成人するまで育ててくれたことを。
そして、私の実の家族を処刑した人でも、在ったことを。
もし、あなたが最低な人だったら、激怒し、恨むことが出来たのに。
もし、あなたが沢山の愛情を注いでくれなかったら……。
あなたは、私の家族を殺した人。
そして、あなたは…誰がなんと言おうと、唯一の私の母だ。
血の繋がりは、無い。
でも、あなたが私に沢山の愛を注ぎ、育ててくれたは、何一つ違わぬ事実だ。
だから、私は…あなたを…母を…赦す。
だから、私は…これまで通りに母に接する、大好きな娘として。
『─親愛なるお母さまへ
本当のことを話してくれて、ありがとう。
これまでも、これからも、あなたのことが大好きな娘より』
付き合って1年半経っても変わらぬ愛情と相性
#2
愛情
愛情深い人になりたい。
若い時そう思った。自分がそうでないと、気づいていたから。
人生の終盤に入り思うのは、愛情を惜しみなく与えてきたか。周りの人たちに。
子どもたちには自分なりの愛情を惜しみなく注いできたと思えた。
連合いには‥?
一緒に生きる同志だから、愛情はあったかな‥。
あったことにしよう!
愛情
どんな形で受け取りたいかな。
どんな風にくれるんだろう。
嬉しくて、幸せで、泣いちゃいそうな、
心があたたかくなる愛情が欲しいな。
『愛情』2023.11.27
相手に求め続けるものが恋で、与え続けるのが愛なのだと彼は得意げに言った。
なんの前振りもなくそんなことを言われたものだから、こちらもどう対応していいかわからず、適当な相づちを打つことしかできない。
そして続けて、
「恋は消えるときに二通りの消え方がある。一つは心が枯れていくこと、もうひとつは……愛に変わったとき」
どうだ、とばかりにドヤ顔をしたので、ああこれは何かの言葉を引用したんだなとわかり苦笑した。
「怒られんで」
「怒られる? 俺が? 誰に? 心外だなぁ」
目を丸くして彼はぺらぺらとそう言って、コーヒーを美味そうに飲んだ。
「いい曲だよね」
と、ついに白状して、軽やかに笑う。気になったので調べてみると、メガネがチャームポイントのシンガーソングライターの曲だった。
恋とはなんぞや、と血液型をまじえて歌っているコミカルな曲だが、後半はラブバラードとなっている。彼が言った言葉は、そこから引用したものだった。
なんとなく、オレに愛情表現をしているのは分かった。彼は照れ臭いのか遠巻きになにかの言葉を引用しては、好きだなんだと告げてくる。
どうせなら、ストレートに好きだと告げてくれたらいいのにと思う。
でも、そんなこと照れ臭いから言ってやらない。
ありったけの愛情を与えてくれているのが肌で心で感じるから。
それだけでいい。
愛情なんてなかったんだなぁって
今日理解したわw
# 6
『愛情』って言葉にすると途端に嘘っぽくなるよね。
でも『痴情』って聞くと途端に生々しくなるのはなんでだろ…( ᐕ)?
産まなければよかったと、頬を叩いた手のひらで
撫でてくれた日もきっとあったのでしょう
ずっと貴方を恨んでた
何度も殺す想像をした
結局呆気なく見送った、涙も後悔さえもなかった
しかし今、私一人膨らむ胎を抱えて
ようやく貴方を人間として受け入れる時がきました
恐らく私は貴方より酷い母となり
恨みの連鎖は止められません
ごめんなさい、ありがとう
ただ一つだけ伝えたいことは
愛とは
未熟な人間にとっては
とても柔く脆く
しかし、それでも在るものだ
ということです
我が子よ
どうか、どうか
健やかに
今だけは純粋にそう思えるの
明日はわからないけれど
『愛情』2023/11/2811
「無理せんでいい。十分頑張ってるから、これ以上頑張る必要はないからね。」
このLINEにあなたからの尽きない愛を感じた。
あなたから愛されてる事実は私を救ってくれたの。
面と向かっては照れくさくて言えないけど、伝えたい。
「お母さん、いつも私の味方でいてくれてありがとう。大好きだよ。」
#愛情
あなたがその花を好きなだけならそれを引き抜く。だが、もしあなたがその花を愛しているなら、抜かずに水をやる。
というような話をブッダだかソクラテスだかがしたらしい。(でも実はどちらでもないらしい)
抜いてでも手元においておきたいと思うのは何でだろう。焦点あわせて見ているところが自分の心だけだからか。
植物に関する愛の話で好きなものもう一つ。星の王子さま。
わがままだけどとても愛して世話をやいていたバラの花。それを残して他の星に来た王子さまは言う。
夜空の星々がきれいなのは、あの中の何処かに自分のバラがあるからだ。
愛して手をかけてきたけど、仲違いして遠いところまで離れてしまったバラの花。
摘んではいけない愛の花。
愛と同じ顔をした、ふたつの恋のお話。
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【1】愛情
今日、私はある若い女性に取り憑いていた夫の霊を祓った。
顔を合わせた時から夫の霊に怯えきっていた彼女は祓った後泣きながら私に何度も礼を告げた。
祓い終わると、親しい友人の方が迎えに来てもらい彼女達の背中が遠くなるまで見送った。
私はその足で、先ほど追い払った夫の霊に声をかけた。
「あんた、あの女性の旦那だろ。彼女はあんたに殺されるって思っていた。悪霊じゃないクセに何で悪霊の真似事をするんだ。」
「妻は一途で寂しがり屋だ。俺が悪霊になれば怖がって友人に頼って仲間ができるし、次いでに俺への思いを絶ち切れる。」
「もう俺がどんなに孤独を感じる妻の側にいても、妻の心に報いる事ができないのだから。」
〈愛情〉
愛情… 以外にもこういうのは目に見えて欲しいとは
思うけど…逆に目に見えたら偏りありそうだな今でも偏りあるのに。
#114 愛情
特定の相手に対する深い好意。
特に慈しみの強い感情を言うらしい。
〇〇えもんの『あたたかい目』を思い出した。
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「私、思うのがさ」
「うん」
「今は成人って18歳で、子どもが6歳になるってことはさ。子育ての3分の1がもう終わったんだなって思って」
「うわー、確かに!」
「あっという間だよね…」
ちょっとしたママ友との立ち話。
入学準備をしていたら、ふと思い出して、
なんとなく自分の子育ての今までを振り返った。
子供が生まれて、いや。生まれる前から、
がむしゃに走り続けてきた。
その間に、自分の色々なものを諦めた。
子供との時間を取るために。
子供に危険が及ばないように。
お金の使い方だって変わった。
必要だと思ったから、そうした。
残念な気持ちはあるけど、
子供を想えば後悔なんて。
子供はかわいい。そりゃあ、たまに感情の折り合いがつかなくなることもあるけど…。
最近なんか、子供も大きくなってきて助けられる場面も出てきたりして。
周りには愛情を持って接してるよね、なんて褒めてくれた人もいたけど。
愛情?
これは愛情と言えるのだろうか。
とりあえず、愛情表現は大事。
乳幼児期は特に、自己肯定感に繋がるからって、かわいいって思ったときには、すぐ伝えるようにしてきた。
うーん、愛情って何だろう。
あれ、子供には愛情しか与えてはいけない?
それは、そう…
なんだけど。何か違う気がする。
深く考えるのも怖くなって、慌てて頭を振った。
とりあえず入学準備に集中しよう。
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愛情がゲシュタルト崩壊を起こす瞬間。
子育ては自分一人では出来ることなんて高が知れているのに、あれもこれもと理想を挙げ始めたらキリがありません。
特に子供が小さいうちは、世話ひとつ取っても時間のかかるものが多いため、気分転換や自分の時間が取れず、精神のバランスを崩すことも。
自分が元気でいなければ子供も本当には元気になれません。自分を大切にすることも愛情のひとつです。
あなたから貰えたら
幸せでいっぱいだったのに
【愛情】
テーマ:愛情 #377
私が散歩をしていると
公園のベンチで泣いている子がいました。
夕方だったので友達と喧嘩でもしちゃったのかな、
と思いながら近づきました。
その子は顔を両手で覆っていました。
ただ嗚咽だけが聞こえてくる。
私が「どうしたの?」と話しかけると
その子は顔を手で覆ったまま
「愛情がほしいの」と言った。
見た目は小学生くらいで愛情なんて言わなさそうな姿。
でも今の子は愛に飢えているのかもと思い、
隣に座るとその子の頭を撫でた。
「大丈夫、大丈夫」
私がそう言うとその後の嗚咽はだんだん静まっていく。
完全に泣き止むとその子は初めて両手を離す。
そして私の顔を見た。
その時、その後の前髪の間から人間ではありえない
目玉があることに気がつく。
その目玉と目が合うが
その子は何も言わずにニコっと笑った。
「ありがとう、お姉ちゃん」
暗くなり始めた空の闇にのまれるように
その子は消えていった。
「ちゃんと愛されてたよ、きみは」
その綺麗な瞳から雫はこぼれ落ちないが、今にも泣きそうな顔で俯くきみの背中に手を置く。
「愛されてた」
もう一度、確かめさせるように言う。
「あの眼は自分の我が子を見て愛おしく思う眼だった。おれの親も時々あの眼をする。」
「でもっ、もう居ないって解ったら、なんか…苦しくて…、」
しゃがんで嗚咽をもらすきみ。自分は膝をついて、母親のように優しく強く抱きしめた。
「おれがいるよ」
人間とは、母親や父親の愛情を受けて育つものだ。
例外として、きみ見たく両親が居なくなった人間もいる。
だったら愛情は受けられない?ちがう。
親の愛情が欲しくて、足りなくて、そうやって心がズタボロになるのならば。
「親じゃなくても、愛は受けられるよ」
"どんな人にも、愛は向けるものよ"
いつの日か、おれの母がそう言ったように。
「ほんとは親から、が良いだろうけど…。
ほんの小さな幸せにも人は喜べる力がある。
きみを愛しているのはおれだけじゃない。
きみを信頼してるあの子達も、きみに愛を向けているよ。」
さて、泣きまくった後は、サンドウィッチでも食べようね。
_2023.11.27「愛情」
まふてふ…?
愛情のありやなしやを問うには、機は短すぎた。
鳴り物なりの出世で、一世を風靡した俳優、東堂寺剛憲は、戦後の映画界を牽引する役者だった。
こなす役は、二枚目の主役級の登場人物が多かったが、たまに二枚目半の、助演をやらせると、特に光った。
必ずや、帰ってくると言って、五十五の時に、大企業の社長に就任した。
結婚は三回。離婚は二回。
最後の妻は、二十五歳年下の若妻で、彼の死ぬ間際、こう言った。
「あなた、愛とは如何程のもので、ございましょう。私のために死ねと言えばあなたは死んで下さいますか」
剛憲は、病床に臥せっていた。
なんのことはない、妻の可愛いわがままだと思い、彼は高血圧と低血圧のの薬を飲んで死んでしまった。
残された妻は泣いた。
「こんなつもりでは、なかったのに……!」
それは、彼の葬式で、沢山のファンや同業者に囲まれて亡くなった彼にとって、いかばかりの気持ちを込めた自殺であったのだろうか。
余命幾ばくかも分からぬ男の、最後の遺影は、やはりニヒルに笑った看板役者の笑みであったという。
愛情は無いものだと思っていた
私には縁がないものだ、と。
私の親にはなかった
備わっていなかった
ただそれだけの事。
今まで憧れて生きてきたわけでもない
誰かに愛されたいとか、
誰かを愛したいとか
考えたことがなかった。
私とはかけ離れた欲求不満な誰かさんの贅沢品
その程度
見ても、食べても、聴いても、叩かれても、
何も感じなかった
世の中は理不尽だから
不公平だから
平等なんてものはない
何もかもそのせい
そう思い込んでいた
そう受け入れるしかなかった
今はただ
ただ、
目に映る手を引いた親子が
少しだけ
ほんの少しだけ
羨ましくなった
『愛情』
愛情
自分が愛情深いとは思えない
どちらかといえば浅い気がしている
よくいえばさっぱり
その逆で諦めが早くドライ
どこか他人事なのかもしれない
シャンパンタワーのように
自分のための愛情のグラスみたいなのがあって
それが一杯なって溢出れたものだけが
他の誰かに向けられる愛情なのだとしたら
私自身の愛情のグラスがまだまだ一杯になるには程遠いか、どこからか漏れ出しているみたいだ
だから他人に対して愛情をちゃんと向けられていないのかもしれない
人生まだまだ修行は続くな
愛情
愛情って言われると
それぞれ色んな人が
思い浮かぶと思う
親?動物?家族?恋人?
どんな人にでも愛情を注がれるような
人間になれたら
嬉しいと感じるのかもしれない
そして今の自分はどれくらい周りに愛情を
注がれているのかなぁー。