『意味がないこと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
青い空に鳥肌が立つような冷えた空気
白塗りのミニバン
マイクを持った自信気な顔の人間
「人生に意味を...」
ドン
蜘蛛の子のように散る民衆
取り押さえられるジャージの男
囲まれる元自信家
冷えたアスファルトが赤く染まった
最後の言葉は何だったのだろう
「人生に意味を…」
自信家の男の人生
ジャージの男の人生
自信家の男の自信の由来
ジャージの男の行動
すべてに他人がいる
人生の意味とは他人が与えるものなのだろうか
みんなにとって意味がないことでも
わたしにはちゃんと意味がある。
生きるのも信じるのも意味ないこと
生きる意味さえわからない
ある出来事をきっかけに、とことん自分と向き合う羽目になった。
そうか、傷つくことに怯えた自分を、私は懸命に守りながら生きてきたのか…
あの出来事以来必死に見つけた、見知らぬ人の思いやりと言葉が、本当に宝だった。
少し他人を、未来を、そして自分を信じてみようと初めて思えた。
生きるのは意味あること
私は他人と自分との境界線が薄い。
他人の思っていることがわかってしまうが故に悩んでそうだなと思ったら声をかけてしまう。
そして自分の事かのように一緒に悩んで辛くなる。
他人のこと考えて辛くなるなら辞めたらいいのに
そんなん考えすぎやろ
自分で蒔いた種やん
そう言われてしまうことも多かった。それでも見て見ぬ振りをしてもその子のその後が気になってしまうからダメだった。
でも1人だけそう言わなかった子がいた。その子は
考えても他人のことなら意味ないとか言う人もいると思うけど、もし自分が悩んでるときこんなに一緒に悩んでくれる人がいたら嬉しいもん。立派な特技やろ。
と言った。
意味のないこともこの世にはたくさんあるんだと思う。
でもその意味を自分が見つければ、きっとそれは意味のあることになる。
意味のないことの意味を見つけられる人。そんな人に私もなりたい。
真白の紙に、世界を写す。
黒と白と灰色で構成された、空想の世界を。
風景を、人物を、物語を、少量の言葉とオノマトペを用いて描いていく。
登場人物の怒りや悲しみ、喜び、絶望、様々な感情の変化を、体のありとあらゆるパーツを使って表現する。
紙の中の登場人物と同じように、私も生きていけたらな。
病院のベッドの上で、そんなことを考えながら。
今日も私はペンを走らせ、世界を描く。
テーマ「意味がないこと」
意味がないこと
意味がないなんてこの世にあるのかなぁ
きっとなんにでも意味があることなんです
病気になってなんにも出来なくなった
でも諦めたくないから意味がないなんて言わないで
誰にでも意味はあるんですよ。
なにも浮かばない。
まっくらだ。
目を閉じた瞼の裏側には何も見えやせずただ闇ばかりが続く。
息をしようと唇を動かそうとして、唇がどこにあるのかわからないことに気づく。
呼吸、息継ぎをしなければ。でなければ。
『考えるだけ無駄だよ』
言葉が頭の中に浮かぶ。
だれだ。なんだ。どういういみ、
『意味なんてないのさ、死ぬということに』
じっくり腰を据えて、話すことにした。
もうそろそろ見ていられない。目の前の上司ときたら、ひらりと手を振って去って行った女(ひと)を見えなくなるまで目で追って溜息をついている。これで想いを認めないのだから、年頃の少女より女々しいというものだ。
『… 想ったところで仕方がないよ。』
私のようなのがあんな娘(こ)をさ、と言い訳がましく唇を尖らす様は、幼い頃とまるで変わらない。
確かに彼女をどう思うかは貴方の自由だ。だが、仮に…想像してみると良い。貴方の想いを彼女が嫌悪し、畏怖し、去って戻らないことがあるだろうか、と。
『やめてよ、』
『――。』
久しく聞かなかった少年時代の呼び名を聞いて上司は黙る。
私に引く気がないのが解ったのだろう。
怖がらずに、疑心を捨てて、己の本心と向き合え。さ、あの女(ひと)が、お前をどんな顔で見るのか言ってみろ。
『… わからない。』
頭の中で、ただ笑っている。白玉みたいな歯を見せて。
そう呟いて、男はまた溜息をついた。
… そら、解ったろう。お前は信じているんじゃないか。
誰をどれほど愛するかなど、決して自分では決められない。
だが、思いを遂げるための努力はできる。
さっさと腹を括りなさい、と言う私の言葉に、じとり、と険のある瞳が何とか言い返そうと見返してくる。
『説教臭いね。…歳なんじゃない?』
グズグズしていたら、貴方もあっという間に私の歳になりますよ。言うが早いかぴしゃり!と鼻先で襖が閉まった。
まったく、幾つになっても手の掛かる悪ガキめ。
【意味がないこと】
いやー、私の為にこんなに集めてくれたんだね!壮観だよ!でもどれだけ多くても無策で来るのはただの雑魚。次はもうちょい手練を連れてこようね!
意味がないこと
意味がないことなんてひとつもないわ。
つまらない人生だろうけど、
何気ない日常や。あなたと過ごす日々が。
とても素敵な人生の1部だから。
好きだよ、と囁く君の声。染まった頬。僕のことが好きなのだと示すその全て。なんの生産性もない会話が僕たちの間に埋まった。だからこの会話にはなんの意味もない。
「ねえ、聞いてる?好きだよって、」
「もちろん聞いてるよ」
なんの意味もないこの時間が愛おしいのは、相手が君だからだろう。
「行かないで」って貴方に伝えられたならーーー
そんな事を思うだけで、何もできない僕は
なんて意味が無いのだろうか。
何をやっても
意味のないことなんて
何一つ、ないんだと思う
ボーッとして
無駄に時間が過ぎてるって
思うこともあるだろうけど
ふと
振り返った時
あの時間も
無駄じゃなかった
そう思えると……思う
(2023.11.08/意味がないこと)
意味がないこと
「これって意味がないですよね?」
会社に入って1ヶ月も経たない人が言った。
意味がないことは、確かにある。
でもその殆どは、
自分自身の行いの中にあると思っている。
自分が関わる前からある事。ましてや、
まだ仕事も覚えていない人の言うことではない。
〝意味がない”と聞くたびに甦る、
ちょっとイラッとする思い出。
paki
#95 意味がないこと
そこに意味が有るか、無いか。
自分で決めなければ、
それこそ意味がないことだと思う。
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さて。意味がないことって何ぞや、の前に。
そもそも、意味という言葉が指し示すものは何か。
ネットに助けてもらいつつ整理してみる。
1.言葉の表す概念や内容
知らない言葉を辞書で調べるときのヤツだね。
2.言語、作品、行為など、なんらかの表現によって示される意図・目的。または内容。
映画とか思い浮かべると…うん。
あとは、お辞儀の深さとか作法には意味があるものが多いよね。
言語って何が…あ、諺か。「月が綺麗ですね」系も含まれるかな?
3.(それが)存在する必要性や理由
システムや物体に関することらしい。なら、ルールも入るかな。人間が存在する意味ある?みたいなことではないと思う。法律とか、体の仕組みとか、もっとシステマチックな感じがする。
4.物事が他との関係において持っている価値や重要性
つまりどれだけ大切かということ。ここだけふんわりなので、例文を見た方が分かりやすい。
「意味のある集会」
「全員が参加しなければ意味がない」
「意味のある仕事」
うん、わかるけど説明しづらい。
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1〜3は、すでに在るものに対することなので、
今回は特に4番目について書きます。
価値や重要性、大切さというのは決して普遍的なものではありません。
個人や団体、集団によって定められたごく主観的なもので、考え方や立場、時代の風潮によって変わってしまいます。
しかも認識されなければ、その有無を論じる事もできません。
そして、
「意味のある人生」
「生きる意味」
みたいなことを突き詰めて考えるのは、いずれ破綻するので、私は意味がないと考えています。それなら人間自体生まれた意味があったのか?と思ってしまうので。この辺の考え方は色々な切り口があるでしょう。
私個人としては、どう生きるか考えることに意味がある、と思うことにしています。
こうやって書くのは意味がないこと?
いいえ、そうは思いません。
これだけ長くなった文章を、どれだけの人が最後まで読んでくださるかは分かりませんが、書くのは自分のためでもあります。
それがどんな内容であれ、書いても意味がない、なんてことは無いのです。
意味があるのは有意義なこと?
意味がないのは無意義なこと?
それは自分の視点?
それは他人の視点?
意味がないことは案外そこら中に溢れている。
例えば、テスト返却日に自分の点数が悪くないようにと願うことや、せっかくの休みなのにずっとゴロゴロして1日を無駄にしてしまったと思うことなど……
そんな世界中に溢れている "意味がないこと" は、
実はすごく "意味があること" だったりする。
結局は、相手から見て【意味がない】と思っていることも
自分から見て【意味がある】と思うのだ。
それは逆も然り。
この瞬間、私がこうして紡ぐ言葉だって意味がないことだと誰かが指を指すかもしれない。
でも、私にとってこれは私のために意味があることなのだ。
今日も誰かしらが思う【意味がない】ことだと。
きっと世界は、色んな人の【意味がないこと】を通して
【意味があること】に明確に変わっていくのだろう。
だからこそ、大切に思うのだろう。
この意味のないことをする自分たちを。
テーマ:意味がないこと
同じ考えを持つ者だけで集まって開かれる会議。新しい発見の無い話し合い。それと、不要に他人を貶したり持ち上げたりすること。
【#意味がないこと】
今日の反省。
明日への期待。
過去への後悔。
「もうちょっと頑張れたなぁ」
「早く土曜日になれ!」
「あれさえ無ければ」
今なんとなく思うこと。
「アイス食べたいなぁ」
「太る」
「バニラ味がいいな」
明日も意味の無いことで満たしていこう。
意味がないこと
僕は久しぶりに、鳥の鳴いているタバコ屋へ行った。
店主のお爺さんは相変わらず店先に立って居ない。呼び鈴を鳴らさねば裏から出てこないのだ。きっとドラマでも見て時間を潰しているんだろう。
でもそのお陰で、僕はじっくり銘柄を見られる。黄色いラクダ。引かれた矢。オリーブに鳩。白地に北斗七星。
ちょっと前までタバコにうるさいヤツがいて、このタバコ屋に通っていた。
「『あばばばば』って吸いたくてね」
タバコ屋に向かう道中、そいつはいつもの如く訳の分からないことを言い始めた。
「何の話?」
僕は眉をひそめて聞いた。
「おいおい。タバコ屋の前で『あばばばば』って言ったらバットに決まってるじゃないか」
「バット?」
「ゴールデンバットだよ」
全く彼はどこから仕入れてくるのかよく分からない雑学の蒐集家で、その日はゴールデンバットなるタバコの話をしているらしい。
「中原中也って授業でやったろう」
「聞いたことはあるような……」
「有名人だぜ? 杜甫、李白、白居易が唐の三大詩人なら、中也は昭和の詩を一手に担った詩の聖人さ」
自慢げに彼は話した。
こいつはいつもこんな調子だ。僕の知る有名人はテレビでコミカルに話す人達だ。教科書の人物じゃない。でも彼はその逆だ。俳優とかアイドルとか、そういう人たちの名前を一切知らない。
「中也の慣れ親しんだそのゴールデンバットを、僕は吸いたいんだよ」
「ふーん」
なにがそのだよ。どうせ憧れてるんだろう。彼はカッコつけ屋だから言わないだろうけど。
話を聞いていたのか、店の奥からお爺さんがのそのそやってきた。
「ゴールデンバットは無いねぇ」
「そんな……」
彼は肩を落とした。そんな落胆ある?
それっぽいことをしてみて、強がっているらしい。ゴールデンバットを吸って見たかったんだと思う。
「……。それじゃ、ピース缶ください」
「丸缶ね。はいよ」
彼はピース缶を受け取った。
どこか表情が暗い。よっぽどだったみたいだ。
「タバコなのに缶に入ってるんだ」
「うん。内蓋があってね、開けるとほんのり上品なバニラの匂いがするんだよ」
「ふーん」
「かの三島由紀夫が愛したタバコでね……」
そんなやり取りを、僕たちは毎週やっていた。
チリンチリン――
僕は呼び鈴を鳴らした。
「お客さん久しぶりだね。あれっ? いつもの元気な人はいないのかい?」
お爺さんは相変わらず、寝癖のまま奥からやってきた。
「ええ。オンライン出社ってやつに切り替わったらしくて、毎月引っ越しては色んなところで仕事をしてるんです」
「へぇ……。全然想像つかない仕事だね」
「ライターをやってるんです。ゲームかなんかのストーリーを作ってるらしくて」
「作家さんか!」
お爺さんは頭を降った。小説家か何かと勘違いしてるのかな? まぁ、同じようなもんだろうけど。
「物知りだったからねぇ。盗み聞きするのが趣味だったんだよ」
お爺さんはニカッと笑った。
「ごめんね。久しぶりに来てくれたからつい話しちゃったよ。それで、何を買うんだい? 」
「缶ピースください」
群青にオリーブと鳩が描かれた缶を差した。
「おっ。ヤニ食いだねぇ」
「これにハマっちゃって。全部あいつのせいなんですよ」
ポケットから三島由紀夫の文庫本を出して見せると、お爺さんはまた、ニカッと笑った。