『微熱』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
微熱の定義を調べたが、特に決まりはないようだ。
感染症法によると37.5度が“発熱”で、確かにそこを超えると出勤や入館がアウトになることが多い。
さらに38度で“高熱”になるようだが、こちらの数字にはどうも違和感がある。発熱したら易々と超える人が多いのではないか。
「高熱が出て」と休む理由には使えそうである。
微熱の定義はないものの、自分の中ではなんとなく37度を超えたら、という感覚がある。上はコロナ禍前までは37.7度くらい、今は規定に沿って37.5度未満。気分的には37度を超えると半病人、38度で病人になる。
ただ平熱が35度台の人にとっては37度台でもかなり体温が高い状態なので、数字で切ってしまうのも本当はおかしな話ではある。一人ひとりの平熱を確認することは難しいのでやむを得ないのだが。
ところで、老いも若きも男性が「具合が……熱っぽい……」と重病人の顔で訴えてきた場合、体温を測ると37度にすら到達していないケースが散見する。以前から不思議に思っていたが、これもきっと平熱が低かったということなのだろう。
『微熱』
『飛行機』
熱を帯びた私の身体 部屋着のままベランダで
空飛ぶ飛行機を眺めてる 想いを馳せたよジェットの気流 知らない世界へ行く理由 コンビニ行くのも面倒なのに 想像は高いところに飛んでいく 高尚ってなんだろね 微熱のまま一日にさようなら
微熱……とは直接関係ないかもしれないけれど。
あれは、忘れもしない。大学2年生のころ。その頃はとにかくメンタル的にキツくて、そこから身体的にも不調が続いて……そう、微熱もかれこれ2週間ほど断続的に続いていたかな。
その日、流石に単位がヤバイと大教室の講義に出た、のは良いけどやっぱり辛くて、途中で静かに廊下に出てしゃがみこんでたのよ。
そしたら、突然聞こえてきたのね。
ドーン
ええ、ええ、大教室のはす向かいのトイレの天井が落ちたのよ、私の目の前で。
もう、私( ゚д゚)ポカーン。←ほんと、この顔だったと思うわ(笑)
だって、目の前でトイレの天井抜けるとか、普通ないでしょ。
慌てて確認してみたけど、天井が謎の水分で腐食していたみたいな感じで、そこそこの大きさのかつて天井だったもの、が床に落ちてて、穴の空いたところからは、建築資材だろうけど、まだ白い粉みたいなのが降り注いでたわ。
この時、個人的には絶対人と関わりたくない感じだったんだけれども、見てしまったからにはそういうわけにもいかないじゃない?こちとらただの学生だし。どうにもできないし。心を決めて(半ば勢いで)行ったわけよ。学生課に。
そしたら、信じてくれないのね、そこの人たち。いやたしかに、講義の時間中に何やってんだ、っていわれたら反論のしようもないわけだけども。
メンタル崩壊しつつ、「いや、来てもらったらわかるんで!」で押し通して、職員さんを現場に連れてったのよ。
そしたら、もうその職員さん絶句。
めっちゃ、教科書通りの絶句。
まさかマジだとは思わなかったみたい。ちょw私が懇切丁寧に説明して差し上げたのにw。完全に学生のイタズラだと思ってたやろこいつw
私「ね。」とか言いつつしばらく二人で突っ立ってた(笑)
結局、5分後くらいに来た最初連れてきた人の上司?みたいな人に簡単な事情聴取?みたいなことされて、(とはいえ、音が聞こえて見に行ったら天井が抜けてたことしか言ってない)最終的に早く講義に戻れと言われて、えー…とか思いつつも戻って(この時はなぜかもう辛くなかったw)友達に心配されつつ講義が終わって、帰るときには無事トイレは閉鎖されてたわ(笑)さながら犯罪の現場みたいだったけど。
結局、天井は直すのに一ヶ月かかった。
まあ、なんだ、なんか辛いことがあっても、それ以上にびっくりすることがあれば、なんか、悩んでたこととか、もうどうでもよくなるよね、って話。←
あ、ちなみに、これ実話ねw
(微熱)
お題 微熱
恋とはまるで熱のよう
時に苦しく時に暑く
時に寂しく時に冷たい
その夜さえ過ぎてしまえば
明日からは何もなかったかのよう
いっときの思いが覚めてしまえば
それは何もなかったかのよう
だから
この想いが覚めてしまわぬよう
微熱で悩む位が
ちょうど良いのかもしれない
君の姿を
目で追う度に
心は
熱を帯びてくる
恋病の
初期症状
# 微熱 (332)
微熱
娘よりちょっと体温高めの私。
その微熱が心地よいと甘えてくる。
まさか高校生になってまでとは
想定外だ。
娘に微熱持ちの恋人ができた時は
私はお役御免となるだろう。
未来の恋人さん。甘えん坊の娘を
よろしくお願いします。
褒められた記憶反芻赤りんご
ゆうやけこやけで感触沈む
(微熱)
『微熱』2023.11.26
微熱が一番つらいと思う。まだ熱が上がりきってくれたほうがいい。なまじ動けるので、いまいち休息をとるということに罪悪感を抱いてしまう。
三十七度四度。中途半端である。四捨五入するとまだ三十七度なので、熱はないのと同じだ。
咳も出ていないし、喉も痛くない。倦怠感もなければ鼻水だって垂れていない。単に熱があるだけ。だから大丈夫だ。
そんなことを言い訳のように並べると、我らがリーダーは眉間の皺をさらに深くした。
「今日の稽古は休んだほうがいいんじゃないのか」
「動けますよ」
「それでも熱があるだろ。事故になったらどうするんだ」
今日は殺陣稽古だ。しかも太鼓舞台ということもあり、足場もよろしくない。なので休んだほうがいいと、リーダーは仰せだ。他のみんなも同じ意見なようで、帰るなり見学なりすればいいと口をそろえている。
四捨五入すると、という言い訳を繰り返しても、ダメだと突っぱねられた。
「無理をしてんいいことないけ、ゆっくり体を休めたほうがいいちゃ」
こういうとき、だいたい味方になってくれる金髪の彼にも言われてしまったので、殺陣はせずにセリフだけ参加することにした。
おとなしく解熱剤を飲んで、演出をするリーダーの隣に座る。目の前で殺陣師に動きをつけてもらうみんなを見ながら、ため息をついた。
中途半端だ。微熱でなければ、よろこんで家に帰ったし病院にも行った。
三十七度四分。ほとんど誤差の範囲で、少ししたら下がりそうなぐらいの微熱。
動きたくても動けないそのもどかしさに、熱が上がるような気がした。
テーマ:微熱 #376
――ピピピッ、ピピピッ。
脇に挟んでいた体温計を見て目を疑う。
36.9……。
朝見たときは平熱だったのに今は微熱だ。
体温計、壊れているのかな。
そう思いながら頭の中では彼のことが浮かぶ。
(カッコよかったな……。
クラスの男子にボールが当たりそうなところ
助けてもらったのだ。
その後から頭がボーっとして
今、保健室という感じだ。
ボールが頭にあたったわけでもないし、
頭が痛いわけでもない。
先ほどもいった通り朝も元気だった。
今も元気だ、でも……。
(なんだろうこの気持ち。
鼓動が早くなる。
いつもよりも体が熱い。
特に彼のことを思うと、
それは微熱程度ではないほどの。
微熱。
学校に行くべきか否か。
少し前までは「コロナかもしれんから学校来るな」だったが今はそんな状況じゃない。
休むべきかなぁ
行くべきかなぁ
考えながらもう一度体温計のスイッチを押す。
「ピッ」という音を聞いて私はそれを脇に挟む。
休むべきかなぁ
行くべきかなぁ
「ピーッ」
37.2℃
何気なしに呟いた。
「12…」
そのまま布団に潜り込み、私は眠りに落ちた。
追記
三日後まじで微熱出しました。
なんだか調子が悪い。
何時もなら気がつくことを見過ごした。丁寧にせねばならないものをおざなりにしてしまう。
致命的ミスはないがアラが目立つ。
試しに温度計で計れば微熱。
なんだと投げ出した。
だが後にこのことを後悔する羽目になる。
二時間後、先ほどより明らかに症状が出始めた。
寒いのは勿論倦怠感とわずかな吐き気。
作業は中断。
休みだったのはある意味幸いである。
寝巻きに着替え風邪薬を飲み込んだ。明日には治っていればいいが。
さっきから
なんだか
おかしい。
ぼんやり
してしまって
ダルい。
もしかして―――
発熱?
週末は
楽しみにしてた
旅行なのに!
体温計は
37.2℃。
うぅ、
微妙…。
とにかく
温める!
早く寝る!
絶対に
治すんだ!
待ってて、
旅行!!
#微熱
【微熱】
私は昔っから体が弱かった。
雨風に少しでも当たると熱を出し、体育で走るだけで息が上がって喘息の症状が出てしまう。
勉強は好きで、特に歴史の織田信長に尊敬の念を抱いている。
私の紹介はこれくらい。
特に好きな物は歴史くらい。他はあんまり興味がない。
学校の友達だって、入退院を繰り返しているから仲良くなれてないし、する必要もないと思ってる。
『吾妻さん、血液検査しますよ〜』
病室に看護師が入ってくる。
少し、外に出るだけだと思い織田信長の住んでいたお城、安土城に行ったら風邪を引いたのだ。
今はもう下がっているが、持病もあるので一応何週間か入院中。
私の血液を迅速に摂った看護師は、さっさと病室を出て行った。
『、、、はぁ、、こりゃまだ入院かな。』
独りぼっちの退屈な病室。無機質なデザインのベッド。
見舞いに来ない両親。
『あー、、安土城、見たかったぁ。』
外で秋色に染まった葉っぱの舞い散る様を見ながら、私は深く、大きなため息をついた。
ーー
進展があったのは、そこから2日後だった。
朝の体温検査に来た看護師が、受付の人から預かったと手紙とファイルに入った紙をもらった。
どうやら、
『吾妻さんに会いたいって言ってたけど、学生だし、ご両親が面会許可を出してないからって断ったら、じゃあこの紙を渡してくださいって。』
ということらしい。
名前を聞いたら、"中村天祐"というらしい。
ありそうでなさそうな名前だな。
ていうか、誰だ。
身に覚えのない人に名前を覚えられているという恐怖。
『、、、手紙は、、後から読もう。これは学級通信か。』
いつもは渡してこないはずなのに、クラスメイトも、担任すらも私のことなんて忘れるくせに今更学級通信か。
嘲笑う様な織田信長の様な笑みを浮かべて学級通信を読む。
今の季節は秋。ちょうど文化祭があった頃か。
『、、、くだらない。』
笑顔でピースして写っているクラスメイト達を見ると、少しだけイラッとし、紙を放り投げた。
次は手紙だ。くだらないこと書いてあったら皮肉をたっぷり入れた手紙を送り返してやる。
『、、吾妻美代さん。学級通信は見てくれましたか?僕は中村天祐と言います。学級委員長をしていて、勉強はそこそこです。はっなんだコイツ。手紙の書き方を知らないのか?』
"僕は手紙を書くのがものすごく苦手です。言っちゃダメなことを書いたり、思ったことを正直に言ってしまうんです。だからどうか、この手紙を読んで気を悪くしないでください。いつも、席に座って織田信長の歴史本をゲヘゲヘと眺めている吾妻さんを見て、美しいと思いました。気がついたら、ずうっと貴方ばかりを見てしまっています。結論は、早く元気になって貴方の顔が見たいです。体調が良くなったら、また会いましょう。その時は、僕とぜひお話をしてください。中村天祐より。"
『、、後半、口説かれている?』
ていうか、ゲヘゲヘとした顔とはなんだ。
私はそんな顔をして織田信長のご尊顔を眺めていたわけではない。
実に不愉快極まれり。
織田信長なら即斬ってる。
『、、これは皮肉を詰め込んだ手紙を書くのが有効か。』
そう思い引き出しを開けたが、、
便箋が入ってなかった。
白い上品な和紙で作られた牡丹の花のイラストが邪魔しない程度に描かれていたあのお気に入りの便箋が、、ない。
『あんの、、クソ親父、、。』
やり場のない怒りをベッドにボフンボフンとぶつけた。
ーー
ガヤガヤと騒がしい教室。
結局、一時退院を許されたのはそれから1週間後だった。
どんだけ心配性なんだよ。まったく。
そのくせ見舞いにはこないのに。
考えたらイライラしてきた。
織田信長のご尊顔でも眺めよう。
そう思い本を取り出し、堂々とした風貌で座っている信長のご尊顔を拝見する。
『ほら、ゲヘゲヘしてる。』
面白がる様な声が頭上から聞こえ、顔を条件反射であげれば、、そこには四角い眼鏡をかけたいかにも真面目キャラの男が私の前の席に座っていた。
『、まさか、、中村天祐。』
『覚えててくれたんだ。よろしく。吾妻美代さん。』
差し出された手は受け取らず、また本に視線を落とす。
そんなにゲヘゲヘしていたか?
『、、、、、』
『、、、』
『、、、、、』
『、、、』
『、、、なんか用?』
『いや。本を読んでる君も綺麗だなって。』
『は?!?!』
大きな声を出してしまい、クラス中の注目を集めてしまった。
『ゴホゴホ、、口説いているの?』
『まぁね。』
変人に目をつけられた。
ーー
また、熱が出てしまった。
ちょっと寒暖差が出ただけで喘息の症状が出てまた入院。
退屈だ。何故か前よりもっと退屈になった。
最近は頭の中に中村天祐の顔がチラつく。
細い糸目に四角い眼鏡。顔立ちの整った真面目キャラ。
だけど本当は思ったことをすぐに口に出すタイプのアホ。
でも、、、悪い気分にはならない。
病院の無機質な天井を眺めるよりも、中村天祐の顔面を眺める方がマシだな。
そう思いながら私はベッドに横たわる。
体が熱い。熱が少しあがってる。
ーー
退院できたのは、意外にも早く、4日後だった。
久しぶりに教室に入ると、こんな子いたっけ?という目を感じる。
織田信長はこんなの気にしない。そう言い聞かせながら自席に座り教科書を出す。
『美代ちゃん、久しぶり。顔色良くなったね。』
『、、、ああ。まぁ、、』
これは決して、学校にこれて嬉しいとかじゃない。
こいつに会えて嬉しいとか、そういう感情じゃない。
だから口角静まれ。
『、、僕は、貴方に会えて嬉しい。』
心を見透かされた様な気持ちになり、顔を上げると中村天祐と目が合う。
糸目が開かれており、優しい瞳が奥に構える。
まるで全てを見られている様な、射抜かれた様な気持ちになり、鼓動が早まる。
『、、ずっと、会いたかった。4日でさえ、長く感じた。』
彼の、真剣な顔と声色が、、、私をまっすぐに見ている。
『あ、う、、』
出てくるのはただの声のみ。
彼の瞳に捕まえられて、動けない。
『、、、ほ、保健室行ってくる。』
かろうじて搾り出た言葉と共に席を立ち、真っ先に保健室へと向かう。
『先生、、熱が、あるみたいなんです、、。』
『あら、、念の為ご両親を呼んでおくわね。熱を測りましょう。』
ドクドクとうるさい心臓。血液が高速で流れる感覚。
熱の時と同じだ。熱がぶり返したんだ。
ピピピピッ
『あら、、平熱ね。』
『、、、じ、じゃあ、この胸のドキドキと、息がしづらい感覚は、、?』
先生も首を傾げ、悩む。
本当は、わかっていた。織田信長に抱いている感情とはまた違う。
これは、、恋心だ。
『、、、微熱か、恋という名の、、』
顔が熱いと見なくてもわかるくらい熱っている。
これが、、恋。
何故だろう。
初めての感覚に恐怖している自分もいれば、ドキドキワクワクしている自分もいる。
今まであらゆる分野を学んできたが、恋心というのは読解不可能だ。
ただ、わかるのは。
彼のことが、好きだということのみ。
彼女はこれから、段々と微熱が熱になり、高熱になるでしょう。
"初恋"という名の、微熱がね。
彼への微熱…
とうとう冷めてきたかな…。
心がぽっかりだよ。
『微熱』
ベッドの中で、あなたを待つ。
枕元には、あなたとのトーク画面を映すスマホ。
微熱と勢いにまかせて頼んじゃったけど、大丈夫だったかな。迷惑じゃなかったかな…。
そんな考えを巡らせながら暗い天井をぼーっと眺めて過ごしていると、不意にインターホンが2回鳴る。
最近物騒だからとあなたが言うから、二人で決めた合図。合鍵があるのに、とても心配性なんだよね。
鍵が開いて、あなたの声が近づいてくる。
だるい体を起こすと、暗がりの中に白いビニール袋を持ったあなたの姿が見えた。
とても優しい声。毛布にくるまっても寒くて震えていた私を、あなたの声はすぐに暖めてくれた。
あなたの顔を見るだけで、とても安心する。
あなたは簡単な食事を作ってくれて、家事までやってくれた。
それから、少しだけお話をした。
ご飯はどのくらい食べられそうか、とか、治ったら前話してた所に行こうね、とか。
その後は、私が寝る少し前まで傍にいてくれた。
普段はおしゃべりなのに、私を気遣ってか今日は静かに寄り添ってくれた。
今日いっしょに居られた時間は長くはなかったけど、それでもあなたに会えてとても幸せ。
あなたが帰ったあと、横にあるスマホを見ると、おやすみなさい、のスタンプがミュートで送られていた。
今日はありがとう。嬉しかったよ。おやすみなさい。
そう心の中で返信して、目を閉じた。
赤くなった頬は、きっと微熱によるものじゃない。
手をそっとおでこに当てる
普段より少し熱くなったおでこに
冷えピタを張る
隣にジュースを置いて寝っ転がる
天井を見ながらぼーっとする
頭がぐるぐると回り気持ち悪くなってくる
そんな時遠くの方からガチャリと音がした
微かに聞こえる「ただいま」に
小声で「おかえり」と答える
ガサゴソと袋を持った貴方が近くに寄り添ってくれた
窓の外は白い雪がさんさんと降っていた
去年の今はもっと冷たかったはずなのに
今は貴方がいるからあったかい
お題『微熱』
体温を測る機会が増えた。こんなに毎日体温計を
使うのは 小学生の時のプール以来じゃない?
いつも誤魔化してたけど。それは今もだけど。
微熱くらいじゃ 休めなかったんだよ。
微熱
子どもの頃、熱がないと、
学校を休ませて貰えなかった。
そこで、何とか熱が出ないかと、
体温計を口にくわえて、
ストーブの前で口を開けてみた。
昔の水銀で測るタイプの体温計。
気がつくと、40度を超えて、
母にバレた。
無茶苦茶怒られた。
少しで良かったのに。
ほんの少し微熱程度で良かったのに。
そしたら休めたのに。
気の利かない体温計だ。
paki
微熱だ。
なんてことない。
今日も学校へ行く。
他の症状は動悸。特にホームルームの時間は自分の心臓の音が音漏れしてないか心配だ。
先生は独身だ。
彼女もいない。
この前クラスの男子に絡まれた時に、自分の意思で結婚はしないと明言していた。
友達にこの症状を話すと本気で理解されないみたいで、知り合い紹介しようか などと要らぬお節介を焼こうとする。
先生の優しい声色を聞いただけで十分。そう、自分にはこんな距離感がお似合いだ。
今日もクラスの後ろの方の席で、先生の声を聞きながら自分の鼓動と感情に悶々とする。
微熱だ。
恋しているときって、微熱が続いているみたいな感じなのかな
でも、まったく見込みがないのに、それでもどうしても思い切れなくて、好きな気持ちを抱えて生きるのは心が凍えるよ
これからの季節、一人寝は寒い