『微熱』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日微熱でした
奇跡じゃない?お題の通りになった
少しだけだるいなって思って、熱計ったら
37.3でした
ああ、これが燃えるような熱でなくてよかった。このとろ火のような微熱なら、炭にも灰にもならず、簡単に冷めることもないだろう。わずかに染まる頬が夜風に触れたとしても、ちびりちびりと、また杯を酌み交わせばよいのだ。
/お題「微熱」より
ひとめぼれ 触れた指先 すずしくて
岩肌幾何学 ナミビア生まれ
"微熱"
忘れない、科学館で触れたギベオン隕石。
もはや食べたい。好きだ。
恋の病
あの人が話しかけてくれると、顔が少し熱くなる
あの人と目が合うと、不思議と顔が赤く染まる
あの人がそばにいるだけで、体も心も温まる
あの人が...
あの人が僕を病に導いている
どんな病気かはわからない
でも、体が熱くなるのは事実だ
その真相を初めて知ったとき
それは僕の初恋だったのかもしれない
未曾有のウイルスが発生してから、職場で毎日検温をすることになった。
幸いなことに、今までに37度を越したことはない。
世間的にはウイルスは落ち着いてきているけれど、完全に消え去ったわけではない。引き続き検温はしていく。でも、微熱と思われる数字が出たとしたら、プチパニックを起こしそうだ。昔なら、37度を越したとしても、「あら、微熱がある」くらいだったのにな。状況が状況なだけに、冷静ではいられなくなるだろう。
「微熱」
「37度2分…。微熱だなぁ」
「ん?どれどれ?」
額に当てられた手に微力の負荷
グイッと上向きになった顔に
覆い被される影と、唇に重なる柔らかな感触
「あはは。熱泥棒とでも呼んでくれたまえ!」
「あはは、じゃねぇだろー
お前は男の子であって俺と同類。冗談はよせやい」
口元を指でなぞる相部屋の同類は
ニヤニヤ笑った
「あざといであろう?褒めたまえ」
寒気は
高熱の予感だ
#微熱
微熱
夫が微熱だと体温計を見せる
それ私の平熱です
あなたの体温が低すぎなのですよ
食事はバランス考えて作ってるつもり
薬よりできればタバコ控えて頂けるとよろしいかと…
微熱
ただいま真っ最中
季節の変化で大打撃
しばらくは継続ダメージが継続
だからって調べても熱はない
おとなしくしとくしかない
微熱がおとなしい合間を狙って行動
行動後はほぼダメージ復活
この秋から冬への季節は決まってある
程度の差はあるけれども
今年は悪い部類ぽいのですが
多少現れてから準備したから
のんびり落ち着くまでゆっくりしています
無理して悪くなられたらめちゃくちゃに困る
あと、病院に行ってもおそらく何もでない
この手のダメージは昔からある
予想では理由はストレスだと思う
何かしらの変化で表面化しただけで
微熱が悪い訳ではない
むしろ何も起きずに倒れる方がタチが悪い
「微熱」
ほんのり朱に染まった頬。
じんわり汗ばむ額。
潤んだ瞳で見つめるのは彼、、、
ではなく、無機質な天井。
「………さみし。」
「微熱」
今日はなんとなくいつもより身体が熱い気がする。
気がする、だから気のせいかもしれない。
でも、熱があるかもしれないからちょっと心配だ。
ここのところ、こっちと東京を行ったり来たりしてるし、風邪も流行ってるから、そういうことかもしれない。
それでも熱を測ってみないと分からない。
いや、少し身体が熱ってるくらいがちょうどいいかもしれない。
熱っぽい自分も悪くない気がしてきた。
身体がダルいわけでもなく、かといって外に出られそうもない、このくらいがいいのかもしれない。
こうやって一日中ソファにいてもいいかもしれない。
別に毎日元気じゃなくてもいいよね。
今日くらい微熱でも。
微熱がでただけでこわくなる。
子供の時から病気ばかり。
治まる微熱と一緒に気持ちも落ち着く。
単純に体は心を動かしていく。
複雑に心は体に追いつかなくなる。
簡単に大切なことを教えてくれる微熱。
微熱
───3泊4日の修学旅行。
今日は京都で八ツ橋工場を見学する予定がある。
ガタンガタンと揺れるバスの中で僕は考え事をしていた。
独りぼっちだし友達1人も居ない、
先生に誰かと班を組めって言われても
引き籠もりだった僕にはハードルが高すぎる。
お降りの際は、バスが止まってから────
アナウンスが聞こえバスを降り
僕たちは八ツ橋工場へ移動した。
工場で働く人の話を長々と聞いては
見学するために班を組むことになった。
「ど、どうしよう…」
不安でたまらなかった僕は
仮病を使おうかな…と迷っていた時、
後ろから透き通ったような声が聞こえた。
「ねぇ、良かったら私と班組まない?」
「え…いや、あっ、、えっと…ごめん!」
まさか声をかけられるなんて…
しかも僕が気になってる女の子。
前に教室の掃除をサボってる人達の代わりに
綺麗に丁寧に掃除をしているのを見た時から
教室で視線を追うようになって…
君に恋した女の子と話せる機会なんて無いのに
僕はドキドキして思わず逃げてしまった。
仮病を使い、見学を休んでしまった僕は
逃げてしまった罪悪感と
誘おうとしてくれた彼女の気持ちが嬉しくて
ちょっとだけ、にやけた。
───数十分後、彼女の班が見学が終わり
休憩時間になった。
「大丈夫?具合悪かったんだね、誘ってごめん!」
振り向くと君が不安そうにしていた。
仮病を使って休んだので心配されたけれど
勇気を出して今度こそ…と返事をした。
「あ、ありがとう!」
君は綺麗な笑顔をして僕の頭に触れた。
この時初めて勇気を出す事が
こんなに嬉しいなんて知った。
それと同時に彼女の手に触れたからか
僕の顔は熱くなっていた。
これは微熱だ、照れてない。
そう自分に言い聞かせた。
───これは微熱だと願って。
(綺麗な文字で綴られた誰かの日記。32p)
今日は林間学校のオリエーテーリング1日目。
ペアの子が私を「強い」と確信してくれていた。
なんだか照れるが、たしかに私は強い。きみとの勝負できみをボコボコに負かした。
その時のきみの表情に、闇が染まっていくところを見なかったふりをして。
(少し殴り書きになっている字。38p)
きみとの勝負は楽しい。
段々と追ってくるように強くなっていくきみを、私は眺める。
そこに一つの余裕がある。きみにとって楽しくて最高な勝負をする。
ああ、私の最高で宝物なあのライバルは、こんな気持ちだったんだろうか。
(子供のような、少しおどけた字。21p)
私の最高で宝物なライバル。
きみとの勝負は本気を出さないと勝てないことがあるから楽しい。きみもそう思っているんだろうな。
きみの横に立つまで、待たせてごめんね。
にしてもきみは、私がライバルになるまで、すごく上手い手加減をしてたんだね。気づかなかった。今度教えてよ、
手加減の仕方。
(32p。右端に小さく書かれている。)
私の最高なライバルとの勝負の熱さが"風邪"だったら、きみとの勝負は……
"微熱"かなあ。
_2023.11.26「微熱」
私と名前の同じクラスメイト、誕生日おめでとう。
「微熱」
目が潤んで、喉が燃えるように熱い。
これから仕事だというのに、頭がぼーっとして、なかなかメイクが進まない。
時刻は午前7時40分。電車が出るのは午前8時だ。
コレは間に合いそうもない。特に大事な用事もない今日はこのままベッドに飛び込んでしまおうか。
一度甘い方に逃げて仕舞えば、もう簡単に軌道に戻ることはできない。
熱が有ると嘘を吐き、会社に休みの連絡を入れる。
はぁーっと、溜息をつく。
溜息を吐くと幸せが逃げていくとは言うが、ため息をつくと気持ちが楽になるのは私だけなのだろうか。
目を閉じて、毛布を頭までかける。
意識がだんだんと遠のいていき、眠りに落ちた。
また、あの男の子に会う。
眠りに落ちると、毎回出会う男の子。
優しく、微笑んで抱きしめてくれる彼に私は一瞬で恋に落ちた。
ずっと彼といたい。
私を認めてくれる。受け入れてくれる彼と。
現実では味わう事のできない幸せに満たされていく。
鏡に映る、赤く頬の染まった私。
また意識が遠のいて、頭が悲鳴を上げる。
あぁ、彼に堕ちていく。
これはきっと、ただの微熱だ。
そう思いながら、彼女は目覚める事のない深い眠りへと堕ちていく。
堕ちる。
マリアは温度を確かめるように、おそるおそるお湯に手を入れた。
「ウーン、ちょっと熱い。こういうとき日本語ではナンテ言うんだったかな…そう!微熱デス!」
思いがけない答えに真弓はクスりと笑い、マリアに続き温泉に入る。
「微熱って!ワードチョイスおもしろ。うん、ぬるくはないけど、熱すぎもしなくてちょうどいい。いい湯。」
真弓の答えに、マリアは不服な表情を見せた。
「エ。微熱ってちょっと熱いの意味デショ?違うの。」
「物には使わないよ。大抵は人相手に使うことが多いかな。風邪引いたけど微熱だった、みたいに使う。」
「フウン。じゃあ、ちょっと確かめさせて。」
そうしてマリアはおもむろに、真弓の頬を両手で挟んだ。
「ななななな何するのマリア!」
「ンー?真弓が微熱かどうか確かめてるの。温泉入ってるから、ほっぺも温かいね。これが微熱、ってヤツ?」
「いや知らないし…」
突然頬に手を添えられ綺麗な目で見つめられる衝撃に、真弓は顔が熱くなるのを感じた。
「アレー?さっきより熱くなった。これは微熱間違いなしダネ!」
「もうそれでいいから手を離してぇ…」
微熱どころではない熱を感じながら、真弓はマリアをからかったことを後悔するのだった。
300字小説
新鮮なお代
人気の無くなった夜の通りから女性が薬店に入ってくる。
「子供が熱を出しました。お薬を頂けないでしょうか?」
心配げに頼む女性のスカートの裾から茶色の尻尾が見え隠れする。彼等に果たして人の薬は効くのか。病状を聞くと熱はそこまで高くないらしい。
「微熱ならビタミンを取って、暖かくして寝るのが一番だよ」
リンゴとみかん、使い捨てカイロを袋に詰めて渡す。
「お代は良いから、これを持ってお帰り」
女性は何度も頭を下げて店を出ていった。
数日後、店を開けるとシャッターの前に、女性に渡した袋が置かれていた。
「……ワカサギか。子供さん、治ったようだね。ありがとう」
新鮮なお代に礼を言う。朝霧の中、小さな足音が去っていった。
お題「微熱」
"微熱"
ピピピピ…ピピピピ…
「ん、……」
久しぶりの休日の早朝、いつものように目覚ましの音と共に意識を浮上させ、上体を起こす。
「……」
──なんだろう、身体が少し熱い気がする。
気の所為だと一瞬払い除けようとしつつも医者の性には抗えず、サイドテーブルの引き出しから体温計を取り出し、スイッチを入れてシャツを捲って脇の下に挟む。
少し待って『ピピッ』という音が鳴り、挟んでいた体温計を取って液晶に表示された体温を見る。
37.5℃
微熱だ。
「はぁ……」
──せっかく久しぶりに丸一日休みだと言うのに……。
休みの日に済ませたい事を一気に済ませようと思って計画していた事が崩れて、大きな溜め息を吐く。
──まぁでも、微熱なら半日位で下がるか……。
「みゃあ」
俺の溜め息に起きてしまったのか、ケージの中の子猫が鳴き声を上げる。
「悪ぃ、起こしちまったか?」
「んみゅ」
ベッドから下りてケージの中を覗き込みながら子猫に謝罪の言葉をかける。だが子猫は何処吹く風、小さく鳴いて皿の中の水を飲んでいる。
「待ってろ。今、飯持ってくるから」
ケージの扉を開けて餌皿を取り、部屋を出て子猫用のご飯を皿によそってぬるま湯を入れてふやかし、スプーンで混ぜてペースト状にする。
皿を片手に部屋に戻ると、ケージの外に出ていた子猫が「みゃあん」と元気な一声を上げてケージの中に入る。
いつもは扉を閉めてから部屋を出ているが、休みの日なので今日は一日扉を閉めないでおこうと扉を開けたまま部屋を出たのだ。
「ほら」と皿をケージの中の定位置に置くと「みゃあ!」と鳴き、皿の前に陣取って中に顔を埋めて「うみゃうみゃ」と鳴きながらご飯を食べ始める。
ご飯にがっつく子猫をまじまじと見る。まだ数週間だというのに、最初の頃より大きくなっている。子猫の成長は早いと聞いたが、まさかここまで早いとは思っておらず、とても驚く。だが驚きと同時に、微笑ましくもある。
──たんと食べて、大きくなれよ。
いまだにご飯をはぐはぐと食べている子猫の背中を優しく撫でる。すると子猫がこちらを振り返り「んみぃ」と鳴きながら、背を撫でていた手に喉を鳴らしながら擦り寄ってきた。餌皿を見ると、沢山乗っていたはずのご飯が綺麗に無くなっている。
「お前本当に食いしん坊だな」
ふ、と微笑ましく思っていると、身体の怠さが襲ってきた。軽度の怠さで気にならない程度だが、身体の熱っぽさと相まって具合が悪くなる。ふらりと立ち上がってベッドの上に寝転がって毛布にくるまる。
「はぁ……」
先程より少し酷くなっている。微熱だからといって侮るなかれ、あまり動くと熱が上がってしまう。
──飯は、いいや…。用意している間に熱が上がってしまう…。
ぼーっと天井を見つめていると、何かがベッドの上に乗ってきた。
「みゃあ」
目だけを動かして横を見ると、子猫がベッドの上に乗って枕元に来ていた。不思議そうに俺の顔をまじまじと見ている。その様子を眺めていると、俺の顔のそばで体を丸めた。
「お前、まさか心配してんのか?」
なんて絵空事のような事を口にすると「んみぃ」と鳴いて少しすると、ゴロゴロと喉を鳴らし始めた。
「……」
──暖かくて、落ち着く。
すると、だんだん眠くなってきた。
──休日だし、こういうのもたまにはいいだろ。
眠気に抗う事なく、瞼を閉じて意識を手放し、眠りにつく事にする。
「ん……いつの間に…」
目覚まし時計の液晶に目をやる。おそらく二時間ほど寝ていたのだろう。
「?…あれ……」
上体を起こすと、思わず疑問の声を上げる。朝起きた時と眠る前にあった熱っぽさと怠さが無い。試しにもう一度体温計で熱を測ると、平熱にまで下がっていた。
下がるのに半日は要すると思っていたのに、こんなに早く下がってしまうとは。柄にもなく驚いて、開いた口が塞がらない。
ふと、枕元に寝ている子猫を見る。まだ気持ち良さそうに瞼を閉じていて、すやすや夢の中だった。
「……」
──ありがとう。
ふ、と口角を上げて心の中で、まだ夢の中の子猫に感謝の言葉をかける。
起こさないように、そーっとベッドから下りて、自分の朝食を済ませに部屋を出た。
【微熱】
『こほっこほっ』
僕の恋人は人より体が弱くいつも夏と秋の変わり目には風邪をひく。
しかも長引くし微熱が出る。
僕はその恋人をほぼ毎年看病する。
両親はしばらく何処かへ行っているらしい。
恐らく他界だ。
周り人が悲しませないようにと気を遣っているらしい。
『こほっごほっ』
今年は去年よりも悪化している。
『行かないで…』
僕が今日の夕飯の買い出しをしようと立ったらたら服の裾を掴みながら言ってきた。
『ほんっと可愛い…』
絶対風邪を引いてる人に思ったらいけないけど思ってしまった。
ふと恋人を見ると頬を赤らめていた。
どうやら口に出ていたようだ。
微熱
これは微熱なのだろうか
私はあまり熱を出さないから分からないけど
少し体がしんどかった
体調が悪くても君が隣に居てくれたから、
君の声で元気になれた
ありがとう
居てくれるだけで私は嬉しかったよ
私も君が体調悪い時、
隣で居れる存在になりたいなぁ
「微熱」
「おい!!しっかりしろ!」
またひとりやられた。
―くっそ。数が多すぎる。どうなってるんだここは。
閉鎖的な世界を巡る俺らが、見たこともないやつらと相対する。
―こんなの聞いてない...嫌だ...逃げたい...
「俺達がいかなきゃこの世界は終わるんだぞ!
俺達には戦う以外道はねぇぞ!」
どこからともなく声が聞こえた。
―確かにその通りだが、それが本当に正しいのか...?
―絶対に死ぬと分かっていながら戦うのか...?
―俺は何のために生きているんだ...?
―俺は死ぬために生まれてきたのか...?
混沌とした絶望に包まれる。
体がじわじわ熱くなる。
その時気づいた―
俺の為に、自らを犠牲にするやつらが何億もいることに。
自分を犠牲にして彼らの世界を守ったその証に。
―俺も...守らなきゃ...
男は一歩ずつ、足を踏み出し始めた。
―この世界を守るために―
「おい!!しっかりしろ!」