『寒さが身に染みて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
凍る指先
熱に触れ、痛い
溶ける前に
ほどいてしまう
/ 寒さが身に染みて
寒さが身に沁みて、ついでに出汁も染み込んでくる。
コーラを飲めば歯にしみて、ちょっと溢してお気に入りにシミができる。
紙魚は見なかったことにして、読み進める。
ふわりと意識が覚醒する。ぼんやりとした景色がだんだん浮かび上がって、カーテンの隙間から光が差し込んでいるのが見えた。首だけを動かしてスマホを探るけど、ベッドにその姿は見当たらない。うーん…
わたしはもう一度枕に頭を預ける。
感覚からしてだいたい昼過ぎなんだろうなと思う。昨晩、ずっと携帯をいじっていたら朝になっていた。…というか、朝が来て欲しくなくて携帯をいじっていたら残酷にもそれが来てしまったのだ。火曜日に1時間半寝で学校へ行ったことを考えて、まぁ行けるだろと高を括っていた自分は何だったのか。
ま、過ぎたことだしいいや…
火照った腕を掛け布団の上に放り出すと、ひんやりして気持ちがいい。…そういえば、こんな風に学校を休むのはいつぶりだろう。天井でゆらゆら揺れている光を見ながらぼんやり考えた。
学校を休む回数自体は少なくなかったが、そんな日もたいてい朝は起きていて、なにか作業をしていた。この前の正月休みだって、常に毎日なにかしら活動する日々だった。そう考えると、お昼からこんなにゆったり過ごすのは、ひどく久しぶりな気がした。
わたしは手触りのいい毛布を手繰り寄せて、そこに頭を埋める。ネコの身体に包まれているような、柔らかくて暖かい感覚。ふわふわと頬を撫でるそれに、わたしはまたふんわり意識が遠のくのを感じた
寒さが身に染みて
温かい君が居ないから、今年の冬はいつもに増して寒さが身に染みるね。
寒さが身に染みて
寒さで、手が悴む。
雪空で、心もうら寂しい。
おうちに帰ろう。
大好きな人たちと愛猫と過ごせる時間は、
ほっこりあったかい。
いつもありがとう。
疲れとともに吐き出した息が白い。
寂しいのは、寒さのせいか。
もう夜も遅いけれど。少しだけでも、きみの声が聞きたいと思った。
【寒さが身に染みて】きみのことを恋しく思う
[とある大学サークルの部室前にて]
あ、タクミ君!来てくれたんだね。
マリ先輩、すごい雪ですね。
そうなの。一晩で40センチだよ!本当は雪かきしたいんだけど、昨日ボルダリングで右足痛めちゃったの。これから部長たちとミーティングもあるんだ…
終わるまでの間、お願いっ(*-ω人)
は、はい!(マリさんの頼みなら…)
[雪かき始めて20分]
お、タクミ。雪かきやってくれてんのか。ありがとな。ミーティング急ぎだから、悪いな。
は、はい…(寒さが身に染みる…(-_-;))
[雪かき始めて30分]
タクミ。聞いたよサンキューな!どうしても今日中にレポート先生に出さなきゃなんなくてさ。
部長。お疲れさんです。(寒さが身に染みる…(-_-;))
[雪かき始めて40分]
いやぁ、雪で遅れた!タクミん助かるわ!ちょっとごめんね。
カズミ先輩。お疲れっす(寒さが身に染みる…(-_-;))
[あれから2時間。窓から]
…頑張ってるね。彼だけだよ来てくれたの。
勧誘した時はマリの色仕掛けで入ったけど、たくましくなったもんなぁ(´▽`)
俺も1年の時、大雪でさ。一人でやってた(笑)。皆呼んだんだけど、ずっと未読なんよ(-。-)y-~
レポートこれで行きましょ。かなりやらせちゃってるから早く。
(寒さが身に…)
タクミ!お待たせ!助かったよ(^_^)/
残りは俺たちがやるから休んでろ。
タクミ君、ホントにお疲れさん!コーヒーとドーナツ用意したから召し上がれ(^^ゞ
いやぁ、タクミん。大好きなマリちゃんのおもてなしだよ。良かったね(^o^)
お前がボルダリング部を背負って立つ救世主だ(笑)
(みんなの温かさも身に染みる…(T_T))
寒さが身に染みて
仕事終わり
疲れた〜と家に入ると
そこにあるのは
ひんやりとした真っ暗な自分の部屋
自炊する気もないから
お湯を沸かして
カップラーメンを作る
そんな毎日
久しぶりに実家に帰ると
感じることが一つ
あったかいな…
私は、どちらかというとあなたが苦手。
呼んでもないのにやって来たかと思えば、周りのことは気にもとめずひとりで口笛なんか吹いているし。
あなたを思うとうんざりすることも多いかな。
でもね、あなたが側にいるときだけ、私は普段飲みもしないホットの缶コーヒーを買うの。
缶コーヒーの熱がこもるポケットで、じんわり指先を温めて、ちらつく雪の中、冷たい風に乗せて私は結局、毎年あなたの名前を呼んでしまう。
北風小僧の寒太郎
#寒さが身に沁みて
どうして
どうして、
どうして……
こんなに切ない気持ちを抱えて生きて行かなくてならないんだろう
きっと分かり合える日なんか来ないのも解っているのに
まあ、消え去る選択肢が無い以上は
この気持ちを誰にも気づかせずにひっそりと生きてくしかないか
こんな日は、本当に
寒さが心にも、身にも沁みる
寒い寒いと叫んでも 応える者がいなくとも
ただ歩く 進む 邁進する
一人 1人 独りぼっち
振り返っても 足跡はひとりきり
#さむさが身に染みて
寒さが身に染みて
2023年現在、1月にも関わらずキャンプをしている私。夜は公園でテント泊。外気−1℃〜3℃の中、足先から凍える夜は「寒さが身にしみて」寝るどころではない。そんな時は、「はるカイロ」で足先を温めると眠りやすい。
早く春がこないかな。体の寒さはなんとかなっても心の冷えはどうしようもならない。
そうだ4月になったら故郷へ変えろ。母親に久しぶりに会いに。父親の墓参りもかねて。
さあ、「はるカイロ」を卒業して、
「春帰ろ」
寒さが身にしみて
エアコンは付けたくないので、家では厚着をして、過ごしている。
それでも我慢できないので、加湿機能付きのファンヒーターをつけた。
それでも、特に左側が寒いと思う。
だから、冬は少し苦手だ。
【寒さが身に沁みて】
冷たい雪が降る夜に生まれたから
きっと熱帯夜に死ぬのだろう
ひとりぼっちはさみしいらしい
孤独をかき集めてもだめらしい
たくさんの人がひそひそ囁いて
言葉があわ雪のように消えて
しーんとした夜
そんな夜しか知らないから
身に沁みた寒さ
凍えるような静けさだけが
寒さが身に染みて
風の寒さが身に染みて、故郷の寒さを思い出す。
雪国の寒さに比べれば、なんてことはないはずなのに。
説教が頭に染みついて、子供の頃を思い出す。
あの頃はいくら叱られても、自分の正しさを信じてやまなかったのに。
何もない部屋が心に染みて、布団の中に縮こまる。
独りが堪えられないなんて、そんな性分じゃなかったのに。
湯船に浸かれば、熱と安心が全身に染み渡る。十数分後の無防備と引き換えの幸福感。
強度が下がっていく、今日この頃。
2023/01/12
『寒さが身に染みて』
北向きの部屋
寒さが身に染みて
猫達、日なたに大移動
昼間はやってきやしない
熱いお茶を飲む習慣が
ここのところ身について
湯気を立てるコップが
すぐ脇に
流れる音楽も
心を温める
冬は嫌い
でも、この時間は好き
寒さが身に沁みて…
物理的な寒さよりも
ココロの寒さがキビしい
懐の寒さとかもキビしい
あまり味わいたくない感情
そのために日々ガンバってる、のかな
寒さが身に染みて
亮太は今日がクリスマスイブだけど仕事している。
自分の店を構えるケーキ屋だから、今日休みが無いのは当然の事だけど、何だか寒さが身に染みていた。
窓の外は普段とは違い道を歩いているのはカップルが多く見受けられ、イチャつくカップルや手繋ぎカップルばかり目に付く。
羨ましいと言えばそうなんだけど、でも、だからといって亮太は先月三十路になったばかりの独身男……出会いが無いのだから、結婚なんてものはもう諦めていた。
――カランカラン
「いらっしゃいませ」
笑顔で対応するものの、結婚を諦めているはずなの亮太がどこはかとなく寒さが身に染みるのは、やはり羨ましい証拠ともいえる。
――カランカラン
「いらっしゃいませ」
「小さいホールケーキが欲しいんですけど」
「すいません売り切れてしまいました。Mサイズかショートケーキはどうてましょうか」
「うーん、お勧めはどれですか?」
「お勧めの商品はイチゴいっぱいのショートケーキになります」
「ならそのショートケーキ2個ください。 閉店迄の間にまた伺うのでそれ迄取り置きお願いします」
「はい、取り置きですね、わかりました」
カップルばかりのお客の中、一人で来た女性客はそう言ってお店を後にしたのだけど、亮太は何処か見覚えがあるように感じた。
お店が閉店間際になる頃、昼間に一人で来店された女性客が商品を受け取りに漸く来たと思ったら、亮太は突然その女性から紙袋を渡されることに。
「えっと……」
「あれ、亮太忘れちゃっまたの? 私明日香よ」
「明日香……も、もしかして中学の時引越した明日香か?」
「うん」
そう言ってニッコリ微笑んだ彼女は、ロングな髪を巻いていて、とても美しいな女性へと変貌を遂げていた。
亮太と明日香は中学時代は異性関係無く大の親友で、明日香はショートの髪で、活発で、顔を男っぽかったのだから、今の姿を見ても直ぐに明日香だと気づけ無かったが、二重のアーモンド型の目を見て明日香だと思い出したのである。
「今はこっちに住んでてね……だからまた宜しくね」
「あっ、うん……ところでこの紙袋って?」
「中学ん時に渡せなかったクリスマスプレゼントだよ、二人でプレゼント交換しようって言ってたでしょ」
「あっ、そういえば……」
明日香はクリスマスの前に転校したので、プレゼン交換しないままだったのである。
「ごめん、明日香に渡せるプレゼント用意して無いから……イイよ別に……それより開けてみて」
「うん……」
中には手作りだというキーチェーンが入っていて、手紙も添えられてた。
「よ、読んでみて」
「うん」
手紙には中学の頃亮太を好きだったこと、それと、今彼女がいないなら立候補したいことがかかれている。
「えへへ……どうかな?」
「お願いします」
「えっ、本当にイイの?」
「イイにきまってるだろ」
「わぁーぃ、嬉しい、頼んでた取り置きのケーキ一緒に食べよう」
「そういえばケーキあったね、イイよ明日香に奢る! こっちの大きなのにしようよ」
「わぁ、嬉しい亮太からのクリスマスプレゼントだね」
寒さが身に染みていた一日だったけど、亮太は一気に暖かくなったのを感じた。
私の内に…もう1人冷淡で冷酷な私が潜んでいる。
義理人情に厚い人間だとも思っている
本当の私はどっち?
きみが突然、デパートに行こうって言うから。何か欲しいものがあるのかな、って思ったの。
デパートに着いてみたらびっくり。
人が多いし、みーんな寒いからか肩寄せあってたのしそうなの。しかも、デパ地下が大盛況。あ、もしかして! ってちょっと期待。けれど、ぜーんぜんそんなことなかった。きみってばスタスタ。
もう、何なのさ。
ちょっと期待しちゃってばかみたい!
エスカレーターで、一階二階三階……そんなに昇るならエレヴェーターでよくない? そしたら、乗るべき人が乗れるように。
そういうところ、律儀で気持ちいい。
連れて来られたブース。
え、これ結構なブランドのお店じゃないの? きみってば、ちょっと倹約思考。あんまりイメージないのに。
並べられている防寒具。
……値札をね、ぺらり。もう、もう、卒倒!
なのにきみったら、
「どれがいいでしょうか。……あなたなら、どれを選びます?」
「!、!、!? ぼ、ぼくに選ばせる気!?」
「参考にします」
「ゔぁあ!」
ひどいこと言うんだから!
選べ選べって。ぼ、ぼく、モールの安売りとかファッションセンターとか百均くらいでしか買わないよ。審美眼とか慧眼とか持ってないんだから。
とにかくきみに似合いそうなものを、機能性とかあったかさとか、必死で見繕う。店員さんに話しかけられないかビクビクしながら、冬なのに嫌な汗いっぱいかいた。
ふい、と見ればきみ、店員さんと普通に話しちゃって!
ぼくがばかみたい!
選んだものをきみに見せて。
もう、値札なんか気にしてやらないんだから。
ぼくが選んだものと、きみが選んだものを見比べたり、着けてみたり。うんうん、って。
…………きみがたのしいなら、いいや。
「ちょっとこれ、着けてみてください」
「ぼくが?」
「客観的に見たいんです」
「ふぅん」
ぴったりな二対。
親指から小指まで寸分違わず。
「うん、良さそうですね」
「でもこれ、きみの趣味じゃないよね?」
「ええ。あなたのですから」
「は」
流れるようにぼくから手ぶくろを取って、店員さんに渡そうとするんだから!
そういうの、そういうところ……!!
確かにぼくの好きなデザインだけれども!!
「ねーえーっ! お財布寂しくなっちゃう!」
「パンパンですから、減らすのがいいですね」
「きみの買うって言ってた!」
「言ってません」
くそうっ!
ピッてお会計されたそれは、目を塞ぎたくなるほどの表示が出てて。しかも、別途できれいなラッピング。ほんと、ほんとさぁッ!
「……ありがと。うれしいけど、なんで急に」
「あなた、自転車に乗るでしょう?」
「うん」
「コートにマフラーはするのに、手ぶくろをしていなかったから」
「……うん。片方失くしたの」
「ふふ、いい機会でした」
「……ありがと」
「えぇ。どういたしまして」
めっちゃうれしい。
絶対今度着ける! 失くさない! って思ってたんだけど――――家から出て、おっきな坂道下ったところで気づいたの。
「あ゛ッ! 手ぶくろ忘れた!! ゔぁああッ」
グリップを握る手が真っ赤っ赤。
……すっごく、すっごく、さむい。悴んでるし、ジンジン。せっかくきみが、あったかいように、って買ってくれたのにぃ!
ぼくのばかぁあ!!
#寒さが身に染みて