『宝物』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「それじゃあ、いくよー」
そーれ、と元気よく振りきった。その棒の先には粉々に砕け散った破片がきらきらと光を反射して静かに横たわっている。
「んー、足りないのか。じゃあもう一回」
そーれ、と力強く叩きつけた。一度、二度、三度四度。
きっとまた足りないと言うだろうからサービスしておいたよ。大丈夫、もう誰にもわからないよ。
「後片付けまでやらせるのか。本当にしょうがないな」
ザッカザッカ、と雑にまとめられて古い新聞紙とともに半透明の袋に入る。ああ、可哀想に。ただでさえ柔い肌が傷ついて血が滲んでしまっているじゃないか。
私がそうさせたのか、そうだね。私のせいだ。
きっかけはあなたの不手際だったけれど、欠けてしまったのは私だもの。大切に、大切にしてくれたあなたを悲しませてしまったのは私。私は役目を終えたけれどあなたはまだ終えていない。だから次を迎えるために必要なことなの。だから、そんなに泣かないで。
いつかあなたが役目を終えたとき、また一緒に過ごしましょう。言葉なんてあなたと私の間には必要ないの。
今までもそうだったように、穏やかな時間を一緒に過ごせるときを私は待っているからね。ゆっくりでいいの、ゆっくりよ。あなたが同じ悲しみを繰り返さないようにゆっくりと慎重に扱ってね。
心とは難儀なものね、少し嫉妬してしまいそうなの。
内緒よ、私はそれだけあなたのことを愛しているの。
【題:宝物】
宝物なんていらない
みんなが
どうにか
生きていてくれさえすれば
辛い時を越えて
なんとか生きて
ーーー宝物ーーー
「どうして失くしちゃうの? あなたの宝物だったでしょ?」
わたしは猫のベルナルドを捕まえて問いただす。あんなにお気に入りで毎日遊んでいたおもちゃを、また失くしてしまったのだ。
「さっきまで咥えて振り回してたじゃない」
彼の周囲を探しても、どこにも落ちてない。ちょっと目を離したすきに、いつだって彼はおもちゃを失くす。
腹が立ったわたしは、パパにいいつけてやることにした。
「パパ! ベルナルドったら、わたしがプレゼントしたおもちゃを失くしちゃったのよ!」
わたしが叫ぶと、パパがリビングにやってきた。
「ああ、それならきっと、彼の宝箱にしまったんだね」
パパは訳知り顔で笑ってる。
「宝箱?」
「ソファの下を見てごらん」
『宝物』
こどもたちはみんな
宝箱を持って生まれてくる
ひとつひとつ取り出しては
光を放ちながら育っていく
何も付け加える必要なんてない
見守るだけでいい
それぞれの色で
美しく輝いていくよ
「宝物」
#253
宝物といえば、何を思い浮かべるのだろう。お金、恋人、昔拾った貝殻……など、人それぞれだと思う。だけど、私の宝物は私が今、生きているこの時間だ。どれだけ平和でも、明日生きているとは限らない。そして、生きたくても、生きられない人が数え切れないほどいる。
だから、私が生きている今は誰にも分けることも、あげることもできない大切な宝物だ。だから、私は生きていこうと思う。
今、息を引き取ったおばあちゃんの言い遺した言葉通りに。
『メリーメリー』
メリーメリーは宝探しの名人だ 数多の夢を掻き分けて 金銀パールを見つけ出す だけどもそんなことよりも あの子は綿飴が好きなんだ 桃色の雲のよな
森の中の宿木のよな もこもこしてたら尚の事 綿飴手にして 宝はポイ捨て 群がる人々知らんぷり
宝物は”今後の予定”
楽しみな予定がないと嫌なっちゃうからね。
生きる希望です。
ちなみにクリスマスに蟹旅行へ行く予定が今のお宝。🦀
予定が無くなるとまた予定を立てる、その繰り返し
やっぱり冬は蟹だよな〜
#59 宝物
精一杯掬い上げても、
溢れ落ちていく
2023/11/21
あなたと
最後の別れをした日から
あなたは
思い出の中のひと
あなたの眼差し
あなたの言葉
癖や仕草
歌声 笑い声
ひとつひとつを
わたしの心は憶えている
あなたと過ごした日々の
穏やかで優しい記憶は
常に
わたしを満たし
潤し
癒やし続ける
あなたとの想い出は
あなたがわたしに
遺してくれた
唯一無二の
宝物
# 宝物 (326)
《宝物》
失ってから気づくもんだよね。
それが宝物だったってことが。
どんなに大金をはたいたって買えないもので
唯一無二で。
毎日喧嘩ばっかりしてたことや
嫌なことばかりを思い出すからと
貴方の作品を叩き割って捨ててしまった。
重ならないお椀。
最初からヒビの入った大きな絵皿。
茶道なんて、たしなまないのに
たくさんある抹茶茶碗。
手元に残してるものも捨てた作品も
どれも同じようなものなのに
捨てた器ばかりが気になってしまう。
なにもかもが《宝物》なんだと思う。
そんな今日は父の命日。
貴方の作品は、毎日の食卓に欠かせない。
宝物╱11月20日 月曜日
あなたに貰った手紙。
一緒にしていた交換ノート。
あなたがくれた、壊れた三角定規。
あなたが私に与えてくれたものは、全部残ってる。
あなたに言うと、「いらないでしょw」って言われるけど、私にとってはいつまでも大事なの。
大事なのは、物だけじゃないよ。
あなたが私にくれた言葉。
一緒に過ごした日々。
全部全部、私の大切なもの。
大事な大事な、宝物。
これからも、たくさんの宝物を増やしていきたいね。
そして、どちらかが虹を渡る時、「幸せだった」と笑いあって逝けるといいな。
これからも末永くよろしくね
あなたにとって宝物ってなあに?
子供の頃から大事にしてるものとか?
うちにとっての宝物は「思い出」。
嫌なこともあったけど、今思い返すと、あのときの自分がいてくれたから今の自分がいるんだなって思えるんだ。
いつからか自分はずるくて、悪いやつで。弱くて自信もなくて、はっきり言えるはずなのに、いざという時には言えなくて。しょうもない自分だった。
でも今は違う。自信もあるし、今が楽しいって心から思える日々を過ごせてる。いいやつになれたかはわからないけど、前よりはマシだと思う。
私にとっての宝物は「思い出」。
私にとって、最大の宝物は「人生」だよ。
宝物
久しぶりに5人で集まった
みんな忙しくて距離があいたけど
集まるとちょっとバカになって
ずっと笑ってる
それが大好きで
一生大切にしたいんだ
私事ですが、最近日記を書いてるんです。
ほとんど好きな人との会話を綴っているだけですが…。
鳥頭なので、すぐに忘れちゃうんです。
でも、彼との思い出はずっと忘れたくないので日記を綴るようにしています。
物事をやる場合、いつも三日坊主な私ですが…
この日記だけは2、3週間継続させて頂いてます。
綴っている文、言葉一つ一つが、私の宝物です。
ずっとしまっておきたいもの。時間をおいて少し出してはニョニョしてしまうような。ニョニョしてしまうけれど、決して周りには知らせたくない稀有な、はかないもの。形があるような、ないような。どこにでも隠せてしまうような、そんなすきまに潜むもの。
あまりにも近くに
当たり前のようにあるから
大切だと忘れそうになる
そんなものが溢れてる私は誰よりも幸せ
“宝物”
腰にぶら下がる金色の円盤をぽん、と軽く叩いて少年は笑った。
「ぼくのみっしょんは、ずっとずっと、どこまでもとおくへいくこと。うちゅうのはての、そのまたむこうまで、みんなのこえをとどけるのがしごとなんだ」
得意気な顔をして少年はえへへ、と笑う。隣に佇む黒衣の青年は、彼の言葉に不思議そうに首を傾げるだけだった。
「あのあおいほしのしゃしんは、ぼくのたからものだけど」
遠い果てを見据えるように、少年は爪先立ちで背伸びをすると窓辺に腰掛けたままの青年に肩を並べた。
「このごーるでんれこーどにきざまれたじょうほうが、とおいとおいうちゅうのはてで、はじめてであうだれかのたからものになったらいいな、っておもうんだ」
地球の音。風。光。言葉。命。そのどれかが、何かが、かけがえのないものとして誰かの宝物になる。青年にとっての音楽のように。歌姫のように。少年にとっての“遥かな青き星“のように。それはなんだか、とても素敵な事に思えて――。
「……ふふ」
「……えへへ」
再現された作り物の星空の下。二人は視線を合わせてそっと微笑んだ。
END
ふと思い立って昔埋めた宝箱を見つけに行くことにした。
なんでも物凄い財産があるとか無いとか。多分ない。
夢を抱くのはいつでも大切だろうと思って早速出発。
実家から車で10分くらいの所に埋めたと思う。
車をおりて記憶と地図を頼りに宝物を探す。
地図は俺が昔書いたものでぐっちゃぐちゃで頼りにならないのでほとんど記憶だけが頼りだ。
木の根っこ辺りにうめたかなーなんて思いながら木々の根っこをきょろきょろ。
流石にきょろきょろだけじゃ分からない。
あ、なんかこの木見覚えあるかも。
と思って掘り起こしてみる。
好きなクッキーのカンにが出てきて掘った甲斐があったなと思う。
早速開けてみた。
そこには仮面ライダーのフィギュアや自分への手紙、スーパーボールなど子供らしい物が沢山入っていた。
手紙を開いてみると古代文字かと思うほど読めない文字がずらりとならんでいた。
こりゃ解読が難航しそうだ。
『宝物』
私だけが抱きしめていても
鼓動で耳を塞げたならばそれでよい
(宝物)
🍀宝物
今浮かぶ宝物は2つ。
・高校の頃の想い出
今でも鮮明に想い出しては涙を流し戻りたいと願う。
楽しかった想い出を楽しいままに。
想い出して辛くならないようにするには時間がかかる。
この想い出は私と先生たちを繋ぐ大切な記憶の宝物。
・尊敬する方から頂いたネックレス
この方と会う時は服に似合おうが似合わなかろうが
必ず身につけて会っている。
失くしたくない。壊れたとしても直す。
このネックレスは私に安心感を与える大切な消えない宝物。