『夜明け前』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
いっそのこと
もういっそのこと、思い切り浴びてみようかな、
と思う時がある
最近見た漫画に影響を受けているのかもしれない
夜明け前、遮光カーテンを完全に締め切り隙間がないかしっかり確認する、毎日の作業だ
確かに歳は取らなくなった
未だに若い時の姿を保っている
でも腹は減るし、お腹を満たすにはお金を稼がねばならない
日を浴びられないのには慣れたが、人の姿をしている以上やっぱり社会に合わせた行動を意識しないといけない
近代社会になり、やっと目立たなくはなってはきたのだけれど
その分、受け取る情報が爆発的に増えた
テレビだのインターネットだの、最近はもっぱらYouTubeのお散歩チャンネルを見続けている
自分の生命をこちら側に委ねられたあの日から
私は大きな光を失った
漫画で見た竹を咥えた少女は特異体質でお日様を克服できたらしい
もしかしたら、私も、同じ様に
夜明け前、毎日思うようになった
もう、いっそのこと、思い切り朝日を浴びてみようかな、て
『夜明け前』
中々眠れず、ようやく眠れたと思えばこんな時間に目が覚める。
いっそあきらめて起きた方がいいのではとも思い始めた。
暫し、思案。
そっとベッドを抜け出して、温かいコーヒーをいれてベランダへ出ることにした。
昼間はまだ暑さが残るけど夜は少し肌寒い。
いつもは賑やかな街もまだ眠っているようで、静かな景色をしばらくぼんやりと眺める。
そういえば漫画で読んだけれど、早朝の渋谷は青いらしい。ここは渋谷ではないけど青くなるだろうか。
……見てみたいな。
少しワクワクした気持ちになる。
きっと昼間寝不足で恐ろしく眠たくなるかもしれないけど、たまにはこういう日もあってもいいかな。
「夜明け前」
夏は明るかった早朝も、徐々に暗くなっていく
この時間も冬になれば真っ暗になるのだろう
そう思いながら今日もお弁当を作る
父さん。
もうすぐ会えるよ。
僕はもう死ぬからね。
やっぱり父さんがいないとなんだか寂しいよ。
僕は1人では生きていけない。
そんな弱い人間だ。
父さんは僕に死ぬなって言ったよね。
ごめんね。
約束、守れなかった。
【夜明け前】
闇の中を彷徨う
夜明けは来ると信じて
夜明け前だと信じて
闇を切り裂く光を待つ
私は今、夜明け前にある準備をしている。家の2階へ行き、東側の方へ行く。後はヘッドホンをつけるだけ。すでに、再生する準備はできている。そう、あの曲を聴くために準備をしている。夜が明けそうになったら、再生ボタンを押す。比較的にゆっくりなスピードなので、私にとって聴きやすい曲だ。涙が溢れそうになるけど、太陽を見るために顔を上げる。
あなたのことを思い出したくて、この日にこの曲を聴くと決めていた。この曲はあなたが教えてくれたね。でも、もう私は大丈夫そうです。だから、あなたも安心して旅立ってね。
ちゃんと、待っててね。
夜明け前の静けさの中落ちるように死ぬようなそんな空想
2024/09/14
『めざめ』
宮沢 碧
『車を運転する時は、薄暮に気をつけるように』
教習所でそう習ったのは一五年前だっけ。まさに夕闇の始まりを俺は東京から大阪に向けて、東名高速を駆け抜けていた。
はたちの夏休み、友達ととった運転免許を俺は今日も使って生きている。その友達はもう連絡はとっていない。付き合う人が減る。変わる。生きる空間が異なっていくから自然とそうなる。大人になるとはそういうものだ。毎日誰かと話していてもそこらを歩いている見知らぬ赤の他人と同等或いは毛が生えた位の浅さだったりする。たとえば近所の人、会社の人。自分がきちんとした関係を作ってこなかったせいも幾らかある。
そのことについて、今ほど思い詰めて考えることはなかった。
トラックの長距離運転手を始めた。会社を退職したから。人と協力してプロジェクトを進める仕事には疲れてしまった。家庭は持っていない。他人というものをどうしてもうまく信じきることができなかった。寄りかかったら倒れてしまうもの、寄りかかったら消えてしまうもの、寄りかかられても重いもの。初手の恋愛で、伸ばした手を拒絶された日から僕は全然立ち直れていなかった。
傷を舐めるという趣味もなかったから、数少ない友達に打ち明けて相談することもしなかった。昔のように学校で毎日会わなくなった分、たまに会う時やたまに連絡を取り合う時には強い俺、安定した大人でありたいと小さくも高いプライドがあるからだ。それを崩したら最後、きっと一片のカケラも残さずに俺という存在が砕け飛んでしまう。でも大人になってからの恋愛の躓きは壮大で、ぽっかり空いた穴の埋め方がわからない。昔読んだ仕事の啓発本に問題は書き出せという文言があったと思い出してペンをとってみたものの、言葉を書きつけてしまえば現実を書きつけさせられているようで、一文字も、一筆たりと文に書き留める気になれず。拗れに拗れた。どうしようもないから空箱に墓と書いて、蓋を閉じることで過去を無理やり閉じようとした。
箱が閉じようと、心の傷は塞がりはしない。ならば忙殺されてしまえと飛び込んだのが運転手の仕事だった。求人の中で1番最初に目に飛び込んできた掲載だったから。なり手が少ないこともあり、すんなりその会社に入り、長距離ドライバーになった。車の運転は嫌いじゃない。むしろ好きだ。そしてこの仕事ならば一人で完結させることが出来た。まさにうってつけだった。
しかし大きなミスがあった。運転する間、俺は一人で、その恋愛の痛みと孤独を反芻をせざるを得なかったのだ。暗くなれば考え事をしたくなるのが人の性だ。アンニュイな夕暮れを迎えれば、夜景を見れば思い出が走馬灯。眠気覚ましに聞くラジオから恋愛の歌が流れない日はない。満開のラブソングを聴いてもいたたまれず、バラードが流れれば同じ心境にずっぷりとハマって、悩みは深くなるばかり。
人はどうやってこの傷みを乗り越えているんだ!と、無線で繋がる同エリアを走るオヤジ運転手たちのよもやま話を聞きながら、子供や妻の話をする連中の古傷を思ったりした。いや、古傷なんてないのかもしれないとさえ思った。初手の恋愛が遅すぎた。何も知らなければ、鉄棒から落ちてもまた鉄棒を握ることができる。でも、大人になってからじゃ遅い。最悪首の骨を折って死ぬこともある、不随になることもある。とか。色々知りすぎている。
こんな時に自分の弱いところを一緒に慰め合って、笑い合える人を一人でも作っておくべきだった。苦しい苦しいと思いながら、自ら作った鉄壁の矜持の壁に挟まれて、誰一人として腹の中を見せられる相手がいないことを悔やんだ。そして同時に腸を見せる勇気がない小さな自分を恨めしいと思った。自分は涼しい大人だと言わんばかりに世の中を泳いだ罰か。
辛気臭さに、辟易して窓を開けた。重低音のタイヤの音と、ごおぉという風が入る。それから、定期的に眠気覚しで入れられた溝が鳴らすゴトンゴトンという音だけ。それ以外は本当に静かな夜だ。無機質な世界だ。今夜は月もなかった。定期的につけられたオレンジ色の灯だけが道路を照らす。暗闇に真っ直ぐに連なる電灯が指し示すこの道をまっすぐ行け。それしかわからない。
涙が溢れそうになった。いや、俺の目からは確かに涙がぼろぼろと溢れた。この気持ちを認めなければ強くなれない。俺はそう思った。サンバイザーを下ろして、中のミラーを見た。中の男は泣いていた。情けない、それが俺だ。俺はグスとしゃくりあげた。目に焼き付けて、サンバイザーを戻す。
ふと、そこにさしていた免許証が目に入った。はたちの夏にとったゴールド免許だ。
「薄暮には気をつけるように。そして夜明けにも気をつけるように」
俺は教習所の教官の言葉を思い出した。薄闇は、見えにくいから気をつけなさい。夜明けは眠気に気をつけなさい。そして、夜明けの暗さに気をつけなさい。それは人生の教訓だと言っていた。
その時は意味がわからなかった。今ならわかる。ああ、これは夜明けだ。俺は人生の第三幕を感じた。子供が一幕、就職して二幕、そして、俺はまた人生の転機を歩いているのだ。
「夜明け前が一番暗いというから」
もう顔の記憶も朧げな、教官の言葉が俺の口から溢れた。
オレンジの電灯が真っ直ぐ道を照らす。
テーマ:夜明け前
〜夜明け前〜
一番寂しい時間帯
一人で考え込む時間帯
日々の忙しさで忘れていた感情が
自分の心へ表れる
なんなら深くなっているかもしれない
見て見ぬふりをして
無理をし続けてきた身体がこたえてきた
そんな時ひとりじゃないよって言ってくれる声
今までで1番温かく
今までで1番心に染みる
光があるとしたら
きっとこの人のような存在なんだろう
くらい夜から抜け出して光に向かって生きていこう
何回くらい夜を迎えても
その分たくさん朝日を浴びればいい
いつか笑顔で朝を迎えられるその日まで
夜明けを追いかけて行こうじゃないか
あと数時間の限られた時間
誰もいない公園でブランコ乗って語り合ったり
手を繋いでアイスを買いに行ったり
車に乗ってドライブに行った
楽しい筈なのに
時間が過ぎて行く程
こんなにも切ないのは
夜が明けたら君がいなくなるから
朝日がこんなに憎いのは初めてだよ
#夜明け前
夜明け前のこの時間が好きだ。
窓を開けるとひんやりした空気が肌を撫で、深呼吸をすれば肺を拭う。
コーヒーを入れて、少し本を読もう。
バイクのエンジン音がブツ切りに聞こえる。
静寂の街が、まもなく目覚めようとしていた。
あ さっきの話…
い まだする?
あ そりゃ
い ずーっとだよ
あ 足りない足りない
い …
あ ラーメン奢るから
い …仕方ないなぁ
『夜明け前』
ふ、と意識が浮上した。ゆるやかに覚醒する視界の中で、見慣れた薄暗い室内が飛びこんでくる。
ああ。夢か。
ぽっかりと穴が空いたような寂寥感があった。
懐かしい人に会った夢を見ていた。幼い頃から仲良しで、高校くらいまでよく一緒に遊んでいた彼女。大人になるにつれて少しずつ疎遠になって、けど決して仲が悪くなったわけでもなく、思い出したように数年おきに連絡を取っては近況を話して思い出話に花を咲かせていた。いつも一緒にいるわけじゃないけど、思い出の中に必ずいるような大切な友人。
彼女が亡くなったと知ったのは一年前だった。
あのときの気持ちをなんと呼ぼう。ただ夢のように、ただただ信じられなくて、しばらくして彼女の実家で遺影の前に佇んだとき、ようやく彼女がいないのだと自覚した。みっともなく泣き出す私に、たゆたう線香の向こう側の彼女は優しい顔で笑いかけていた。
たまに、彼女の夢を見る。
明るくて少し破天荒なところがあった。大人しい私とは正反対で、でも不思議と仲が良かった。
中学の頃、みんなで彼女のお家に集まってクリスマスパーティーをした。クレープを焼いたり、ゲームをして大騒ぎして過ごして、彼女の祖母に窘められたのを覚えている。またやろうね、いつまで集まれるかな?そんな風に笑いあっていた。その夢を見た。
ベッドから起き上がりカーテンを開けると、窓の外は白んでいて、夜が過ぎ去り、朝が来ようとしているのが見えた。こうやって毎日が過ぎていく。彼女がいなくても夜は巡り、朝は来る。私は毎日毎日、ただ何事もなかったように生きている。
そうやって人は大切なものを少しずつ失いながら生きていくのだろうか。
白んだ空が目に痛くて、私はまたベッドに潜り胎児のように丸まった。目を閉じたらまたあの夢が見れる気がした。どうせ朝が来たら生きなけれはならないのだから、せめてもう少しだけ寝ていたい。
夜が明ける前に、思い出の中の彼女にもう一度会いたかった。
夜明け前貴方に告白をした
あなたは今どんな顔をしてるの?
太陽が上がる瞬間を
あなたと見ていたら
どんなに幸せだろうか
犬を連れて外へ出る
まだ暗い仄かに明るい
夜明け前の一瞬に
一人と一匹は深い息をした
まるでそれが合図であったように
天は色を染めながら
影を落として存在を
浮かび上がらせていくのだろう
蝶が来て花に止まる
空を川鵜が飛んでいった
光の中を想いながら
そろそろ帰ろうと促した
僕は家のドアを開け
ただいまと一言呟いてみる
靴がひとつリードがひとつ
水を入れてコーヒーを沸かす
そしていつものように今日がやって来る
夜が明けたら
君の心に伝う雫もきっと飲み干せるから
夜が明けたら
私の心に巣食う恐ろしい獣も
きっと静かになるから
夜が明けるまで ひっそりと息を潜めると
満月がゆらゆら揺れながら輝きを放ち
2人の間にこぼれていった
もし空架ける天の川に願うのなら
明けない夜も眩しすぎる朝も
寄り添う傘ふたつであることを
ー夜が明けたらー
夜明け前
アラームより先に目が覚める
いつものバタつきの後に
ベランダの窓を開けて出る
もわーっとはしなくなった
空には濃いグレーの雲
公園では近所の方が
お掃除を始めている
感謝の言葉を念じながら
ベランダをあとにして
ベッドへ駆け込む
あと30分ある
よし…寝よ😴
✴️149✴️夜明け前
夜明け前、秘密の2人は誰もいない事務所で。
みたいなのって創作だから美しいのであって、現実でされたら幻滅しかないんよ。
夜勤中にすんな。職務怠慢だぞ。
夜勤でもないヤツが子供たち置いて職場に3回も来んな。不法侵入だぞ。
だいたい、誰もいないって私いるんですけど⁉泊まりの利用者だっていますけど⁉
By同じく夜勤中の同僚
(夜明け前)
「夜明け前」
新聞配達をしていた頃
よく空を見上げた
ピンクだったり
オレンジだったり
青だったり
夜明け前の空のグラデーション
毎日色が違っていて
不思議だったな
夜明け前
久しく見てない気がする
あの世界が起きる感じ
そして
夜が消えていく感じ