『夜の海』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夜の海
ただ何かが動いている音だけが聞こえる
初めて地上に出てきた生命も
きっと同じ音を聞いていたのだろう
その音は
海に戻ってこいという警告か
それとも
海から離れて行くことに対する応援か
「夜の海」
深海に住む魚たちは
ずっと夜の海
何も無いようで
何でもあって
何も見えないようで
何でも見えて
私もそんな
心の目が欲しい...
吸い込まれそうな暗闇に、ただポツンと光があった。
【No. 25 夜の海】
ちなみに私は海洋恐怖症。
─夜の海─
「…久しぶりだな」
夜の海。
空の色に染まって、気味が悪くなるほど暗い。
波の音だけが聞こえる。
人工的な光で照らされる。
生き物の姿は何処にもない。
「昼間はあんなに輝いているのに。」
でも、あの輝きは海のものじゃなくて、
宇宙の大きな大きな太陽のもの。
ただの借り物。
そんな見方しかできない自分が嫌になる。
でも、そんな自分は今日で消える。
「さようなら。僕。」
小説みたいに洒落た台詞を放つ。
意識が消える寸前、君の声が聞こえた気がして。
僕の心は不思議と穏やかだった。
─お疲れ様。これからは私が貴方を支えるから…
夜の海
心に穴を埋めるかのように
静かな夜の海…
波の音だけが…
聴こえる
大切な人と疎遠に
なった今
心の支えだった
と…
実感
もう戻らない過去
あなたがいてくれるのが
当たり前だと思ってた
でも…
違ったと思い知らされた
深い孤独…涙溢れ
「夜の海」
夜の海には魅力がある。昼間とは違う顔をしていて怖いくらい静かで一瞬で海の中に引きずり込まれそうになる。
だから私は夜の海には行かないと決めている。
だって夜の海を見に行ってしまったら私はこの世には存在しない人になってしまうもの。
夜の海
しんと静まりかえる海を見る。
真っ黒で広く、美しいあの海の中に、
誰の後ろ姿も見えませんように。
写真に笑顔で映ることができない
ポーズ決めてアングル決めてそこに向けて笑顔は作れない
よく笑うし接客笑顔もできる
仲の良い人達との写真なのに
『はーいー写真撮るよー』って言われた瞬間、引き攣りだす。
満面の笑みの人達の中、歪めた口と細めた目なだけの私
接客笑顔で良いのにできない
いっそ無表情で映れば良いだけなんだけど、それもできない
楽しんでないと思われたくない私
『笑って〜』って言う奴に(何でも良いから早く撮れ)と思う
楽しい瞬間だとしても写真を撮る行為で楽しい瞬間は止まる
そこに笑顔はないよね
写真撮る時に無表情でいられるようになりたい
(現パロ)
夜の海に行く。そこの事実だけを切り取るとまるで自殺しに行くみたいな感じがしてくる。でもそんなことは、決してない。ただ海を見に来ただけなのだ。
家からチャリで数分のところに海がある。静かで、オンシーズンの昼でも特に人で賑わってはいない、そんな海。夜は昼にも増して、静かで波の音だけが外に響いている状況だ。
考え事をしたい時は、いつも来ている。明日のテストが憂鬱だとか、誰かのことが好きでたまらないとか、不安や悩みが尽きないとか、なんとなく気分が落ちているとか。
今日来たのは彼についてだった。
ユートピアで演奏者なんて名乗っていた彼。神様だって言ってたから、ボクみたいに人間界に転生することはないかもしれないけれど、それでも記憶にある前世の中で好きだった人のことなんて、全然忘れられるはずがなかった。
そもそも前世と言えるかどうかもよくわからない。生まれ変わったのだか、それともただユートピアから逃れて、人間界に降り立ったのか。
ただ一つ言えるのはどれだけユートピアにいた期間が遠くなってしまったとしても演奏者くんのことは忘れられないし、好きだって気持ちもなくならないってことだけだ。
月の光が波に反射している。
寄せては返す波に乗って、冷たい光がゆらゆらと揺れている。昼の喧騒が嘘のように静まり返った海は、波の音以外何の音も聞こえなかった。
『夜は行くな』
そう言われていたのに、ホテルの窓から見下ろした月と海の光景があまりに綺麗で、まるで誘われるように私は誰もいない浜辺へと足を向けたのだった。
肌を焼く陽の光も、耳障りな笑い声も無い海は静寂そのものだった。
砂を踏む感触すら新鮮に感じられ、歩くだけでも充実した気持ちになってくる。
『夜は行くな』
私にそう言ったのは誰だったか。
その人はきっとこの居心地の良さを他人に知られたくなかったのだろう。そんな事を思いながらふと、月を見ようと顔を上げた時だった。
「こんばんは」
月の光を受けながら、寄せ来る波に爪先を濡らして佇む人がいた。
柔らかな笑みを浮かべている。
珍しい色の目をした人だった。
「夜の海には行くなと言われなかった?」
その人は少し首を傾げて、静かな声でそう言った。
波の音だけの世界の中で、その声は私の耳に心地よく響いた。
「何か危険なことが?」
私の問いにその人は笑みを返すだけだった。
二人の距離が縮まっていく。
伸びてきた指先が、私の頬をそっと撫でる。
月の雫が触れたように、冷たい指だった。
END
「夜の海」
月明かりも届かない海の底
まだ名前の無い深海魚が
起き抜けに空腹を満たす。
誰に見つかることもなく、
何に邪魔されるでもなく、
ただ黙々と、今日を泳ぐ。
朝日を吐き出すまで、
眠らずに
「海が見たい」と
ワガママ言ったあたしを
君がこっそりと連れ出してくれた。
『暗くて何も見えないよ』と
君は笑っていたけど
たどり着いたそこは
思っていたよりもずっと明るい月に照らされていて。
冷たい風に混ざる潮の香りから逃げるように
マフラーに鼻先を埋めた。
『「寒いね」』って笑い合う。
その君のまつげに
そっと乗った雪。
初めて見た 海に降る雪 は
まだ溶け残って、あたしを冷やしてる。
夏になった 今も。
【夜の海】
窓から見える
夜の海に月の影
波の音に夜の風
闇が私を包み込んで
ゆっくり時を刻む
毛布にくるまって
瞼を閉じて
✴️120✴️夜の海
あとがき
なんだか眠れない夜です…😇
「夜の海」
ここは真っ暗で全てを飲み込んでしまいそう
私の心も飲み込んでくれるかな
もう疲れた
他人の機嫌を伺って生きるのは
自分に嘘をつくのは
夜の海
私の全部を飲み込んでください
そしたら
新しい自分になれるかな
夜の海
海岸に女がまだ小さい4才から5才と思われる女の子と小学1年生くらいの女の子の手を引いて背中には1才くらいの、これまた女の子を背負い立っていた、いや、立ちつくしていた。
「どうしたの、お母ちゃん、帰ろうよ、お母ちゃん」何かしら重苦しい空気を感じてか小学1年生くらいのお姉ちゃんが女の顔を見上げて手を引っ張った。
それでも、女は娘の手を握り前だけを見つめて歩を進めていた。無心のような虚無のような虚ろな瞳は夜の海をの遥か向こうに行先を見失わないようにと立てられている灯台の赤い灯りだけを追っていた。
夜の静寂は波音を不思議なほど響かせていた。
寄せては返す漣。女は草履を脱ぎ揃え、両腕に子供たちを抱えようとした、その時上の小学1年生くらいのお姉ちゃんが、「駄目、お母ちゃん駄目、帰ろう家に帰ろう」と叫んで母親の手を無理やり引き泣くように叫んだ、つられてもう一人の脇に抱えられていた4才か5才くらいの女の子も泣き出し背中の子も泣き出した
三人の娘に泣かれて、ようやく我に返った女は裸足のまま砂浜から堤防へと引き返した。ようやく子どもは泣きやんだ、いちばん上のお姉ちゃんが女の足元に草履を揃えて置いた黙ってその草履を履き子供たちの手を握りしめた、今度は力強く女から母親に変わった目をしていた。
二人の娘の手を引き背中にはさっきまで火がついたように泣いていた妹はスヤスヤと寝息をたてている、その正直で無垢な温もりを感じ母親は微笑んだ、両手を握っている娘たちは安心したように微笑みこえをたてて笑った。
夜の海を背中に母親は二人の娘の手をひき、背中にも娘を背負い「七つの子」を口ずさみ帰った、「お母ちゃん、夕方じゃないよカラスがお家に帰るのは夕方でしょ」そう母親を見上げながら問う妹の言葉に3人は声をあげて笑いながら帰った。
家に帰ると、まるで何事もなかったように静かで、座敷には末の娘が眠りその隣に姑が眠っていた。
二人の布団をなおし、上のお姉ちゃんたちには静かに寝るように促し、背中に背負っていた子を布団に寝かせ、母親は、まだ真新しい夫の遺影に手を合わせた。
夫が南方から復員して来たのが一昨年夫は両手は肘の上から両足は膝下から欠損し帰って来た送り返されたのだ、毎日ダルマになった息子を世話をするのは夫の母である姑、彼女は女だてらに力仕事に出た、家族の生活が彼女の背中にズッシリと掛かる中、相次いで彼女は妊娠する、してしまう。近所の口さのない裁くのが好きな者たちは、囁きあった「あの体で、よくやる」そんな中、昭和20年8月15日を迎えた。
それから、3日後、昭和20年8月18日彼女の夫は農薬を煽り死んだ、身勝手な夫の理不尽な死その姿を目の当たりにした、姑は気を病み正気に戻って来れなくなった。
彼女は嫁であること、母親であることから発作的に逃げ出したくなり上の子たちの手をひき、末の子と、正気を失くした姑を家に残して夜の海に立っていた。別に無理心中を考えた訳ではないただ楽になりたいと思った、どうして私ばかりと思ってイライラと全てを否定し正気を彼女もまた失ったのかも知れない。
けれど、娘たちが女を母親に戻し正気もとり戻させた。女は母となり時代に立ち向かう決心を夜の海を背中にした。
今から、丁度79年前だ、日本には、そんな女がいた、時代、国自分の生きる場所を選ぶことが容易く出来ない時代がこの国にもあったことを忘れてはならない…。
子供の頃、よく祖母が話してくれた、祖母が見た戦争の話であった。
79回目の夏に寄せて。
令和6年8月15日
心幸
夜の海は死の匂いがする。
だけど、静かな、密やかな、生の息遣いも聞こえてくる。
昼間の明るい時間には、眩しすぎてよく見えないけれど、夜になれば本当の姿を現す。
終わりと始まりが入り混じり、夜の海には波音が優しく響いている。
真っ暗で何も見えない。
今、自分がどこに立っているのかも。そして、どちらが前なのかも。
波の音がするし、潮の匂いが鼻をつく。
恐らく、自分の前方か後方(或いは上か下?)に海があるのだろう。
人というものは、とても不便で頼りない生き物だ。
目印がないと、自分が何処に居るのかさえ分からないのだから。
潮騒が聴こえる。潮の香りがする。だからきっと、ここは海岸なのだろう。
……果たして、本当にそうだろうか。
確かめるには、何れかの方向へと踏み出すしかない。
足を進めるか、ここでずっと立ち尽くすか。
それを決めてくれる存在はない。
自分で決めるしかない。
踏み出した先に、地面が続いている保証もない。
それでも。
踏み出してみようか。
『未知』への第一歩を。
お題『夜の海』
海の色は空の色を写す鏡だと、聞いたことがある。
割れるような晴天では青に、垂れ落ちるような曇天では灰に、そして、すべてを呑み込む夜の闇の中では黒になるらしい。
それを知ったとき、ああ海は空に恋をしているのだと思った。届かないと分かりきった恋を、ただその深みに隠して生きているのだ。どんなにか苦しい恋だろう。どんなにか大きな痛みだろう。
己の身にさかなたちや、海藻や、貝やさまざまな命を抱えた母のような大きな海が、ただ広くずっとそこにあり続け、万物に恵みを与える寛大で自由な空に恋をしている。
美しい恋だと思った。苦しい恋だと思った。こんな恋を、してみたかった。
No.11【夜の海】
【とける】
夜の海。
きっとここにいては、心配されるだろう。
何をする気だ?と言われそうだ。
個人的に夜の海は自殺の名所になっていそうなイメージだ。
ただ、自分は別に死にたいわけではなく、単純に夜が好きだからここにいる。
逆に言えば、昼は嫌いだ。
あの照りつける太陽をみると、死にたくなる。
だが、不思議なことに夜はそんな希死念慮など消え失せてしまうのだ。
だから、夜は自分が自分でいられる時間。
そう思っている。
僕はいつものように夜の海に出向いた。
ここで何をするわけでもなく、ただ眺めるのだ。
だが、今日は違った。
気がつけば、足は海の方に向かっていた。
ピチャっと、足が波を踏む音が鮮明に聞こえた。
手のひらで海水を掬った。
月光に照らされた海水は宝石のように綺麗だった。
綺麗だなあ、本当に綺麗だなあ。
僕はどんどんのめり込んだ。
僕は海の中で揺蕩いながら、「このまま海に溶けたい」と思った。
ああ、どうでもいいや。
このまま、夜の海に閉じ籠もってしまえ。
僕は溶けた。
深海に、ゆっくりとおちていく……
目が覚めた。
10時半の日光。
朝だ。
魔法が解けたことを残念に思いながら、僕は渋々カーテンを開けた。
照りつける太陽を見ると、やっぱり死にたくなる。
夜の海
一回夜中に家を飛び出して海に行ったことがある
1時間歩けば着く場所だから走って行くことにした
荒い息が暗くて静かな夜の海に響く
大きく息を吸って広い海を見た
ふと、くらげのことを思い出した
くらげは死んじゃったら海に溶けるという
この話を聞いてからくらげに憧れている
来世はくらげになりたい
そう思いながら定期的に夜の海を眺めに行く