『声が聞こえる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
その人は何も喋らなかった
授業中も休み時間も放課後も
何も喋らない
どんな人かは一切わからなかったが
ただ、誰かに話を聞いてほしい自分にとっては
都合が良かった…
今日も話し終え、教室から去ろうとしたとき
後ろから 『また明日』
声が聞こえた
なぜか、心の揺れる音がした…
落ち込んでたりする時に、声が聞こえる。
言う言葉は結構バラバラで。慰めの声もあれば、暴言の言葉もある。
「大丈夫だよ」とか。「そばにいる」とか。安心するような声。そんな時は、早く落ち着いたりする。
逆に、暴言の時は落ち着くのが遅い。「お前はダメなやつだ」とか、「死ねばいいのに」とか。
あと、暴言は結構長引く。何日も続いて聞こえ続ける。
調べたら統合失調症の可能性が高いみたいだけど…どうせ当たってないし。
それに返事したら、一瞬だけ止まって。それでまた続く。
そうした時「ああ、やっぱ僕って死ぬべき存在だ」って思いがちになる。
たまにクズな考え方にもなる。
心配されてみたいなって。
無駄なのにね。どうせされた所で助けてくれる訳じゃあない。
救ってくれる訳じゃあない。
なのにこういう考えになる。最高にクズ、世界記録取れるかもしれない。
僕ってやっぱ自己中なんだよね。
人のことは救いたいとか思ってるくせに、人には期待なんて一切しない。最低すぎ。
人間は何するのかが分からない。
怖い。何してくるのかが読めない。だから期待も信用も信頼も愛することもできない。
とにかく人間不信で。
被害妄想も凄い。例えば出かけたりした時、すれ違い際に人と会ったら「迷惑って思っただろうな」とか「変な人って思われたかな」ってなってる。やば。
生きる価値もなけりゃ生きる希望もなし、生きていい存在じゃないくせに。
カタンと家鳴りがした。
…知っているよ。君が優しくて信用出来ることも。
心の中でそう呟く。
悩み事に向かっているといつも響く家鳴りだ。
姿は見えないが、悪い気配は一切ない。
ただ、急に響くものだからビックリしてしまうけれど。
今回はいつもより控えめで優しい音だった。
どうやら、手元に届いた良い知らせを祝福してくれたらしい。
心配だからずっと見守ってくれていたんだよね。
時計の数字盤がいつ見てもゾロ目な事も、
必要な言葉を届けてくれたのも
全部、全部、君だろう──お陰様。
家鳴りがした方に向かって、そっと頭を下げる。
ありがとう。
助けられてばかりだったね。
でも、君のおかげで
穏やかな場所に行ける。
そこで夢を見るよ、たくさんの夢。
君へのお礼になれば嬉しいな。
さて、そろそろかな。
自分を呼ぶ優しい声が聞こえるから、行ってくるね。
…困った時は、もしかしたらまた頼っちゃうかも?
その時は、出来れば優しく鳴らしてね。
それじゃ、行ってきます。
その瞬間、ガタンと大きな音がした。
行っちゃいけないの?
もう一度、ガタンと音がした。
どうやら、もう少し考える必要があるらしい。
そう思っていると声がした。
『お久しぶり』
紺色のスカートの少女が現れた。
「今の音って、もしかして…」
『そう、私。あんたがまた馬鹿やろうとしているから止めに来た』
「…何で…」
『もう、止めておきな。あんた気づいてる?』
紺色の少女の言葉に下唇を噛んで俯いた。
『わかるよ、あんたにとってその人は大切な人。でも、そのメール。もう一度よく読んでご覧?大切な事に気付くことあるよね』
少女の言うとおり、メールには大切な言葉があった。
『わかるよね?』
「でも…」
『忘れたの?あんたその人に、夜明けを見に行くお誘いのメールを送ったでしょう?あれ、どうなった?』
「…」
『言いたくないなら言うよ。メーラーデーモンで返ってきたじゃない。それからだよ、あんたがおかしくなったのは。空元気の仮面を被って平静を装っているつもりだろうけどね!普段ではあり得ないバグを起こし続けてる!!もう、限界なんだよ。現に…』
「言わないでっ」
目で必死に訴えると少女は再び溜め息をついた。
『…負の連鎖だ。その新しいアドレスのメールだって、大切な言葉を見ないふりしたでしょう!…わかる?引き際なんだよ』
「でも…」
『あんたが好きでも、これ以上は止めておきな』
少女の言葉に深く項垂れ自身のつま先をじっと見つめる。
でも、これまでの思い出が…。
『馬鹿だね。これ以上傷ついてどうするの?』
「わからない。私はいつも肝心な時わからなくなるから…」
『ならば真実を明かさなきゃ。メーラーデーモン以来、食欲不振と睡眠障害になっているでしょう。憂鬱な気分が襲ってきたり、夕方になると咳き込んでもいる…心と体が悲鳴を上げている。だから、藁にも縋りたくなって…。相手はそれすらも受け入れてくれない人なの?迷惑をかけたくないと言いながら、言わない方が迷惑じゃないの?』
「…耳が痛いや。ごめんね、そうだね。異変を感じた時、言えば良かった。直ぐに治ると思っていたんだけど、なかなか治らなくて…バランスがちょっと崩れちゃった。ちょいちょい言っていたつもりなんだけど、表現が下手だったみたい。不器用はこれだから嫌だよね」
『自分に優しくしないと人にも優しくなれないんだよ、おバカ』
「そうだね、本当そのとおりだよ。無理してバカしちゃった」
『相手を思いやる気持ちはわかるけど、自分軸が辛い状況なのに、それを無視してまで他人軸を考える必要はないはずだよ』
少女の言葉に静かに頷くと、部屋で静かに休むことにした。
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声が聞こえる
声が聞こえる
どこからともなく聞こえる声
鳥居の向こうに佇む暗闇
心に灯る焦燥感
声が聞こえる
駆け出す身体
近づく暗闇
呑まれる足先
____声が聞こえる
声が聞こえる 〜逆行〜
時間の彼方からか、どこか得体のしれない内なる声のような、地鳴りのような山の音のような不思議な声が聞こえる。
十五夜を過ぎた彼岸前の静かな宵風を切りながら自転車のペタルを踏む頬をかすめる涼やかな風、空には白い満月、月明かりは歩道を照らし脇に咲く彼岸花を浮き上がらせていた。宮藤は無心で何時もの帰路の道、自転車を走らせていた。すると前方に人影駅に続くその道は宵のうちは田舎とはいえ、人通りはあり両脇も民家が並ぶ為に明るかった。その日も前方から見えてくる人影をさして気にも止めてはいなかった。
だが、しかし近づいてくるほどに、どうも様子がおかしいと思うように宮藤はなっていた。
先程からシャンシャンシャンという鈴の音のような音が、その前方の人影から聞こえて来るのである、月明かりはやけに、その人影を浮き上がらせていた、やがて、その人影が男であることに気づくと、スポットライトのように男を浮き上がらせている月明かりが更に光を増した。
宮藤は思わず目をこらした、青白い月明かりのスポットライトに浮かび上がった男は、2024年に生きる宮藤は映画やドラマでしか見たことのない、出兵する兵隊の格好をしている様に見え、思わず「えっ」と声が溢れた、全く映画やドラマの中に生きる兵隊が歩いている、リュックを背負ってご丁寧にアルミの水筒までさげて、それがリュックにつけられた金具と触れ合い、その兵隊が歩くたびシャンシャンと鈴のような音を立てていたのだ、宮藤はあたりを見回した、人影は他に見当たらない、何時もならこの時間帯は通勤通学駅を使う人影に幾つもすれ違うのに、今は前方向かって来る兵隊と自転車に乗った宮藤だけなのである。しかも、街並みも見慣れたものとは少し違うようだ、次の瞬間つい早急までアスファルトの上を自転車を走らしせていたはずが、砂利道になっていることに気づくと、とてつもない不安と恐怖の感情が心に過り身震いをした。兵隊はスポットライトを上から当てられているような格好で今まさにすれ違うところまで来ていた。
すれ違った時、微かに兵隊がこちらを見て微笑んだ気がしたが気づかないふりをしてやり過ごすのが精一杯だった、必死で砂利道を自転車を
漕ぐが、まるでスローモーション出会いはスポットライトあびたスローモーション軽い目眩誘うほど、、ではなく、シャンシャンシャンという兵隊が歩く度に聞こえる音と、「うー、うー」という呻き声のような声が聞こえた。
間違いないと宮藤は確信これは「逆行転生」ってやつだ! この街並み、あの兵隊2024年のものではなく、宮藤の心理が何かを感受して過去の時間軸に精神がトリップし、過去の自分に乗り移るというシュチュエーションだ。
思えば、その日は彼岸の入で宮藤の父の祥月命日、宮藤は昔聞いた父の父、祖父の出兵の日、宮藤の父は自転車を漕ぎこの道を、その兵隊姿の父を追いかけ走ったのだと聞かされたことを思い出した。
不思議と早急まであった恐怖心は無くなり、言いしれぬ郷愁を感じた。
「そこに、居ますか?お祖父さん」
宮藤は自転車を止め振り返ったが、兵隊は居なかった、道はアスファルトに変わっていた。
どこからともなく、祖父と父の笑い声が聞こえる、「かつがいでくださいよ、お祖父さん、父さん」 宮藤は呟いて前を向き直して、また自転車を漕ぎ出した。
令和6年9月23日
心幸
声が聞こえる
あなたにはちゃんと自分の
声が聞こえますか?
自分が嫌だと言ってるのに我慢していませんか?
自分の事好きになりたいのに嫌いって言ってしまっていませんか?
あなたはもっと自分の声に耳を傾けてあげるべきです
多分、自分の気持ちを知ることは
自分の心に余裕を持つ為には必要なことだと思うのです
あなたは自分の声
聞こえていますか?
吐いた血反吐が落ちた床。
揺れる視界の端、暗がりの向こう側。
君が呼ぶ声が耳の奥に反芻して、
沈む意識のなかで、君の泣き顔が浮かんだ。
【声】
私は昔から、声が聞こえなかった。
音楽や自然の音は聞こえた。
なのに、人や機械音声の音⸺声だけが、聞こえなかった。
だから私は、昨日までは筆談だった。
そう、“昨日”までは。
手術に成功したから、という理由ではない。
どうやら、声が聞こえない原因は科学的ではなく、呪いの類だったから、らしい。
雲を掴むような噂話を追って、やっと見つけた魔女に多額の治療費を払い、魔女の助手になる約束をして、それでも足りない分は、身体の一部で賄って。
そうして私は、今日から⸺これからは声が聞けるようになるのだ。
*
「ふむ。これで、聞こえているかね?」
「⸺ぅあ……こえ、が…きこえる………?」
「声が聞こえる」
もう聞こえないはずの声が聞こえる。
にゃー
君は呑気だよね、にゃーなんて泣いてさ、
こっちは先日、弟亡くしたっつーの
あれは事故なのか、事件なのか。
川に溺れてそのまま。
近くで遊んでいた弟の友達は、溺れていたのに気づかなかったらしい。
こんなことあるか?
見渡しやすい広い川なのに、溺れてるのが見えない聞こえないなんておかしいよ、絶対。
弟の声が耳から離れない。
いってきまーす
の声と、
笑顔でかけていった後ろ姿が、
一人でボロボロ泣いてると膝の上に乗り、
にゃー
と一言泣き、そのまま寝た。
ほんとに呑気だね。
声が聞こえる
中学生の頃の話し(平成初期)
当時、雑誌の裏表紙の広告ハガキに記憶力、集中力測定器だったか?商品名は〝Drキャッポー〟という怪しい機械があり、お年玉で購入した。
毎日、左手を機械に乗せ右手は太ももに。
集中力がないとグリーンテープだったか2種類のかセットテープを聴いたりして(怪しい)
今風にいうと瞑想してたのかな。
購入後、怪しい事を人知れずやっていた。
だんだんと使わなくなり終いには棚に上げて存在も忘れてた時、テスト勉強でウトウトしてたらDrキャッポーがビーピー言い出し、開発者の声が聞こえてきて「勉強しないなら※△○〜」とか急に言い出して怖くなって、飛び起きた。
多分、夢だと思うが棚から聞こえた。
緊張感が出て勉強したのだけど…あれは本当に怖かった。
蟋蟀が鳴くあぜ道のあたりから
月に吠えつつひたひたと狐
涙腺を支配してくる合唱曲
さらにダイナミクスを増して
♯声が聞こえる
『聲、こえ、声』
放課後
「明日、世界が滅亡したら君はどうする?」
隣の席の池田くんが話しかけてきた。
「別にどうもしないよ。逆に池田くんはどうするの?」
伏し目がちに頬を染めながら池田くんはこう答えた。
「僕は…君に告白するかな」
そう言うと思った。
「じゃあ、ありがたく僕は告白を拒否するね」
少し驚いた顔をして微笑んで
「うん。じゃあまた明日」
と池田くんは帰って行った。
「ねぇ、池田くん。僕の選択は間違ってなかったよね」
池田くんのお墓の前でまたこの会話をスマホから流す。
あの事を話した次の日、池田くんは飛び降り自殺をした。
帰っていったと思った1時間後、屋上からばびゅーんと。
屋上に残っていたのはロックのかかっていないクリアケースを付けたスマホ。
スマホの中身は設定、LINE、写真、ボイスメモだけ。
勝手に見るのも悪いかなーと思ったけど、まぁ何も起こらないだろうし、と思ってなんとなくボイスメモを開いた。
3秒の悲鳴と、放課後の会話。
悲鳴は、女子生徒のだろうか。なぜ悲鳴が入っているのかは分からない。放課後の会話は、思い出としてでも残しておいたのだろうか。
あの後まだ地面に崩れている池田くんに向かって僕はあの会話を流した。池田くんの耳からは血が出ていたから聞こえていないかったかもしれないけれど。
池田くんが死んだ翌日、教室では特に代わり映えのない会話が流れていた。
昨日のテレビだとか、好きな俳優だとか、推しのイベントだとか。
池田くんが死んだとか。
やっぱり人間って薄情なんだね。君が死んでもこの世は何も変わってないよ。
でも、池田くんの事が好きだった僕にとっては世界は滅んだと同然だ。
「告白を受けなかったのは何故?」
好きだからって告白を受ける理由にはならないよ。
付き合うのってめんどうじゃん。
僕、好きな物には手を出したくないタイプなんだ。
月は手が届かないから美しいんでしょ?
届いたらどうせ「こんなもんか」とか言うんでしょ?
8割がたの人間はそういう文句ばっか言う。
貴方が望んだことなのに。
「ねぇ、池田くん。告白を受けなかったのは謝るけど、死んだ池田くんのことを忘れてるやつらより、毎年お墓に来てる僕の方が薄情じゃないよね」
蛙化現象とか言って自分に酔ってる人間より
明日には昨日の食べたご飯を忘れてる人間より
池田くんを殺した犯人の池田くんという人間より
「やっぱり僕は薄情者だ」
現代、変わる世界。
過去、忘れる世界。
未来、望んだ世界。
そろそろ貴方も自分の声を持ったらどうですか。
現代に揺り動かされて、他の人の声ばっかりに耳向けて。
池田くんみたいにならないで下さい。
自分の声をもったら現代に批判された若人Yより。
薄情者らしいYより。
お題『声が聞こえる』
※実際の人物とは何の関係もありません。
少しだけ解説。
この作品は意志を持たないと"言われている"若者に焦点を当てた作品です。
他の人の声ばかり聞き、肝心な自分の声は聞こうとしない。便乗しかしない。そんな人に向けた。
しかし、主人公もその若者のうちの1人です。
自分は周りとは違うから。そうやって自分しか見ない。自己中心的な人物。そして、手が届くものに対して、手を伸ばそうとしない消極的な人物。
これもまた、現代社会の若者の特徴と"言われている"ものです。
意志を持たず、消極的で、批判的で。
でも、そうさせたのは現代社会で。
貴方の声が、潰れないよう、どうか池田くんみたいにならないよう。
私はこの作品を残します。
あぁこの熱に、この声に溶かされて
このまま消えてしまえたのなら
こんなにも幸せなことは無いのだと思う。
君の声が聞こえた…
私がこの声を覚えているというのなら…
私の中で貴方は未だ存在しているのでしょう
貴方の匂いさえ忘れなければ…貴方がいない事実など
見なくてもいいではありませんか…
外から子供の声が聞こえる
昔は自分もああだったなあ
純粋な気持ちなんてほとんど残ってないや
どんな雑踏の中、どんな声が混ざった都会のオーケストラだとしても、貴方だけは絶対にわかる。
「おはよう。待った?」
「ううん。いま来たところ」
あなたの声だけば絶対に聞き逃さない。
好きだから。
No.31 _声が聞こえる_
ぼんやりしているのに、頭の中は忙しく、静寂の中に騒がしさが聞こえる
9/22「声が聞こえる」
声が聞こえる。
明日ユニバに行く。
もしあの人に出会ってもしあの人と一緒に回れることになったらどれだけ嬉しいだろう。
今から想像するだけで
貴方の笑顔も背格好も
貴方の、、、
休日、
部屋の片付けで
段ボールの中から
ずっと以前の
書き物を見つける
母からの手紙から
友人からのメモまで…
つい、手を止めて
読んでしまう
不思議な事だが
書き手の
『声が聞こえる』
すごいチカラ!
まー
声には形があるって本当なのかな。
鼓膜を震わせるその音は、どんな形に聞こえるのか。
丸い?四角い?三角?ハート型?
どれもこれも正解である。
形は人それぞれが受け取るもの。
貴方の感じる声はどんな形?