『声が枯れるまで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
好きだった自分の声がいつからか嫌いになった。
大好きなワンピースもやめて
私はいつもパンツスタイル。
憧れだったハイヒールも
今ではスニーカー一択。
腰まで伸ばしたツヤツヤ髪も
今ではショートカット。
私の大好きはいつも私に邪魔される。
周りが言う私らしさを求めていたら
私が好きなものから遠くなっちゃった。
でもあの子は違かった。
私らしい私じゃなくて
私が好きな私を見てくれた。
嬉しかった。声が枯れるまで泣いた。
だってあの子は
「似合ってない」「いつもの格好の方がいい」
なんて言わないでありのままの私を受け入れくれたから
あの子は私の救世主
─────『声が枯れるまで』
「声が枯れるまで」
マイクを構えて、喉を震わせて、声を出す。特に取り柄のない平凡な歌声が、自分の喉から出る。後ろにはベースにドラム、キーボードが歪な音を奏でている。ライトが僕を照らす。自分だけが光の中で、自由でいるみたいな錯覚に囚われて、一瞬で現実へと連れ戻される。光の向こう、暗闇には、10人くらいの観客が見えた。といっても、内3人は友人、2人はスタッフで、実質ファンは5人くらいだった。
歌うことは好きだった。バンドも楽しかった。だが、突きつけられる現実。減り続ける貯金。
僕は、売れないアーティストだった。
『将来の夢』中学2年生、夏課題作文テーマ。
なんでも、将来を見据えて高校進学を目指さなければならないと、この時期から将来について考えさせられるようだった。夏課題には、この作文以外にも、気になる職業・高校調べ学習プリントなんてのもついてきた。もちろん、各教科別の課題も他にあるわけで、夏休みは勉強詰めになることがほぼ確定していた。そんな風に沈んでいる僕とは裏腹に、元気な声で声をかけられた。
「ねーねー、祐ちゃんカラオケ行こー?今日から夏休みなんだし!」
「んーまぁ、いいけど」
「やったぁ!!祐ちゃんと初カラオケだー!じゃあ今日の5時からね!現地集合!絶対きてね!」
ばいばーい!と華ちゃんは嬉しそうに元気よく去っていく。カラオケなんて普段なら絶対に行かないのだけど、1年前から行く行く詐欺をしていたのと、幼稚園からの幼なじみで気の許せる仲であるというのがあって、今日は行くことにした。
家に帰って適当な服を着てカラオケに向かう。着いたらもう華ちゃんはいて、受付は済ませておいたから早く入ろうと言われた。
僕がカラオケを執拗に嫌うのは、純粋に人前で歌うことに抵抗があるからだ。昔歌ったときに両親に「お前は音痴だ」とハッキリと言われてしまったことが今でもトラウマになっている。
言われた番号の個室に着いて、席に座る。何もかもが初めてなので落ち着かない。華ちゃんが歌い出した。最近流行りの曲を華麗に歌いこなしていた。僕の番が回ってくる。僕も無難な最近流行っている曲を入れた。
「え、上手いじゃん!」
華ちゃんはそんな反応をした。嘘をつけ。僕の歌がうまいはずがない。華ちゃんは上手い上手いと連呼している。確かに、音痴と言われて、僕が何もしなかった訳では無い。練習が実ったということだろうか。少しだけ自信が湧いてきた。
「ねぇ夏課題に作文でたじゃん。何書くの?」
帰り道、華ちゃんは唐突に聞いてきた。
「え、まだ決まってないよ。将来の夢なんてないし」
「私はね、実はアイドル目指してるんだー!」
にひひっとこちらを向いて彼女は笑う。
「アイドルって簡単になれないんだよ。オーディションとか受けないとだし、なれても色々大変で」
「知ってるよ!」突然の大声にビクリとした。
「知ってる。私本気だよ。ちゃんと調べてる。」
「…そっか。」
僕が小言を言ってしまった。良くない癖だ。
「ねぇ、夢ないなら歌手になろうよ。」
「え?歌手?」
「うん。祐ちゃんなら絶対できるって!」
そんなに上手かったのだろうか。
「いや、無理だよ。」
彼女は本当にアイドルを目指すつもりらしく、この夏休みにオーディションに参加。結果はなんと合格。
「ねぇねぇすごくない!?」と、キラキラした目で合格通知を見せてきた。
少しだけ、僕にもできるかなと自信をもてた。
勇気を出して、作文には歌手になりたいと書いた。華ちゃんはすごく嬉しそうな顔をしてこう言った。
「祐ちゃんの歌絶対聞きに行くから!」
華ちゃんは中学卒業で疎遠になったけど、しばらくしてアイドルとして有名になった。大手アイドルグループに所属し、大きな舞台にも立つようになった。それと同時に、華ちゃんは切羽詰まっているように見えた。笑顔だけど、どこか不安が見える表情。僕は陰ながら心配していた。すると、つい一昨日、無期限の活動休止が発表された。理由は書かれていない。
華ちゃん、僕はあの作文に、歌手になりたいと書いた後に、こう書いたんだよ。
「人を応援する曲を歌いたい」
僕は君を応援したいと思ったんだ。
売れていなくても、華ちゃんに届いているかもしれない。そう信じて、僕は君を応援し続ける。
「次の曲で最後となります。」
ほとんど居ない観客に向かって言う。
「大切な人にエールを送る曲を作りました。聞いてください。『華』」
この曲は、1番大切だから。ライブのトリを飾る曲。声も掠れているけれど、そんな声を振り絞って、声が枯れるまで歌った。君に届くことを願って歌った。
ライブは終わった。
「お疲れ様でしたー」舞台裏で、バンドメンバーと少ないスタッフに挨拶をする。
バンドメンバーたちは、「打ち上げいくか」などと話しているが、僕はその誘いを断った。華ちゃんの休止で精神的に余裕がなかった。売れていなくても、バンドを続けてきたのは、華ちゃんがアイドルを続けていたからだった。
「祐さん、会いたいって人が」
時々コアなファンがライブ終わりに会いに来る。僕は今日もそれだと思って気を引き締めた。
「来てくれてありが」そこで言葉が詰まった。
そこに居たのは、マスクと帽子をつけた女性。目元だけしか見えないが、僕はとても見覚えがあった。
「久しぶり。祐ちゃんの声が聞こえたから、来てみた。歌手、なってたんだね。ライブお疲れ様。」
その女性はふふっと笑う。
僕は無意識に、目から涙がこぼれた。
僕の歌は、ちゃんと君に届いた。
声が枯れるまで
学生の頃は
週に2回も3回もカラオケに行っていた
田舎の学校だったから他にすることもなくて
練習終わったあとにみんなでカラオケに行って
朝まで歌い続けるなんてこともザラにあった
それでも
声が枯れることなんてなかった
でも最近はカラオケどころか
人との会話とか
声を出す機会がものすごく減ったせいで
たまに数時間話し続けただけで声が枯れる
もう歌なんて歌えないんだと思っていた
でもこのままじゃ本当に声が出なくなると思って
久しぶりに全力で歌を歌ってみた
さすがに何時間もは無理だったけど歌えたし
声も枯れなかった
きっとこうやって
もう出来なくなってしまったと勝手に思い込んでいることが
他にもあるんだろうな
あーあーあーあーあーあーあーーあ
声が枯れるまで、叫ぶ。
心の濁りが消えるまで。
声が枯れるまで
声が枯れるまで泣き叫んだ事がある。
大切な人との別れ。
あんなに泣いたのに、行かないでと願ったのに、
時が経てば、こんな事もあったよね、なんて言えてしまう。
忘れたくないのに、徐々に薄れていくあの人の声。
もう思い出せない匂い。
それでも、記憶の中のあの人はいつも笑っている。
忘れないで、そう言うなら、消えないでよ。
ずっと私の中にいてよ。
…いや、私が手放しているのかもしれない。
両の手からこぼれ落ちる砂のように、記憶も積もれば古い物からこぼれ落ちる。
こんな私を非情だと思うかな?
君を忘れゆく私を、君が居なくても笑っている私を、酷いやつだと思うかな?
…それでもいいや。そっちに行った時、お前には失望した!なんて叱ってくれよ。
勝手だけどね、君は私を覚えていて。
頭の中でリフレインする
あの歌
決して明るい曲ではないけれど
ぽっかり 空いた心に
寄り添ってくれる
満たされなくて喉が渇く
乾いた胸に 落ちる一雫
この一滴のために
僕は 走り続ける
ギターの弦を弾く手が
もつれそうになる
通り過ぎる人々は
誰も見てくれない
それでも 道の端で
歌い続けたい
【声が枯れるまで】
あ がんばれー!
い …
あ ファイトー!
い あのさ
あ なに?
い 行かないの?散歩
あ 明日ね
い そう…
あ 今日は応援で燃焼させる
い …そう
『声が枯れるまで』
5年ぶりに声が枯れるまで歌った。私は歌うことが好きだ。
あらためて心からそう思えた。
声が枯れるまで
(本稿を下書きとして保管)
2024.10.21 藍
声が枯れるまで貴方に伝えたい。
これは、貴方の為に贈る青春という歌なんだから──。
僕は合唱部員だ。
中学生になって初めて合唱部に入った。
他にも好きなことは沢山あったけれど合唱部を選んだのは必死に歌う先輩に憧れ、一目惚れしたからだった。
僕の学校は中高一貫校なのもあり、高校の先輩方の一生懸命練習する姿を追いながら練習した。
プレッシャーに気圧されそうになっても必死でみんなについていけるように縋り付いた。
最初は合唱部に入って初めて歌を歌い始めたため、楽譜さえ読むのがままならなかった。
レガートやピッチなど、意味のわからなかった言葉は回数を重ねる毎にだんだんとわかるようになっていった。
でも、僕には分からないことも多かった。
よく、「上手だね」なんて言われるけれど、上辺だけの上手さなんていらない。練習とコンクールを重ねているうちに真実の上手さは心を揺さぶることが出来るかどうかだと気づいてしまったからだ。
そう思いながら時が経ち、いつの間にか高校3年生になっていた。
これは、高校生最後のコンクールだ。
中学一年生の時の初めてのコンクール出場と同じぐらい緊張で震えた。僕たちが高校3年生として合唱部を背負っているのだ。
でも、あの日一目惚れした先輩のようになるために、今までやってきたこと、そして恩師のことを思い浮かべながら歌った。
数々の思い出が脳裏に浮かんで目が潤んだが、それでも歌い続けた。
──結果発表の時。
「───高等学校、金賞!」
その瞬間、会場には歓喜の声で包まれた。僕たちの学校は金賞を頂くことが出来たんだ。
涙が溢れ出てきて、止めることなどできなかった。
本当に大変な道のりだったけれど、今まで自分と、それからみんなとで必死に頑張ってきた成果だと、その時初めて自分が好きになれた気がした。
声が枯れるまで伝えたい。
貴方が大好きだってことを。
「あの時の先輩のようになれていればいいな…。」
星空を見上げながらそう願って、僕は歌い続ける。
────────
お題:声が枯れるまで
#声が枯れるまで…
自信を持って
貴方の努力が報われる日ょ
これまで
力の限り頑張ってきたの知ってるゎ
疲れ果てて限界を迎えても
向かい合い
挑み続ける貴方を…
だから今日は
貴方のために応援するゎ
私の…声が枯れるまで…
【声が枯れるまで】
この声が枯れるまで
君と歌っていたかった
この声が枯れるまで
君と泣いていたかった
この声が枯れるまで
君と笑い合いたかった
この声が枯れるまで
君に好きと言いたかった
どれも君とやりたかったこと
でもこの腕の中には君が最後まで守り抜いた子がいる
この子は僕が守るから
だから、ゆっくりお休み
僕の愛しい人
『声が枯れるまで』
頑張って生きていたら
壁にぶつかる事もあるよね
自分の弱さに声が枯れるまで叫んだりしてさ
でも そんな時って
人の優しさがメチャクチャ温かくってさ
声が枯れても温もりの泉は
枯れる事がないみたい
高校3年間、僕のポジションはスタンド
仲間がピッチで活躍する姿を声が枯れるまで応援。
悔しくて堪らなかったけど、声が枯れるまで応援。
土砂降りの中、声が枯れるまで応援。
戻りたいとは決して思わない。
良い経験ができたとも言いたくない。
悔しくて、悔しかったけど、
その瞬間にできることをただ声が枯れるまで。やった。
僕の大切な高校時代。
田舎町に大雪が降り、一晩で一面、雪景色に変わった。
町を少し離れた場所、山道に続く開けた道がある。
左右に、田園があり春には、青い色の花畑ができ、夏は緑色の絨毯が広がる。
バートラムは、雪道を走った。あと3分で、鐘が鳴る。
この先に、廃墟になった教会がある。そこで、オーガストが待っている。
―――急がなければ!
雪に足を取られそうになっても、バートラムは走り続けた。その手には一通の手紙が握られている。
仕事を終えたバートラムが、家に帰ると扉の下に、一通の手紙が差し込まれていた。
差出人は、オーガスト。
『バートラム、君は僕に隠し事をしているね? 僕は、すべて知ってしまった。誰かが僕を見張る目。差出人のわからない手紙とプレゼント。僕は怖かったよ。怖くて死んでしまいたくなった。外が怖い。人も怖い。君とであった夜、とても驚いた顔をしていたね。あれは僕を見ていたのに、僕が君の存在を、気づいてしまったから、驚いていたんだね? 僕を見ていたのは君だ。そうだろう? そうとは知らず、君に相談して、守ってくれる優しい君に、僕は恋をした。何度も愛しあった。君が僕を苦しめていた人だとは、知らずに。それだけならよかったのに。僕らは許されない恋をした。バートラム、僕を愛しているなら、鐘が鳴るその前に、廃村近くの教会へ来て』
手紙と同封されていた一枚の写真には、二人の幼い少年が写っていた。
右側に写る少年の口元には、ほくろがある。この子はオーガストだ。
左側に写る少年の顔には、見知ったアザがある。
くしゃりと手紙と写真を握りしめ、教会へ走り出す。
あの写真の少年たちは、自分たちだった。
教会近くの廃村まで、たどり着いた。まだ鐘は鳴っていない。
息を整えて、オーガストを捜す。
廃村ということもあって、そこは崩れた建物が未だに残っている。
その向こうには、一面真っ白な、開けた平地が続いていた。
「……オーガスト」
冷たい冬の空気を肺いっぱいに吸い込み、教会へ走り出す。
ザクザクと雪が音を立てる。鼻が冷たい空気で痛む。
―――ゴーン、ゴーン、ゴーン。
鐘の音が遠くで聞こえる。空気を一気に吸い込み、腹の底から絞り出すように叫ぶ。
「オーガスト!」
パァン!
教会の方から、破裂音がした。バートラムの脳裏に最悪なビジョンがよぎる。
―――オーガスト、オーガスト、オーガスト。
教会に近づくたび、心臓がバクバクと脈打つ。やめてくれと脳が警告する。
どうか、あの破裂音が銃声でありませんように。雪の上に横たわる人が、オーガストではありませんように。
白い雪に鮮血が広がっていく。横たわるのは、口元にほくろのある若い青年。
「はぁ………はぁ……あ、あぁ……」
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
膝から崩れ落ちるように、バートラムは泣き叫んだ。
雪を握りしめ、何度もこぶしで地を殴る。行き場所を失った怒りと悲しみは、澄んだ雪に吸い込まれていく。
くたりと横たわるオーガストを抱きかかえ、頬を軽く叩く。
「お、オーガスト? ……ねぇ、オーガスト。私はここだよ? オーガスト。君に会いに来たんだ」
ぼたぼたと落ちる涙が、オーガストに降る。まだ彼の身体は温かい。けれど閉じられている瞳が開くことはなかった。
それでも、バートラムは、オーガストに話し続ける。
「オーガスト、ごめんね。私は君を苦しめてばかりだ。最低な私を、愛してくれた君といるのが怖くなった。知られたくなかった、見ていたのが私だと。だから手放してしまった」
オーガストを強く抱きしめる。身体は雪に熱を取られ、ぬくもりは感じない。
「逃げたんだ。君がから。けど今でも愛してる。君を誰よりも……。例え私たちが、生き別れた双子だとしても」
オーガストの手に握られていたピストルを手に握る。
「神が私を見放しても、この想いは消すことは出来ない」
にこりと微笑み、オーガストの唇にキスを落とす。
「愛してる。遅くなってごめんね。これからはずっと一緒だ……」
ピストルをこめかみにあて、引き金を引いた。
幼子と言うのは
自分の主張が届かないと、
しゃくりあげて
声が枯れるまで泣くもんだ…
いくらなだめても、諭しても
声の限りに全身を震わせて、自分の
気持ちを何とかわかってもらうべく
根性を持って泣く…なかなか頑固だ
私が、そんな泣き方をした
最後の記憶は8歳だ…
ある時、愛猫が初めて出産をした。
子猫を一匹飼うはずが、私が学校に
行ってる間に親戚の家に黙って
里子に出した…
8歳の私の怒りとショックは想像を絶し
「今すぐ!連れて来て!」と…
覚えている限りでは、確か2時間は叫んだ
しかし、叫ぼうが嘆こうが事態は何も
変わらなかった…当たり前だ
大人にはかなわない…
こうやって、良いか悪いか諦めを覚え
喉が潰れる程、気持ちをぶつけても
ダメな物はダメだと悟る…
大人になって日々を生きている今は
感情を隠し何があっても冷静沈着だ…
けれど「出来る人」を精一杯演じて
いるにすぎない…
ホントは、「声が枯れるまで」叫びたい
日だって皆あるだろうに…
・声が枯れるまで
うるさいくらいに大声で泣き喚いてた。
誰か一人には届くと思ってたから。
でも私一人が傷ついただけで現状は何も変わらなかった。
心も喉も傷つけて、それで終わり。
奇跡の大逆転もハッピーエンドもここには無かったんだね。
「好きーーーーーーーー!!!!!
あなたの事がずっとずっと好きだったーーー!!
どうしようもなく、好きーーーーー!!!」
冬の湖に全部吐いた。
片思いで積もらせてきた想い、全部。
こんな事しても、伝わらない。
意味ないのにな
白い息混じりの乾いた笑いが込み上げてくる
はは、ははは………、はあ。
口元をマフラーで塞ぐ
「もう帰ろう」
そう言って振り返った時だった
「好きだああああああああああァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!
あいつのこと、好きになっちまったああ!!
ユキィ!!好きだよーーー!!」
私より遥かに大きい声で湖に、あなたは好きを吐き出していた。
ユキ……私の名前。
そして、この声は私の好きな人。
私はすうっと息を吸う
冷たい空気を肺に入れ、全部吐くんだ
「ケンターーーーーーーー!!!!!!!!!
あなたの事がずっと好きだよーーーーーー!!!
4月からの一目惚れで今までずっと好きでいたのーーーーーー!!!!
だから!もし願いが叶うならァ!」
私はあなたの方を向いた
あなたも私の方を見ていた
「俺も!ユキの一生懸命なところが好きだーー!
それだけじゃない!可愛い笑い声も、笑顔も、全部好きだーーー!!!!これからは俺が傍で笑わせたい!!!!だから!もし願いが叶うならァ!!」
すうっ、
私たちはほぼ同時に息を吸った
「「あなたと付き合いたーい!!!!!!!!」」
「「好きだーーーーーー!!!!!!!!!!」」
超えが枯れるまであなたと好きを重ねた。
あなたとまたほぼ同時に声が掠れ、やがて聞こえなくなる。
私と、あなたが、向き合ったとき、私はあなたの胸に飛び込んだ
『声が枯れるまで』
次の日に仕事が無いことを何度も確認される。
そらもうそのしつこさったらありゃしない。
後は何の予定も無いことの再確認。
今から始まるこの行為でどれだけ体力を削られるかを痛感させられる。
嗚呼、嫌なんだけど嫌じゃない。
しばらく相棒に構ってやれていなかったことのツケなのだ、これは。
ツケは払わなきゃなあ。聞こえないように独り言ちる。
ゆったりと布団に押し倒される心地良さとほんのり恥ずかしさとを綯い交ぜにしたような、そんな気持ち。
さあ来い、お前の愛を受け取る準備はできている。
私は読書が好きで20代の頃からよく本を読んでいました。三年前位から文章を声に出して読書を楽しむようになりました。でも最近は声の音質が変わってしまいましたので音量を下げて読んでいます。 読書や音楽は私に新鮮な感動を与えてくれ、生きる糧になっています。文化の持つ力に感謝をしたいと思います。