『喪失感』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
喪失感と向き合える心を
準備できていなかった
喪失を恐れるあまり
得ることを恐れた
何もかもが怖かった
今でも 不安が騒ぎ立てる時がある
お前の手元には何も残らない
誰もがお前から去っていく
何もかもが その手を その指の間を
すり抜けていって 戻らない
それでも
いまの私には
繋ぎ止めたいものがある
いま在る事を喜ぶものが
繋いでおきたい手が
出会うことは いつか別れるということ
それでも
いま共に在ることが
私の往く先を
きっと 明るく照らす
そう思わせてくれたすべてに
どうか あたたかで
この上ない祝福を
ありったけの しあわせを
株が上がったけど、買ってない、1億も損した気持ち
父方の墓参りに車で行くと、決まって立ち寄るラーメン屋さん。
トラックの運ちゃんに人気で駐車場はいつ来ても
大きなトラックがひしめいていた。
ラーメンもさることながら、餃子が抜群に旨い。
墓参りと言えばあのラーメン屋さんの餃子!だった。
そして先日。その日も恒例通り、そのラーメン屋に向かったが
近くまで来た途端、建物が立派になってることに気づいた。
駐車場も空いている。嫌な予感がする。
看板はあのラーメン屋さんで間違いない、名前も変わってない。
だが、店内に入るとスタッフが総入れ換えしていた。
まだ分からない。一縷の望みを胸に注文し
出された餃子を恐る恐る口に入れる。
…終わった、何もかも。
茫然と自失した私を尻目に母がさらっと店員を捕まえ尋ねる。
代替わりしたとのこと。
何故にあの餃子を受け継がない?何故に…。
また食べれると思ってた。ここがずっと1番だと思ってた。
まさか前回の墓参りが最後の餃子になるなんて。
帰りの車内は、恒例の墓参りにしてはこの上なく
しめやかだった。
片付け中。のんびり書く。
枠だけ置いとく。書けたら編集する。
─喪失感─
何時からだろうか。
心に何か足りないと感じたのは。
胸の中が霧で覆われているような、何か黒いものが渦巻くような。
喪失感と言えば伝わるのだろうか。
失ったものは何もないと思う。
そのせいで不幸せと思うこともない。
むしろ幸せだ。
妻や子供、親友など、人望に恵まれ。
上司に期待される程、仕事に恵まれ。
家族が幸せだと言う程金運に恵まれ。
全て順調。幸せだと言える筈なのに。
何で、この胸の霧が晴れないのだろう。
そういえば、親友にこの事を相談したとき、不思議なことを言っていた。
『俺にはその原因が分かる。でもそれをお前が知った時───』
親友は、一回息を吸って言った。
『きっと後悔する。死にたくなる程に。』
最初は意味が分からなかった。
幸せなのに死にたくなるわけない、と。
ただ親友は、悲しそうな瞳を閉じ『思い出さない方がいい』と言った。
きっと本当なんだろう。原因を知っているのも、死にたくなるのも。
だから今の幸せが続くときまで、思い出さないよ。きっと。
穴が空くような気持ちは
大人になってから特に感じなくなった
もしかして、強くなった?
いや、これはなにかで補う力がついただけだと思う。
悲しみ、悔しさ、それらを認めないように
隠れて隠して主を騙していく
自分のおろかさを許せるようになったとき
私は自然に、なににも介されないで
泣くことができるようになった
喪失感
こんなはずじゃなかったのに
想定外の喪失感に、めまいがする
君がいなくたって僕は平気なはずだった
笑顔で送り出したあと、じわじわと侵食する寂しさ
行かないで、そばにいて
今になって、心の声がうるさく聴こえてくる
(喪失感)
※2つのテーマを書いてます。
世界に一つだけといったら生命。
世界に一つだけの君と出逢えた奇跡に感謝。
そしてこの瞬間に感謝。
■テーマ:世界に一つだけ
君を失った寂しさを僕は受け入れられずにいる。
この事実は決して受け入れられない。
時間とともにいつか受け入れられる日が来るのだろうか?
君の時間は止まり、僕の時間は進む。
一刻一刻君を忘れてしまうのだろうか?
僕は君に触れることもできない。
晴れた日に水溜まりが消えていくように、
この喪失感もいつか消えるのだろうか?
■テーマ:喪失感
喪失感
使われない片方のペアのマグカップ。
開けたばかりのままのシャンプー。
クローゼットにあるお気に入りだったグレイのセーターにはあなたの匂いがまだ残っている。
笑っている二人の写真。
思い出いっぱいの家に、笑えなくなった私。
#23
喪失感という言葉に対しては「元々あったものが消える」のイメージを抱いている。当たり前にそこに存在しているものが無くなると違和感に襲われるだろうし、自分の世界を構成している要素が消えることによって、心にぽっかり穴が空いたような感覚になるのだと思う。
ここで私の「喪失感」にちなむエピソードを2つほど。
1つ目は、シャーペンのクリップやシャー芯を出すパイプ折れた瞬間。私はシャーペンが好きであり、自分の好むペンを集めて眺めたり使ったりすることに幸せを感じている。
クリップが使っているうちに折れた.....ということではなく、前兆はない。「筆箱に入れているうちにいつの間にか折れてしまった」という表現が正しい。
自分が気に入って使っているものだけに、新しいものに買い換えるまでは折れているシャーペンを眺める毎に虚しい気持ちになっていた。
2つ目は、ゲーム内での話である。ゲームにはいわゆる「イベント」があり、イベントをプレイする、いわゆる「走る」という行為を通じて様々な報酬がゲット出来るという仕様である。
私がプレイするゲームのイベント期間は8日間であり、狙っていた報酬は1枚の高レアカードである。過去に同じ仕組みのイベントを2回走ったことがあり、気持ち的には既に余裕生まれ、今回のカードも確実にゲットできる見込みだった。
しかし、イベントの期間と合宿が被ってしまった。3日間ほどコテージですごしたが、WiFiが弱く、さらに合宿の夜は日中の活動で疲れ切っていて満足にイベントを走ることが出来なかった。
最終日と合宿の最終日が同じ日で、家に帰って懸命にイベントを進めたが、カードをゲットすることは出来なかった。今回の報酬カードを手に入れることが出来るという前提でチーム編成など組んでいたため、ショックと喪失感は余計に大きい。
以上が喪失感に関するエピソードである。実は他にも「目をつけていたグッズがいつの間にか売り切れてしまった」など、ちょくちょくこのようなエピソードがあるが、今回は割愛させていただく。
結論としては喪失感に関係は無いが、イベントは計画的に走った方が良いとだけは言える。
喪失感
誰かが亡くなったときの喪失感ってさ、
悲しみもだけど亡くなったことでその人のこと思い出すとなんか辛いよね。
大好きな人だったり、大好きな動物が亡くなったら喪失感でいっぱいだよ。
悲しいことがあったら泣き喚けばいい。
悔しいなら悔しい気持ちをずっと忘れずにとっとくといいかもな。
誰かが亡くなったときの喪失ははかりしれない。
何かが消えたような喪失感。
僕が手を離したんじゃなくて、勝手にポロポロと落ちていった。
喪失感
生まれた意味をまだ見つけてない
亡くなった父親のように生きなきゃいけないのか
「喪失とは直接関係無いだろうけど、6月3日4日頃のお題が『失恋』で、4月18日19日あたりが『無色の世界』だったわ」
「失恋」はそのまま失恋話書いて、「無色」は「むしき」って仏教用語があったから、それに絡めたわな。某所在住物書きは過去作を辿り、他に喪失系のネタを探し回ったが、その努力は徒労のようであった。
「『喪失感とは』でネット検索すると、誰か亡くなった前提の記事が上位に来るの。
『喪失感 脳科学』で検索すると失恋が上位よ。哀悼全然関係ねぇの。あとはガチャとか……?」
うん。ガチャの満たされない感は、バチクソ分かる。
物書きは己の過去の過去を想起し、ため息を吐いた。
――――――
ちょっとだけ昔、1ヶ月ほど前の都内某所。某アパートでのおはなしです。
藤森といいますが、家具最低限の寂しい部屋に、ぼっちで住んでおりまして、
そこには何故か、人に化ける妙技を持つの子狐が、週間に1〜2回、不思議なお餅を売りに来るのでした。
その日もコンコン子狐が、防犯意識強化の叫ばれるなか、唯一家の扉を開けてくれる藤森宅に訪問販売。
右手に透かしホオズキの明かりを、左手に葛のツルで編んだカゴを持ち、お餅を売って買ってまた次回、
だった、筈なのですが。
「子狐」
部屋の主、藤森が、子狐の帰り際に言いました。
「お前とも、そこそこ長い付き合いだが、私以外の顧客は居るのか」
この藤森、過去前々回投稿分あたり参照の諸事情持ち。要約するに、8年の間失恋相手の執着から逃げ続けておりましたが、
このおはなしの2〜3週間後、過去作でいうところの8月28日に、バッタリ発見されてしまうのです。
「近いうちに、私はここを引き払って、お前とサヨナラするかもしれない。今のうちに別の顧客を開拓した方が、お前の商売も安定すると思うが、どうだろう」
あくまで可能性の範疇だが、お前との取り引きを、バッサリ解消するかもしれない。
藤森はあくまで事前連絡として、しかし己に起こる未来を想定しているような目で、子狐に言いました。
「サヨナラ、」
大好きなお得意様が自分を捨てる。子狐は突発的で、かつ大きな喪失感に襲われました。
「さよなら、やだ」
子狐はいっちょまえに、稲荷神社在住の祟れる化け狐であり、豊作を好み喪失を悲しむ御狐でした。
行くはよいよい、帰りは怖い。
持ってきた葛のカゴから、葛の葉っぱをプチっと1枚摘み取って、
ひらり、ひらり。ひらり、ひらり。
両手で裏返し裏返し、コンコンうたい始めました。
「食べ物の、うらみ葛の葉ホトケノザ、仏は三、
狐の顔は一度一生、一度一生……」
「なんだそれ」
「55ある御狐のおうた。食べ物の恨み歌」
「うらみうた?」
「『仏の顔も三度までって言うけど、狐の恨みは一発アウトの一生もので、葛の葉みたいに根が深い』。だから狐をイジメちゃいけません。狐と食べ物を、むやみに捨ててはいけません」
「可能性の話だ。好きでお前を捨てるわけじゃ」
「ウカサマ、ウカノミタマのオオカミサマ、しもべの声をお聞きください。しもべのおとくいさんの、お醤油とコーラを、どうかすり替えてください……」
「待て。それは困る。取り引きしよう何が欲しい」
「ウカサマ、しもべのおとくいさんの、冷蔵庫にあるプリンを、全部絹ごし豆腐にしてください……」
「こ ぎ つ ね」
ひき肉は大豆ミート。黒酢はお神酒。小鍋の中にはきつねうどん。
喪失感をイタズラにのせて、子狐コンコン、祟りのチカラを変な方向に使いまくります。
「こぎつね……」
そうだった。狐は祟るんだった。
藤森は大きなため息を吐き、事情を説明すべきか不要か、5分程度悩み抜きましたとさ。
おしまい、おしまい。
今日も残業だった。そうなると無条件にコンビニに寄る。もう味を知り尽くした弁当とお茶と滋養強壮に利くドリンクをカゴに入れて。レジに並ぶ前にふと目に入るスイーツコーナー。なんとなく手に取ったプリンも一緒に入れた。それだけは2つ買う。1つだけ買うと喧嘩になるから。
でも。
「あ……」
もう、いいんだった。無意識に2つとったけど、2つも必要ないんだった。もう喧嘩にならないから。キミはもういないから。
コンビニから出てアパートに着いた頃には日付が変わっていた。ドアを開けて静まり帰った自宅へ入る。誰も居ないんだから当たり前か。途端に身体中に広がる脱力感と倦怠感。それと、大きな喪失感。洗面所の歯ブラシも1本になった。クローゼットのスペースは半分ぽっかり空いている。花の香りの柔軟剤も、よく分からないキャラクターのイラストのランチョンマットも、健康志向のおやつたちも全部姿を消した。それらは別に、僕のものじゃなかったのだから無くなっても憂いだりしない。
でも、キミは“僕のもの”だった。だから、姿を消した途端に僕の心は落ち着かなくなっている。もうかれこれ数週間、生きた心地がしない。この先もずっと僕のものだと思っていたのに。それは僕の単なる思い込みだったのだ。
戻ってきてくれ、と、灯りもつけない深夜の部屋でひとり呟いた。けれど誰も答えない。日を追うごとにキミが居た形跡が消える。キミの匂いが思い出せなくなる。こうやってゆっくりと記憶は退化していくのかと思うとやりきれない気持ちになった。窓の外がぼんやり明るい。カーテンをそっと開けると月の光が入り込んできて、情けない僕の顔をそっと照らしたのだった。
失くしてしまった大切なものの
大切な場所が抜け殻になって
空っぽになって
その場所に、寂しいという風が通り抜けて
そのとき初めて感じるのが
喪失感なのかもしれない。
悲しい。寂しい。会いたいと。
失くしたものの尊さに
気付くのは、いつだって
叶わぬ願いになってからなんだ。
【お題:喪失感】
※ お題とは関係ありません
悲しみ 苦しみ 憎しみ 怒り などのマイナスな感情は世界でたった1人その当人にしか分からないことだと思う。
誰かの感情に共感したり、想像し寄り添うことはできても、100%その気持ちを理解することは不可能。
だからこそ自分にも他人にも優しくありたいと思う。
「ね、いつまで使い捨てるつもり」
彼女が唐突に僕に言った。
「使い捨て?」
思わず鸚鵡返しをする。それもそうだ。彼女の質問は、今投げ掛けられるものとしてはあまりにも破綻していた。
僕は、何も手に持っていない。それどころか、ここ数分に何も物を、物以外にも人だとか、そういう"捨てる"となると少し哲学の領域に踏み込んでしまいそうな類いのものも、一切捨てていない。故に、何に対して彼女がそう感じ、何を指して彼女がそう言の葉を吐いたのか、皆目検討もつかなかった。
「君には、僕が何か捨てたように見えたのかい」
問うた。
訝しんでいるのがばれてしまったのか、答えはかえってこなかった。
代わりに、捲し立てるような分量の、静かなるヒステリーが僕に覆い被さる。
「みんな、大衆に呑まれて、アクセサリーみたいに何もかもを使い捨てにして、気の毒に。真実を見た者だけの心の代弁を、その重みを、伝えるべく送り出した思いの辛酸をあのひとたちは知らないのね」
彼女がその、近寄りがたい印象を与える、女性にしては軽薄な唇を割るようにして口許に弧を描いたとき、僕は理解した。
彼女はきっと、殺人を犯したことがない人間が、ミステリ小説を書くことを冒瀆だと思っている。
オーバードーズの経験がない人間が、その手の歌を歌うことを滑稽だと思っていて、色欲の奴隷となる人間を、芸術だと本気で思っているのだ。
エンターテイメントとして与えられたものに、命が吹き込まれていると思っている。それを享受するためには、己も道を違えなければならないと思っている。
僕の口許は、彼女の表情をそのまま映すようにして、言った。
「………なんだ、気の毒なのは、君じゃないか」
家具の配置が変わった訳でもない。なのに広く感じる。動画を再生する音量はいつもと同じ。なのにやけに響く。同じ時間に食べる食事だっていつもと変わらないはずなのに味気ない。
何でなのかな?なんて、全部分かってる。ここに君がいないから。ただ、それだけ。
『喪失感』
胸の中心が空っぽになったあの感覚。
衝撃に打ちのめされて。
息も上手くできないのに。
何故か全ての感情が持って行かれたせいで。
苦しいはずなのに苦しくない。
あの感覚を覚えた時の僕は。
今でもまだ。
誰の目にも映らないところで。
ひっそりと泣いている。
【喪失感】