『君の奏でる音楽』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
11. 君の奏でる音楽
友達が時々弾き語りの配信をしていて、見れるときは毎回見ている。もちろん聴いていて楽しい。
しかし、目の前で歌ってくれた日からは楽しいだけじゃなくなった。目の前にいればなあ、なんて贅沢が頭を過って勝手に寂しくなる。
ネット上の配信者とリスナーでは満足できなくなってきている。
久しく会えていないし、友達として会いたい。
夏休みが長すぎるから?いや、LINEの一つも送れない自分のせいだ。
ある一定の所まで仲良くなった後の難所。
ここがどうも苦手で、今までも何人も離れていった、というより離れさせてしまった。
しかし、今回は何が何でもここを越えたいと、初めて思った。
本当の友達なんていうと嘘臭いが、この人となら腹割って話せそうな気がする。
しかしこれってあくまで俺の都合であって、相手がどう思ってるのかなぞ分からないんだよな。もしかしたら離れたいのかも知れないし
人との付き合いは難しい。
それに己のコミュ力の低さや勇気の無さに向き合うのも難しい。
情けない奴だよ。でも情けないなりに出来ることはやってみる。
あなたの奏でる音楽にちゃんと向き合いたいから。
「君の奏でる音楽」
君の奏でる音楽は心の叫びでしようか
とても冷たく刺さるように響きます
私がどんな音色で弾いたら
君の心を穏やかにできるのかな
(君の奏でる音楽)
あなたは、今年の8/9、何かを伝えようと音楽をつくった。
わたしは、まだ「君の奏でる音楽を聞きたい」あなたに伝えていない
君の奏でる音楽が羨ましかった。
透き通っていて綺麗でどこまでも届きそうな音。
私にはその音を出すことは出来ない。
それを君に言うと君は目をぱちくりさせた。
私の音も綺麗だよ、と。
それを素直に受け取れない私は苦笑いした。
わかってる君のその言葉は本心だって。
でも私は自分に自信が持てないから。
ありがとうと言いながらまた1つ黒い染みを心に増やした。
お題、君の奏でる音楽
君の奏でる音楽
どこか寂しくて悲しい音楽。けどね、君の心にはいつも強さがあって、信条があって、情熱があることを僕は知ってる。
愛しいあなたの歌
オワリ
夏が終わる頃、君達が奏でる音楽を聴く。
何よりも、夏の終わりを感じさせる音楽。
カナツクホーシ、カナツクホーシ。
少しは涼しくなるのかな。
エアコンを消してもいいのかな。
酷暑の中のミンミンよりは落ち着いて、リラックスして聴けるミュージック。
厳しい夏を乗り越えた感もあって、感動のフィナーレにも思える。
もしくは、静かに始まる次の季節へのプロローグ。
いずれにせよ、耳に心地良く、ベースが入ったらもっとエモくなるかも。
夏の終わりのハーモニーってやつだ。
今はまだ、その心地良さがイメージ出来ないけど、必ずその日は来る。
それまでは、ジャズでも聴いて心和ませよう。
ミンミンジージー雄叫んで、終いにベランダでひっくり返って死んだフリをするのはやめて欲しい。
次のステージ奏者にバトンを渡して、静かにフェードアウトしてゆくのが粋ってもんでしょ。
夏の終わりのセレモニーってやつだ。
今年の夏も頑張ったね。
来年また会いましょう。
次の世代のアーティスト達に。
母が立つ台所から聞こえるは
世界でいちばんすきな音楽
お題『君が奏でる音楽』
【君の奏でる音楽】
蒸し風呂のような暑い日
エアコンなしではとても生活ができなくなっている
僕は空調が完璧に整えられた部屋で机に向かっている
よく冷えたアイスコーヒーの氷がカランと音を立てる
静かな部屋にはエアコンの音が静かに響いていた
不意にペンを置いて席を立つ
窓際に立ち、時計を見る
僕は思いきり窓を開け放つ
もわーっした熱のか溜まりが部屋に侵入してきた
思わず顔を背けるが窓は開け放ったまま
そろそろかな…
耳を澄ます
熱気を切り裂くように甲高い音が聞こえる
僕は目を閉じて音に耳を傾ける
浮かぶのは、いつもの場所で金色に輝くトランペットを吹く君の姿
真夏の暑さに立ち向かうような気迫のこもった演奏をきくと僕の心はにわかに沸き立つ
玉の汗が額に吹き出し拭うこともせず、一心不乱吹き続ける君
夏の午後、
いつもの時間、
君の演奏を聴きたくて窓を開ける
部屋のなかではエアコンが唸りを上げていた
よく鼻歌を歌っている人だった。
機嫌の良し悪しに関係なく、なにかしながらその軽やかな音楽を奏でていた。
音楽には疎いから何を歌っているのかわからなかった。何の歌か聞いたこともあったけど、なんでもないやつ、としか答えるばかりだったから自作の歌だったのかもしれない。
あの頃、初めはあの人の音を少し煩わしく思っていた。聞こえなくなった今、私一人の空間は換気扇を回す音だとか、リモコンを置いた音だとかが、嫌に大きく耳に入ってくる。
もう私しかいないのだから、私が歌うしかないのに、君が奏でる音楽を綺麗に思い出せない。毎日のようにきいていたのに。
私も、なんでもないやつ、とやらで音を出してみるしかないのか。
静かな部屋で一人吐き出してみた鼻歌は、歌うとか奏でるとかいえるようなものじゃない。息が続かなくて不格好で、音の大きさ長さ高さもちぐはぐで好き勝手だ。煩わしい。
やめると、また生活音が私のなかで大きくなる。それを消すためにまたなんでもいいから歌ってみる。歌って、歌って、歌って。君の奏でる音楽がないこの部屋が日常になるまで。
【君が奏でる音楽】
「君の奏でる音楽」
君の奏でる音楽が僕は好きだと、君の演奏を聞いて、何度も何度も思った。
いつか、伝えられるといいと思う。
【何も知らない】
私のオトウサンがミュージシャンだったことは聞かされていた。
「お父さんはね、ミュージシャンだったんだよ」という感じで、小さい頃からこの言葉を幾度となく聞いてきた。
小学生の時、参観授業で親の職業を発表したことがある。
みんな「私のお父さんはトラックの運転手です」「僕のお母さんは介護施設で働いています」という具合に発表するのだ。
私は「お母さんは薬剤師をしています」と発表した。
オトウサンのことは、何となく言えなかった。
オトウサンのことなんてほとんど知らないし、ミュージシャンだったことなんて実感できない。
発表することに後ろめたさというか、現実とかけ離れすぎた何かを感じてしまったのだ。
私が母子家庭であることを知っているクラスメートがいた。
恐らくお母さん同士の繋がり(ママ友といわれるやつだ)を介して知っているのだろう。
オトウサントークになったとき、微妙な空気が流れるのだ。
気を遣ってくれているんだ、というのは分かる。
ただ、私はその空気に居心地の悪さを感じてきた。
私自身は母子家庭であることに孤独を抱いたり、新しいオトウサンが欲しいと思ったりしたことはない。
ただ、疎外感はあった。
みんなと違うことが嫌なのではない。
みんなが気にすることが嫌なのだ。
そんなことを学校帰りに考えていた。
こんなことを考えるようになったのは、ギターを練習し始めてからだ。
夏休みに入る前から、私はオトウサンのギターを使うようになった。
いきなり「ギターを弾きたい」と思ったのだ。
そして、誰かに習うわけでもなく独学で練習している。
動画や教則本を頼りに頑張っている。
1ヶ月半ほど頑張って、ようやくFコードが弾けるようになったばかりだ。
指が痛いけど、意外とギターって楽しい。
そんなふうに思い始めた。
一方、オトウサンの演奏を想像し始めるようにもなった。
オトウサンはどんな曲を弾いていたのだろう。
オトウサンが奏でる音と私が奏でる音は、絶対に違うだろう。
オトウサンの演奏を聴いたことがないので、なおさら気になる。
そもそも、私はオトウサンの生い立ちを知らない。
お母さんの生い立ちは何となく知っているのに。
オトウサンがなぜミュージシャンになったのか、オトウサンがなぜ死んだのか、オトウサンの友人関係についてなど。
何も知らないし、お母さんに訊いても教えてくれなかった。
最初は、私の訊き方が悪いのだと思った。
しかし、違った。
お母さんは答えたくないのだ。
なぜ?
思い出したくないから?
お母さんはが口を割ってくれることは無かった。
オトウサンのことを知りたいという気持ちが
沸々と高まる中、私にできることの少なさを感じていた。
オトウサンの奏でる音はどんな音なのだろう。
君の奏でる音楽
音楽に力などないと思っていた。
所詮、ただの音でしかないのだから。
でも、君の奏でる音楽を聴いて、俺の考えは間違っていたと思い知らされた。
音楽はいろんな色を持っていて、その色によって
人の感情は簡単に動かされる。
両親が他界して、ずっと泣き続けていた時も、君の演奏を聴くだけで、また頑張ろう、生きていけると思えた。
そんな、俺に大きな影響を与えた彼女から、
音楽が嫌いになった
と、聞いた時は驚いた。
俺が、初めて君の演奏を聴いた後、すごいと言って拍手した時の、君の満足げな笑顔が忘れられない。
音楽には力があると思い知らされた俺が、
俺の演奏で君にまた、音楽が大好きだと言わせてやる。
—2人しかいないコンサートホールで、ピアノが鳴った。
市民の反乱、
城が燃えている、
燃え盛っている……
♪ーーーー
なのに、中で聞こえる
貴方が奏でる音楽
強く美しく
でもどこか儚くて
繊細で……
今この場に不似合いな綺麗な音……
……
お嬢様、お逃げになってください……
「ここを出たら
もう、ピアノが弾けないじゃない……」
「貴方こそ逃げなさい、
私に構う必要はないわ……
貴方ならきっと、大丈夫よ……」
………………
そう、おっしゃられるのなら……
わたくしも
最後までお嬢様のピアノを
お聞きしたいです……
「ふふ、貴方は私のピアノがほんとに好きなのね」
……ええ、とても大好きですよ…
ーーーーーーーーーーー
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ーーーーーーーーー
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ーーーーーーー
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ーーーーー
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ーーー
ーー
ー
♪ーーーーー
燃え尽きるまで聞こえる
貴方の音楽……
また、たくさん
聞かせてくださいね……
君の奏でる音楽
愛は永遠で
愛は不朽で
愛は変わらないものだと思っていた…甘美でずっと…でも…其れは、ただの幻想で、勝手な思い込みだと、現実は教えてくれる…愛ってなんだろう…何処からか聞こえる不協和音…いつか、この二人の日々も…
君の奏でる言葉。
言葉って不思議。その一言がやる気を引き出し、その一言に絶望感を感じる。
奏でるってほどだから、心地よいものだし、
きっと2人は恋人同士。
2024年 8月21日
君の奏でる音楽は君をよく知れる。明るい感じのときは気分が良いのだろうなと思い、暗い感じのときは何か悲しいことがあったのかなと心配になる。僕は君の音楽をとおして君を見ている。
電車で前の席の人がスマホを見るタイプじゃなくて
中空を見つめるタイプの人だと嫌だ。
気まずい。
スマホに熱中してて欲しい。
なんか手持ち無沙汰そうにしてる姿を見るとなおさら不快。嫌だ。
気まずい。
なんか相互感情みたいなのがあって、人間には、
こっちが気にしてると向こうも明らか気にし出す。
それは気のせいではない。
向こうも気まずさを感じてるのが手に取るようにわかるのだ。
それだけでその場が満たされてしまうような錯覚。
場を空気が満たす。
波長が満たす。
波長=音楽
それは音楽で例えると極めてノイズ混じりの雑音にしかならないだろう。
ならば、こちらが素敵な音楽を奏でてやればいいのだ。
素敵な音楽で満たすのだ。
君の奏で
る音楽 終
劇
⋆⸜♱⸝⋆
君の奏でる音が好きだった、けどもう君の奏でる音は聞けない、また聞けることをどれだけどまちに待っているのかは君は知らない、何があっても僕の好きな音は君が奏でるあの音だけ永遠に
━━━━また君の音を聞ける日が来ることを願って
2024.08.12【君の奏でる音楽】
【君の奏でる音楽】
時には寄り添うように
時には励ますように
柔らかく力強く響く旋律
宵闇に深く沈む世界に
ぽつんと咲いた花のようなそれは
色を失くした僕の命に光を与えてくれた
君の奏でる音楽
僕を生かす福音
「君の奏でる音楽が好きだよ」
いつもの演奏会の後、彼女がそう言った。
「……ありがとう」
いつも言われてるその言葉。それでも慣れないのは、いつも冗談の方が言うことが多い彼女が、本心から思っているんだと手に取るようにわかる態度で言葉を紡ぐから。
「…………曲が好きなのかい」
「……ううん。君の奏でる音楽が好き」
でも、いつも『奏でる音楽が好き』としか言ってくれなくて、なんとなく腑に落ちない。
「…………曲は好きかい」
「好きだよ。君が演奏する曲はどれも素敵だから」
「…………弾いている姿を見るのは好きかい」
「好きだよ。ボクが押しても綺麗な音色にならないけれど、君が弾くと絶対綺麗な音色になるから魔法みたいで好き」
「………………ピアノは好きかい」
「好きだよ。見た目はちょっとだけ怖いけど、とっても繊細な音を奏でるから」
「………………そのどれかが一番好きなのかい?」
「ううん、君の奏でる音楽が一番好きだよ」
分からない。何が好きなのか、僕には。
そう思った時、彼女は微笑んで言った。
「別に曲じゃなくてもいい。綺麗な音色を繊細な手つきで楽しそうに弾いてる姿を見てるのが好きで、紡ぎ出される音楽が好きなだけだから」
…………なんとなく、照れくさくなった。