『君からのLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
彼からのLINEを見て私は喉を引きつらせる。彼に連絡先を教えた覚えがないからだ。その事実は失神しそうになるほど衝撃的であった。恐怖に圧倒され動けずいた。そこから何時間経っただろうか。チャイムがなんとはなしになった。叫びそうになる。だが今は夜中、叫んだら近所迷惑になってしまう。とても不安だ。だがこのままで放置するのも気が引ける。意を決してそこから立ち上がりインターホンの前に向かった。たった数歩のことだが一歩一歩を踏みしめるように歩いた。そしてインターホンを覗く。奴がいた。奴がいたのだ。家の住所など知るはずなどないのに。ありえない。奴は何時から私をつけていたのか。そんな私の心境など興味もないという様に奴は何度もチャイムを押してきた。だがずっとドアに張り付いているとやはり不審がられるようで隣の人が出てきた。彼も通報されるのは嫌だったようで、すぐにドアの前から離れ走っていった。私は緊張の糸がぷつっと切れ倒れてしまった。
君からのLINEは大概業務連絡
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LINEネタは何も無いので、野球か呪術廻戦の話でもしようぜ!
君からのLINE
とくに予定がなくやる事のない休日。
ゴロゴロダラダラ過ごしていると、友人からLINEがきた。
内容は、彼氏と待ち合わせしてご飯に行こうとしていたら、自分が待ち合わせに遅刻してしまったというものだ。
ふーん。と思いながら読んでいると、今度はその友人から電話が鳴った。
どうしたの?と聞くと、友人は、2分遅刻したんだけど彼氏が待ち合わせに居なくて、美容室に髪切りに行ってくる。と彼からLINEがあった。と言った。
思わず笑ってしまったが、私自身がそういう目にあったら実際は怒っていたと思う。しかし、友人は全く怒っておらず、私も遅刻が多いからお互い様だから。と言うのだ。
相変わらずネタの尽きない不思議なカップルだ…。
『君からのLINE』
いつもみたいに、家族グループのLINEにメッセージが届いていた。
大抵、このグループに流されるのは、誰が私や弟を迎えに行くかや夕飯の調査、その他諸々の事務連絡である(私は"彩"を加える為にしょーもないことを呟き毎度悉く軽くあしらわれるが)。私が実家を離れてからは、家族の近況や帰省の連絡などで使われることが多くなった。
さてなんの話だろうと思いLINEのトーク画面を開く。どうやら、父の今日のゴルフの結果についてらしい。父は大のゴルフ好きで、私が小さい頃から、車のトランクにいつでもゴルフバッグが積まされていたり、洗面所でスイング練習したり―――兎に角ゴルフの話が尽きない人であった。
相変わらずだな、と今も昔も変わらない父の健やかさを感じながらLINEを見ると―――なんだか文面が...少しポップな気がした。
(遂に父さんも絵文字というものを使って...?!)
生真面目で無駄を削ぎ落としたような父の文調とは全く違った。
(そんな顔文字、家族で使うの私ぐらいじゃん!!なんだなんだ!!)
可愛らしいニコニコの絵文字やら顔文字やらスタンプやらを好奇心の赴くままに連爆している気がした。珍しいじゃないのよ、と思っていたが、それもそのはず。なぜなら、そのLINEの主は"父ではなかった"のだから。
メッセージの最初に、まだスマホを所持していないはずの弟の名前があった。嗚呼そういうことか、と、納得した。
その日、丁度父のゴルフの予定が入っていたのだが、どうやら弟もついて行きたいとねだったのだろう。楽しいことは共有したい弟のことだから、父のスマホを借りてLINEにメッセージを打ち込んだのだと、そう思った。
身体には合わない大きな大人用クラブを一丁前に構えて、楽しそうに父の真似をする弟の写真が後に送られてきた。
(そっか、父さんについてったんだね)
思ったことをそのままメッセージにして返す。待ってましたと言わんばかりに、すぐ返信が返ってきた。
『うん、たのしかった‼️
上手だって父さんほめてくれたんだよ(*^^*)😊』
LINE上で弟と会話をするのが珍しくて、また続いてメッセージを送る。その後も何分か今日のゴルフについての会話は絶えなかった。
『父さんにそろそろスマホ返すからお話しおわるね』
なんだか、すっっっっごく多幸感。なかなかできないことができて嬉しかった。
『バイバイ‼️』
その一言を見た時、何故だか涙が出そうになった。
普段は生意気でいかにも思春期の男子という言動の弟。そんな弟がやりとりの最後に「バイバイ」を言うとは。現実の行動としては何も珍しくないのだけれど、こうしてメッセージ上でそれを言う人はなかなかいないものだから、なんだか愛おしく思えた。
LINEでこんなに嬉しいと思ったのはこれが初めてだった。今更ながらに、私を唯一「姉」という存在にしてくれる弟にはなんだか良くしてあげたいなんて思った。
あまりに珍しいからスクショを撮ったのは秘密である。
画面がチカチカと光って、通知を知らせる。その度にスマホを奪い取るかのようにして通知を確認するが、期待外れで布団に投げ出していた。
あぁ、早く来ないかな。君の彼氏を名乗る男からのライン。
そう思いながら、君のスマホをチラチラと見る。その間、君はガタガタと震えて下を向いて泣いていた。
「そんなに震えなくてもいいんだよ。」
そう言って、君の頬を軽く撫でると、君はビクッと肩を跳ねらせた。かわいいなぁ。
こんなに可愛い君に対して、知らないやつが彼氏を名乗るだなんて、許せないなぁ。本当の彼氏である僕が守ってあげなきゃなぁ、なんて。
今頃、あの男は焦っているだろうな。彼女だと思っていた女から、本当の彼氏と一緒に写る写真を送られて。何枚、何十枚と送ってやった。写真を見たときの顔を君にも魅せてやりたいなぁ。…いや、やっぱり駄目。君は僕だけしか見ちゃ駄目。
君の方を見ると、小動物みたいに小さく震える君が、小さくて可愛い口を開いて聞いてきた。
【貴方は…だれですか…?】
「やだなぁ、君の彼氏だよ。ねぇ?ダーリン。」
No.30
どいつもこいつもほんっとうにつまらない男ばかりだ。
好きだとか愛してるとかそんなもんLINEに頼ってねえで直接言いに来い。
そう返信してやろうかと思うがこれも私のキャラのため。「ごめんね今は無理かも」という安牌な返信をして私はベッドに寝転がる。
私がLINEを待っているのはただ1人だけだ。正直その人とLINEを繋ぐ以外このアプリを入れる必要などないのだから消してしまおうかなどと考えている。
そうして私は眠りにつこうとした矢先、通知音が聞こえた。急いで確認するとあの人だ。「マシュマロ買ってきて」と書いてあったので私はすぐさま「分かった!任せて︎︎︎︎お兄ちゃん!愛してる♡」と返信した。
私のような人を世間ではブラコンだと言うのだろうがそんなのは関係ない。だって私が愛しているのはただ1人、お兄ちゃんだけなのだから♡
クラスでも中心に居るような子に、
「今週の土曜日、図書館でも行かね?」
って誘われまして。
珍しい事もあるものだなーと思いながら、その日は特に予定も無かったので、
まぁ普通に一緒に図書館に行ったんですよ。
いつも騒がしい人でも、本を読むことはあるんだなと感心しながら
僕も隣の席に座ってゆっくり本を読んでました。
本を読んでから少し経ったときに、その子は徐ろにスマホを取り出して、何か弄ってたんですよ。
人のスマホを覗く趣味はしてないので、取り敢えず本を読み続けてたら、その子は凄い寂しそうに
「…昔は良かったよな。」
と呟いてました。
僕はその声に気付いてたけど、あんまり触れないようにしてました。
その後に「…カラオケ行こうよ。」って誘ったら凄い嬉しそうにしてたんで、
一緒にカラオケに行って楽しみました。
表向きは明るくても、やっぱり悩みとか昔に浸ることって誰でもあるんですね。
げっ……。
ああ、噂の彼女だよ。
あの人やたら男と遊びたがるよね〜…、女友達と遊びに行けばいいのにさ。
は?
いやそれはない、だって俺はナイ。
向こうがそう思ってたとして、俺が「はいよろしくね」って言うと思うか?
逆に、逆に!
お前ならギリありそうじゃね!?
絶対話合うだろ。
漫画、好きなんだろ?
だって、お前が好きで俺に近づいて連絡先…とかもあるじゃん?そういう話の見過ぎかもしんないけど。
いや、でも俺はないからな?
この前『真くんまた遊びに行こうね』って言って半年行ってねぇもん。
絶対お前に気があるんだって。
もうお前がLINEしたら?
え、そうしよそうしよ。
…………。
笑っていい?
#2024.9.16.「君からのLINE」
『恥ずかしくて言えなかったけど…ずっと好きでした…!
付き合ってくれませんか?』って来てました。
大学生の友達。男と女と遊びたがる女。
今日大好きな先輩からお菓子もらえました。
だいすきでーーーーす!!!
愛!!!ハート!!!!
君からのLINE
夜中もずっと君のことを考えてる。 そのせいか、君からのLINEをずっと待ってる。いつの日か毎夜君とのLINEの内容を、見返すようになっていた。そこで毎回
「なんでこんなの送ったんだ、、、、、、、やっぱ、俺馬鹿だな」。
と、呟く。 はぁ。こんな事になるなら知らなくても良かったのに。大好きな君のことなんて。
君からのLINE
見たら、(ごめん。別れよ。)ときていた
(分かった。今までありがとう。)と返し
ピコンと通知がきて
見たら、(うん。今までありがとうね。)ときていた
文化祭回りたいところある?
なんだよそれ笑
僕が行きたいところ行っちゃうよ?笑
連れまわすから覚悟してよねー
もし行きたいところ見つかったら言ってね!!
君は本当に素直で純粋だよね。
僕は一緒にいられればそれで充分だ。
こんな幸せがずっと続けばいいのにな。
ー君からのLINE
君からのLINE
君:わぁ
わぁ:猫
君:うぇーい
うぇーい:猫
君:ふぅー!!
ふぅー!!:猫
ってどうしたんw:猫
君:えへへ(/^-^(^ ^*)/
えへへ:猫
君の、君からの何でもないLINEが
こんなに楽しいものなんて、知らなかったよ
❦
お題「君からのLINE」(雑記)
LINEのお題が続き過ぎてもう雑記のネタがない!
とか書いていたけど、今月頭に遊ぶ予定だった友人から今日LINEが来たからその話でも。
そんなきっかけから始まるキティちゃんと推しの話。
今月初旬に遊ぶ予定が消えたのは、その友人が体調崩したらしくて当日に無理って言ってきたからなんだけど。(共通の友人宅に集まって合計五人の予定だったからドタキャンでも影響はない。みんな寂しいだけで)
もう中旬なのに、今週ぐらいまでずっと咳が残っていたらしくて、タチの悪い風邪だなぁと思った。
てか今月頭には賞味期限が切れかけたクッキー(キャラグッズ)くれる予定だったんだけど、もう賞味期限切れで諦めて食べたんだろうか。
ちなみに今日来たLINEは、私の推しであるキティちゃんのグッズのお知らせだった。可愛いけど四千円はなかなかのお値段……とか言いつつ店頭で見かけたら買ってしまいそうな自分がいる。(月額五千円ぐらい推し活代と化している……)
今日も買い物行ってグッズ探したらバニティポーチと小物入れが売ってて買っちゃったし。タブレット入れは悩んだけど硬くて実用性に不安を感じてやめた。
鞄も欲しかったなぁ。八百円のやつとか。いや一番欲しかったのはアクセサリーだけども。ゆめかわデザインが多くて困る。
ついでに寄った百均でも色々買っちゃった。消費税10%は痛い。
キティちゃん、五十周年記念でめちゃくちゃ色んなグッズとコラボまみれでだいぶ散財しまくっている……。
てか友人から話振ってくれたんだから、コラボカフェ付き合ってって頼めば良かったのか。割と近いし。
先日読んだ雑誌で、誰かが「推しって言葉に、他の誰かより好きって意味を感じてしまって嫌」みたいな事を書いてて、いや私はまさしくその通りですけど? って思った。
サンリオキャラクターの中でキティちゃんが好きだし、他のキャラなんか(妹のミミィちゃんや彼氏のダニエル君や大親友のタイニーチャム達キティちゃんファミリーを除いて)どうでも良いどころか、人気あるキャラに至ってはグッズ出まくりで公式からのごり押しが不快に感じてむしろ嫌いですし。主にシナモロールとクロミ。マイメロディも割と。ポムポムプリンも最近割と押しが強い。
VOCALOIDとかUTAUは一応海外含めて箱推しを自称していたけど。……VOCALOIDの猫村いろはちゃんが公式でキティちゃん好きだからキティちゃん沼に飛び込んだというのが実際の経緯ではある。元から嫌いではなかったんだけど、実家ではリトルツインスターズが印象に残っている。ピアノカバーはキティちゃんです。
友人も今年は最推しジャンルの二十周年記念で突然グッズが出たらしくて、散財予定らしい。お互い頑張ろう。
川に投棄されていた自転車が消えている。
横暴だった人間の人となりが変わっている。
アンケートに答えた後の新製品。
作品の変遷。人々の語彙の変遷。
「君からのLINE」
送る。送らない。いや、やっぱり送ろうかな……。
こんな文章でいいのかだとか、もっといい話題はないのかだとか、これじゃあすぐに会話が終わってしまうだとか、様々なことを考えてしまい、文字を打っては消して、打っては消してを繰り返すこと数十分。
LINEを送る。
たったそれだけのことにここまで悩むなんて。LINEがなかった時代は恋文で思いを伝えたんだと親から聞いたが、今も昔も思い人に文字を送るという文化は変化していないのだなと感じる。
相手のアイコンをタップし、プロフィール画像を観察する。本日、あるいは本時、六回目の観察である。
プロフィール画像をみてセンスいいなとか、ステメを読んでこんなこと考える人なんだなとか、あたかも初めてみるかのような反応をしてしまう。六回目なのに。
うぅー!と唸り声を上げながら枕に顔を埋め、だらしなく足をバタバタと上下させる。
やっぱりやめようかな……。
文章を送るだけでこんなに体力を使っては他のやるべきこともできなくなってしまう。
ごろりと寝返りをうち、仰向けになって考えていると手元のスマホが振動した。
驚いて上体を勢いよく起こしてスマホの画面を見ると、先ほど悶々とLINEを送るか否か考えていた相手からだった。
暫くロック画面を眺めていたが、表示時間が経過して暗くなったことによって目が覚めた。
スマホをタップし、ロック画面を表示させる。それをスクショして、すぐにLINEを開く。
やっぱりメッセージ送ろう!
数日はあなたからのLINEが来たという事実だけで天へと昇れそう。
・君からのLINE
君からのLINE……
そこに書かれていたのは
私への愛の告白
でもそういうのは、口で言ってほしい
言葉を打つのは簡単だ
でも口で言うのは勇気のいることで
本当に好きな人にしかできないことだから
「スタンプだけの理由」
「俺、彼女にウザがられてるかもしれない」
ずっと密かに悩んでいることを、親友に打ち明けた。
「理由は?」
「これを見てくれ」
「いいのか?」
俺はスマホの画面を彼らに見せる。
「どう思う?」
「お前、文章長すぎ!
「つーか、日記じゃねーか、これ」
「いや、俺の書いた文はどうでもいいんだよ!」
「返信が、いつもスタンプだけだな。どんな長文にもスタンプだけ」
「そうなんだよー。やっぱ、ウザがられてるよなぁ」
「うん。ウザいっていうか、よくこんな長文書けるなぁと思われてそう」
「うう……やっぱウザがられてるか」
「読むのダルいと思うぞ」
「隣に住んでて毎日学校でも会ってるんだから、直接話せばいいだろ」
「……あー、うん、そうだよな」
アドバイスに従い、俺は彼女にその日あった出来事やなんやかんやをLINEで送るのをやめることにした。
そして数日後。
「ねぇ、最近LINEが業務連絡みたいになってるけど、なんかあった?」
彼女が心配そうな表情で俺を見つめる。
「あー、いや、なんか……俺、毎日毎日、長文送り付けてたから、ウザかったかなぁと思って……」
「そんなことないけど」
「えっ……でも、返信スタンプだけだし」
「あ、それは……」
彼女の話をまとめると、返信がスタンプだけなのは、俺の書く文章のファンなので、トーク画面を俺の書いたもので埋め尽くしたいだけなのだという。なんだそれ。やっぱり俺の彼女おもしれーな。
────君からのLINE
『君からのLINE』
せっかくの連休だからと時間を気にせずゲームをしていたら夜から朝になっていた。明るみはじめた窓の外を見ながらベッドにのそのそと寝転びぐうすか眠っていたところ、スマートフォンから通知音が鳴る。
“今日ヒマ?”
暇ではあるけれど徹ゲーしてたので寝てたい。
“寝て起きても夕方じゃなかったら掃除しに来て”
りょ。
やや寝ぼけながらのメッセージのやりとりを経て目が覚めると時刻は昼を過ぎたところ。
「……掃除?」
どこへ掃除しに行くのか、そして誰とのやり取りだったのかを確かめようとアプリを見てみるけれど、誰ともやりとりをした形跡が残っていない。ならばあれは夢だったのかと思いながら水を飲み、シャワーを浴び、昼ごはんのカップ麺をすする。なにげなくカレンダーを見て来週も三連休だなと思ううちに掃除というワードに思い当たった。
「墓掃除か」
来週は秋分の日であり、あの世とこの世が近づく秋のお彼岸でもある。夢にまで出てメッセージを送ってきた人物はおそらく自分のご先祖のうちの誰かなのだろう。頼まれては行くしかないな、と観念して残りわずかのカップ麺をすすりあげた。
--えまじにょっのひんびららねいんだけよも
--え
--何
--怖
--ブロックしていい?
--ごめん慌てるギタ
--いやなんて??
--落ち着けバカ
--ごめん慌てすぎた許してくれださい
--もうやめていい?
--待ってマジでちょっとガチでホントにありえないから本気の本気で聞くだけ聞いて
--それだけ頭に付くと逆に胡散臭いんだけど(笑)
--高校の部活帰りに酔ったコンビにあったじゃん
--その誤字はマジでやめろ酔っ払い
--んでねそのコンビに
--焼き煮苦屋になってて
--行こう一緒に!!れ!
--焼いてんのか煮てんのかどっちだよ
--行くけど
--(白くて小さくて可愛い生き物が喜んでいるスタンプ)
--来週の月曜祝辞つどう?
--おー、祝日な
--いける
--んじゃ月曜の夕方誤字犯からな!
--遅刻すふなよ!
--時間ぐらい正確に寄越せ!!!
--(白くて小さくて可愛い生き物が怒っているスタンプ)
『君からのLINE』
=誤字が多い
明日はずっと楽しみにしていたイベントの日だ。
オタクの、オタクによる、オタクの為のイベント同人誌即売会だ。
既に銀行へ行き、大量の千円札と小銭の準備はOKだ。……しっかしこの千円札の束、お金持ちになった気分になるね! 実際は五万円でしかないけどね!
ウキウキで準備をしていたら、スマホにラインの着信があった。
一緒に行く予定の友人からだ。
嫌な予感がする……。彼女は推し変が激しい上、好きな作品自体もコロコロ変わる。
恐る恐るラインを確認し、見た直後スマホをベッドに向かって「そぉい!」と放り投げてしまった。
『ごめん、コミケへは行けません。
いま、シンガポールにいます。』
嘘つけぇぇ!!!
『(嘘です)』
知ってるわ!
『(コミケ行けないのはほんと)』
まじか! まあこっちも、あんたは来ないかもなとは思ってたから、いいっちゃいいんだけど。
にしても急だな⁉︎
『今までと違うジャンルの同人誌を、私は作っています』
出たな、推し変!
『本当は、コミケが恋しいけど、でも……
今はもう少しだけ、知らないふりをします。
私の作るこの同人誌も、きっといつか、誰かの萌えの糧になるから。』
……このヤロウ。最後までパロを貫き通しやがった……。
本が出来たら見せてね、と返信し、『りょ』と返事をもらい、私はまた明日の準備の続きに取り掛かるのだった。
お題『君からのLINE』