『向かい合わせ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
向かい合わせで文を作るのは難しい
でも、人と向かい合わせるとも言わないかな?
向かい合わせ
私は死の顔を知っている。
常に死と向かい合わせだからだ、と言えば貴方は笑うだろうか。
私は何も無い空間でただ、目の前にいる死の顔をずぅっと見ているのだ。
死の顔を見たことはあるだろうか。
私はある。いや、厳密には無いのだが、何となくこういうものだ、という確かな考えがあるのだ。
死の顔、というのは人によっては違うものだと思う。そして、その顔というのは、自分の居なくなった大切な人だったり、ペットだったり、そして嫌な事柄だったりと様々なのだが、その全てに一貫して言えるのが、見える顔は全て『美しい』という事だ。
簡単には、手に入れられない美しさがそこにはあるのだ。
ただただこちらを見つめる眼に、そっと手を伸ばしてしまうような、気付いたら崖の1歩手前なんてことは日常茶飯事なのだ。
美しい、楽しそう、とかそういう感情っていうのは、人を引き寄せるのはとても簡単で。
私はその死の顔を常に、見つめていた。
私の見た死の顔は、貴方だった。
とても美しくそして、最期の時と何ら変わらない眼をした貴方だった。
私は、何度も貴方に手を伸ばそうとしたけれど、毎回思い直し貴方と向かい合わせに立つ。
私が貴方と行ってしまえば、もう二度とこの美しさは見られないのだから。だから、私は今日も時々変わるけれど、美しい死の顔を見つめながら息をする。
───────
死というのは、簡単に見えて簡単では無い。禁断の果実のような存在。手を伸ばしても、掴めない。そして、美しいな、と私は思います。
死は救いであり、後悔でもあるんじゃないですかね。分からないですけど。私は死ぬのは怖くないです。死ぬ時は結局決まってる事だろうし、貴方の美しい顔が笑みを浮かべるから。だからこそ、その光景をずっと見ていたいのです。
君の視界を独り占めしたくて、向かい側から姿勢を低くして、そっと君に近寄った。 というか、にじり寄った。
『にゃん(イヤン)』
君は拒否して僕の前から去っていき、相方に熱い視線を送りながら
『にゃ~ん(カマッテ)』
と子猫の頃の愛らしい声で鳴いた。
_| ̄|○
全僕が泣いた。
帰ったばかりでまだ冷房の効いてない部屋、暑い。
君の前に向かい合わせになるように座る。
たまらない熱気に襟元を緩める。
うつむき勝ちに首を横に振る君。
後頭部に手をやり、強引に動きを止めさせ
顎クイして真正面を向かせる。
顔をおもむろに近付け…
「あ゛~~~~~!」
やっぱり扇風機を前にすると、やらずにはいられない。
ひどい顔。
君はそう言って、私を抱きしめた。
頭を、背を撫でる、君の温かな手。
その労るような優しい手つきに、キツく閉じた目蓋の縁から溢れた涙が流れ落ちていく。
甘い花の香りのする君の首筋に顔を埋めて、君の背にそっと腕を回した。
テーマ「向かい合わせ」
【向かい合わせ】
話したいなぁって。
最初、向かい合わせに座ったのに、照れてこっち向いてくんないから、シャツの襟の、白い飾りステッチ数えてた。
次は、隣に座ったんだ。やっぱりこっち向いてくんなくて、でも綺麗なピンク色の耳たぶに、つい手を伸ばしちゃった。ごめん、びっくりしたよね。
教えて欲しいなぁ。好きなものとか嫌いなもの。何を見てるの?
こっち向いてくれないかなぁ。
向かい合わせ
人が好きなぶん人が怖い。私は弱くて臆病だから誰かと肩を並べて歩くより向かいあっていたい。進むのは1人でいい。
向かい合わせと聞くと、ありし日の給食風景を思い出す。コロナが猛威をふるって全員が前を向いて食べることが多くなってしまったためかあの光景は元の世界を象徴することになった。向かい合わせは強制されるような場面なら耐えられるが、そうでなければただただ恥ずかしい行為である。相手に自分のすべてを見透かされているような気がしてならない。前には私の主たる成分が浮き出ているようである。
向かい合わせに座ると前の人と目が合わないようにスマホをいじってしまう。
お昼のソーメン、食べ過ぎた。
我々モンスター姉弟の食事担当、
テイちゃん(兄)は、料理上手である。
よって、余り物代表格ソーメンは、その座をあっさり下ろされることになるのだ。
「ゴマナッツ汁…あれ、めっちゃ美味かったよ」
流しソーメンパーティを終えた広い畳部屋で、座布団を適当に拡げ、ゴロゴロしている、オレとテイちゃんと、テイちゃん(弟)の上でゴロゴロしている姉さん。
「また作ってね♡」
と言うと、テイちゃんは顔だけこっち向いて、笑顔で頷いてくれた♡
テイちゃんの上で仰向けになってる姉さんが、ゆっくりこちらを向いてきたので、こちらもゆっくり天井に顔を戻す。
そういえば…流し素麺機には、苺や葡萄、チョコボールも流れてたな…あれってウチだけかな?
「ねぇ……っ」
姉さんが直ぐにこちらを見てきたので、直ぐに天井を見る。
ん?…姉さん、うつ伏せになって、テイちゃんと向かい合わせだったぞ。見る。やっぱり。
良いなぁ…オレだって小さい時は、しょっちゅうああやってたけど~…うぅ~。
羨ましがるオレと勝ち誇る姉さん。
……あ~よく寝た…な…!?
「テイちゃんっ」
うつ伏せのオレ、仰向けのテイちゃん、向かい合わせ!ポンポン付き♡照れるオレ。
「姉さん…は?」
隣の部屋を指差すテイちゃん、そこから急にテレビの大音量が聴こえてきた、お気に入りのドロドロドラマの再放送がやっているらしい。
時計を確認。
幸せの時間は、あと32分♡
「向かい合わせ」
一人で生きていくことは不安でしかない。
だから寄り添える相手が必要で、
求め合える相手に出会えたらいいね。
パートナーがいればいい、というわけでもないことはわかっているけれど、
隣にいて、たまに向かいあわせで、
安心できる人がいてくれたら。
そんな人がいるのかわからないけど、まだ見つからないです。
【向かい合わせ】
路地裏の片隅の喫茶店の、一番奥のボックス席。窓の外の雨音を聴きながら手元の文庫本のページをめくっていれば、不意に正面に人の気配がした。
「久しぶり」
目線を上げることなく、声だけを向ける。と、くすりと控えめながらも楽しげな笑い声が僕の耳朶を打った。
「一週間しか経っていないよ」
会いたいわけでもない大学の同期とは毎日顔を合わせていることを思えば、本当に会いたい君と会えない一週間は久しぶりと称するに十分な期間だと思うけれど。
顔を見ることも許されない、声だけしか知らない友人。この喫茶店のこの席で、向かい合わせに座りポツポツと会話を交わすだけの相手。もっと君のことを知りたいとは思うけれど、これ以上踏み込んでしまえばきっと、君は僕の前から姿を消してしまう、そんな予感があった。
「君がおすすめしてくれた本、読んだよ」
本のページに目線を落としたまま、君と会話をできる喜びに逸る気持ちを抑えつけて、なるべく柔らかに口火を切る。窓の外からは相変わらず、しとしとと降り続く雨音が静謐に響いていた。
久しぶりに中学時代の同窓会に出席した
あの頃好きだった克也君に会えるかなぁなんて
ドキドキしながら空いてる席に座った
隣に座った仲の良かった祐子と久しぶりに再開して
あの頃に戻ったかのようなテンションで
お喋りに夢中になった
そうこうしているうちに、向かいの席に男性が座った
あ·····、気まずい
他にも席が空いてるのになんでここに座る?
頼むから他に行ってくれ·····
と、心の中で呟きながらひたすら気づかない振りをする
「久しぶり」と声を掛けてきた
あぁ、何が悲しくて元旦那と顔をつき合わせなきゃいけない?
でも、よく見ると娘とそっくりな一重の目と笑い声
父親らしいこと何もしてないのに、遺伝子だけは受け継がれてるんだなと改めて思う
って、私が会いたかったのは3年2組のあなたじゃなくて
3年1組の克也君なんだよ!
と、心の中で呟きながら中学時代の話にみんなで盛り上がる
結局、克也君は仕事の都合で参加出来ず
懐かしい昔話と離婚当時の嫌な思い出
両方味わうことになるとは·····
まっ、楽しかったから良しとしよう!と前向きに考えた
向かい合わせ
向かい合わせに恐怖を感じ
目を背けるのも上手くなった
いつしか目を見ることもできなくなり
自分を見失う
旅に出たが
同じところを回るばかり
自分の影に追われ疲れ果て
私の前に戻ってくる私
【向かい合わせ】
ねぇ、君はさ
なんでいつもそんなやつなの?
どんなことにも真剣になれなくて
どんなことでも手を抜かない。
そんなだから
失敗しても成功しても
中途半端な感情しか湧かないんだよ。
みんな真剣になって、頑張ってるのに
君はその横で適当に頑張ってる。
この前だって
負けて悔しかったはずじゃんか
みんな泣いてて、落ち込んでた
なのに君は負けても悲しくなくて、
悔しくもなかった。
真剣に頑張ってないの?
手は抜かなかったはずだよね?
なんで……?
違う?何が違うの?
"私だって頑張った。手なんて抜くはずがない"だ
じゃあ何故、
次はもっと頑張ろうって思えてないの?
悔しがってないの?
もっと心の底から悔しがれよ。
泣くのを見せたくないとか
泣くのはキャラに合わないとか
どうせそういうくだらない理由でしょ?
見て見ぬふりしないでくれる?
ちゃんと向き合えば悔しい気持ちかただの羞恥心
どっちか出てくるよ
こんなに表面上本音が出てくるなら
裏面上の本音はもっといっぱいあるんじゃない?
もっと僕と向き合ってよ
―――――――どうせこれも嘘だろ。アニメ見すぎ
もう一度だけでも
あなたと
向い合せになりたいと
願う心の
哀れさよ
粉雪
細雪
淡雪
牡丹雪
吹雪…
どれほど
月日が流れても
悲しみは
今日も
雪のように
降ってくる
# 向い合せ (257)
「向かい合わせ」
探偵は一枚の紙を差し出した
紙の真ん中に妻の名前を書く
そして妻を取り囲む男性達の相関図…
Uber Eats ピザの宅配 ウォーターサーバーの営業 水道業者
「このラインナップ…来る者は拒まずって事ですか?」
「そうですね、一番回数を確認できたのはUber Eatsの男性ですね、ちなみにUber Eatsとはすごい食事という意味らしいです」
すごい食事…この探偵、なにが言いたい?
「その次に会ってるのが宅配ピザのLサイズの男性ですね、あ、違います…奥様がいつも頼まれてるピザがLサイズでした」
Lサイズの男性…どの部位の話だ?
「あとウォーターサーバーの男性と水道業者の男性とはマルチプレイを楽しんでらっしゃるようですね」
いや、言い方!探偵は彼等から妻の名前に向かって矢印を書き『すごい食事』『Lサイズ』『MP』と記入した
いや、書かんでも!!ここで私のHPはゼロになった
「向かい合わせ」
僕は電車の中
窓に並列しているあの座席に座ってる
この車両はすかすかだ
僕も含め5人いるかいないか
その中の一人
僕より背は低く
年上かな?
おそらく20歳前後
可愛らしく大人っぽい
座っている場所は
僕の真正面
視界の端にこっそり置くことしか出来ない
見ているとは思われたくない
でも確かめたい
雰囲気から伝わるその魅力
私は電車の中にいる
ロングシートの電車でスマホを見てる
乗客はすくない
私を入れて5人ほど
その中の1人
私より背は高い
年下かな?
18とかかな
少しチャラくて大人しそう
座っている場所は
私の真ん前
しっかりとは見れないからぼやけてる
見てるとは思われたくないな
でも見てみたい
こっそりならバレないよね
向かい合わせ
私達は、どんな時でも向かい合わせで愛を語り、愛を誓い合う…お互い背を向けて話す事は、1度も無い。何時だって、話す時は、向かい合わせなんだ。食べる時も、話す時も、どんな時も…もちろん、結婚式だってそうだ。結婚式だって、向かい合わせで、愛を誓い合う。早く貴方と同棲したい。早く貴方と結婚したい。日に日に膨らむ想いは、止まらない。ホントに愛してやまないよ…これからもずっと貴方の隣にいたい…
私は姉で、あの子は妹。
双子の姉妹は瓜二つ。
向かい合わせになれば、まるで鏡のよう。
こんなに何もかもそっくりなのに。
どうして彼が選んだのはあの子のほうなのだろう。
私とあの子は瓜二つで、全部が全部、おんなじはずなのに。
ああ、そうか。
どちらも同じだから。
二つあると価値が下がるのか。
だったらひとつはいらないよね。
ふたつがひとつになれば。
彼は私を愛してるのと同じこと。
私は姉で。私は妹。
向かい合わせになったら。
私は私を──。
【向かい合わせ】