『冬のはじまり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
すっかり秋が深まった今日この頃。
朝の冷たい空気に軽く身震いしながらも外へ出た。子供たちは駆け出したと思ったら歓声を上げる。
「わあ、霜柱!」
「たくさんある!」
踏んでざくざく音が鳴るのが楽しいのだろう。はしゃいで探し回っている。
散歩に使う遊歩道にはもみじの紅い絨毯が敷かれていた。
「寒いね」
「ああ、明日からはマフラーが要るな」
子供たちの後ろを大人はゆっくりとついて歩く。ちょこん、と指先が触れた。
「手袋もいるかもね」
「そうだな……とりあえず、今日はこれな」
繫がった手から伝わる、温もり。
冬の始まりは、いつも寒くて、こんなにも温かいのだ。
【冬の始まり】
先に帰っていた彼を待たせて風呂から戻ると…
ほんの少しのローストビーフとサラダと、野菜いっぱいの熱々のスープ。安物だけど意外に美味しいワインが机に並んでいた。
「えっ…ありがとう。今日なにかの記念日だっけ」
いつものように自分の席に座ると、こっちおいでと手招きをされる。
大きなちょっと荒れた手に促されるまま彼の膝に座った。
「いい匂い」
くんと首元を嗅がれてくすぐったい。
やだ、ちょっと…と言ってもびくともしない。あったかいなと手のひらがあちこちを撫で回してくる。
ああ、これ罠だったのかな。
風の音が少し前と変わったことに気付いた。かたかたと窓を揺らす。
少し冷たい頬を寄せた。
ご馳走が遠のいていく。久しぶりの泊まりで、かく言う私もなんの抵抗もできなくなっていた。
まさに今、この時期。冬の足音が聞こえてくる。
コートやセーターを取り出し、暖房機器が欠かせなくなって、木の葉も紅葉から茶色に変色して…。
はく息が白くなったら、冬が始まった、と思う。
毎年、「嫌だなぁ」と思いながら、この時期を過ごしている。
私は今のところ、まだ秋の服装だ。衣替えは秋の始めにしてしまっているが、セーターはまだ着ていない。
何か、負けた気がするのだ(笑)
もう寒いんだから、着ればいいんだけどね。明日、1日になってから、厚着をしようかな。何か、キリがいいので(笑)
「冬のはじまり」
冬のはじまりは、唐突な形で訪れた。
「別れましょう」
頭の中でその繊細で仄かな攻撃性を持った一言は反響し、いつまでもこびり付いていた。
本当は、違和感に気付いていた。
でも、俺がもっともっと好かれるように努力すれば、もっともっと魅力的になれば、解決する問題だと、そう言い聞かせてきた。どうやら、そんな単純な問題でもなさそうだ。
彼女の、突き刺さるような視線を感じ、辛うじて
「待って」
と答える。
「もう十分待ったよ。変わんないもんね。まーくんは。」
「変わろうと、努力してるよ!?資格、取ったじゃん、昇進もあともうちょっとなんじゃないかって、部長が!」
「そうじゃないよ、努力してる俺、毎日、疲れた、疲れた。会社の人がこんな奴ばっかで俺こんなに頑張ってるのに。俺俺俺俺。気付いた?私さ、この前ペットを亡くしたの。小さい頃から、15年間も一緒にいたチワワ。それで、ホントは、寄り添って欲しくて、話聞いて欲しくて。でもまーくんは俺にしか興味が無いからね。私が話そうとしても、それでさ、はぁもう、とか言って延々とグチ続けてるもんね。」
「―――っ。」
言葉を、飲んだ。
「でも、俺、アリサのために、」
「私を幸せにしないくせに、勝手に自己満足に使わないで頂戴。」
勢いよく千円札を机に叩きつけ、怒りを顕にする。
もう対話は無駄だと判断したのか、財布をカバンに押しやり、カフェを後にする。
1人残されたまひろは、言い知れぬモヤモヤを、ぬるくなったブラックコーヒーで、身体の奥底に丁寧にしまい込む。
「冬のはじまり」
日が短くなって 朝晩も冷えてきた
暖房器具の準備にコートもださないと
あっ、そういえば今年って秋があったかな?
なーんか日中は暑いくらいな時もあったよな
んーサンマも栗ご飯も一回だけだった
てアレコレ考えてたらもう正月準備だ!
冬のはじまり
秋ももうすぐ終わって冬がやってくる
今年はどれだけの雪が降ってくるのだろうか
冬の気配がもうそこまで来ている
二次創作 文豪ストレイドッグス
『薄着で仕事してて寒がってる夢主とあっためてくれる敦くん』
「さっむ」
気温が安定しない季節の変わり目、なおかつ冬のはじめに天気予報をしっかり確認していなかった私に腹が立つ。
時刻は午後8時半。太宰さんの分の仕事を私がやる羽目になったので残業だ。
探偵社は午後8時以降はエアコンが付かなくなっていて、夏ならまだしも冬場は凍える寒さとなる。
医務室の毛布でも借りようかと思ったけど、生憎、クリーニングに出してしまっている。
「中にもっと着とくんだった……」
手が冷たい。少しかじかんでいてパソコンのキーが素早く打てない。カイロがあれば多少違うだろうが、ちょうど切らしている。
買いに行こうかとも思ったが、流石に社内にいてこの寒さなら外はもっと寒いだろうと思ってやめた。
「あれ、𓏸𓏸さん?」
入口のドアが開いて、そこから敦くんが顔を覗かせていた。
「敦くん、どうしたの? 忘れ物?」
「はい、ネクタイピン忘れちゃって」
そう言って敦くんは机の上にあるネクタイピンをポケットに入れた。
「そっか、気を付けてーーっくし」
くしゃみが出た。寒い。
「𓏸𓏸さん……まさか、その薄着でずっと仕事してたんですか?」
「うん。天気予報見てなくてさ」
敦くんは信じられないとでもいうような顔をした。
あ、いいこと思いついたかも。
「敦くん、この後って暇なの?」
「いえ、特に何もないですけど……」
「ちょっと手伝って」
「手伝うって……こういうことでしたか……」
そう! 敦くんに1部虎化して貰ってギュッとしてもらいながら仕事をするのだ!
「あったか〜い。仕事が捗るわぁ」
それから30分ほど経ち、やっと仕事が終わった。
「ありがとう敦くん!」
「お疲れ様です」
なんだかこころなしか敦くんの顔が赤いような気がするんだけど……気の所為かな。
「よーし、敦くん、もうひと仕事頼むよ」
「え?」
「確かに、この薄着じゃ寒すぎて外なんか出られないですよね……けど、なんで僕に抱きついてくるんですか!」
「だって、それが一番暖かいじゃない」
「そうですけど、人目が……」
「どこにも無いけど?」
「うぅ……」
お題:冬のはじまり
2023 11 30
紫陽花色の空から移り変わっていく夜は透徹した空気が泳いでいて、遠い自販機の稼働音がいつもより大きく聞こえた。
人の息遣いが静まり返って、夜の息吹のように無機物や動物たちがひっそりと暗闇から浮かび上がる。
今まで何回の冬を経験したのだろうか
これから何回の冬を経験するのだろうか
そう考えるとこの寒さが愛おしい
11/29「冬のはじまり」
息が白い。
「冬だねぇ…」
「え」
北国生まれの彼氏が意外そうに眉を跳ね上げる。
「雪降ってないのに?」
「え」
今度はあたしが眉を跳ね上げる。
「雪なんて滅多に降らないよ。降ったら電車止まるし」
「え? クリスマスとか積もらないの!?」
「うーん、雪ちらつくことはあるけど」
「東京のホワイトクリスマスとか嘘っぱちじゃん…」
「まあでも、寒いは寒いよ?」
ダウンの胴と袖の隙間に腕を回してぎゅっと組む。ちょっとあったかい。
「とりあえず、健康で冬越えような」
「だな」
付き合って一年目。どんな冬が待っているやら。
(所要時間:8分)
11/28「終わらせないで」
先生の弾くしっかりとした低和音。それにリズム良く乗せる俺のスタッカート。
先生と連弾曲を弾く。俺のここ最近の一番の楽しみだ。
素早く楽譜をめくる。もう最後のページだ。心地よい時間が終わってしまう。
以前、終わるのがつまらないと言えば、また次の曲を覚えればいいと先生は笑った。でも俺は、今の曲も過去の曲も、いつでも、永遠に先生と弾いていたい。
―――俺が取り憑かれているのは、一人では決して出せないピアノの織り成す美しい音色なのか、それとも。
(所要時間:9分)
キミと出会ったのは一昨年の今頃、
冬に差しかかる少し寒い時期だったような気がする。
その頃はまだ他にも何匹か野良猫がいて
キミはその中の一匹だった。
ご飯をあげても他の子がいると嫌がって、
いつも逃げ腰でビクビクしながらご飯を食べてた。
他にも近所の人がいろいろお世話をしてくれていて
キミも良く角のおウチに遊びに来てたね。
年が明ける頃、キミは僕を追いかけるようになった。
家から駐車場までの約500メートル、
歩く歩道をボクの横について、延々歩きながら鳴いてたから自分の歩く振動で声も震えててなんだが可笑しかったのを覚えてる。
家バレしないようにって、途中途中にエサを置いて食べてる間に逃げ帰っていたけど、そんなのは無駄で、雪が降る頃にはウチの庭に棲みついていた。
うちで飼ってる猫達のお古のクッションを寝床にしてたキミをウチに上げたのがその年の四月で、検査を受けて病気が見つかって結局、僕の部屋の住人になった。
朝起きてご飯をあげて、
トイレを片して仕事に向かい、
夕方帰ってご飯をあげて、
寝る前にもう一度トイレを片す。
春が来て、
2階から逃亡するキミと、それを阻止するために自作のバリケードをこさえては失敗するボクを繰り返し、
夏が来て、
家の作り的にエアコンの付けられない部屋で二人で溶けまくり、
秋が来て、
少しづつキミが病院に行く回数が増え、
冬が来て、
キミがご飯が食べなくなった...。
キミは次の春が来る前に
そっちに逝ってしまったね...。
それからボクはいっぱい泣いて
ずっと泣いてしばらく辛かったけど、
いまはもうだいぶ平気になってきたんだよ。
キミはどう思ってた?
つらくて苦しい、そんな感想だったかな?
本当にごめんね、なにがしてあげられたのか判らないけれど、いまならもっとしてあげられた事もあったかもしれない。
それでも、もうキミはいないから。
ありがとう。
ボクがそっちに行ったらまた会えるといいな。
今年もまた冬がはじまります。
キミのいない冬が。
いつもどおりの冬が...。
#116 冬のはじまり
やっぱりダウンを着たくなった時かな。
普段仕舞い込んで出すのが面倒だし、暑くなるのが嫌でギリギリまで着ないから。
それでも着ようって思ったときが冬のはじまり。
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「ただいまー。あ、りんごジャムの匂い!」
「おかえり。寒くなかった?」
「うんうんさむいさむい。だからジャム食べたい」
「分かった、分かったから、先に手を洗ってきて」
昼間も寒くなってきて、スーパーでりんごを強請っても買うのを渋られる頃になると。
親戚のおじちゃんから届くのが、箱に入った沢山のりんご。
僕の冬のはじまりは、
このりんごで作るジャムの甘い匂い。
普段甘いの食べすぎはダメって注意されるけど、
手作りだし砂糖が少なめだから大事に食べてると悪くなるって、これだけは怒られない。
年一回だからとか言って、いっぱい食べたいのは寧ろ向こうだと思うけどな。あれで隠してるつもりなんだから笑える。
よし、今日はトーストしたパンにバターを塗って、りんごジャムが垂れるくらい乗せて食べてやるぞ。
君の淹れる飲み物が温かいことに気がつけば、冬のはじまり
極上の味わいのあとに吐く息は白く
それがこの地の冬だよ、と、穏やかな笑顔で教えてくれる
僕だけのものにしたくなって
赤みのさしたその頬を、ゆっくりと両手で包んだ
(冬のはじまり)
11.冬のはじまり
僕は熱がでてしまった。高熱だった。視界がグラグラ揺れていて気持ちが悪い。学校なんかとても行けない。
親も仕事に行っているため部屋に1人。
何もできないからベットで寝ようと寝転がった。
しばらくするといつのまにか寝てしまった。
熱のせいか夢を見ていた。いつも見る夢だ。
小学生の頃の僕と同じくらいの女の子。
女の子は白いワンピースを着ていて、太陽の光で
とても眩しかった。
2人は手を繋いで走っている。周りにはお花がたくさん咲いている。その時間がとても楽しかった。
夢でも目が覚めないで欲しかった。女の子が振り向いて僕の方を見た。
「そろそろ目を覚まさなきゃだよ。」
そう言われて僕は「覚ましたくない!」
っと泣いて言っていた。
女の子は微笑みながら「また冬に会おうね!」
僕が返事をする前に目を覚ましてしまった。
体を起こすと目から水が溢れてきた。涙だった。
夢でも現実でも泣いているなんて情けないと思いながら笑っていた。
外は雪が降っていた。「もう冬か〜早いなぁ」
君と雪の中を楽しそうに走っているのを想像していた。「君に現実でも会いたいよ。」そう叶わない願いを口にしていた。
一際冷え込む
冬のはじまり
朝起きるのが
大変になった
冬のはじまり
書く習慣を久しぶりに開いた
何を書こうか全く思い浮かばない
今までは辛いこと
幸せと感じたこと
自分の今の思い
そんなことが毎日お題通りに思い浮かんで書いていた
忙しくて 毎日が楽しくなくて ただ生きるために動いているだけの毎日
誰のせいでもない
自分で切り開いていくしかないんだ
山あり谷ありの人生
辛いときも楽しいときも色々あったほうが生きてる感じがする
冬のはじまり
久しぶりに開いたこの書く習慣
今この瞬間から毎日にメリハリがある楽しい時間を過ごせるように大事に真剣に生きたい。
最近風も気温も冷たくて
冬のはじまりを感じた
私はふと登校中の高校生を見る
あんなにスカート短くて寒くないのかなとか
数年前まで私も高校生であり
スカート短くしていたのだが
改めて寒そうに思えてしまう。
今日はうちの子たちも彼も早く帰ってくる日
お家暖めておかないと
─────『冬のはじまり』
吐き出した息が白くなる。感覚が殆どなくなった指を画面の上で滑らせる。待ち合わせよりもずっと早い時間だけれども待たせるよりはずっと良いだろう。
この冬こそ、あの娘と…
「見られたって?」
その言葉に同僚は静かに頷いた。
「馬鹿だな、あれだけ気を付けるよう言われてるのに。おかげでこっちの部署は大慌てだ」
ばたばたと走り回る仲間達。
別部署の同僚の尻拭いをこちらの部署がする羽目になってしまい、本当は自分も急いで働かなくてはいけないが、落ち込んでいそうなこの同僚をほっとくことも出来ず、とりあえず話を聞きに来た。
「まぁでもわかる。ようやく自分の出番がやってきて、楽しくなって、ちょっと気が抜けちまったんだよな。今年はあっちの部署がやけに長い期間働いてたから」
その部署の方を向いてみれば、この尻拭いを手伝ったりしていた。ありがたいが、お前達の出番じゃないのに。
「そもそもあいつらが長く出張ったりしなければこんなことにはなってなかったかもしれないのに……」
思わずぶつぶつと不満が漏れる。
それに、同僚がふるふると首を横に振った。そんな心優しい同僚を困らせるのが許せなかった。
「いや、たしかにお前も不注意だったが、俺はそもそも納得いってない。本来この時期にはお前のところの仕事もちゃんと終わって、俺達の仕事が始まってたはずだ。あっちの部署のせいで、人間達も不満に感じていることだろう」
そんなことを考えていたら一言文句を言わないと済まなくなってしまい、立ち上がる。
「やっぱり一言言ってやる」
そう言うと、同僚は俺を必死に止めようとした。
まぁそうだよな、おまえは優しいから止めるよな。
不意に、同僚が笑う。
何がおかいしのかと尋ねると「君は熱い人だね」と嬉しそうに微笑んだ。
「まるで夏みたい」
それ、あっちの部署じゃん。最悪の褒め言葉だな。
――はぁ、そろそろ俺も働くか。
「あとは俺達に任せとけ。秋はもう今年は終わり。ゆっくり休んでろ」
そう言い残し、仕事に戻る。ここからは俺達の出番。
さぁ、冬を始めよう。
『冬のはじまり』
我が家の暖房器具はガスファンヒーターである
あ〜そろそろやなぁ〜。。。と準備して
スイッチをポチッと押してしまった瞬間から
”冬のはじまり”を感じ
ガス代の心配をすることになる。。。