『入道雲』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
入道雲
誰に言われるでもなくニョキニョキ伸びていく
それを見上げようと、追い越そうと頑張ろうとはたまた無視しようとそれは私たちの勝手。
でも、入道雲みたいに他人を見下すのも、見上げて自分と比べるのもバカらしくない?
所詮あいつは雲か妖怪、あるいは自分が作り出した幻かもしれない。
「見越した」なんて言う必要ないはず。
夏の真っ白な入道雲を
自転車で追いかけていた
子供の私
綿飴みたいな
ソフトクリームみたいな
形が大好きだった
夏がくるね
絵を描くのが好き。物心ついた頃にはもうキャンバスの前にいた。特に風景を描く。動かないものより、動き変わるものを記録する。夏の時期は特に入道雲を描く。夏といえば、向日葵や海を想像したのではないか?何故、入道雲なのか。それは、惹かれるからだ。空というものはいくつもの色を持ち合わせているし、毎日みせてくれる顔が違うのだ。顔というと、雲の割合や天気等が挙げられる。世界は少しずつ変わっていくのに対し、空は1日という短い時間の中で変わるのだ。だから惹かれ、それを記録する。キャンバスという空間に閉じ込むのだ。
……あ、入道雲…………。
夏休み半ばで見たその雲は、大きな雨や雷を運ぶ。
そこから約1時間後に、一帯は激しい雨に包まれ、雷がなっていた。
突然の雨に走り出す人、持参していた傘を慌ててさし歩く人、自転車をものすごいスピードでこいで走り抜けていく人……私はそのどれでもなかった。
家の中は窮屈で、冷たい。生きる価値すらわからないまま、半端にこの歳まで生きてしまって正直後悔している。
勉強ができなければ罵られて、学校にも居場所は無い。
私にはなにも「特別」がなかった。
クラスの人達は、日々好きなことで話題を広げたりしているけれど、私には趣味も特技もなく、つまらない人間だと認識されているらしい。
…………あの子は勉強ができて、あの子はスポーツ推薦をもらった。あの子は英語が得意で、立派な大学に入学が決まっている。
あの子は読書が好きで、あの子は話すのが好き。
みーんな個性があって、ちゃんとニンゲンなんだ。
……雨に濡れながらゆっくりと進む。
すれ違う人は皆、私をおかしいものだとでも言うような目で見つめてくる。
ここも、居心地が悪い。どこも大して変わらないのだ。結局、個性のないものに居場所はない。
あの瞬間に入道雲が出てよかった。
…雨が降れば、この涙が見られることはないのだから。
入道雲は、もこもこしていて、綿あめみたい。
でも、入道雲の下は、雨や雷が起こる。
遠くから見るだけだったら、夏だなと思うけど、入道雲の下は、脅威。
気をつけなくてはいけない。
茹だる様な暑さと蝉の声で目が覚める。
スマホから流したままになっている音楽をロック画面から停止ボタンを押して止めそのまま時間を確認すると、もうお昼近くになっていた。
いつもは8時くらいには自然と目が覚めるのだが、疲れていたのだろう。
その疲れは睡眠時間の他に足にも出ている。
久しぶりに走ったおかげで見事に筋肉痛だ。
重たい足をなんとか動かして立ち上がり、階段を降りる。
日が当たらないため少しひんやりとした台所に行くと、おにぎりと卵焼きがテーブルの上に置かれていた。
側には「お腹空いたら食べてね」と書かれた小さなメモもある。
祖母は今日も変わらず畑へ出向いているのだろうか。
いや、昨日の夜、明日から祭りの準備がどうたら言っていた気がする。
こんな田舎でも小さな神社があり、そこで祭りが開かれるのだ。
祭りの準備なら夕方までは帰ってこないのだろう。
正直お腹はあまり空いていないが、せっかく祖母が作ってくれたのだ。
食べなかったらいくら涼しい台所にあるとはいえ腐ってしまう。
ゆっくりと座って手を合わせて「いただきます」と言ってから梅干しのおにぎりと甘い卵焼きを食べた。
食器を洗ってから身支度を整え、再度台所へ向かう。
食器用洗剤。
これでこの指輪を取ることが出来るのではないかと思い、左手の薬指に洗剤をかける。
しかしいくら引っ張ってもただ滑ってしまうだけで、取ることはできなかった。
「買取だよなあ…最悪…。」
はあっと大きなため息が漏れてしまう。
こんな半ば押し付けられたような指輪を買い取らなくてはいけないなんて、ついていない。
とりあえず昨日会った神様とやらを探して、事情を説明するしかない。
すぐにはお金は用意出来ない事。
でもちゃんと払う事。
ただ押し付けられたようなものだし、私がお金を稼いでるわけでもないから少しくらい値下げしてほしいという事。
どうすればあの自称神様に会えるかは分からないけど、探すしかない。
泡だらけの手を水で流して、スマホを片手に家を出た。
「あっつい…。」
家を出てすぐ後悔する。
暑さと筋肉痛のダブルパンチはキツい。
もう少し、せめて夕方くらいから探せばよかった。
ジリジリと照りつける太陽を睨もうと空を仰ぐと、入道雲が見えた。
夏の空だな、なんて呑気に考えながらノロノロと道を歩く。
10分程度しか歩いていないにも関わらず汗が滴り落ちる。
歩き続けていると木陰になっている場所を見つけた。
そこで立ち止まると、少し涼しく感じるような気がする。
薄手のガーディガンを袖を捲ると、左腕の傷が昨夜のガーゼのままであることに気がついた。
しまった、こんなに汗をかくなら包帯でも巻いてくればよかったと思う。
ガーゼを止めているテープが汗で剥がれてしまいそうだ。
見えないように左腕の袖を戻して、右手の袖だけをまくった。
額に張り付く髪の毛を手で払いながら、「あの神様、どこに住んでるんだろ」と独り言を呟いた。
ー またひょっこり現れてくれないかな。
そうすれば楽なのに。
押し付けられた指輪を見ながら、そう思うと同時に強めの風が吹く。
思わず目を瞑り風が止まるのを待っていると、チリンと聞いたことのある音が聞こえる。
「こんにちは。
今日も暑いですね。」
「ねー。リンも暑くて溶けそー。」
ゆっくりと目を開けると、暑いと言いながら汗ひとつかいていない自称神様と尻尾をゆらゆらと揺らす黒猫。
私が探していた人が目の前に現れたのだった。
セミの声と暑くて乾ききった道路から見える陽炎。汗をかいている自分。光を反射する田んぼと干からびた土壌の畑。周りの草も心なしかしなってみえる。空は晴れてて遠くに入道雲が見えるだけ。上は雲ひとつない快晴。日差しを遮るものも周りにはない。遠くから聞こえる自販機で買われたジュースの音だけが、今の自分には大きいくらいに音が聞こえた。水が欲しい。
→積乱雲の下に雨の兆し。
シャワーの音と湯気にあふれたバスルームで、彼女は髪を洗っている。
新しいシャンプーの香りは、昨日まで使っていたユニセックスのさっぱり系とは違いフローラルだ。
買ったばかりのヘアケア商品やフェイスパックが、使い差しの色々を押しやり、作り付けの小さな収納棚の隙間を埋めるように詰め込まれている。
しっかりと泡立てたシャンプーの泡の塊に包まれた長い髪を頭上に乗せた姿のまま、彼女はふと耳を澄ませた。バスルームの向こうにある1DKの部屋からはどんな音も聞こえてこない。昨日まであった物音はもうどこにもない。
ひとけの無さに彼女は唇を歪めた。鼻から熱い息が漏れる。鏡に映る白い雲を乗っけた姿が歪んだ。小さな嗚咽が漏れた。
明日、彼女は髪を切りに行く。
テーマ; 入道雲
【小説 入道雲】
モクモクと高々となる入道雲を見ると、
夏だなと深く実感する。
それと同時に、湿気を含んだ夏が来るなとも思い出して嫌にもなる。
「夏だねぇ。」
窓の外から見える入道雲に、先生は間延びした声で夏を祝福するように笑った。
「夏は好きですか。」
「あぁ。夏は色々なことを思い出すからね。」
紅茶を片手に口元の髭を整える先生を見やってからおかわりはいりますかと声をかける。
大丈夫だよ。と優しく微笑んだ先生を見て、僕はやっとお湯を沸かそうと用意していたポットを下ろした。
「君はどうだい?夏は好きかな。」
「…そうですね。冬よりは好きです。」
パラパラと窓から流れてきた風で捲られる本を眺めながら、先生の座る向かい側の椅子に腰をかける。
僕のその動作にいつも以上に上機嫌な先生は、楽しそうに目を細めた。
「何か?」
「いやね、君とこうやって話すのは久しぶりだなと思って。」
「そうでしょうか。たったひと月では無いですか。」
「されど、ひと月だ。」
先生の考えていることはいつも分からない。
今僕に微笑みかけている理由も、夏が好きだと笑う理由も。けれど僕は、先生に踏み込むようなことは言わない。踏み込めば最後、僕は彼を恨みきれはしないから。
「先生。入道雲の中には、大きな宝の島があるようなのです。」
「ふむ、それは面白いね。財宝が盛りだくさんだなんて、色々な人があの入道雲へ突入していきそうな話だ。」
「そうですね。」
二人でもう一度入道雲を窓から見上げた。
風で捲られていた本が最後のページにいったのを合図に、先生は小さく呟いた。
「夏が来るよ。」
さて、思い立ったが吉日とばかりに本日、一部の文章をサルベージして別所に纏めた。
修正等は後回しにして、どれだけの数があるのか把握しようと思って取り組んだのだが…。
ラボ組だけで26話書いていた。
正直もっと少ないと思っていたので、意外な数字だった。
1話の文字数は、500から2000程。
こちらで書いているものは地の文等を省略していることが多いので、手を加える時はその辺りを主にやっていくか、まるっと書き換えを行いたいと思っている。
その為には、設定の精査と整理、植物の資料集めが必要となるだろう。
入道雲の如く想像がモクモクと広がる一方で、「いつそれをやるのだ?そんな時間があるのか?そもそも、それをして何か意味があるのか?」と問いかける黒い雲がモクモクと広がっていった。
どうやら、想像の入道雲の一部が積乱雲と化してしまったらしい。
これだから、自身のネガティブ思考は嫌いだ。
些細なことでも足を引っ張ろうとする。
「やることに意味はないが、やること全てに意味は必要なのか?」
黒い雲に問いかけると、雲は広がるのを止めて黙り込んだ。
「私はお前が気にする無駄な遠回りも別に苦ではない。遠回りには遠回りの景色がある。最短を行くばかりが最良とは思っていない。人から見れば愚かな事に時間を割いているのだろうが、それすらも私は気にしていない。そうでなければ、ここで毎日文章を書くということもしていない。お前は転ぶことを心配しているようだが、進む道が悪路とは限らない。歩いてみなくては、体験しなくてはわからないのだよ」
言葉に言葉を重ねると黒い雲はスッと姿を消した。
後に残るのは、モクモクと呑気に膨らむ入道雲ばかりとなった。
綿あめのように軽くて甘そうな雲に頬が自然と緩んでいく。
さて、想像を続けるとしよう。
想像を文字に落とし込む創造を。
「にゃはっ いい風邪だね」
そう言って笑う君
「あぁ、そうだな」
多くの人はこの時胸がときめいたりするのだろうか
「もしかしてたのしくにゃい?」
なんで語尾ににゃがついているのだろうか?
つくづく謎だ
「楽しいよ」
「、、、にゃはは それはよかった、、」
全然よく思ってないだろ、と突っ込んでおいた。、、、、心の中で
「入道雲見えるか?」
「ウン、見えるよ」
「雨が降るかもな」
多分だけどな
「もう帰る?」
「あぁ、」
「そっか」
こういう時はどうすればいいのだろう
普通は、、、
「ん」
「にゃ?!」
俺は彼女にそっと口付けをした
これであっているのだろうか?
「////」
「じゃ またな」
「コクコク」
今日も俺の心が動くことはなかった
青春の1ページに飾られることもなかった
そんな俺を笑うかのように、入道雲が立ち上っていた
太陽が衒いなく輝いて温めるから
強い気流にのぼせ上がって気持ちまで駆け上がる
雨粒を抱え込んでも舞い上がって空で踊る
光にあてられ心まで潔白にでもなりそうな気分だ
『入道雲』
遠くから眺めたら一目瞭然の風物詩も
真下にいたんじゃ暑苦しいだけの分厚い雨雲だろう
時間切れで夕立ちとなるか心乱れて雷雨となるのか
光を飲み込み暗転渦巻く空を見ても、
まぁ…笑ってそうだけどな
入道雲
入道雲を見ると
夏だなぁ
と感じる
急にはげしい雨が降ってきたり
雷が鳴ったり
人生も自然も急にハプニングが起きるものなのだなぁ
と感じ
どうやったら上手くハプニングに対応できるのか?
私という人間の技量がためされて
失敗したり
成功したり
ハプニングをワクワクととらえることができたのなら
あなたの人生何が起きても
楽しいことしかない
そう思う
入道雲が広がる もう少しで雨が降り出しそうだ
雷の音、ピカッと稲妻が走る
車を猛スピードで運転し、また家路を急ぐ人が行き交う
雨足は強まる 夏だ 夏だ 夏だ
新しい1日のはじまり
今日も私はあなたを想ってスイカの世話をしています。
あなたは今、トウモロコシかキュウリの仕事をしているのでしょう。
大雨のなかで求めるような感情は、もう失くなってしまったけど。
本当にいい天気でしたね。あなたの畑の辺りに入道雲がでてきています。会いに行けるけど、行きません。
まだしばらくは記憶のなかでだけ会いましょう。
入道雲
今時この言葉知ってる若者っているのかなぁ
夏に子供達が外で遊ぶのも見なくなったし
こんな田舎なのにこうなんだから
青い空と入道雲
一度は絵を描いた事あるよって人は
昭和生まれだねw
青空と雲の描き方って
実は結構コツがあって難しい
絵筆を水に浸して画用紙に広げる
水が乾かないうちに予め作っておいた青を乗せる
そこからは肺活量!!
色んな青を乗せる分量も考えてひらすら吹く
そこに広がる青が空になって行く
雲には余白と極薄いグレーを
これがまた難しい
画用紙が水でふやけてダマが出来たりして
これ、よくやったなぁー笑
青空と雲の描き方を教えてくれた美術の先生
めちゃくちゃブサイクだったけど天才だったな
うんうんw 感謝感謝!
入道雲
夏の暑い日、どこまでも続く青い空
大きく白い入道雲はまるでソフトクリームのようで
あるいはわたあめのようで
見ているだけで夢中になっていた、そんな幼少期
『 入道雲 』
暑かった。とにかく暑かった。
梅雨が明けたばかりだというのに蝉は鬱陶しい程
鳴いていて、アスファルトには影の下まで辿り着けなか
った悲しいミミズ達がそこかしこに転がっていた。
空にはでっかい入道雲。
雨降ってくるんかなー。と呑気に思いながら、
ふと思ったことをあいつに言った。
「なぁ、俺達夏はもういいが、会わなくて。」
「なんでさ。これからなのに。」
「いや、夏だからさ。」
「あーまぁそうか。」
「うん、じゃ。」
ほら、あっさり了承する。あいつはそういう奴だ。
夏だからという言葉に明確な理由が俺にはあるが、
普通は意味がわからないだろう。夏だからなんだよ。
俺達は週の半分は会うような仲だった。
いや、ただ沢山会うだけの、それだけの仲だった。
俺達の絆は堅い様で、あまりに脆かった。
俺達の関係は綺麗なようで汚く、色褪せていた。
俺達の心は黒く、そして小さかった。
今でも入道雲を見ると、
その姿とは似ても似つかないあの頃の2人を思い出す。
『 入道雲 』
いつも独りで 帰る道 、 今日は 隣に大好きな君がいる 。
ふと空を見上げると そこには 大きな 入道雲があった 。
入道雲 、 別名 積乱雲 。 雷雲だ 。
家までの距離が 長いせいで 、 独りが寂しかった 。
君との 別れる道 まで 、 あと少し 。
嫌だな 、 という気持ちを 神様が 読み取ってくれたのだろうか
急に 雨が降ってきた 。
「 やべ 、 雨じゃん ! どうすっかな … 少し雨宿りしてから帰ろうぜ ! 」
と 、 曇った空には 見合わない程 明るく 微笑んだ 。
夏も 、 雨も 、 帰り道も 全部全部 大っ嫌い 。
でも 君と居られるなら 話は別 、
こんな 時間が あってもいいかな 。
〆
空を見ると大きな雲に覆われていることに気がつく
覆われていると気づく頃にはもう遅くて、大粒の雨が降り出した。止まり方を知らないかのように、これでもかというほど私に降り掛かってくる。
私の恋愛を連想させるそれは、真夏の入道雲だった