『光と闇の狭間で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
光と闇の狭間で
揺れ動く心
どちらが良くて
どちらが悪いではない
この世はすべて
陰と陽で成り立っている
バランスが大事
#光と闇の狭間で
#48
小学生の頃の担任の先生
ヘアースタイルが光と闇の狭間
複雑な笑顔で自虐していた
彼の心も光と闇の狭間
【光と闇の狭間で】
東の空に昇る朝日が、世界を鮮やかに照らし出す。優しい黄色の光に染められた砂浜で、君は楽しそうに鼻歌を口ずさんでいた。その背後でキラキラと、大海原が眩しく輝く。
防潮林の木陰から、僕はそんな君の姿を見守っていた。茜さす砂浜で君と手を取り合い踊れたなら、どれほど幸福な気持ちになれるだろう。だけど同時に、そんなことをしたら太陽の眩しさに身を灼かれてしまいそうだとも思う。誰とも深く関らず、誰にも愛されず、誰のことも愛さない。それが僕の生き方で、僕の自己防衛方法なのだから。
君が僕を振り返り大きく手を振る。おいでと誘われているのはわかっていたけれど、気がついていないフリをしてひらひらと手を振り返した。
真っ暗闇の中に一人で引き篭もれる度胸もなければ、光に包まれた場所で笑う君の隣に立つ覚悟もない。中途半端な僕はこうして光と闇の狭間の場所から、君を眺め続けるのだ。
光にも、闇にも、傾くことが出来なくて
いつも私は、光と闇の狭間で揺れていた
両側から伸ばされるその手を、取ることが出来ないでいる私に
どちらも取ってしまえばいいと貴方が言った
どちらでも在れないことに惑うなら、どちらでも在ればいいと
中途半端なグレーの世界が
光に照らされ、美しく銀色に輝いた
(光と闇の狭間で)
それは理想と現実の狭間だった
狭間に近付くほど理想は眩しく感じるのと裏腹に
その輝きを疑う気持ちも強くなった
闇を信じるのは容易い
絶望を想像する方が気楽だ
それは気持ちだけだ
身体が闇に包まれたら
闇はヘドロのように纏わりついて
いつの間にか心を蝕んで
いつの間にか眩しい光に目を閉じてしまうだけだから
狭間に近付いてるんじゃない
理想に近付いていたい
同時に現実の淵が心底つらい
「光と闇の狭間で」
空が侵されていく様でありました。陽の光が、地平線からのぞいて、月の光も、顔を出している。
人の見分けもつかない、曖昧な時間——誰そ彼、と問うたのこそ、一体、誰でありましょうか。
人として生きるには、あまりに極端な、激動の陽、そして静寂の月が、ほんの僅かに交わるこの刹那に、全てがぼんやりとして、ようやく私は私を知るのでしょう。
だけども人々は私を知りません。
誰も彼も、私を知りません。
光と闇の狭間で
人は悩み迷い
葛藤して
生きてゆく
闇が無ければ光の強さ、眩しさ、あたたかさを知ることはなく、光が無ければ闇の濃さ、穏やかさ、冷たさを知ることはないだろう。
光しか無い世界の苛烈さも、闇しか無い世界の寂しさも、どちらも人には耐え難いものだから、人はそのどちらも求め、どちらも遮ろうとするのかもしれない。
一つだけ光源のある部屋で眠る時の、あの安心感はきっとそんな、根源的な恐れから来るものだと思う。
「なにぶつぶつ言ってるの、早く寝なさい」
「はぁい」
END
「光と闇の狭間で」
最初にキミに会ったのは夢の中だった。
それから奇妙な事が続き
ある日突然キミはいなくなった。
最初にアナタに会ったのは夢の中だった。
それから奇妙なことが続き
アナタに会いに行った
アナタには会えけどアナタはどこか違っていて...。
ボクはキミを探して旅をした。
そしてその真実にたどり着く。
そしてボクは忘れていた。
ここに奇跡は起きていた。
キミは会いに来てくれた。
キミをまだ知らなかった頃のボクに。
アナタの声がした。
キミがボクを呼んでいる。
光が射し、夕暮れが訪れる。
その刹那、光と闇の狭間で、
ボクらは(ワタシたちは)出逢った。
その日のキセキをボクらは忘れていた。
日常の中に埋もれてただ日々を過ごしている。
でも、キミがいた。
アナタがいた。
闇雲に追いかけて、たどり着いたその場所で、
ボクらはお互いに問う。
『キミの名は?』
光と闇の狭間で僕は何を見るだろう
ここはどこなのか
僕はどっちに進めばいいのか
全く分からないままそこにいた
光の方は眩しすぎて
闇の方は暗すぎて
僕は1人光に向かって進むことにした
ここから何が待ってるかを知らずに
─────『光と闇の狭間で』
お題【光と闇の狭間で】
冷気を縫う光と暖かな暗闇、双方の誘惑の狭間で揺れる俺は何もできずにいる。無為に手元の端末をいじり出発時刻というタイムリミットが迫るのを待つだけ。
『あのラーメン屋唐揚げ増量中だって』
画面に滑り込んできた一言は、俺を光のなかへ向かわせた。
あの光が眩しくて。
あの光の方に行きたくて。
あの光の中にいる皆が羨ましくて。
闇に囚われたままの私にあの光が笑いかけてくれる日は来るのだろうか。
#光と闇の狭間で
光と闇の狭間で
自分が思う闇と光は
相手にはわからないもの
…
伝わらないもの
光と闇の狭間…
ロマンチックじゃなく適当に2人で朝日を見た。
「あそこ。紫とピンク混ざってる」
小学生みたいな言葉で言うだけ言って黙っちゃった。
冬空は夏と違ってゆっくりと夜が押しのけられていくからキレイだよね。
そう思って、思いついて、
「そうだね、キレイだね」
って言ったら、「そう、きれい」と言い直してた。
あんたの中にその言葉が残るといい。
次は誰かに「きれい」と言えるといい。
2023/12/02 光と闇の狭間で
光と闇の狭間で
光まぶしい場所は苦手で
暗闇の見えなさは怖くて
薄暗い灰色のような所に
落ち着きを得てしまう
それが正しいなんて
全く思えないけれど
道の真ん中を歩けない
どうしても、どうしても
どちらでもないを
手に取ろうと思うの
そこに安らぎを求めて
落ちつかなさは変わらず
決めきれない心が彷徨う
行きたい方向は決まっても
やはり行けない弱さもある
わかってて出来ない辛さ
どんどん闇に流される感覚
そんな実感に溺れないよう
今日も踠いて足掻いて
光をつ掴もうと必死に
出せない手を心の中で
伸ばしそうとしている
光と握手するみたいに
狭間から抜け出すように
光でも
闇でも
其処に
君がいるのなら
躊躇うことなく
逢いに行く
# 光と闇の狭間で (338)
「夜明け?」
七宮さんはオウム返しして首を傾げた。
「はい」
冷めないうちにと牛丼を食べ進める。夜のデートとして牛丼屋が適切かは分からないけれど、七宮さんの発案なので特に言及はしない。
「革命の夜明け的な?」
「違います。比喩的なものではなく、夜明けそのものです」
「へー。ロマンチストだねぇ」
七宮さんはにやりと笑った。
聞かれたから答えたのに。
「夜明けを見るのが好きなの?」
「そうです」
「好きになったきっかけは?」
「牛丼、冷めますよ」
七宮さんはそれ以上追及せずに「そうだね」と相槌を打って牛丼を食べ始めた。
「小六の冬休みの時に、夜更かししてゲームをしてた時があって」
あの時はただ、夜更かししてするゲームが楽しいだけだった。親の目を盗んで、布団に潜ってやっているのが妙に可笑しくて、そのままのテンションで何となく外に出てみただけだった。
「別の世界に来てしまったような感じでした」
東の空から始まりはやってくる。寒色のグラデーションが色鮮やかで、そこに柔らかなオレンジが混ざって朝が顔を覗かせる。冷めきって止まっていた何もかもが、発条の巻かれたオルゴールみたいに動き出す。静けさを鳥の鳴き声が破って、正常な一日が始まる。
「感動で、その時は言葉が出ませんでした。朝食の席で親に一生懸命話したけれど、やっぱり上手く言葉に出来なくて」
今も変わらないなと思う。
七宮さんは相槌を打つだけで、何も言わなかった。その後は何も話さず、黙々と牛丼を食べ終えて会計を済ませた。
「夜明けを見に行こう」
助手席に座ってシートベルトを引っ張っていた時だった。ハンドルを握って、フロントガラスを真っ直ぐに見据える七宮さんがそう言った。
「明日、普通に大学ですけど?」
「いいの。私は今、君と一緒に夜明けが見たいと思った。だから見に行く」
こっちも普通に講義があるのだけれど、ハンドルを握っているのは七宮さんだ。どちらにせよ選択権はない。
夜明けまではかなりの時間があったので、カラオケだったりネットカフェだったりで時間をつぶした。この時間で仮眠を取ればと思ったけれど「小六の君とおんなじがいいの」と却下された。
程よく時間は流れて、夜明けまであと少しとなった。アプリの音声案内に従って道を進み、辿り着いたのは港だった。近くにあった公園の駐車場に車を停めて、海を見渡せるスポットで柵にもたれかかる。
「寒いねぇ」
海風が頬をびりびりと撫でていく。眠気と寒さが入り交じって、身体がふわふわとしていた。
やがて、夜明けは始まった。途切れがちな雲が少し漂っていたけれど、彼ら彼女らが流されていくのも見ていて楽しかった。波の音が不規則に耳を打つのは、隣にいる七宮さんがじっと押し黙っているのを意識しているからだろうか。目の前で起こる劇的な変化の奔流に流されて、言葉は塵となって消えた。
「ねぇ、キスしよ」
「ここでですか?」
「今、ここで」
七宮さんの声は鋭かった。丹念に研がれた刀を、喉元に添えられた気分だ。
「言葉に出来ないの。だから、もう触れることでしか私たちは分かり合えない」
そう言って、七宮さんは目を閉じた。考えることを止めて、キスをした。
眠気と寒さで鈍っている身体に、触れた唇の確かな熱を感じる。磨り硝子越しの世界に、甘やかで柔らかい何かがじんわりと広がっていく。
「何か分かりました?」
恥ずかしくなって、冗談が口をついてでる。
「私ね、生きてて良かった、って本気で思ったの初めてかも」
「そうですか」
それからしばらくの間は、水面を優雅に飛ぶ水鳥達を眺めた。頬に刺さる海風と繋がれた手の温かさだけが、ここが現実であることを確かにしていた。
光と闇の狭間で-(12/3)
光と闇の間って、なんでもない普通の日常のことなんじゃないかと思う
良いことも無い
かと言って悪いことも無い
だとしたら、今日は確実に光の日だった
人生は光と闇と、その狭間の繰り返しで進んでいくんじゃないかなぁ
「なーにやってんのっ。」
何かがぼくの頭にコツンと置かれる。
振り向けば、たまに現れては仲良くしてくれるあのおねーちゃんだ。
名前はさえって言ってたかな。
でも、おねーちゃん呼びをしなさい。となぜか誇らしげに頬を緩ませた顔で、ぼくに命令したんだ。
「飴あげるからー、ほーら、暗い顔しない。」
硬さの正体は棒付キャンディだった。
「…ありがとう。」
おずおずと差し出す手に倍以上の力で押し付けてくる。
てこずりながらも包みを開け、口に入れる。おねーちゃんと会える時にしか味わえないお菓子。
心がゆるりと解ける甘さ。
隣にいるおねーちゃんは夕方のオレンジ色を眺めている。
「もうすぐ暗くなるからうちに帰りなね。」
自分もギラギラしたネイルの手でキャンディの棒を持ちながら言う。
「うん。でもまだあめぜんぶたべてない。」
「そうだけどそうじゃないでしょ。…あの家に帰れなんて、アタシも軽率だった。ごめんね。」
ふるふると首を振るぼくの頭に、今度は暖かさが触れる。
「またここに来なよ。アタシもたまに来るからさ。」
だるっとしたジャージにはそぐわない様な眩しい笑顔を向けるおねーちゃん。
噛み締める様に頷く。
飴を噛みたくなる気持ちを抑えて、あとちょっと、あとちょっとだけここに居させて。
目に見えてるものが光であるならば、見えてない部分が闇であるのだろう。
たとえばテレビやネットで見る人物の姿は光で、実際に見る姿は闇。
ゲームの世界では勇者が光で魔王が闇という話もある。
光と闇は対という考えは間違いではないが、どちらが欠けてもどちらも存在出来ないという性質からするに、善と悪と断ずるのは早計であると言えよう。
そもそも善悪の基準は個々によって違うものだから。
この世は、光だけでも闇だけでも成立しない。
そのどちらも等しく必要で、そうでない曖昧な狭間である存在も必要だ。
黄昏や東雲のような。
泡沫や陽炎のような。
うすぼんやりとした曖昧なそれらこそが、実は世界の要なのではないかと、私は思っている。