『優越感、劣等感』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
優越感は、たまたま他人より恵まれた能力や状況の時に感じる物だと気付く。
努力した結果、他人より勝っている事に関しては、それが当然だとでも思っているのか、優越感は感じない。
劣等感もやはり、努力では、自分の力では、どうにもならない部分で他人より劣っている時に感じる。
他人より劣っている事でも、努力すればどうにかなりそうな事に関しては劣等感を感じないのだ。
どうにもならない事で感じるのなら、どちらも無意味な気がするけれど、どちらも確かに私の中に存在している。
優越感・劣等感
周りには、沢山
優越感・劣等感の感情が
渦巻いているかな
あまり、分からないけど
感情に振り回されたくないな
何をしても、自己満足
で終わりがちです😱
#優越感、劣等感
実生活でもソーシャルネットワークの中でも
誰かと比べずにはいられない
自分の位置とか順位を確かめて
上を見たって下を見たって救われないのに
優越感、劣等感
「今劣等感に苛まれてるでしょ。」
開いている手元の難しそうな書に目を落としたままの君
白い病室内で1つ浮いている茶色の書はページさえも色褪せているように見える
「どうしてわかるの」
「顔に書いているから」
なんとも失礼な君は書を閉じてやっとこちらに目を向けた
「大丈夫。私はね、こう思うよ。
劣等感は、自分より優れている人がいると知れた証拠
あなたは自分の今の立ち位置をしることができたのね。
けどあなたがそんな顔をしているということは多分、相手は自分より劣っている人がいるとしれて今頃優越感に浸っているでしょうね。でも、きっとその人は、何も知ることはできていないわ。」
君の言葉は、包みこむような優しさと、全て知り尽くしているような怖さがあるんだ
だからいつもその言葉を忘れないように、何度も反芻する
「けれど、情けない。この程度なのかと知らしめられた」
「優越感に浸る人間ではなくて、そうね。自分より劣っている人がいたときに、その人に寄り添える人間になれたらいいのよ。
優劣をつけるのではなく、お互いの成長を願える人間に。
そうしたら君の世界はもう少し生きやすくなる」
「もし生きやすくなったら、その時は一緒に生きてくれる?」
ふふ、と笑みを零した君の表情は柔らかかった。
君の変わる表情はこの白い世界ではどんな色にもなり得た
「それは厳しいわ。だって私はあなたに対して劣等感を抱いているもの。」
前より少し生きやすくなった僕のいるこの世界から君がいなくなったのは
風が生暖かい7月のこと。
・5『優越感、劣等感』
らいん送り主にあったの。
とっても可愛らしい女人だったわ。
途中で彼女の曰く「凄く成功してる人」っていう人も合流したの!私は運がいいみたい!
それで私思ったの。みんなみんな上に行きたいんだって。
他の人間よりも優位に立ちたいって。
わかる、私もねえさま達と自分を比べて落ち込んでたから。
私は今手持ちがないから、せみなー?っていうのには参加できないけど
そのせみなーに参加するひとって誰も彼も神になりたいってことよね?末席でもよければ紹介できるわ、私にも。
そして斡旋すれば
仕事っぷりを認められて
天女に戻れるかも!
【続く】
「桜(さくら)は偉いね」
いつもいつも、僕を褒めるのはお母さん。
兄弟を見下すのはお母さん。
「詩織(しおり)は偉いな」
いつもいつも、兄弟を褒めるのはお父さん。
僕を見下すのはお父さん。
お母さんは何かと僕と兄弟を比べる。
本人のいない間に。
「桜は何でも出来るね、お勉強も運動もおまけにお母さん似で顔も整ってる」
たしかに僕は兄弟よりも上手に物事を進めることが出来た。
容姿もよく褒められる。
「それに比べて詩織は何もできない。きっとお父さんに似たのね。あの人察することだけは人一倍できてたから、詩織だってそうじゃない」
よく、そんな話をして笑った。
二人で。
もしかしたら、兄弟に聞かれていたかもしれない。
お父さんに聞かれていたかもしれない。
でも、お父さんも何かと僕と兄弟を比べる。
僕らがいない間に。
「詩織はいい子だね。純粋で、天使の子かと思ったよ」
「それに比べて桜は汚い。心が汚れているところもお母さんにそっくりだよ」
よく、そんな話が聞こえてきた。
僕に聞かれているのも知らないで。
お母さんも聞いていたかもしれないのに。
僕はお母さんが嫌いだ。
兄弟と話させてくれないから。
お父さんも嫌いだ。
兄弟をしばっているから。
しばらくして、二人は離婚した。
当然ながら、僕はお母さん。
兄弟はお父さんについていった。
泣いた。
どうにもならないことは知っていた。
だけど泣いた。
少しでもこの悲しみを紛らわせたかった。
兄弟は好きだ。
でも、羨ましかった。
お父さんが兄弟の事を好きだったから。
お父さんに愛されていない。
そう思うだけで泣きそうだった。
劣等感は膨らんでいく。
やがて、風船のようにはじけた。
もはや溜められなくなった劣等感はなくなった。
僕は兄弟に好かれていた。
羨ましがられもした。
お母さんが僕のことを好きだったから。
お母さんは兄弟を愛していない。
そう思うだけで笑みがこぼれそうだった。
これは優越感。
お母さんは教えてくれなかった。
何故、兄弟を嫌うのか。
聞こうとした。
何度も何度も。
けど聞けなかった。
僕は一生勇気を出せない。
僕は一生答えをしれない。
ー優越感、劣等感ー
もうしらないよ
関係ないもん
他人は他人
それを気づいたのが
もっと早くなら
もっと
優越感、劣等感
優越感、劣等感
優越感、劣等感を抱くためには、他との比較が必要なんだと思う。
優越感を抱く自分が醜く、劣等感を抱く。劣等感を抱く自分は他にはない思考の持ち主だと思い上がり、優越感を抱く。
(ちょっと前に流行った言葉を使うと)永久機関の完成だね。
多分きっとそういう人間は私だけじゃないはず。
そんな望みをもつ自分にまた、劣等感と優越感を抱く。
─────────────────────
優越感には浸れるけど、劣等感には浸らないよね。
劣等感には苛まれたり押しつぶされたりするね。
だからどうってことはないんですけど。
紙一重と言いますか、いや、言葉が正反対なだけで、本質はきっと同じものなんだと思います。
そして、それはみんな知ってるんだと思います。知ってるけど、優越感と劣等感の狭間で揺さぶられ続ける。
これを人の性で片付けていいのかな。
優越感、劣等感
帰国子女って英語満点でしょー?
んなわけあるか。
そもそも、日本以外に行った事ない人は国語満点なんか?
そもそも問題文が日本語やからな。
何が聞きたいんかわからん。
漢字、ひらがなカタカナを網羅してる日本人が作った引っかけありきの問題文を外人に求めるな。
英語の長文って眠くなるような退屈な文章。
何のために読んでるの?
ってなる上に、itは何をさしますか?
刺す?指す?挿す?どの『さしますか?』
Lucyが指差したのは公園に居たKevinだけど、少年って書いてあるし、どう答えたらいいのん。Kevinについては学生ってかいてあるし。なんなん?
ってか、Kevinは公園でボッチ飯の方が気になるやん。
少年達じゃないならボッチやん。Lucy指差しせんで一緒に食べてやりーな。
ちなみに、白人が英語話せると思うな。
私はロシアとドイツのハーフや。
ハーフって差別言葉なん?知らんけど。
なんとなく、英語が日常会話なロシア語のパパとドイツ語のママや。
正しい日本語はアプリと漫画しか知らん。
英語はなんとなくや。
家族の会話なんてそんなもんやろ?
『アレやって』『無理や』『なんで?』『今忙しい』『せやかて、やってもらわな困る』『後でやるよ』
なんならジェスチャーで済む
でもな
最近、円安だから海外の人よーけおるやん。
英語圏じゃない人も。
ドイツ語とロシア語がまぁそこそこ話せて、英語と日本語もわからん事ないからな。人助けするよ。もちろん日本の美学やんな。
私の考え方に優越感はあるよ。
色々な価値観を認め合って支え合っていけるからね。
劣等感?何それ。日本語って言い方変えるのも上手だけど反対語は必ずあるから優越感の反対語なんでしょ?
それって『必要』の反対語なんじゃない?
優越感、劣等感
そんなの誰もが持ってるもの
それを他人に気取らせちゃあいけないよ
店へふらり、と入る
テナント募集のスペースが
ちらほらみえる
不景気だな と感じる瞬間だ
ただ通り過ぎただけの店
時々買い物に来ていた店
結構贔屓にしていた店
色々あるけれど
胸がキュ と締め付けられ瞬間は
一緒だ
ふとテナントを見ると
ガチャガチャが置かれている
ふたつ みっつ と言わず
ずらり と並んでいる
最近至るところに増えたな
まぁガチャガチャは好きだから
良いのだが
めぼしいものがないか
見てしまうのも
また 本能だ
欲しいガチャガチャを見つけた
どうやら新作らしい
設置前にSNSで騒がれていたものだったらしく
箱の中身もまもなく
なくなりそうだ
丁度 回したいと思ったので
百円玉を三ついれた
欲しい種類のが出てきた
思わず口角が上がる
調子に乗って
違う種類のガチャガチャを回す
百円玉を三つ入れた
よりによって
一番欲しくない種類のものが出てきた
無意識にマジかと溢していた
【優越感、劣等感】
「優越感、劣等感」
好きな人の目に写るあの子が羨ましい。
大切な友達と笑い合うあの子が羨ましい。
いつだって、ないものねだり。
「優越感、劣等感」
自分がなんでも一番だという価値観が崩れた時には大いに劣等感を感じた。大きくなるにつれて感じる劣等感に対して自分に言い訳するようになってどうにか劣等感から逃げようとした。それをごまかすために大言壮語してみたりもした。自分と向き合うことができたらどれだけ自信がつくだろうか。
作品No.104【2024/07/13 テーマ:優越感、劣等感】
勝ったつもりになってみたり
負けたつもりになってみたり
他人と自分
比べては
貶めたり
安堵したり
何度も何度も繰り返す
3,「優越感、劣等感」
いつもあの子を見上げていた。
いつも光に目を細めていた。
♢ ♢ ♢
天才、というのはあの子のことを言うのだと思う。芸能界というステージで、誰よりも輝く太陽。あの子が笑えばみんなが笑って、あの子が泣けば心を揺さぶられずにはいられない。そういう存在。
天から授かった才能。神に愛された容姿。天使のようにあの子は笑う。でも、見る人を虜にする魅力はある意味悪魔のようでもあった。
何が違うんだろう、と思う。
何が足りなかったんだろう、と思う。
ずうっとダンスも歌も練習してたし、体重管理とかスキンケアもサボったことなんて無い。もちろん努力だけで報われるはずもないって知ってたけど、あの子が努力してないなんて思ってもいないけど、でも、どうしてあの子だけ。
分かってる、分かってるんだ。この世界で生きていくには、戦っていくためには、運と才能と努力全てがないといけない。私には才能が足りなくて、あとたぶん運もなかった。もうこれ以上活躍は望めないし、あの子を超えることなんて不可能だ。
辞めればいいじゃん、と誰かが囁いた。
別に貴方の活躍に期待している人なんていないし、あの子より上手くなんてなれやしない。誰も困らないよ、って誰かが言った。
でも。
「ねえ!貴方も初めて?良かった〜!私も同じなの、一緒に頑張ろうね!」
そう言ってくれたあの子に、芸能界に入って右も左もわからない私に声をかけてくれたあの子に、報いたいって思うのはダメかな。私よりも才能があって、誰よりも努力してて、運に恵まれたあの子なんて大っ嫌いだけど、それでも、あの子に勝ちたいって思うのは嘘じゃない。負けたくない。
世間の声とか、自分の弱さとか、全部無視してただひたすらに手を伸ばす。あの子に届くように。手を握って並べるように。
「私と友達になってくれる?」
子供みたいで恥ずかしいけどさ、あの子にそう言うのが夢なんだ。
♢ ♢ ♢
優しい子。
優しくて努力家で、真っ直ぐな子。
こっちだよ、って手を引いてくれた彼女はいつの間にか消えていた。いや、違う。あの日輝いていた彼女の光は世間からは見えていなかった。
そりゃあそうだ、と思う。
厳しいことを言うようだけれど、彼女みたいな子はたくさんいる。そもそも芸能界に足を踏み入れられない子も、軽く潰れてしまう子も、数え切れないほどたくさんいる。ただの背景、ただの群衆。そんなものに成り下がってしまう、原石だった子たち。
彼女もその例に漏れず、あまり成果が出せない様子だった。私とは違って事務所もそんなに大きくないし、容姿もそこそこ。これで売れる方が難しい、とマネージャーは言った。
ふうん、そっか。頭に浮かんだのはそれだけ。仲の良かった子にそんな評価をされて、それしか思わなかった自分に嫌気がさした。で、それでおしまい。それ以降は彼女のことは要らない記憶にぽいっと捨てて、思い出しもしなかった。
あの時までは。
あの日、人気のあるテレビ番組で。若い子がたっくさん出る番組で、私はレギュラーの席に座っていた。ゲストとして出てきた子たちはみんなひたむきで、可愛らしくて、そして弱い。この中でどれくらいの子が残るんだろうなって大御所の誰かが笑っていた。私もそれに合わせて「みんな頑張って欲しいですね〜!」なんて笑っていた。ゲストの子たちは萎縮したように俯いていた。
なのに、彼女だけは違った。
私だけを真っ直ぐに見ていた彼女の瞳の炎は燃えていて、にっと挑戦的に笑っていた。
怖い。怖い、怖い、怖い!
なんでそんな風に笑えるの。なんでそんな目で私を見るの。妬んでよ、嫉妬してよ、諦めてよ。もう取り返しがつかないくらい差はついてるんだから。もうどうしようもないくらい、私が勝ったんだから。
近づかないで。私を見て笑わないで。そうやって、収録中も荒れた心を必死に抑えていた。
それから、それからだ。私は彼女をチェックするようになった。出演作も受けたオーディションもぜんぶ調べて、到底私に届かないことを確かめて、なのにそれでも怖かった。
彼女について調べたものが、彼女に関連したものがたくさん置いてある部屋で。私はみっともなく怯えながら、彼女の写真を睨みつけた。
「貴方とは、友達になれない」
絶対に。
優越感を感じることは少ない。
劣等感を感じることは多々ある。
劣等感を感じるたびに燃える。
越えようと足掻いてみる。
時々やすみながら。
優越感、劣等感
優れて越えた感覚はまだわかる。
"劣等" て。
昔の人もすごいこと言ったもんだ。
劣退感とかダメなのかな。
劣凹感とか。れっぺこかん。語感は可愛いよ、語感は。
うーん…いや、きっと劣ってても退いたり、凹んだりしなくていいって言いたかったのかもしれない。
ハイコンテクストすぎるぜ、劣等感。
優れて悦に入るのもダメって言いたかったんだろうな。
余裕で書き間違えそう。一般正答率6割と見た。
優越感、劣等感
劣等感だらけで自信が持てない。
自分の誇れるところは自分の名前かなぁ。
自分の名前は『大好き』って胸を張って言えるよ。
あるところに自慢が大変に大好きな指がいた。
連日連夜自分たちの自慢を何度も何度も繰り返しても、全く飽きは来ず、寧ろ5本の指の中で、自分が如何に必要な存在なのかを連日連夜日中問わずとも、言い聞かせるのである。指たちはそれが生き甲斐でもあった。
今日も今日とて、自慢ばかりする親指がこう言った。
「オレはいつも使われている指だ。オレが1番なのさ」
すると隣で聞いていた人差し指が、親指を指してこう言った。
「ちがうわぃね、あたしの方が役に立ってるさね。いろんなものを指し示して表現するのに」
「やめろ、オレを指差すな」
「なぁに、それがあたしの役割さね」
すると、横で聞いていた中指が怪訝な顔をして言う。
「オイオイなんだ、仲間割れかい?あんたらよりもおれっちのほうが背が高いじゃねぇか。力もあんたらより強い。物を押さえつけたりするのに1番役に立ってる」
えっへん、と顔で表現するあたり、中指の主張はごもっともだと少し思うところがある親指と人差し指。
(だけど、まだうちらの指はある……)
そうして、3本の指は横に目をやると、4番目の薬指に注視した。
「ねぇ、今の話聞いてた…?お宅らはどうなのさ?」
人差し指が聞く。
薬指は、少しはにかみながら歯切れ悪くこう答えた。
「あはは……。私は別に大したことないよ…。あんまり私はみんなよりも使われることはないしね…」
そうして、小指も小さく答えた。
「そうだね、ボクらはあまり使えないかもしれない。ボクはみんなより体が小さいから」
その小さな体に比例した、か弱くしょげた声だった。
「ほらな!だったら少し自粛するべきじゃないか?お前らが働かなくてもお前らの分をオレがいればいい!」中指が主張した。
「そうさね、あたしらに任せなよ」と、賛同する人差し指。すると親指も、
「フン、使えない指は出番を控えるべきだな。そうだ君たち、次の体力テストは俺達にまかせたまえ。」
そう言ってまた自慢を繰り返す3本の指。
「そ、そうだね…じ、じゃあ任すとするよ…」
そう言って薬指と小指は、それ以降口を開くことはなかった。
数日して、体力テストの一環とし、握力測定が実施される事になった。
前回の数値は特に3本の指たちにとっても、毎日繰り広げる自分の自慢大会のネタとされる程、高成績だった。
『じゃあ、今回も良い点数期待してるぞ!』
握力測定器を握る。
3本の指たちは今日も自分の自慢大会の事しか頭になかった。
力を込める。…いつもなら測定器の針が思うように動くはず、だった。
……いつもなら。
…あれ…?
おかしい。いつもならここまでは針が動くはずなのに。
そんなはずはない…、と3本の指たちも、其々に力を込める。普段は軽い気持ちで動く針も、今回は不思議と重く、ギュッと顔を赤くしながら再び力を込める。
しかし、何故かいつもの力が入らない。
『なんだ、どうした?』
『うーん、なんだかいつもの力が出ないっす』
3本の指たちも首を傾げ、その中でも1番力が強いと自慢の中指は汗ばみながらも目一杯の力で頑張っていた。
力を込めるたびに、指と指の間隔がおかしくなり、汗が吹き出して、握った測定器が滑る。
『うーん、なんだか可笑しいンっすよねー。特に薬指と小指の感覚が…ねぇっす』
3本の指たちは、3本とも顔を見合わせた。
指たちの世界ではこんなことわざがある。
『優越感は、指をも殺す。』
優越感が強すぎると同属の指を滅ぼすことになりかねない、という意味を持つ。
お題: 優越感、劣等感
7/13 祭り
今日は地元のお祭りの日だ。
俺は本屋で用事を済ませ、冷やかしで祭りに参加する。
祭りに冷やかしもクソもないが、その証拠に何も買わずに帰ってきた。
祭りの主役は光るおもちゃを振り回す子供達と、浴衣を着た女子だ。子供達はこの日ばかりは夜更かしを許され、女子は写真をSNSに上げる義務を果たせる。それ以外は只々長い行列を作るだけのエキストラだ。
しかし客の顔を見ると笑顔が見て取れる。何がそんなに楽しいのか?
トマトを投げ合う訳でもない、牛を追い回す訳でもない。ただ歩き回るだけ。しかし祭りには狂気が存在し、そのために人々を惹きつける。500円の焼きそばを買うために長蛇の列を作る、まさに狂気だ。焼そばを食べないと、祭りに参加したことを証明するスタンプは押してもらえないのか。
ふと思う。それを書き残すためだけに祭りに参加する俺こそ狂っているのか?
大通りの中央で和太鼓の演奏が行われている。これが俺の最終目的と決め、力強いバチ捌きに身を委ねる。
いつもは大通りの主役であるはずの自動車は締め出され、太鼓の演奏を楽しむ人の輪で埋め尽くされている。一際明るく輝くコンビニの前を沢山の人影が右往左往する。
さぁ、帰ろう。祭りは冷やかしでは楽しめない。