『何気ないふり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
すごいな、さすがだな、優秀だな、
羨ましい、私には無理だ。
その裏にある計り知れないほどの
失敗と挑戦と継続の積み重ねを
素質や才能の言葉で蓋をする。
何気ないふりをされてるんじゃなくて
私が見えないふりをしてるだけ。
#何気ないふり
何気ないふり
ラッシュアワーの
駅の通路
何年たっても
苦手です
何気ないふりで
スタスタ歩いて
みせてはいるけど
頭の中は
泡ふくカニが
反復横跳び状態なの
ぶつかりそうになると
時々
ツーステップ踏んじゃうし
颯爽と歩く
いつものあの人
お願いします
弟子にして!
何気ないふりして、台所覗きにくるのやめろ。でかい図体がうろうろしてると気が散るんだわ。
人前だとそっけない。あなたのプライドって本当にかわいい。
お題:何気ないふり
ふとした時に幸せを感じる
本当に小さな幸せ
思わず顔が綻ぶ
言葉にするのも照れくさいし
綻んだ顔を見られるのも恥ずかしい
だから何気ないふりをしてやり過ごす
そんな土曜日の昼下がり
何気ないふり
椅子に座り本を読む貴方を見る。
貴方は物語の中に入り込んでいるのか、私の視線にも気付かない。
コポコポ。
サイフォンが音を立て、コーヒーの良い香りが部屋にただよいだしても、貴方は本から顔を上げない。
そんなに面白いのかな?
私は気になって、まだ熱い2つのマグカップを持って、貴方の目の前に座る。
「どうぞ、まだ熱いけど」
「うん。ありがとう」
ねぇ、今日はせっかくの休みなのに。外も、いい天気なのに。
―――私が、ここにいるのに。
コーヒーを飲みながら、じーっと貴方の表情を見る。
じーっと。
じーっと。
そのうち、貴方の耳が赤くなってくるのを見つけてしまった。
「ちょっと、そんなに見られたら照れる!」
なぁんだ、何気ないふりしながら私の事、気にしてたんだ。
「だって構ってくれないから」
わざとふくれて文句を言うと、貴方は分かったからと言って、本にしおりを挟んだ。
「コーヒー飲んだら、散歩行こうか」
貴方の提案に、私は笑顔で了承した。
了
#何気ないふり
遠い未来のことなんて
考えたってしかたないじゃない
過去のことを今更
悔いてみたって消せるわけじゃない
だから今を
自分がどうありたいかを生きるべき
でもひとりで生きてるわけじゃない
よーく周りを見回して
一人のようでひとりじゃない
さりげなく
何気ないふりで
あなたを見守るひとがいる
だからあなたも見つめて
自分の中の心の声を
何気ないふりをしてやり過ごした。
この人は気付いていないだろう。
私がどれだけ傷付いたか。
雰囲気を壊したくなくて、また自分の気持ちに蓋をしてしまった。
傷付いたと伝えないと相手には分からないことなのに。
自分を誤魔化すことは人を欺くのと同じこと。
人を軽くみてるから自分も軽くあしらわれることが多いのに。
そう分かってはいるけれど、言えない私。
楽しかった空気をぬるくなったコーヒーで流し込む。
どうしようもない自分に深いため息をついた。
何気ないふり
今日は暑い。昨日の寒さが嘘のようだ。
まだ3月なのに日傘を必要とする日射し。
用心して厚手のジャケットにしたことを後悔しながらひたすら歩いていく。鳥達が楽しげに鳴きかわす声が聞こえる。もう春なのだ。
山道を進み目的の施設が見えてきた。ここを訪れるのは3年ぶりだ。最後に来たのは、季節は同じなのに雪がちらつく寒い日だった。
深呼吸してインターホンを鳴らす。お待ちください、と懐かしい声がしてドアが開いた。
いらっしゃい、久しぶり。
あの頃と同じように迎えてくれる。
私も変わらぬそぶりでこんにちは、と答える。
歩いてくるの暑かったでしょう。昨日は雪が降ったんだけどね。
彼はそう言いながら部屋へ案内してくれる。
ここに来るのが1日違えば、あの雪の日を思い出して昔と同じように振る舞えなかったかもしれない。
ほんの少しの違いが運命を変えるのだ。あのときも今も。
何気ないふり
何気ないふりをして、一日一日を積み重ねていく。
…例え、心の中が嵐のように吹き荒れていても、猛吹雪のように冷たいものが吹き込んできても。
でも、なんだか最近しんどい気がする。
なんでだろう?
何気ないふりを装って
あなたに聞くの
私のこと好き?って
好きって返ってくると
口角が無意識に上がるほど嬉しくて
誤魔化されるとしょんぼりうつむく私に
気づいてほしい…
何気ないふりして接してくれてるけど
みんな多分気づいてる
僕が自己表現をほとんどしないことを
苦手なだけで僕は秘密主義という訳ではない
このアプリは僕に自己表現の場を与えてくれる
ありがとう。
何気ないふりして視線を向けたり
何気ないふりして近くによったり
何気ないふりして話かけたり
あの頃が懐かしいなぁ
《何気ないふり》
湯のみのとなりの急須、注ぎ口がちょっぴり斜め向こうにむいてる 後ろ髪ひかれる素振りも見せまいと通り過ぎる土用の鰻屋 バレンタインデーは平常心で乗り切る バレてはいけない秘密を抱えて生きていることそのものが極秘情報 障害を悟らせまいと頑張る同僚の弱点については見て見ぬふりを通す 桜の開花を告げるニュース番組を見もせずスマホをいじりつつ、ひそかに和む口元
貴方のことを
何気ないフリをして見つめる
みつめてる理由は虫がいたとかそんなささいなもの。
でも俺にとっては
大切な時間
何気ないふりして
君の気を引こうとしてしまうのを
許して欲しい
何気ないふりして
手を繋いでいることを喜んでいるのを
許して欲しい
何気ないふりして
隣にいてくれることを嬉しがっているのを
許して欲しい
僕は表情を表に出すのが苦手だ
ダサいって思われたら恥ずかしいから
でも、それを知ってか
君はいつもそばに居てくれる
いつか何気ないふりをしなくても
お互い笑い合える時が来るかな?
僕、頑張るよ
別になんとも思わない
少し離れたって
見えなくなったって
相手から見えないなら
涙だって偽物だ
二人並んで歩く、帰り道。
君の隣に居られるのは嬉しいけれど。
今日のテストのこととか、たわいもない話ばかりで。
その度に僕は、君にとってただの友達でしかないのだと感じる。
「ていうかさ、君って好きな人とかいるの?」
そんな僕の言葉に、急にどうしたの? と可笑しそうに笑う君。
「いや、別に深い意味はないんだけどね。何となく気になっただけ。」
ふーん、と不思議そうな顔をする君。
君にとっては、何ともないかもしれないけれど。
知らないでしょ、解っていないでしょう?
僕にとっては、とても大切で。
この質問だって、「何気ないふり」をしているだけだってことをね。
〝何気ないふり〟
【何気ないふり】
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猫 ガ 此方 ヲ 見テ ル ト サ、
何 ダカ トッテ モ 嬉シ ク ナル ヨネ!
彼ラ ハ 俺達 人間 ノ コト 見下シ テル カモ
知レ ナイ ノ ニ ナ!!
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▶にゃーん!!
▶……。
▶ゴロゴロ。
実際のところ、恋人のことは閉じ込めてしまいたいと思ってる。
誰にも見せない。聞かせない。触れさせない。
そう出来たらいいのにな。
「なあ、もし、俺が…………」
「うん?」
焦げ茶色のタレ目が、俺を見つめる。
「……手料理作ってほしいって言ったら、どうする?」
言葉は、別方向に舵を切った。
「レモンシャーベットじゃダメ?」
「いいぜ、それでも」
すっと手を伸ばすと、掴んでくれる手は冷たい。その温度に安心した。