『何でもないフリ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
何でもないフリ
丈夫な体は朝になると
ロボットのように動き出す
己の意志より強く
誰よりも弱い、人間らしい心を抱えて。
裸足のまま
埃を踏んで歩き出す
寝巻きを脱ぎ捨てて、鞄を掴んで
磨き忘れた靴を履いて
気温を感じない外に出る。
無人の部屋を背に
これからするべきことは...
あっけらかんとしよう
澄ました顔で会話をしよう
ほどよく軽口を叩いて
時には甘い言葉を吐いて
相談事は嫌味にならない程度に品よくまとめて
失敗は笑い話にして親近感を得よう
したたかな生き方を
大人になったと勘違いして。
本当は何も取り繕いたくなんかないのにな。
いつからこんなに
口を噤むようになったんだろう?
何でもないって言って誤魔化して
何でもないフリをした。
誤魔化してもあなたにはすぐ見透かされる。
透き通った瞳が私を射抜く。
「何でもないふり」
わかってほしくない
でも
少しわかってほしい
「何でもない」っていつも言ってる人
「何でもない」ってそんなことないでしょ
「何でもない」っていつも笑って裏で泣いてる
「何でもない」ってたまにSOSになる
「何でもない」ってたまに嘘になる
「何でもない」っていつも悩み続ける
「何でもない」って秘密がある
「何でもない」って心配してる
何でもないって言ってる人はよく1人で背負ってると私は思うな(*^^*)
あいつ、上官とは何でもないフリしてるみたいだけど影で付き合っているのみんな知ってるんだからな。
あなたと話す
あなたから目をそらす
あなたを、見る
何でもないふり
『なんでもないフリ』
早く好きな人をつくって
ほんとに好きな人がいないのかわかんない
おしえてよ
辛いと訴えても他人事さ
一人で泣いても他人事さ
薬を飲めば何も感じなくなるさ
大丈夫、大丈夫
生きてりゃいいことあるからさ
死んだら後の祭り
[何でもないフリ]
「何でもないフリ」
髪をすぐ触る癖、直した方がいいなんて僕は言わない。
不安になったんだよね?
足先がそっぽ向いて、目を合わせない。
どうしてそんなに不安なのかわからないけど、その拗らせた性質に心臓が逆撫でされたような気になる。
でも安心して、僕はそんな君に気が付かないから。
112【何でもないフリ】2022.12.12
「アンタね。何でもかんでも何でもないフリをしてごまかすのは、ヤメないかんよ」
子どものときから家族ぐるみで世話になっていた近所の漢方薬局のじーさん先生が、ボクの顔をじっとのぞきこみなから、ボクにむかってそう諭したのは覚えている。
「フリばかりしてたら、辛い、ということが自覚できんなるからね」
そのときボクはへらへらしながらうなずいていたと思う。ああ、もう、じーさんの心配性がまた出たよ、くらいにうけとって。
しかし、まさか、その時点でもうすでに、職場になじめなくて精神的に追い詰められつつあったことを見透かされていただなんて。ボクには察しもついていなかった。
その日、なにげなく勧めてくれたいつもと違う漢方薬。これはお守り、どうにもしんどくて体が動かなくなったら飲みなさい、と「売りつけられた」黒い小さなつぶつぶ。それが、数週間後に精神的にドン底に突き落とされたボクを救ってくれることになろうとは。
以来、ボクは何でもないフリはやめた。よかれとおもって平気がっても、本気で心配してくれるひとには全然バレる、と痛感したからだ。
というわけで、黒い小さなつぶつぶは、いまもお守りとして、カバンのポケットにしのばせている。この先ずっとこれを飲まなくていいように、「何でもないフリをしないためのお守り」としてね。
で、これがその丸薬だよ……とりあえず、いますぐ飲んどけ。泣くなよ。いや、いいからガンガン泣けよ。何でもないフリなんてするなよ。
話は全部、ボクが聞くから。
『何でもないフリ』
何でもないフリして
きみのことを もっと知りたくて
何でもないフリして
あれこれと きみについて 思いを巡らして
何でもないフリして
きみに さりげなく 質問してみたりした
気付かれては困ってしまうから
これからも 何でもないフリして
きみを 慕い続けるよ
しんどいなって、ひとりになると
感じてしまうこともあったけれど
でもね、何でもないフリすることは
今の私にとって、
修練の一種だと 思うことにしてみた
いつか、何でもないフリする必要がない人と
巡り会えた時に、
ありのままの自分で 素直に 心ゆくまで
大切なその人と 向き合える自分でいられるために
今は、何でもないフリして
きみを慕う心を あたため 深め 味わいながら
人と向き合い 自身を見つめる修練を積み重ねて
希望は離さず 期待は手放して
そのときが 巡り来るのを
じっと こらえて
そっと 待ってみたいと
そう思っている
「強いね」
そう言った事があったね
私なら傷つかないって
泣いたりなんかしないって
思ったのかな
そうだね
泣いて喚いて
嫌だって縋るなんて
一生出来そうもない
何でもないフリして
笑ってサヨナラ
動揺を隠して
物分りのいい女演じた
自分は
騙せなかったけど
「何でもないフリ」
やっぱり、今日1日過ごしてみて分かった。
今自分が好きなのはやっぱりあの人なんだってこと。
何でもないフリするところ
ちゃんと見ててね
この頃はもう
ほんとに上手くなったよ
何でもないフリするところ
ちゃんと見てるね
素振りではもう
わからないけれど
どこだかわかるよ
/ 何でもないフリ
クラスメイトに30代のお兄さんがいる。
友達と私とお兄さんと3人でお出かけしたりご飯行ったり遊びに連れて行ってくれたり、バーベキューしてくれたりおうちパーティー開いてくれたり友達と2人じゃ絶対に出来ないようなことをたくさん体験させてくれてる。
ずっと3人で仲良しだと思ってた。
修学旅行の夜までは。
こっそり部屋に来て3人でお酒飲んで、友達が先に寝ちゃったあの夜からだ。
酔ってるから自分の部屋まで静かに帰るのきついからって床に寝ようとしてたお兄さんに、酔ってたのもあってここに来なよなんて言っちゃって。
どうにでもなれって思って甘えて抱きついて寝ちゃったり。
3人で遊ぶ予定だった日に友達が熱出して来れなくなったからじゃあ2人で遊ぼうかってなって
夜勤できついから昼くらいに起こしに来てよ笑
なんて言われて寝てるのを起こしに行ったり。
そこでまた2人で寒い眠いって言って抱きついてお昼寝したり。
気づいたら私が好きになっていた。
友達にはなんでもないフリして、気づかれないように気にしてないフリしなきゃ行けないんだ。
[何でもないフリ]
君はいつも「大丈夫」と言う
僕はそれが大丈夫じゃないことくらいは分かる
でもなんで大丈夫じゃないのかが分からない
だから僕は傍にいてあげることしか出来ない
君はそれでいいって言うけど僕は君の力になりたい
けどそれは君が「大丈夫」すら言えなくなった時に取っておくよ
何でもないフリをするきみ
フリはしてるんだけど、
辛いのがバレてたら
お互い苦しい思いをするだけ
きみの本当の気持ちが知りたいな
「どうかした?」
君に言われてはっとする。
「ううん。何でもないよ!」
本当の気持ちを押し殺して
今日もなんでもないフリをする
何でもないフリ
私は歩き続ける
頭が痛くても胃が荒れても
毎日毎日
時には自分の為に猫を被って
守りたい誰かの為に泥を被って
歩き続ける
カレンダーの曜日を目で追いかけ
休憩処までの道のりを想像し
たどり着いた後の解放感を噛み締めるために
今日も集団に紛れ込み歩こう
痛い。苦しい。辛い。
どこまでも続く泥沼の中でのそんな感覚が私の脳を支配して、私に死ねと命令している。
だけど今死んでしまったら、きっと後悔する。
だから今は死なない。
だから今日も何でもないフリをした。
これほど書きやすく書きづらいテーマもなかなかない。
先程スキンケアの最中に、頬に適当に塗り広げていたクリームが飛んで、目の際ギリギリにぼってりとついたときも、何でもないフリをした。本当は動揺と、自分のいい加減さに対する呆れと怒りから、かなりうんざりしていたにも関わらずだ。
そして今、そのクリームが滲んできて、目にしみてきているのだが、やはり何でもないフリをしている。でもこのアプリのおかげで、目薬を早く差そうと思え、救われかけている。