『些細なことでも』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
どんなに小さなことでも、それは私の大切な夏でした。
クーラーで冷えたコインランドリー。じっとり滲んだ寝汗。雨水が打ちつける窓。昼下がり、オレンジに染まるお風呂場。わざと電気をつけず夏色に染まった水風呂にゆっくり体を浸けてじっくり1分数えた。
素敵な夏でした。
大人になるってこういうことかと
思ったときには手遅れで
大事にしていた全てから
一つ一つ手放していく
捨てたくないとずっと
がんじがらめの心の意図
ほぐれて片落ちて救えなくて
何にも興味を示さなくなる
今になって悩んでいたこと
苦しいだけと感じていた
それはまだ気持ちがこもっていた
冷めることない強い意思
取り戻せるかもななんて
思い付いた日には
後戻りもできなくて
種を蒔いても枯れていく
ごめんねと軽く呟いて
掴めない手が空を切る
些細なことでも
お題《些細なことでも》
感情は、四季が移ろう。
この日、この時、確かに、必死に生きていた。
無意味じゃない。――たとえこれが身勝手な幻想なのだとしても。
虚ろで、この空白なこの身にも花がゆれるから。
些細なことでも
心の灯火忘れてた一緒にストックする…
些細なことでも
何を言ってるかよく聞こえなくて、聞き返したら「なんでもない」と言われた。
LINEの話が盛り上がり始めた時、急に既読がつかなくなった。
最近話している時、なんだか私と目を合わせてくれない気がする。
些細なことでも、ひっかかりでも、
重なれば次第に疑心暗鬼になって、
無い意味を付けて僻んで、
簡単に不和に繋がってしまう。
私のそれは相手への期待だから、
よく一緒にいる友達ほど不安定になる。
だから一緒に過ごして、
満たされないことが恐い。
些細な事がきっかけで全てを得るか、全てを失うかの両極端な場面に出くわしたら、その些細な事は些細な事ではなく、重要な事に変わっている事に気づいている人はそんなに多くない。
(些細な事)
「だから我慢しないでって言ってるじゃん!」
女性の叫び声が狭い部屋に響く。女性の目の前に土下座をして座っている男性は俯いたまま微動だにしない。
「いっつもいっつも我慢してさ、私に何を求めてるの?」
「……何も無いって」
「……はぁ……」
女性側が諦めてため息をつく。いつもこうだ。何でも言い合うという約束で結婚したのにいざ結婚して数週間経てば男性は隠し事だらけだった。
「……隠し事するのはいいけどさ、私に分かんない様にしてよ」
「……してないって」
「もういい」
最初の頃は信じていた。何も無いと言い続ける彼を信じていた。段々と些細な事が苛立つようになっていった。
靴下を放っておくところ、食器の洗い方が雑なところ、ビニール袋をぐちゃぐちゃにしておくところ。1つずつ注意するのもウザイだろうと思って自分で直すようになっていき、意見を何も言わない彼に段々と覚えていく苛立ち。
「……ごめん、次からはちゃんと」
「もういい。好きにすれば」
塵も積もれば山となる、とは正にこの事なのだろうか。
『些細なことでも』
日常に楽しみをみつけよう
日常にいい所を探し出そう
道端に綺麗なお花が咲いていた
今日は突き抜けるような晴天だった
心地よい風が吹いた
日常に喜びをみつけよう
日常に非日常を探し出そう
穏やかな雨の匂いがした
美味しそうな料理屋を見つけた
いつもより字が綺麗にかけた
どんな些細なことでもいい
少しの希望が幸せにつながるから
些細なことでも
些細なことでも…
ガソリンスタンドとかで貰えるアメの賞味期限大丈夫?
もしも私が生まれなければ、もっと他に出来たことがあったよねと。
居間の母と西瓜をいただきながら、ぽつり。
まあ、それはそうよ。
母は禿げかけた髪を手櫛で揃えて視線をテレビに向ける。
子供ながらに両親のあれこれを見てきたものだけど、思えば母の気の休まる時なんてあったろうか。
私は私でしくじっていたし、姉も手術したりと大忙しだった頃。子供ながらに母の髪の薄くなっていくのをそばで感じていた。
友人やら他所の人が、誰かを離婚させるのが当たり前になってきたけれど、その話のたびに私は母を思い浮かべる。
離婚してもいいよって、声をかけたこともあった。
それでも母は離婚しなかった。できなかったとも言えるが。
母は高卒の専業主婦だから、きっと子ふたりを大学に行かせることはできなかったろう。
情けない女、と思ったことも正直ある。
もっと強ければ離婚しても生きて行けたんじゃないかとも思う。
もしもあの時離婚していれば、どうだったろうね。
居間の母と西瓜をいただきながら、ぽつり。
ふと、母が。
関根勤、見ないうちにすごい老けたわね。
という。
母はそれほど健康には気を遣わない。
あとどれだけ生きることが子供のためになるのかと歳を数えている。
歩けなくなったら、言葉もわからなくなったら。
早いとこ金を残しておさらばした方が良いと。
もしも私が強ければ、安心して長生きすることも思ったろうにね。
居間の母と西瓜をいただく。
けれどもしもを幾度と繰り返しながら、またひとつ歳を経る。
そうであってほしい、そうであり続けろと切に願う。
___
些細なこと
些細なことでも注意されると涙が出てくる。
これが最近の悩み。
相手はそんなに怒ってる訳じゃないと分かってるのに勝手に涙が出てくる。
貴女にとっては些細なことでも私にとっては一大事なの。
いつもより涼しい今日、焼き芋を買った
暑い日は見向きもしなかったのに
些細な事で感じる秋の到来
スパイス
形に残る宝石よりも
ありがとうと言える毎日の積み重ねが嬉しい
# 些細なことでも
些細なことでもいいから、君のことが知りたいと。
そう思えたのは初めてのことで、それは今もなおである。毎日毎日私は君を求めて生きているんでしょうね、と実感している。
朝起きて、君の顔を見るだけで脈の落ち着きがなくなるので「これはいよいよ心臓に悪い」と思いながら簡易的な身支度をするためせっせとベッドから出る。君の寝顔は綺麗で無防備で見目がいいのでずっと見ているとポカポカした浮いた気持ちになってくる。起きているときと寝ているときのギャップが結構ある君なので、ついじぃーっと見てしまう。いけない、これじゃー準備がままならないね。私は君を視界から無くし、身につけている寝巻きに手をかけた。
君のかっこよさによく感銘を受ける。他の女性から声をかけられることがしばしばあるし、本人はスマートにそれらをかわしてくれているけど、相変わらずモテモテだなぁと思ったりする(若干の僻みもこめて)。そんなモテモテさんの君が今さっきまで私の隣でぐうぐう寝てたもんだからなんだか申し訳なく、いや、私が独占してしまいはていいんでしょうかと不思議な気分になってくる。
身支度もあらかた終えたので、そろそろ君を起こさないとと思い、ベッド脇に向かう。君の寝顔に優しくペチペチしながら「起きて起きて、朝ですよ」とモーニングコールをした。君はいつも寝覚めが悪くてたまに理不尽な当たりを食らうのでしつこすぎないように。君がよくわからないお寝ぼけ発言をしながら身を起こしたのを確認し、「私は先に顔洗いにいってます」とひと声かけ、寝室を後にした。
今日はいつもより君のことが好きな日なのかもしれないと思った。
些細なことでも
仕事でミスをしそうになったことがある
あとから気がついて訂正はできたけど
その時しっかり確認しておけぱ不安に
ならずにすんだのかもしれない
今後もミスを防ぐためには些細なことでも
しっかり確認しながらつとめたいと思う
「ボス、ここの数字、間違ってません?」
「ん?あぁ、本当だ。すまんな、直しとく。」
「ボス、しっかりしてくださいよ。ボスの耄碌も早いもんですね」
「うっ、たしかに言われてみればそうかもしれん……」
「それか、ボスって結構大雑把な方ですか?」
「うーん、それは俺でもわからん。そう見えるか?」
「オレにはそう見えます。だからバツイチなんじゃないですか?」
「それ、言わないでくれ。かなり刺さってるぞ」
「すんません。でも、年取ったからって仕事はもうちょっとちゃんとした方がいいですよ」
「なんでお前が言うんだよ」
些細なことでも
些細なことで感情が変化する。
少しでもいいことがあれば、
これからの人生もいいことがありそう!となるし、
逆に少しでも駄目だと、
もう駄目……この先も絶望しかない……となる。
なにか小さなことでも成功すれば、
自分はすごいやつだ!となるし、
少しでも失敗すれば、
自分は駄目だ……駄目すぎて無理……となる。
喜怒哀楽全ての感情が極端に、そしてころころと変わる。
たまにそれに疲れてしまうこともあるし、
それが普段の悩みになることも多いけれど、
マイナスの分、プラスもたくさんもらってきた。
朝の目覚めが良かっただけで
マイナスのことが起きるまで幸せ!
何もなければ一日中ハッピーなのである。
めんどくさいし、疲れるけど、
案外お得しているとも考えられる、
些細なことでも変化する心である。
朝からとても涼しかった
蝉の声は終わった
少し長く歩いた
マスクをしているから、口周りに汗をかく
散歩中の犬に飛び掛かる勢いで吠えられた
飼い主は、慣れた様子でリードを引っ張る
少しづつ太陽の位置が変わる
雲も流れる
意味のないことらを考えながら、歩いた
今はいいけど、きっと日中は暑くなる
蝉は鳴いていない
鈴虫はまだはじまらない
⬛︎些細なことでも
些細なことでも。
生理の前は1週間くらい前から、
些細なことでもイライラする。
そういう時期だから!
で、片付けることにもイライラする。
もう何しても、何されても
駄目な時期だ。