『プレゼント』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
小さな頃、サンタさん宛に手紙を書いたことがある。当時通っていた保育園で鍵盤ハーモニカを使って演奏していた。その鍵盤ハーモニカの造形、音色に惹かれたのだろう。「さんたさんへ ピアニカ(鍵盤ハーモニカ)をください」と手紙を書いて玄関に置いておいた。迎えたクリスマス、置いてあったのは子供向けアニメのおもちゃのピアノ。サンタさんからの返事だよと渡された手紙には「ピアニカは見つからなかったからこれをプレゼントするね」と明らかに母親の字で書かれていた。不満は無かった。自分のためにサンタさんが選んでくれたプレゼントだと思ったから。
自己満の悴む手でつくってる
どんな顔してくれるかな明日
包装を開くわくわく聖夜の灯
愛は清く安らかに続く
♯プレゼント
プレゼントといえばクリスマス。子供のころサンタさんがやって来るとドキドキしていた。大人になってそんなドキドキをなくしても、まだあの夢は消えない。それは、クリスマスという魔法。街がカラフルな色で溢れる。溢れた先に人間の夢が詰まってる。美術でもそうだ。みるひとに夢を感じる絵を描きたい。ささいな日常を切り取った絵を描いて、それをプレゼントにするのも絵描きの醍醐味なのかな。絵を通して知らない人にも同じように届いたら、もうひとりじゃない。孤独な絵を描けば、孤独な人に届いたとき、もう闇は消える。プレゼントは偉大だ。
プレゼント
現在、もらえる予定はない。
息子にはあげた。
もうずっと大勢で賑やかに過ごすイベントなんて記憶にない。
?いつからやってないのか?そもそもいつが最後だったっけ?
関係ないけど。
どれだけ絵の才能がある方もいくらで売れるかしか頭にない人の絵を買おうとは思わないなーなんて。
や、気持ちは痛いほどわかるんだけどね。
私だってものすごい才能があるのに賞賛を浴びなければ、世間の評価から外れて影に隠れて生きなければならないとしたら、そうなってたかもしれない。
何の才能もなくてよかった、、、え、や、ちょっとは欲しい、かな。
end
プレゼント
「ん」
「え?」
突然目の前に差し出された右手を見て、俺は驚きを隠さず声に含ませた。右手には小ぶりの布袋が握られている。
「千空ちゃん、これなに?」
「...ん」
頑なに詳しくは話そうとしない彼はいつもとは少し違う様子だ。どうしたのだろうか。
手を差し出すとその上に布袋が置かれる。以外に重量が合って落としそうになるのを何とか堪える。
「見ていいの?」
「ん」
先程から「ん」しか発してない千空ちゃんは、どこか恥ずかしそうに、居心地が悪そうにしている。本当にどうしたのだろう。いつもの千空ちゃんらしくない。布袋を開くと、懐かしい形状の物が目に入る。
「......これ...」
それはトランプだった。1枚1枚手書きのマークに数字、ジョーカーもしっかりとついていた。
「なんで...」
「てめぇ前に欲しいって言ってただろ。...クリスマスプレゼントだ。ありがたく受け取りやがれ」
そっぽを向く千空ちゃんの耳が少しだけ赤くなっている。俺の心が温かいもので満たされる。
「...千空ちゃん耳真っ赤。赤鼻のトナカイじゃなくて赤耳の千空ちゃんだ」
「なんだそれ」
二人で目を合わせ、小さく声を上げて笑う。
明日の夜は、村の子供達のために一緒にプレゼントを用意しよう。約束だよ、千空ちゃん。
プレゼント
なんでもないものでも
プレゼントとして貰うとどんなものでも
嬉しく感じるの不思議だな
present for you
よいクリスマスを!
プレゼント
今日はサンタが来日。 絶対起きててサンタを見てやろう!
絶対起きてる 絶対起きてる 絶対起きてる zzzzzz
やってしまった。
が、プレゼントでそれどころではない。
ギフト、とは毒である。
愛の込めた贈り物は、時にその重さで貰い手を苦しめる。かのグリムの故郷にはそんな言い伝えがある。
私は貴方に毒を贈った。“プレゼント”なんて可愛らしいものではない。勿論、毒をそのまま贈るなんてことはしない。黒く淀んだ愛に艶美な紅を纏わせて、美しい姿に仕立てた。艶やかに、鮮やかに、思わず口にしたくなるように。そして、さり気なく微笑みながら差し出してこう口にする。
“美味しそうな林檎でしょう?”
貴方は無邪気にそれを受け取った。私の思いなど知る由もない。そうして一口囓れば、貴方はたちまち夢の中。ふらりとよろめき私の腕に倒れ込む。
貴方を抱きしめたその瞬間、私は世界で一番の幸せを感じた。独占という甘美な優越に酔いしれながら、貴方の寝顔を見つめる。そよ風が揺らす細いまつ毛も、木漏れ日を吸い込む白い肌も、その全てが愛おしい。柔らかな髪をそっと撫でながら、私は静かに呟いた。
“ずっと、こうしていられたらいいのに......”
でも本当は分かっている。この幸せは仮初のものだと。いつか貴方は目覚めて、私じゃない誰かの手を取る。その日が来ることも、その貴方の大切な人のために、幕が下ろされる私の物語の結末も。
それでも、どうかそれまでは私の隣で眠っていて。いつか貴方が王子様の口付けで目覚めるその日まで────
「プレゼント」
包装紙を開けるまで
箱の蓋を開けるまで
中に入っているものが
どんなものなのか
中に入っているものが
どんなに心をときめかせるものなのか
開けるまでのワクワクは
開けた後の喜びより
生きていることを
生きている実感を
沸々と呼び覚ます
生きている
今日が最高のプレゼント
あなたの側にいられることが
この人生で1番大きなプレゼント
プレゼント
真面目な君が
恋しくて
選んでしまうの
その日のために
小さい頃、この時期になると紙に
欲しいものを書いていた。
コップ一杯の牛乳にクッキーまで用意して、
夜更かしなんてしなかった。
その時の自分はお金遣いが荒く
人に尽くすことが好きだった。
あまり物だって知らないし、物欲もない。
だから、使い道のないお金をどうすればいいのか
分からなかった。
あの時のサンタさんの贈り物は
心配の声がとても大きかったな、笑笑
ありがとう。もう心配なんてしなくて良いよ
リビングの扉を開けた目の前に
プレゼントが積まれている
それは、きっとわたし宛
なかにはわたしのために選ばれたものが入っている
中身は包装紙に包まれていてわからない
山積みにされた箱の真ん中に、
ちょこんとすわる白い布に包まれた陶器の壺と木の札
その包装紙をあけて
出てくるのが、ただの骨じゃなくて
あの日いなくなった猫ならどんなに幸せだろう
クリスマス、「貰う側」だった私は いつの間にか
「贈る側」になった。何をあげたら喜んでくれるだろうか。君のことを考えながら私はプレゼントを選びに店に入った。
私は、何をやっているのだろう
考えてみたら真空管に入ったバラのプレゼントがいちばん嬉しかった
なのに、なのに
バカだったなー
人生最悪になってしまった
昨日で100作品目でした! いつも読んでいただきありがとうございます……!
***
──いちばんの。
どうにも本に集中できない。ずっと読みたかった、好きな作者の新刊なのに。
窓側の壁にかかった時計を見て、少ししか進んでいないことにため息を吐く。これも何度繰り返したかわからない。
「いくら時計を見たって、時間の速さは変わらないわよ?」
「……わかってます」
笑みを含んで友人が言うのに、自分の思うよりも拗ねた声が出た。
「待ち遠しいのはわかるけどね。もうできる準備は済ませちゃったんだから、大人しく待ってなさいな」
ダイニングテーブルに並べられた食事をちらりと見ながら言う。二人で作ったご馳走は、待ち人の好物ばかりだ。おいしそうな匂いが漂ってくる。
「時間が操れたら良いのに……」
「あなた、あいつの事になると時々変になるわねぇ」
「自覚してます」
「仲が良くて何よりだわ」
からかい混じりの台詞からふいっと顔を逸らすと、玄関の方から物音がした。しおりも挟まずに本を閉じて立ち上がる。
「あら、お待ちかねね」
友人の声に背を向けて、ワンピースの裾を軽く直しながら少しばかり冷える廊下を駆け足で行く。視線の先で扉が開いて、外の空気が一気に流れ込んだ。
寒さで肌が泡立つのも気にならない。扉を閉めた背中がこちらを振り向く前に、ありったけの嬉しさと安堵を込めて口を開いた。
「──おかえりなさい!」
待ち焦がれた金色の瞳がふわりと緩んで、しばらく聞いていなかった声が向けられる。
「……ただいま」
その声が、生誕祭なのに何もを買って来られなかったと謝罪の言葉を続けるから、思わず笑ってしまった。
──あなたが無事に帰ってきてくれたことが、一番のプレゼントなんですから!
(プレゼント)
あたしは決心した。
サンタさんは子どもにしかプレゼントをくれない。
だったらあたしがお父さんとお母さんのサンタさんになる!
だけど、あたしはお父さんとお母さんが寝るまで起きてるなんてできない。その前に寝ちゃうわ。
だからお姉ちゃんに全部話して一緒にサンタさんになってもらうことにした。
でもプレゼント選びはあたしが決めたし、お金だってこれまでのお年玉から出した。
あくまでもお姉ちゃんはプレゼントを枕元に置く係なの! 本当のサンタさんはあたしなんだから!
……って言ったらお姉ちゃんってば、はいはいって笑ってた。
まったくもう、お姉ちゃんはサンタさんになれなくて悔しくないのかしら!?
もしあたしがそう言われたらめちゃくちゃイヤなのに!
……まあでも、準備はぜーんぶ整った。
あとはクリスマスを待つだけ。
お父さんとお母さんの反応が今から楽しみだわ!
どれがいいなかな。
何なら喜んでくれるかな。
もうすぐクリスマスだから、恋人へのプレゼントを選びに来ている。もちろん一人で。
一緒に暮らしてそれなりに経つ。
だから彼の好みもある程度把握はしているけれど、それでも悩んでしまう。
正直ね。
正直、私が選べば彼は喜んでくれると思うの。
でもそうじゃないのー!!!
彼の役に立てるものを贈りたいの。
身につけるなら時計とか?
でもあまり高いもの贈っても困らない?
こういうのはお金じゃないと思うんだよね。
どうしよう。
なになら喜んでくれる?
彼の好きなもの……。
そうやって考えているとパッと思いついた。
そうだ。そうだよ!
彼の好きなもの、それはクリームソーダ!!
そこからは驚くくらいに、こうしたいと言うものが頭に浮かんでくる。
彼のイメージのうさぎと、私のイメージのパンダのアイスクリームを寄り添わせて……彼に大好きだよって伝えたい。
もうそこからの私の行動は早くて、足早にお菓子を作るコーナーに向かっていく。
あ、でも……私は不器用だから作れるかな。
そんな不安も過ぎるけれど、そんなのは練習すればいい!
手作りのマフラー作ろうとか思うよりマシ!
……あ、来年はそれにしよう。
そんなことを考えながら、なになら足りる?
これならできる?
そんな考えがフルスロットルでめぐってくる。
クリスマスまで時間は足りないけれど、たくさん練習して彼に喜んでもらえるように頑張ろう。
絶対に喜んでもらえる。
それが分かるから、ワクワクが止まらない。
当日に驚かせて、大好きって伝えたい!
おわり
二二一、プレゼント
お題《プレゼント》
「心のないプレゼントはいらない。そんなもの貰ったって嬉しくない――お前は、違ったんだな」
見抜かれていた。いつものようにデートして、雪化粧のように上手に幻想をかけたはずだったのに。
この男は、油断ならない奴だ。
「クリスマスプレゼント気に入らなかったかな、結構悩んだんだよ? はじめての恋人だから」
嘘を重ねてゆくのは、奇妙な心地良さがある。恋人は飾りで、嘘は極上のトリックだ。すべて完璧だった、今日のこの日を迎えるまでは。
「瞳を見てればわかる。だって俺は――瞳からわかるんだ、お前が見えてない風景が」
鮮やかにテーブルを彩るクリスマスのごちそうも色褪せて、夢は消えてゆく。
恋人だった、確かに。
真実は歪んでいく、知らぬところで、闇を咲かせて。
君の誕生日だから、祝おうと用意してたんだよ。
喜んでもらえるかなって考えながら、プレゼントを用意してたんだよ。
でも、君から帰ってきたのは拒絶だった。
今まで何も言わずにこにこして、他愛のないこと話して、タイミングでもはかってたの?
1番傷つけるタイミングでもはかってたの?
おめでとう、君の企みは大成功だ。
おめでとう。