『ブランコ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
公園を通りすぎるとき、ブランコが見えると、「ああ、こぎたいな」と思う。
大人になってから、ブランコに乗ることはなくなった。
だって目立つから恥ずかしい。子どもから「ママーあの人、大人なのにブランコに乗ってるー」なんて指を指されたら辛い。
それにブランコのほうが大人である私を拒んでいるときもある。昔ながらのブランコは撤去されて、子どもにしか座れないようなブランコが設置されているところがある。
だから、まだ私が乗れるようなブランコが残っているのを見ると、嬉しくなる。嬉しさも相まって、乗りたくなる。
私が何の躊躇いもなく、気持ち良くブランコに乗るためには、大人という外聞を捨て去るか、この世界の大人全員がブランコに乗るか。そのどちらかしかない。
願わくば、後者のほうであってほしいと思うばかりである。
ブランコ
前へ後ろへ揺れる
大きく前へ漕いでも
大きく後ろへ引き戻される
それより前には進めない
もがきながら
前に進めなくなっていませんか?
それでもブランコを漕いでいるのは『じふん』
不器用でも動かなければ
ブランコは揺れることさえない
前には進めないと諦めず
大きくブランコを漕いでみれば
見える景色が変わるはず
空を近くに感じ
広くまわりを見回して
きっと何かを見つけるはず
もがきながら揺れたのも
そこに辿り着くための
大切な時間
放課後に、友だちとどちらが高く漕げるか競走をした。ある時はあの人と隣同士、手を繋ぎながら優しく漕いだ。ひとりでぼんやり、変わりゆく空を見送ることもあった。
前に後ろに、規則正しくゆらゆら揺れる。進んでもいい、戻ってもいい。止まってもいい、降りてしまうのもいい。周りは勝手に廻っていく。変わっていく。
わたしはもう少しここでのんびりと、空の模様を眺めます。
お隣、座りますか?もちろん、どうぞ。
ブランコ
少年の日の思い出
なるべく大きな弧を描けるように勢いをつけて遊んだ。
靴飛ばしや友達の背中を押して助走をつけてあげることもあった。
とにかく夢中に遊んだ懐かしい思い出。
通る度に思い出す。
あの頃、貴方と一緒に乗ったブランコ。
あれから色々あって、
近くにいるのに心は遠くなってしまった貴方。
知らない土地に触れて、私に夢を見させてくれた。
楽しかった。
あれから、あの道を通る度に思い出す。
楽しかったあの日を。
「ブランコ」
『ブランコ』
昔はよく乗っていましたわね。
ええ、従姉妹と取り合いになるほど
夢中になりました。
紙の箱をお城に見立てたり、
針金や海岸で拾った貝殻でティアラを作ったり、
便利なおもちゃを与えなくても、子どもは
勝手に自分で遊びを作り出すのが得意なんですの。
今では子どもの頃に出来なかった遊びも物も簡単に手に入れられるようになりましたが、あの頃のような新鮮な気持ちになることは少なくなりましたわね。
「では童心に帰ってみるのはいかがでしょうか?」
振り向けば魔術師がブランコの前に立ち、
ニコニコと笑顔で手招きしていました。
私は不審に思いながらも魔力に取り憑かれたように、
足を運び、知らぬ間にブランコに座っていました。
魔術師が鎖を握る私の手を上から優しく包むこみ、
背中を押せばブランコがゆっくりと動き出します。
ゆらゆらと揺らされていると、
なんだかこころもからだもかるくなってきましたわ。
きがつけばわたくしのからだは
ちいさくなっていました。
さきほどまでいたまじゅつしのすがたは
どこにもみあたりません。
わたくしはこれからどうすればよいのでしょう?
こどものすがたのまま、もとにもどらなかったら…。
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子どものように泣き喚く悪役令嬢の元にセバスチャン
が駆け付け、屋敷へと連れ戻されました。
その後一日経つと、悪役令嬢は元の姿に
戻っておりましたとさ。
幼きは漕ぐ
空へ空へ
それ今は
お尻が乗らず
揺れるふらここ
「ブランコ」
遊具の中で1番ブランコが好きだったなー笑
ブランコが人気で待ってる人が結構いた記憶が...笑
懐かしいな
キィキィ鳴らして乗ってさ、
学校に居た時、ブランコの音が1番響いてた
ブランコも人間みたいに年とって
どんどん錆びていく
ブランコに乗ってみた
相変わらずキィキィとブランコは言うね
音が響くね
あーぁ、もう少しで帰らなくちゃ、笑
あと少しだけブランコに揺られていよう
ブランコ
ブランコ
俳句
ふ
ら
こ
こ
や
こ
の
街
の
空
恣
季語 ふらここ ブランコのこと
春の季語
恣 は ほしいまま と読む
自分の加減次第で
大きく振れたり、小さく振れたり
自分の判断で止まれる
これほどまでに、楽しい遊びが
あるものか
《ブランコ》
ブランコを漕いだときに見える空は私をちっぽけな存在だといっているようだと思った。
ぐるんと回って無重力。先生に叱られてたあいつが今日宇宙に行くらしい。
ブランコ
猫ちゃんがブランコに
いっしょにのりたいって
言うの…
行ったり来たり…
ユラユラ…ユラユラ…
猫ちゃん…うれしそう
よかった
幼稚園生の頃、同い年なのに君の方が身長高くて、
いつも背中押してくれてたよね。
どんどん大きく揺れて高さを増していって
最初は怖かったけどだんだん楽しくなってきて
ブランコが大好きになったよ。
小学生の頃、放課後ランドセルを投げ飛ばして
君と二人でブランコを漕いだよね。
僕の背丈も増してたまに二人で立ち漕ぎなんかして。
6年生になるまでほぼ毎日一緒にブランコを漕いだよね。
中学生の頃、PTAの主張でブランコがどんどん無くなってったよね。いつも遊んでた公園からも、学校のブランコもほぼ全部が撤回されていったのを覚えてるよ。
1年生の頃はショックだったけど、時間が経つにつれ
僕達は別々の道で幸せになろうとして
放課後一緒にいることもなくなったよね。
ほんとはもっと遊びたかったな。
高校生の今、あの公園は取り壊されて今は住宅地になったよ。そのことを同級生と話したけど、あの公園のことは知らないって言っててびっくりしちゃった。同級生であの公園知ってる人は僕らくらいらしいよ。なんだか秘密の場所みたいでうきうきするな。
あの公園で遊んだ記憶は今は僕しか持ってないんだな。
なんだか少し寂しいや。
君ともっと話していればよかった。
中学を卒業した春休み。君は死んだ。
君のお母さんに聞いたけど自殺だったんだね。
ごめんね、気づけなくて。
今も時々君を思い出して、
あの公園があった場所に行くんだ。
住宅地だから長居はできないけれど、君との思い出はちゃんと僕が持ってるからね。絶対に忘れない。
もう今は話すことすらできないけれど、
いずれ僕がそっちに逝ったら思い出を語りたいな。
『ブランコ』
誰かに押される背中も
自ら漕ぎ出す勇気も
空に飛び立つ自由と
地から解き放たれる自由
「まあ、いいんじゃないか?
決めた道を自分の好きなように進みなさいよ」
ビール缶を片手に深夜のブランコ
隣合わせに座る父は
熱った顔で
オリオン座を観ながらキィキィと音を揺らした
#ブランコ
ブランコ
子供の遊具の代表格
このくらいでは
たまにアニメに出てくる
ブランコは難しいなっと思う
お題として
だから捨て置くとして
子供が遊んでる
その姿を見ることがない
帰宅中や通学中ならみるけど
遊具がなくても
何かで遊ぶと思う
遊ぶことは学ぶこと
学びを強要しなくても
興味で勝手に遊ぶと思うよ
真似をすることから
理解や解釈が生まれるし
他にも興味を持つことになる
わからないまま次にいく
わからなくて次にいく
わかっても次にいく
何処かに辿りつくはず
何処に行きたいかではない
そもそも目的はない
ただ何故か不思議には思う
小さい頃…
ブランコに乗ってて
頭が痛くなって…
それから
少しずつ…
あまりブランコに乗らなくなったなぁ。
それでもなつかしいものがあるかも…
#ブランコ
ブランコ
杏色の空の下、アスファルトを革靴で鳴らしながら歩く。それに合わせて引き出物の袋がゆらゆら揺れる。
地元の道、小さな公園。そこは少年時代の思い出が詰まった場所。君との思い出が濃すぎる場所。
誘われるようにふらりと入り、ブランコに腰かけた。あの頃とは違う色、違う目線。変わらないのは隣に座っている君。
喪服のネクタイを乱暴に緩める。古いブランコはキィと泣く。
『なあ、もう辞めてくれないか。お前はただの都合のいい亡霊だ。』
君はあの時の笑顔、あの時の澄んだ青いワンピース。何も言わなかった。
少年時代の甘酸っぱい記憶が走る。そして血の匂いのする記憶も。
『もう、辞めてくれ。』
黒のパンツにひとつ、ふたつと染みが出来ていくのを彼女はただ眺めるだけだった。
見渡す限りの草原に一台のブランコが立っていた。
風が吹けばブランコの錆びた金具がキィキィと鳴った。
古びたブランコに乗る人は誰も居なかった。
けれども、ブランコはちっとも寂しくなかった。
草原を渡る穏やかな風と、頭上に広がる美しい空があって。
ブランコを雨から守ってくれる優しい木と時折足をくすぐるイタズラ好きな花や草が居て。
ブランコはそれだけでとっても幸せなのだった。
今日も草原からはキィキィと幸せそうに笑うブランコの声が聞こえる。
テーマ『ブランコ』
ブランコ
幼い頃ブランコを押してもらったことがある人は多いだろう。
背中を押してくれる人がいる。
何か悩んだりこのまま進んでいいのか悩んだ時背中を押してくれる人はいるだろうか。
迷いという名のブランコに乗っている人の背中を押してあげれるような人に
私はなりたい。