『ブランコ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
最初は何がおもろいねんって言いたくなるけど
どんどん勢いが出るにつれて
風がより強くなったり高くなったりして
楽しいよね
#わたしとブランコ
誰かにそっと後ろから押してもらう
ビクビクして手に汗握る
風を切ることを身体がおぼえる
靡いた髪が太陽で透けてキラキラする
足で勢いをつけられることに気づく
宙に浮いたような心地よさに笑う
立ち乗りで景色がすこし変わる
お行儀の悪さを嗜められる
靴を飛ばして競争する
ブランコの椅子に頭をぶつける
思い返せばこんなところ
ブランコ前に、ブランコ後ろに
ブランコ前に、ブランコ後ろに
楽しいこと、悲しいこと
ブランコ前に、ブランコ後ろに
ブランコ
旅の果て、辿り着いた場所
美しい景色、賑やかな声
願えば叶う理想郷。
私が望む全てがここにあるのに
匂いすら忘れてしまった、あなたのことを
いつまでも夢に見る。
『キーッ、キーッ』
公園の近くを通るとブランコの音がした。
夜遅くなのに、女の子がいた。
それはまるで昔の自分のようで、
なにか気に触った。
そーっと近くによって私もブランコに乗った。
その女の子は少しびっくりしていたが、
安心した様子でもあった。
しばらくしてその女の子が家に戻った。
なぜ夜遅くにあんなところにいたのか、
聞くことも出来なかった。
だけど翌朝には、あの子は誰なのか、
何があったのかを、全てを知った。
昨日、助けていれば、保護してあげたら、
あの子は笑って暮らせていただろうか。
#『ブランコ』
No.32
子供の時、親に背を押され乗ったブランコ。あの頃は空があんなに近くに感じたのに。そのまま空を飛べる気さえしたのに。
何故、あの鮮やかだった空色が永遠のように遠く、色褪せて目に映るのだろうね。何故、飛べるはずないと鼻で嗤うひねくれた大人になってしまったのだろうね。
小さい頃、公園でよく遊んでいたブランコ。
怖いもの知らずの子供の時は思い切り漕いで、高くなった頃に飛び降りたりしていた。
あの頃の無邪気な笑顔は何処へ置いてきてしまったのだろう。
ふと、懐かしくなり帰りに公園のブランコに寄ってみる。
ブランコの楽しさを思い出すことは出来ず、
代わりに目の前で遊び回る子供を微笑ましく思った。
昔は『ブランコ』の鎖でよく血豆を作った。
ブランコは好きだったけど、暗闇の中一人で空まで届くようなブランコに乗ったまま降りれなくなる恐怖の悪夢をよく見た記憶が忘れられずにいる。
ブランコを最後に漕いだのは、いつだっただろうか。
私は、昔小さい頃ブランコが好きだった事を、家の近くの公園を見て思い出した。
幼稚園に、4つ並んだブランコがあったのだが、昼間は大抵年中の子達に独占されてしまうのもあって、私は外があまり好きじゃなかった。
そういう時間は、絵本を読むことで別世界に没頭して現実からは逃げていた。
そうする事で、少しでも孤独的な空間から離れることを選択していたのだ。
私は、公園の奥に2つ並んでいる内、左のブランコに座った。
あの日と違うのは背丈と座り心地の悪さだけだった。
ブランコは、私の過去の思い出を具現化してそこにいる。
お終い
今日こそって前に出て
やっぱりダメだって戻って
勇気が出て前に出て
でもやっぱりダメって戻って
次 前に出る時
靴がポーーンって飛んだら
キミに当たって振り向いてくれたら
「おはよう」って言うんだ
全然乗っても構わないのに。
何故か大人になってからは躊躇うようになった
毎日朝早くに通る家の近くの公園で
誰も乗ってないそれを見ると無邪気にこいでいた小さい頃を思い出す
もう揺れないそれは、寂しそうに見えた
『ブランコ』
ゆかちゃんがブランコに乗ると、高くまでのぼる。
ぼくはブランコを下りるのが苦手で、あんまり乗らない。
今日も、ゆかちゃんがブランコに乗ってるのを見ていた。
今、どんだけ高いのかな。横に回って見てみる。
見ていたら、止まっていたのに石につまづいて、横だったから柵もない。
ぼくの小さい頭に迫ってくるブランコ。
海の高い波みたいに見えた。
ガガガッン!頭がキーーーンッとなって、ぼくはううううんっとへたり込む。
チャイムの音が変な風に歪んで聞こえて、頭がボーッとして、そのまま、ぼくは寝てしまった。
「あれ」
起きると、ゆかちゃんと、なんでか、あんまり喋ったことのないはなちゃんがいた。
ぼくは保健室のベットに寝ているみたいで、ぼくは声をかけようとする。
しかしふたりはさっさと立って、さっさと歩いて、ぼくが呆気にとられているうちに、保健室の引き戸がピシャンと鳴った。
引き戸の外から、先生の、「ちゃんと謝った?」
ゆかちゃんが、「はい」遅れて、はなちゃんも「はい」
ぼくは全然、意味が分からず、口を開けていた。
大きく揺らしたブランコから飛び下りる遊びが流行った保育園時代。
みんな豪快に飛び下りきれいに着地していく横で、私は顔から着地し潰れたカエルのように地面にへばりついていた。
痛かったよりも着地できなくて悔しかったのを今でも覚えている。
ーブランコー
この公園の
このブランコに君がいる時は
何かあったとき
君にとっては辛いんだろうけど
僕は君に会えて嬉しい
この時間は僕だけの君
#ブランコ
風もないのに
揺れるブランコ
何故か懐かしい香りがした
目を閉じれば
ブランコを力いっぱい揺らして
空に飛び出しそうな
キミがコッチを見て笑う
競争だよ!って言いながら…
風もないのに揺れたブランコ
今年も会いに来てくれたの?
寂しがりの私を笑わせる為に
ブランコ
ギィ……ギィ……
残業がやっと終わりいつものように背を丸めて歩いていたとき、微かに錆びた鉄の擦れるような音がした。それは、小さな公園に近づくほど大きくなる。
ギィ……ギィ……
誰か遊んでいるのだろうか。でも、こんな時間に一体誰が?残業の疲れと、得体のしれない音への恐れを好奇心が僅かに上回った。息を殺すようにして公園に足を踏み入れた。
ギィ……ギィ……
何の変哲もない質素な公園で、ブランコだけが息をしていた。ひとりでに。
「ひっ。」
思わず漏れた声を掻き消すように勢いを増す揺れが恐怖を倍増させる。
「こんにちは。おじさん。」
後ろから声がした。声変わりもまだしていない少年のような声だった。
「だ、誰だ!?」
声がひっくり返ると同時に、足を踏み外して尻餅をついた。
「僕だよ。」
やはり声から想像されるような、かわいらしい少年だった。少年は、ブランコを指差していった。
「あれを動かしていたのは、僕だよ。」
「え?」
少年の言っていることを理解できなかった。ただ、少年があどけない笑顔を向けるので、先程までの恐怖は消えていた。気がついたら少年はいなくなっていて、ブランコも風で時折揺れるだけだった。
『……続いてのニュースです。〇〇市の✕✕公園で、8歳の男児が遺体で見つかりました。遺体は……』
「ブランコ」
あー,,本当イヤな人生だ、みんな日にあたり優しくして貰っているのに、僕だけ日にあたらないところで、眠っている。みんなイヤでも早起きして家を出て行く。でも僕はイヤでも起きれなくて家からでれない、家を出たところでまた日があたらないところでこんなマイナスなことを長々と考える。あーブランコの下はイヤだな、と今でもブランコの下の土に眠っているタンポポが言っている。
ブランコこいで高く高く高くと
大空の向こうへ何処までも何処までも
入道雲を突き破り何処までも何処までも
右足大きく振り切って!
飛んでけ!飛んでけ!飛んで!
自分に重ねて大空の向こうへ
飛んでけ!飛んでけ!飛んでけ!
子供の頃
靴飛ばし!しませんでしたか?
何処までも何処までも行けると…
そう思ってませんでしたか?
あきらめたことありますか?
あきらめたままですか?
その胸の傷みは本物ですか?
あきらめたままで良いんですか?
まだ間に合うと思ってますよね!
まだ行けると思ってますよね!
まだまだ大丈夫じゃないですか?
まだまだぜんぜんいけますよ!
その気持ちを正直に話せば良いんだよ!
目の前の人に言えば良いんだよ!
さあ 行きましょ!思い描いた明日へ
忘れてた思いを叶えに行きましょ!
行こう!!行こう!!行こう!!🍀
笑顔の彼方へと…
小学校の頃、
友達がいないわけではなかったけど、
転校をよくする環境にいた。
一年生の時に始まり、2年生の時は数回、
その後の学年も、とにかく、
よく転校しなきゃならなかったんだ。
だから、深く仲良くなった子はいなかった。
そうなる前にお別れなんだ。
三年生の時の転校したところは、家が公園の前だった。
だから、そこのブランコでよく遊んだ。
だってドアを開けるとすぐなんだ。
真ん前なんだもん。
その日も、ランドセルを家に放り込んで、
おしっこして、牛乳飲んで、ブランコしに行った。
ギーコ、ギーコって。
僕はいつも、水平、鎖も振り切れろ!ってくらい、
立ち漕ぎで急加速。
いつもの通りだったはずだ。
世界がいきなりひっくり返った。
ぶん回されたみたいだった。
ガーンと衝撃、耳鳴りがし続けた。
何が起こったかわからなかった。
裂けるように右足が痛い。
肘を擦りむき、右の太ももには、
深い傷口が開いて、血が流れ出ていた。
空に落ちたみたいだった。
地面にいるのにクルクル上昇している気だった。
僕は鉄パイプの下敷きになってた。
やっと理解した、ブランコが倒壊したんだ。
僕は大声で泣き叫んだ。
でも、真昼なのに、夜みたいに、静かなんだ。
誰も姿がないんだ。
助けて〜、痛いよおおお!と、
喚いても、誰も来てくれなかった。
不思議なんだ。
街の中にあり、車通りもある、
人の目にもつきやすい、
人通りだってある公園なんだ。
なのに、その日は、僕が鉄パイプをどかそうと
もがいて、大泣きして、大騒ぎしたって、
誰一人、僕を助けに現れなかった。
おじさんがあの時、家にいたはずなんだ。
でも、聞こえなかったんだって。
あんなにすごい崩壊音、
何より、僕が必死に助けを求めたのに。
僕なやがて泣き疲れた。
悟った。
誰も来てくれないぞ、。
助けてくれないんだ、。
自分でなんとかしなきゃって、。
なんとか身を捩って、
地面に僕を押し付け、
挟みつけていたブランコの支柱から抜けた。
その時、Tシャツが破れ、胸を擦りむき、ギャッ!
と叫んでいた。
その時、擦りむいてできた傷跡が今も左胸にある。
服は破れ、僕は知らぬ間に、
トイレに行ったばかりなのに、
恐怖で、おしっこを漏らしていた。
半ズボンの股が丸く湿っていた。
顔は、涙、鼻水で歪み、
服は破れ、血と泥、砂で汚れていた。
膝と膝を擦りむき、特に、
腿の傷が深く、血が流れていた。
頬がひりひるする、指をやるとぬるりとした。
指に血がべっとりと付いた。
僕は大声で、泣きながら、二十歩程度の目の前の家に帰った。
僕は今さっき、元気で、この家を飛び出したはずなのに。
痛いよおお!って、泣き続けた。
その時になっても、まだ、静寂で人気がない。
僕は玄関を開けて、叫び続けた、。
大人達はその段になって、ボロボロの僕を見て、
仰天し、騒然となった。
やっと、あたりに音や人の気配が戻ってきた。
嘘みたいに騒がしくなった。
家の前、公園にも人だかりができていた。
さっきまで、僕だけ取り残されていた世界が、
嘘のようだった。
僕は、病院に連れて行かれ、太ももを5針塗った。
幸い、それ以外は泣き叫んで消毒され、
大きめの絆創膏や、包帯の処置で済んだ。
骨折などの大怪我にならなかったのが不思議である。
9歳のあの日、判った。
いざという時、都会、人目の中でも、
助けてもらえないことがあると、。
たとえ家の真ん前だとしても、
何が起こるかわからないって、。
必死に大声をあげても、
泣き叫んでも、誰にも聞こえない、届かない。
親、大人たちが近くにいたって、
人通りがあるからって関係ない、。
人や動きがなくなる、
真空状態みたいになる隙間があるんだ、。
子供達が事件や事故に巻き込まれるのは、
あんな時間、隙間にストンと入っちゃった時だろう。
僕はいくら助けを呼んでも助けてもらえない
恐怖、闇の深さを少しは知っている。
ブランコをこぐことができない。
街の公園にある、普通のあのブランコだ。
膝を伸ばして前に揺れ、膝を曲げて後ろに退がる。みんながやってるのを見ればやり方はわかるけど、同じにやろうとしてもうまくいかない。鎖につかまり、お尻を台座に押し付け、えいっと膝を伸ばす。
びよょん。動かない。
曲げ伸ばしのタイミングが、とにかく悪いのだろう。
どうしてみんな、特に何も考えるでもなく自在に操れるんだ?タイミングを考えれば考えるほど身体がこわばって鎖がガチャガチャ音を立てるだけだ。
ブランコがこげない奴なんか他にいない。ブランコなんてつまんないよと嘯いて、ボールを蹴ったり木にぶら下がったりして遊ぶのが常だけど、ブランコが目に入れば心がざわつく。
公園に誰もいない時に1人で練習することがある。誰もいない公園で1人ブランコをこぐ(こげてない)図はいかにも寂しげだけど、寂しいとかじゃない。必死だ。
ある日同じ年頃の子がやってきて公園の反対側の鉄棒にとりついた。ブランコに座って考え事してるだけという風でチラと見ていると、逆上がりの練習を始める。できてない。
体育の授業でブランコのテストは無い分こっちは気楽かもな、と思いながら足を曲げ伸ばしてはキイキイ金属音を鳴らしていた。
なーーーんでうまく行かないかなぁ、、、
その時突然、ふわぁっと前に大きく揺れた。おおお!
そのまま大きく後ろに揺れる。おおお!
また前に戻る時、誰かが背中を押してまた大きく揺れた。鉄棒の子だ。向こうもこっちを見てたんだな…。繰り返し背中を押してくれて、伸ばす、曲げる、と言う声に従って足を動かす。何かぎこちないけど、揺れが気持ちいい。でも、自力でやろうとするとやっぱりダメだ。
互いに逆上がりのお尻を支えたり、ブランコの背中を押したりする日がしばらくあって。どうしてもお互い自力じゃ出来ないこともわかってきた。でも絶望感とかはなくて、なんだかこのままでもいいじゃん、て気持ちになってる。背中を押してもらえる嬉しさと、お尻を支えてあげる楽しさと、出来ないことも笑える心地よさで気分がいい。
そのうち出来るかもしれないしね!
「ブランコ」
#319