『ススキ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夫と二人で
ゆっくりと歩いていると
ススキが風になびいていて
綺麗だね
と夫にいうと
綺麗だな
お前が
と言ってこっちをみた
もう
照れるわ
あなたの方が素敵だよ
あのススキの場所へ行こうかな。月もよく見えて、気分があがらなし。今日はいつに増してもとても寒い。着込んでいかいなと風邪をひきそうだ。そういえば、天体望遠鏡があったんだった。せっかくだし、持っていこう。いつか絶対、あの場所へ行くんだ。誰になんと言われようとこの気持ちだけは押し通す。おじいちゃんと見た月。忘れるはずがない思い出。だんだん目の前が霞んで、月がよく見えない。でも、下だけは見たくない。約束したんだ。この場所で。いつか絶対叶えてみせる。
「あ!面白いこと思いついた!」
少し嫌な予感がしたが友に言葉の続きを促した。
「何を思いついたん?」
すると友はばっちーんと語尾に星がつきそうな勢いでウインクをするとドヤ顔で言った。
「"ススキが好き"なんってー!」
しょうもないダジャレにかける言葉も無かったため、とりあえず無言で友の頭にチョップをかましたのだった。
「いったぁ!?」
ーーーーーー
ススキ
くしゃみがとまらない。
はなみずもとまらない。
なみだもぜんぜん、とまらない。
つらい。
つらいつらいつらい。
いっそしにたい。
ぜんぶアレルギーのせいにして。
ススキ
秋のあつ森では
ススキが雑草として生えてくる
風流だから残しておきたいのだけど
秋風になびかれたいよね
今はすぐ冬になるから
ススキ、ススキ
風になびけ。
はなかっぱだったかな。印象に残る話があった。はなかっぱの人々は大人になるとそれぞれが頭に好きな花を咲かせるけど、頭にススキが咲いていたというお話。
もう5年くらい前になるから、はっきりとは覚えていない。ススキは確かに薔薇とか、チューリップとかに比べると地味だけれど、それに勝るくらいの強さがあるんだよ、みたいなお話だった気がする。薔薇の方が華やかだし、チューリップの方が可愛いけれど、やっぱり満月と合うのはススキだと思う。実際、某サイトには、「多数の茎が群がって大きな株となり、頑丈な根を多数周囲に伸ばします。」とある。
なるほど、強いのか。華やかさも可愛いさもないけれど、やはり情緒的な美しさがある。そして強い。そんな人でもいいかもしれない。
「好きだよ」
思わず重なった言葉
どちらからともなく近づいて
微笑む
心が通じあっていると感じて
身体がぽかぽかした
まんまるな
月をみあげて
思い馳せ
今宵は十五夜
ススキが揺れる
お題【ススキ】
緑の葉っぱが生えている
川沿いのススキ達
川の水は
雨が少なくなってから
底が見え始めた
不法投棄された
ドラム缶、自転車…
彼らが、姿を現していた
「川に降りて見よう」
君は凄いね
私はすっかり
地面から動けないのに
足を滑らしたらどうしよう
って動けないのに
ススキを掻き分けて
どんどん川の方へ行く
秋に入って
大分過ごしやすくなった
秋風が
嫌な思考を連れて来る
大丈夫かな
心配で堪らなかった
川の方へ降りた後
思いの外早く
君は帰って来た
足と手に
幾つもの切り傷をつけて
「ちょっと痛い」
ヘラッと笑う君は
夕焼けで赤かった
【ススキ】
ススキというと『幽霊の正体見たり枯れ尾花』なんて言葉がありますね。
意外と大したことなかった、みたいな意味でしたっけ。
枯れたススキ、なんとなくうら寂しくて不気味だったんでしょうか。それとも、ありふれたものの例えなのかな。
まあ、私はホラーの類が大の苦手なので、恨めしげだったり不気味だったりする幽霊の話を書くことは、たぶんないでしょうね。
ススキ
ススキがたくさん生えている。
銀杏の落ち葉を金色の絨毯とと言うが、辺り一面のススキも金色の絨毯と言えるのではないか。
背の高さを考えれば言えないのだが、遠目に見る分には絨毯に見えるだろう。
ススキって、お月見の時に飾るしか知らなかったけど、山に行った時にススキで遊ぶのとか意外と好きだった
「ススキ」とかけまして
「ハンバーガー」と解きます。
その心はどちらも「植物/食物」の一種です。
ススキ 途中
コロナも今より敏感に扱われていた時期に、私は当時付き合っていた彼氏と箱根に行った。平日だったことも相まって、観光地といっても人は少なく、乗ったバスには私たち以外誰もいない、珍しい光景だった。
無計画な人間同士の付き合いだったので、特に調べもせず箱根観光に至った。
ススキ嫌いなの
花粉アレルギーだから
ススキが風に揺れているのを見ると
足早に立ち去ります
情緒もくそもない話
せかいのまぶたがとじてゆき
のこされた符号は星になる
頭の中にならぶのは
きらめく砂になった
巨人達の墓石
輪廻と回帰
胎児にわたし
空と海の割れ目に
落っこちたほんとうを
あつめては積上げる
全部終わった時に何も残らないように
望みつづけよう
始まりにたどり着いたアデロバシレウス
祈りで
願いで
わたしも
あなたも
消し去れるかな
消し去りたいな
嗚呼、
感覚が溶ける冷たさ、光を
魂を削る声にならぬ叫び
瞳を突き破るトルコ石
鬱蒼とした森の奥、ススキの原に囲われた。古い長屋がありました。月の宿と言われるその家は、屋根の茅は剥げていて、壁には蜘蛛の巣が張っています。襖は黄ばんで、一部は破け、夜風がビュービュー入ってきます。
噂では、妖怪たちが棲家にしてるとか、山姥がいるとかありますが、あの長屋がどうして宿屋と呼ばれているのかは、誰も知りませんでした。
長月の頃。ある旅人が長屋の近くを通りかかりました。時は夜更け、彼は途方に暮れていました。
道半ばで迷ってしまい、どこからどうきたかもわからなくなり、暗くなって、明かりもない。そういうわけで、とうとう諦め、岩の上に転がっていたのでした。
空に一点の満月が、雲にぼんやり隠されて、
僅かに森を照らしています。
旅人に奇妙な考えが浮かびました。
「そうだ、月見をしよう。こんなにも月が美しいのだ」
月はぼんやり、団子もない。あるのはススキくらいでしょう。月見というには、あまりに貧相ではありませんか。
へらへらと笑みをこぼしながら、旅人はススキを探そうと、原っぱの方へ駆け出しました。
ススキの原は、茎を左右になびかせて、
白い頭を振っています。まるで踊りか、海の波。そこにすかさず旅人が、半狂乱に飛び込んで、ススキはすっかり折れてしまいました。
旅人もあざだらけ、痛い痛いと言いながら、ススキの頭を取りました。
「よし、これで月見もできるだろう」
戻ろうとした旅人は、奇妙な音を耳にします。
ドンドンドン、響いてくるのは、太鼓の音。
リンリンリン、混ざってくるのは鐘の音。
長屋から聞こえる祭囃子の音。
「もしかして、人がいるんじゃないか」
月見の予定はどこへやら、祭囃子に誘われて、旅人は長屋に入ります。
中は、蜘蛛の巣だらけのシミだらけ、床はミシミシ軋みます。その音をかき消すほどの祭囃子は、ぼんやりとした灯りの一室から聞こえました。
意を決して、旅人が中に入ります。
そこには、動物たちがおりました。
牛に馬、兎に狐、みんな赤あざだらけです。
その上、手足を糸に縛られて、操り人形のように太鼓や鐘を鳴らしては、皆々踊っておりました。
天井には、それを面白そうに見つめる白い蜘蛛が、くるくる回っています。
蜘蛛は旅人を見つけると、お腹から糸を飛ばして、旅人がに襲い掛かりました。
旅人は、慌てて逃げようとしますが、足が動きません。床には糸の絨毯が敷かれていて、既に旅人の足をくっつけていたのでした。
そのまま手足を縛られて、観念した旅人は、宴に太鼓を同じように叩くのでした。
夜明け、雀が鳴き出す頃。
一夜の幻は立ち消えて、長屋はすっかり静かになっていました。いつのまに寝ていた旅人も、日に目覚め、伸びをしました。
旅人が外にでると、ススキの原に道ができていました。穂先の種がポツポツ落ちて、倒れた草木でできた道。
「なんだか疲れも取れて、全身に活力が漲るようだ。きっと神様が助けてくださったのだ」
道ゆく彼の姿を見て、長屋にすくった白い身体の持ち主は、沢山の目を細め、にっこりと笑うのでした。
『ススキ』
冷たい季節になって勘付いていたけど、
なんか違うね、最近私は無垢じゃない。
なにか起きやすい季節だって、ほんとはそこにいるかもだって。
全部だいたい予想ついてるのに、わざと知らんぷりしてた。
今日も急に来たじゃない?急に脅かす君、私になにか言いたいんでしょ?
でも、もうやめてほしいのに、終わらない。
まだ始まったばかりの季節…。
揺れる揺れる君の姿見えない見えない君の姿早くここに現れてくれたらいいのに。
秋なんて名前じゃない不気味な名前、それを呼んでまた足を踏み入れる。
今はもう入ってる。
死んでるならそれでもいいし、神様なら文句言いたいし、色々あるけど
やっぱり気になるな。
なんで今日あの時間あの秒に消したの?
もし何か言いたかったなら、その後、姿を現しても良かったじゃん。
怖がりなの?
なんで?
なんで?
なんで?
すすきを手で抜こうとと思ったより抜けなくて
気づいたらてが傷だらけだった
悔しかったが、河川に生えているすすきはきれいだったのでいいやと思った