『イルミネーション』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
初めて一人で来たの。
本来ならばいたはずの、あなたがいないから、しょうがなく。
甘やかな雰囲気をちらりと見つつ、言葉少なに光の中を歩む私たちは、側から見たら変わっていたでしょう。
でも。私の心に幸福は、静かに、確かにあったことを、他でもないあなたに伝えたいのです。
かつて繋いだ手の温もりが薄れてゆく前に。
いつのまにか、ツリーの前に立っていた。
ああ、こんなにも眩しいものだったかしら。
あなたが隣にいる時は、なんというか、輝いているのに。
とっくに視界は滲んでいたけど、目を見開いた。
私、イルミネーションはあなたと見たい。
「イルミネーション」
イルミネーションが輝く広場を抜けて足早に家路を目指す。
楽しそうなカップルが目について寂しさが募る。鍋をしようと買った白菜と豚肉が入った少し重く感じるスーパーの袋を持ちなおしながら歩く。安いからと四分の一ではなく半分にカットされた白菜を買ったが一人では食べきるのが大変だと思いため息が出た。白いため息が溶けていく。キラキラとしたイルミネーションがあちこちで光る。クリスマスシーズンの輝きに全く関与しない日常、予定も普段と変わりない日々が続くとわかっている。寂しさも慣れれれば日常に麻痺していく。正月の休みは寝正月になりそうだとまだクリスマスすら来ていない中で先を考えて悲しくなる。ふと広場の出口近くに進むと、立っているサンタ帽子を被ったアルバイトだろう人からどうぞ~の声とともにチラシが差し出されたチラシにはポケットティッシュが挟まっている。最近はこうしてポケットティッシュが配られることも減ったと思っていたが年末近くになって予算をかけたのだろうか。笑いかけられて流されるままに思わず受け取ってしまう。なんのチラシかと思えばどうやらカップル向けのレストランイベントのチラシらしい。ポケットティッシュはありがたくもらいつつもチラシには寂しさが募る。
イルミネーションよりライトアップ派だ。
イルミネーションは電飾そのものを見せるもの、ライトアップは対象物を見せるものなので、そもそも目的は異なるが好みとして。
木々や建物をきらびやかに彩るイルミネーションは見ごたえがあるけれど、桜や紅葉、雪などを暗闇から浮かび上がらせるライトアップのほうがしみじみと景色を楽しめる。
イルミネーションを見ると少し寂しい気分になるのも理由のひとつ。
夜の電飾というのは、映画の中の移動遊園地や、暗い部屋で点滅し続けるクリスマスツリーのように、賑やかなのにどことなく寂しい雰囲気がある。
『イルミネーション』
うるさい。痛い。不快だ、厭だ、さっさと消えればいいのに。
目の奥を深く突き刺すような光から目を背けながら、競歩のような速度で石畳を鳴らす。いっそサングラスでもかければいいのか。夜にサングラスをかけた変人だと思われるのがマシか、この苦しみに耐えるのがマシか。
やっと極彩色の電球たちから解放されて瞬きを繰り返す。視界の中を形のない影が漂って、彩度や明度をごちゃごちゃにいじったような不快な色彩が広がっていた。普段は節電を勧めてくるくせに、こんなにビカビカと光らせている。つくづく愚かしい。
こんなものの何がいいのだろう。恋人と見る価値はあるのか。飾りつけるのは家の中のツリーで十分だ。
早く終われ、イルミネーション。そしてファッキン、クリスマス。愛しているよ二十六日。
『イルミネーション』
イルミネーション
車の中から駅前のイルミネーションを見た
「うわ~キレイ」という私のために
少しだけ車のスピードを緩めてくれる
「今度二人で見に行きたいね」とあなたは言ってくれたけど
出来ない約束ならそんなに簡単に口にしないで
あんなにキラキラした
あんなにたくさん人がいる所になんて
誰かに知られてしまうかもしれない
本当は今の私達では行けないところでしょ?
一瞬期待して喜んだあとに現実を知る
あのイルミネーションの輝きとは真逆の世界
あなたの無意識なその一言は
優しさではなく
私にとってはひどく残酷に響いたんだ
「また来年も一緒に見に来ようね!」
目の前を埋め尽くす光の洪水に負けない笑顔で彼女は微笑んだ。
−− 一昨年の話だ。
……去年は結局彼女と一緒に来ることは叶わなかった。
「綺麗だね。また来年も見に来よう」
今は荷物が載っているベビーカーを押しながら、隣を歩く二人に言った。
二対の瞳に反射した光はどの灯りよりもきれいだった。
/「イルミネーション」
街を歩くと、至る所に色とりどりの電灯が灯る。
其れは、冬の日の短さを逆手に取った発明。
この時期、其れは本当に美しく、心奪われる。
寒さの中、だからこそ映える灯たち。
多くの人々の心を明るくする、灯たち。
やはり、いつの時代も灯は…人の心を照らしてくれる。
ふふふ、この感動を…なんと言い表そう。
私には、到底表せそうにない感動だ。
皆は、灯をどう捉える。
あなたにとって、灯とは、どんなものだろうか。
イルミネーション
赤、黄、青
僕の心に刻まれる色
今こうして感じられているのも
ここまで素敵だと思うのも
全部あなたのおかげだよ。
高校3年生の夏、
俺はあなたに恋をした。
俺の心は空っぽで
無関心で、人の心もなくて
目に映るもの全てがどうでもよかった
放課後、茜色に染まる教室
使われていないこの教室は
誰もいないはずだった。
だから、俺は毎日ここにいるのに。
人の気配がした。
覗くと、そこには今にも消えてしまいそうなくらい
儚くて、朧げなあなたがいた
「……何もかも消えてなくなればいいのに
あなたも、そう思うでしょう?」
そう言って、あなたはこちらを見る
なんて返していいのか分からなかった。
何もかもどうでもよかったはずなのに
消えてなくなればいいなんて
俺には到底思えなかった。
それが、俺が消えてなくなることを拒否するのか
あなたが消えてなくなることを拒否するのか
分からなかった。
「…それが、あなたの答えだよ。
何もかもどうでも良くたって、消えてなくなることは
きっと怖くて、辛い。だからあなたは
無関心なんかじゃないよ。きっと、優しくて温かい心を持ってるよ。」
そっか、きっと、あなたは
俺を救いに来てくれたんだろう
ありがとう、そうお礼を言おうと俯いていた顔をあげた
しかし、そこにあなたはいなかった。
このイルミネーションも、きっと、あなたがいなければ
見に来ることはなかっただろう。
こんなにきれいに映っていないだろう。
あなたのおかげで、成長できたよ。
ありがとう。
この時期になると
キラキラと輝いて。
たいした用事もない僕も ウキウキしてるのは確か。
暖かい光のせいだろうか??
なにげに、足取りも軽い。
この、光を見て
ワクワクしたり、ドキドキしたり、ほっこりとしたりする人が世界中に何人いるだろうと思うと
思うだけで、涙が溢れてしまう。
歳だな…
世界中の人々が
イルミネーションの光を見て
ほっこりしてくれるといいなと思う
茶々丸
冬の夜、街は静かに眠りにつく中、
光り輝くイルミネーションが夢のような幻想を紡ぎます。星のような光が街を照らし、心には温かな感動が広がる。
イルミネーションと言えば、『ミニオンズ』つくってる制作会社の名前ですな。
英語版のミニオンズの声は監督が直々あてているらしけど、あれって「ナカーマ」とか「バナナー」とか日本語が入ってるので(バナナは日本語ではないですが)、
たとえばインドネシア上映版ではそこを「サハバー」とかに変えてる?監督が各国語バラバラの吹替をしてるとしたらすごい労力!とかバカなことを考えてたんですが、
でも調べてみるといろんな言語から少しずつ持って来てミニオンたちの言葉を作り上げていってたのですなナルホド。
ところで、アニメ製作会社の名前に「イルミネーション」ってつけるの、すごくセンスを感じる。世の中をキラキラ照らして、非日常な気分をかきたてる幻想的な光の演出。暗い夜を限られた時間、夢のように輝かせて、見ている人に特別な感情を与える魔法的な心盛り上げ装置。それって、とてもアニメエンターテイメントを言い得てる。
私は本物のイルミネーションにはあんまり興味がないんだけど、「イルミネーション」って言葉が持つ象徴性はすごく魅力的に感じる。その儚さやかりそめのイメージ、人々がワクワク集って心温めるイメージも含めて。
あと、イルミネーションはユニバーサルピクチャーズの傘下なので、「ユニバのイルミネーション」というと、ユニバーサルピクチャーズが保持しているアニメ制作会社のことなのか、USJの電飾のことなのか、ちょっと混乱して面白いですな。
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【17】イルミネーション
社会の縮図みたいなクソみたいな環境で、
惨めな気持ちを味わって、強くなると誓って、
強さを履き違えて相手を傷つけた。
今度は間違えないようにと真面目になって、楽しみ方なんて知らないつまらない人生になった。
今度こそはと明るくなって、他人を振り回して傷つけた。いつの間にか嫌われて、人が怖くなって、また顔色を伺うようになった。
変われない。
優しさなんかなんの役にも立ちやしない。
努力なんて空振るしかない能無しだ。
もう自分には何もない。
#イルミネーション
みんな弱い光を出して
みんな違う色を出す
誰かのために努力して
誰かのために我慢する
人には絶対できないことに
私は心奪われる
それが小さな光だとしても-
※BLです。ご注意を。
(続き)
──────
本当なら今日は一緒にイルミネーションを見に行く約束だった。
クリスマスまで1週間。奇跡的に休みが被ったのだ。
クリスマスは華やかで楽しい反面、その裏には恋人との別れ、寂しさなどの負の感情が集まりやすい。ただでさえ人手不足の術師にクリスマスの休日などあるはずもなかった。
だから今日は朝から悟とずっと一緒に過ごすはずだったのに。
朝イチで鳴った携帯を取ると、補助監督から告げられたのは緊急の任務要請。それも場所が近いからといって2件掛け持ちで、傑のテンションはガタ落ちだった。
なぁ、本当に行くの?断っちゃえよ。
そう言って拗ねる悟を宥めて、すぐ片付けてくるから、と出掛けて行ったのが今日の任務だった。
傑は特級だ。その2件の任務は確かにすぐに片付いた。しかし事前の調査不足だったのだろう。2体目を祓った瞬間に現れた、3体目。それが先程のあいつだった。
参ったな。そう思いながらも、このまま放っておくわけにはいかないと、悟に詫びのメールを入れ、任務に集中した矢先の悟からの電話だった。
「悟、一旦手止めな。」
「ふぁ、え、なんで…。」
「私がイっていいって言うまでイっちゃだめだよ。」
そう言った直後、傑は自室のドアを開けた。
傑の顔を見て込み上げたものが途端に溢れ出す。
「あ、すぐるっ…うぁ…くっ、あぁっ…!」
びゅく、びゅくと白濁を吐き出し悟は果てた。それを無表情で見下ろす傑の剣幕に体が強張る。
「ねぇ、…私言ったよね。イったらだめだって。」
「あ…ごめん。だって。」
傑の顔見たら急に気持ち良くなって、と言い訳をしたがもう時はすでに遅し。傑はズボンと下着を膝まで下ろすと、悟の両手を拘束し、そのまま一気に奥まで貫く。
「かはっ、ふっ、あっ…!」
いくら自身で慣らしたとはいえ、質量があまりにも違う。悟はビクン、と身体を弓なりに反らせ痙攣し、突然の凄まじい快感に息ができなくなった。
傑は動かずそっと悟の耳を喰み、悟の呼吸が落ち着くまで待ってから
「お仕置きだね。悟。」と囁いた。
(続く)
イルミネーションが涙に滲んだ
好きな人が「君にピッタリの人がいるんだ」と、セッティングしてくれた食事会
わたしはずっと窓の外を見ていた
どんなに好きでもだめなんだなと思った
"イルミネーション"
太陽が地平線へ吸い込まれ始めた頃、病院近くの大通りの街路樹の横に設置されているベンチに座っている。
ハナは、ダウンジャケットの鳩尾辺りから顔を出し喉を鳴らしている。
ハナが顔を出せるように、と元々胸元まで下げていたファスナーをベンチに座った時に更に下げた。
──おかげで少し寒いけど、我慢我慢。
ハナの頭を指先で撫でながら顔を上げると、視界に待ち人が映った。撫でていた手を止め、片腕を上げて呼ぶ。
「おう、こっちだ」
「みゃあ」
俺の姿を捉えると、こちらに真っ直ぐ歩いてくる。
待ち人──飛彩が俺の数メートル先まで来ると、立ち止まって口を開く。
「済まない。少し遅れた」
「んや、約束の時間の十分前くらいだ。俺が早く来すぎただけから気にすんな」
そうフォローを入れると小さく頷く。『申し訳ない』と言いたげな顔をしながら。
真面目さに小さく息を吐くと、口を開いて聞いてきた。
「ところで、話しとは?」
早速本題への質問をしてくる。一呼吸置いて言葉を紡ぐ。
「もう聞いてるかもしれねぇが、こいつを俺が飼う事にした」
「みゃあ」
メッセージで伝えた方がいいのだろうが、俺にとってとても大切な事なので直接伝えたいと思い、CRの奴らには今日の昼間CRに行って直接伝えている。
その時飛彩は手術中で不在だった為、メッセージで待ち合わせを取り付け、遅れての報告になった。
あいつらから言伝に聞いているだろうが、先程言った通り直接伝えたい事なので戻った後メッセージを送って待ち合わせをした。
伝えると飛彩は「そうか」と嬉しそうな顔でこちらを見る。
「本当はこないだ飼う事に決めたんだが、名前が決まるまではと思って報告はちょい遅れた」
「という事は、名前決まったのか」
「あぁ。名前は《ハナ》だ。たまに力強い鳴き声出すし、どんどん成長していく様を見て『道端に咲く花みてぇだな』って思って」
そう言った後、弁明するように「俺の名前から取ったんじゃねぇから。たまたまだから」と言うと「分かっている」と少し笑い声を漏らす。
──絶対分かってねぇな、こいつ。
少し咳払いをして「済まない」と居住まいを正す。
「子猫の事を良く見て付けた、とても素敵な名前だ」
「……そうか」
少し照れくさく答えると、少し身をかがめてハナの頭を撫でる。「良き名前を貰えて良かったな」とハナに話しかけると「みゃあ」と鳴いて、『もっと撫でろ』と言わんばかりに飛彩の手の平に擦り寄る。
飛彩は一瞬戸惑いの目を向けるが、ハナの要求通りに撫で続ける。
そんな光景を眺めていると、視界の端に光が灯った。少し驚くいて、顔を上げて周りを見渡す。
周りはすっかり暗くなっており、それに合わせ大通りに生えている街路樹の幹に巻き付けられていたライトが黄金色の光を放ち、大通りを彩っている。
「そういえば、今夜からだったな」
飛彩がそう呟くと、そういえば今ぐらいの時期からだったなと思い出し「あぁ」と小さく声を漏らす。
「みゃあ」
俺の小さな声に呼応するように鳴いた。
「綺麗だな」
「あぁ……そうだな」
そう答えて視線を下げてハナを見ると、光で綺麗に彩られた周りを興味津々な眼差しで見渡している。目に黄金色の光が映る。
──この景色が、猫の目にどう映っているかは分からない。けれど、
「ハナの目にも、綺麗に映っているといいな」
俺が心の中で思っていた言葉を引き継ぐように言ってきた。
少し驚いたが、表に出さぬように顔を上げて改めてライトアップされた大通りを見渡す。
「……だな」
──俺達と見えている景色が違っていても今の、この景色がハナの目にも綺麗に映っていたらいいな……。
「しばしこのイルミネーションを見てから帰るか」
「俺は良いけど、てめぇは大丈夫なのか?時間……」
顔を飛彩に向けて聞く。
──確かメッセの中に「夜中にも手術がある」って書かれてたはずだけど……。
「問題ない。少しくらいの時間はある」
そう言って俺の隣に座ってきた。
「……そうか」
少し口篭るように返事をする。
──男二人並んでイルミ見るとか……。
そう思いながらも、三十分程冬の寒空の下で二人と一匹、同じベンチでイルミネーションを眺めた。
【イルミネーション】
今日から、俺の好きなこの街で
イルミネーションが始まる
街はクリスマスという光の魔法にかかったのだ
しかし、俺だけは闇の魔法がかかってしまう
君が隣にいない
「どうしちゃったんだろうな。俺。」
俺は君のことを部活の先輩としか思っていなかったのに、
優しくて、クールな見た目とは反対のノリの良さ、後ろ姿、仕草が全て美しく見えてしまった。
知らない男と話しているのを見ると変にモヤモヤして嫌で、苦虫を噛み潰したような気分だった
俺はその時、ひょっとして恋をしたのではと思った
何度も「恋」と検索にかけては、履歴を消した
誰にも相談なんてできなかった
気付けば、目で追っていた、偶然学校の廊下ですれ違うことを祈っていた、毎日君を見たかった
でも、君は俺のことをただの部活の後輩としか思っていないと思うと辛くて仕方ない
特別でいたいのにと 駄々をこねてしまう
そして、去年俺は君とこの街のイルミネーションを見に行った
部活の買い出しで二人きり
それはとても嬉しかった
イルミネーションと君
どちらも美して、堪らなかった
でも、今日
俺はこの恋を自分で終わらせた
俺は君のことを意識しないように、忘れるようにと願ってしまった
ありがとうございます、先輩
俺、初めて恋の甘酸っぱい感覚を知ることができて
ありがとうございます、先輩
俺の ヘンテコな恋に付き合ってもらって
「俺ってヘンテコだな。」
自分はきっと違うと思っていたのに
去年、恋してしまったんだ
『同性』の部活の先輩に
初めて『同性』を好きになった
『同性が好きになった』なんて、
恥ずかしくて、怖くて、不安で言えなかった
もうそんな苦しみからも解放されるね
先輩と見たこの街のイルミネーションを見ながら、
僕はいつの間にか光の魔法にかかった気がした
#イルミネーション
光り輝くその場所で
今夜2人で身を隠そう
「イルミネーション」
去年は1人で見たイルミネーション。
今年は君と見ることが出来るかな?
他の人じゃだめなの。
君じゃないと意味ないの。
イルミネーション輝くのは
私の瞳の中
イマジネーション溢れるのは
私の頭の中
フラストレーション抱えるのは
私の心の中
そんな私の中のシチュエーション