『もう一つの物語』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
もし
あの時
こうだったら
そうしていれば
わたしは
今頃
どんな人生を
送っていたのかな。
違う仕事をしてた?
違う人と結婚してた?
子供が出来てた?
いや
今
生きてない
かもしれない。
違う人生なんて
いくらでもある。
それでも
こうして
生きてるから
きっと
この人生で
💮なんだ。
#もう一つの物語
もう一つの物語
昔、高校の先生が、私はあの飛行機に乗るはずだったんだよ、と言った。先生の穏やかな口調に対して一瞬息を止めてしまった事を、私はよく覚えている。
あの高校に合格しなかったら、あの会社に入らなかったら、あの人に出会えなかったら。
いくつかの大きなif。そして日々の小さなifでは、あの電車に乗らなかったら、等々。
そこには必ずもう一つの可能性があって、その一つの選択で人生が変わっていたかもしれない。普段は意識しないその紙一重の重み、生きている幸運を、痛ましい事故のニュースなど聞くと先生の言葉を思い出し考えさせられる。
あの日、あの場所に私がいたら、もしくはいなかったら?
今ごろどんな物語が始まっていたのだろう。
#72
【もう一つの物語】
世界を恐怖で蹂躙した悪の魔王は、心優しく勇敢な勇者たちに倒されて、人間たちは魔王に支配され使役され続けてきた哀れな魔族たちと手を取り合い、世界には平和が訪れました。めでたし、めでたし。
子供たちの寝物語として世に広がった、この国の歴史を描いた物語。勧善懲悪な英雄譚。デフォルメされた可愛らしいイラストの表紙を指でなぞって、小さく息を吐き出した。
魔族が迫害されることなく生きられる未来のために、悪に徹した王。種族間の争いは絶対悪を処断しなければ永遠に終わらないと判断し、自らを犠牲とすることを選んだ愚かな王様。
(僕の敬愛する王は、今でもあなた一人だけだ)
夜空にリュートを爪弾き、歌を奏でる。世界中を旅しながら、僕は吟遊詩人として彼の物語を紡ぎ続けるのだ。たとえ世界に普及した魔王の物語は変わることはないとしても。人々の中で彼は悪でしかないとしても。そうでなかったということを、せめてもの抵抗に僕だけは語り続けたいから。
魔王の側近として生きた僕だけが知る、もう一つの物語。たった一人の僕の王様への哀悼を込めて、僕は声を張り上げた。
いつもつまらない一日、つまらない日常、つまらない職場、つまらない家…
そんな私にも新しい心の拠り所が出来た。もう一つのあたしの世界。もう一つの物語が今始まる。
勇者は魔王を討伐し、世界に平和が訪れた。
しかしその一方で、虐げられていた魔族はさらに窮屈を強いられる羽目になる。
それが語られないこの世界のもう一つの物語。
討伐するだけでは、解決には導けないのだ。
「もう一つの物語」
プルルル…プルルル…
鳴り止まない着信音
日々の生活に疲れた私は会社とは反対の電車に乗り海に来ていた
昨夜、天候が荒れたせいだろう、浜辺には色んな物が流れ着いていた
カギ爪、ドクロの旗、イカダセット
生まれ変われってことか…?
私は大海原に漕ぎ出した
本日は快晴なり
………
財布から別れた妻の写真を取り出す
未練がましい奴め…生まれ変わるんだろう?しっかりしろ
私の上空を旋回していたオウムが肩に止まった
「船長!船長!奥さんデスか?奥さんデスか?」
「船長?ああ…そうだよ、綺麗だろう?」
「………」
「綺麗だろう?」
「や、やさしそう、やさしそう!」
「………」
「船長!ソマリアはあっち!ソマリアはあっち!」
「海賊王か…悪くない。行くか、ヨーソロー!」
「ヨーソロー!ヨーソロー!」
これは後に「海賊にやられた男」と呼ばれる負け犬の物語である
今日は右に、明日は左に
曲がった先に何があるかは知らない
わかる術もないから、示すことができない
それが勿体ないような気がして
想像してみるしかなくて
と、書いている私
読んでいるあなた様
もう一つの物語
魔王が殺されたのならば。
それ以上に恐ろしい生き物がいるということ。
擁護する国、保護を保証する国、何かあったときの責任を問う国。
(何かあったときって…一体なんだよ、オレ達は珍獣扱いかよ…!!)
各国が、魔王を倒した英雄達の奪い合いと安全性の保証を求め始めた。
確固たる後ろ楯を持つ者は良かった。
だがいつまでも保護しきれることもなくて、かつての仲間達は散り散りになっていった。
占い師の少女は、街の細い路地にまで追い詰められてしまった。先読みの術で自分の運命を読むことは禁じられている。それが今の状況を作っているのに、人間どもはそんな事も分からないのか…。
「私は恥ずべきことは何もしていません」
娘は、逃げることは自分の非を認めることだと言い張るのだ。
追尾型の魔法の網が飛んでくる。
「きゃ!」
身を固くする娘を、オレは固い金属の身体でかばった。ばちっ!と魔力が飛び散る。
「もうこの国を出よう」
「私は! 悪いことはなにもしていません!」
「お前さんの言い分は分かるよ…でもな。 一般の人間にとっちゃ、オレと同じくお前さんは得体の知れない生物でしかないんだ」
オレの発言に少女の顔が蒼白になっていく。ここまでろくに休憩も取って来なかったんだろうな。
「小言は後で聞く」
「小言って……きゃ」
片腕で少女を抱き寄せると、魔物じみた…と揶揄られる跳躍力で路地裏のガラクタを駆け上り、屋根伝いに走り出す。
「待…っ」
「口閉じてしがみついときな! 舌かむぜ!」
娘の身体は、走るにはなんの障害にもならないほど軽い。
こんなひ弱な少女に大の男どもは何を怯えているのかね。
「オレに浚われちゃくれねぇか。なぁ」
人間にやるには惜し過ぎる。
娘からの返事はないー。
揺れる肩口にしがみつきながら、少女は泣いているようだった。
(光に進まなかった方のお話)
国を出て1週間。
そろそろ雨風をしのげる屋根のあるところで休みたい。欲を言えば柔らかなベッドとお風呂と食事にも。
私たちは人の目を避けるように街道を避けて旅を続けていた。
軽い山道で、そろそろ正午を過ぎた頃。
汗をかいた額に山の風は心地良い。少ししたらぐっと気温が下がるのだろう。
「大丈夫か」
どうして今気遣われたのか分からない。
「大丈夫ですよ」
「言い方を変えよう。お前さんは弱音を吐かないもんな」
困ってしまって黙っていると、彼は腕に掴まるように指示してきた。
「寄りかかれ。こんなところで倒れられたら厄介だ」
わざときつい言い方をされた。だめね。気遣われてばかりで情けなくなる。
「私たち……」
「ん?」
一度でも優しくされたら、栓の無いことをこぼしてしまいそうで怯えていたのに。お前さん一人ぐらい守ってやるよと、余裕のある笑顔をしてくれる。それが辛い。
「私たち、どこへいけばいいんでしょう」
「分からんが…どこかにあるはずだ。誰もオレたちを知らない集落がな」
「私たちの関係は、どうしますか」
「お姫様と従者…とか」
「無理がありますよ」
ふふ、と笑ってしまう。彼の優しさが染みる。
「じゃぁ…夫婦…とか。どうだ」
山からきた風が吹く。
ふくらはぎの疲れもやわらいで山道が少しだけ楽になる。
「夫婦…」
「よろしく奥さん」
少し前にいく彼が、いつの間にか外れていた腕を差し出して待っていてくれる。
私は…甘えてもいいのだろうか。思いが溢れそうになりながら必死に付いていった。
韓国ドラマにはまっています。
おすすめの中のひとつ『私たちのブルース』。
オムニバス形式のドラマです。
そこに住む人々それぞれの”もう一つの物語”。
素敵なヒューマンドラマでした!
お題『もう一つの物語』
普通に過ごしていただけだった。
ただ、楽しくて幸せにずっと過ごしていけると思ってた。
なんで死んでしまったのだろう、
なぜあの時トラックは信号無視なんてしたんだろう、
もっと俺が周りを見ていれば死ぬこともなかっただろうか
「あぁ、前の人生に戻りたい。」
俺はそう思う事しか出来ない。
もしも、神様がいるのならば、俺をこの物語で幸せにしてください。
私に出会った人達が
どう生きて行くのか
もう一つの物語
もう一つの物語。物語と言われて真っ先に思い付くのが指輪物語ことロードオブザリングなんだけど原作も映画も見たことないんだよな。
昔まだテレビを見てた頃にCMとかで心に刻まれたんだろうな。こうして考えると昔のテレビの影響力ってやっぱすごいな。
それはそれとして今日はジャンプの発売日だったから感想でも書こうかな。
俺の一押しは鵺なんだけど今週は呪術とままゆうがよかった。
まずは呪術を読んだけどすげー面白かった。画力と話のクオリティが合わさってめっちゃいい。
コミカルに話を進めてちょいちょいシリアスを挟んで不気味さをはらんだヒキ。完璧だったな。これはドラゴンボールやワンピースに並ぶ格の作品だ。
ままゆうは今週よかった。最初のページの格闘シーンは迫力不足ではあったけどそれ以外はいい感じだった。
特に新キャラの魔王はいいキャラしてる。これなら打ち切りにはならなそうでちょっと安心。まだ油断はできないけど。
鵺は説明回というのもあってちょっと地味だったかな。鵺の本体お披露目だったけど本誌で読んだからつぶれててよくわからなかったのが残念。
電子版だとくっきり見えたらしいから電子版で読んでたら感想も違ったかな。やっぱり時代は電子版に移行しようとしてるな。
他はワンピースもそこそこよかった。キルアオは日常回的なのでおとなしめ。カグラバチはどうだろ。いまいちピンときてない。
ジャンプって読んでる作品少ないんだけどクオリティが高いから満足感あるわ。男はいくつになってもジャンプなんだよな。
私は彼が好きだった。
1年ほど付き合っていたが、相手から好きと言われたことは1度もなかったのだ。
自暴自棄になり自傷行為や自殺未遂に走る。
それでも彼が好きだった。
ある日、もう無理だ、と本能的に悟った
ついに限界がきたのだろう。彼に別れを告げた
それから3年、私は結局彼を引き摺って髪の長さすら変えることができない
自分の気持ちを伝えなければ彼を忘れることが出来ない
そう思った私はLINEを通して思いの丈を綴り彼に送ったのだ
私のこと別に好きじゃなかったやろ、なんで付き合ってたん?
好きやったよ。
そう、私はまだ好き。
ごめん。
彼の物語を終わらせたのはわたしだったのだ。
あの時別れを告げなければ、今頃。
「どうか次も当たりが出ますように」クジ引くように我はきみと居り
願わくは今はふたりを振り捨てよ月を飛び越え駈くるパンプス
お題 もう一つの物語
もう1つの物語。
想像してみるといい、それだけで存在しし始めるのだから。
ロッチヴァン・ウィアーは1つの本を開いた。「フルーツ・ウェルカム」。
本を開くと、1ページが光る。ロッチヴァンはそのページへと入った。
目をパチクリしながら、辺りを見渡すとそこにはフルーツ食べ放題の国だ。
ロッチヴァンはその国で、奇妙な体験をする。
もう1つの物語。
「もう一つの物語」
いつどうなるかわからず不安で
お腹も空いてあまり動けない
明日をも知れぬ命がテレビの中に
お腹がいっぱいでうたたねして
とりあえずスマホ片手にダラダラしている自分
不安な気持ちと今を生きてる時代は同じ
ただ生まれた国が違うだけ
平行線のこの世界 もう一つの誰かの物語
もう一つの物語
このタイトルで浮かんだのは、
「はてしない物語」
ミヒャエル・エンデの小説でのこの言い回し
けれどもこれは別の物語 いつかまた 別の時に話すことにしよう
面白そうなエピソードの後ろにつけて、
話を本筋に戻す
子供に読ませたい本は、
同じ作者の「モモ」や、
ジュール・ヴェルヌの
「海底二万里」の続編ともされる
「神秘の島」
いいよねえ…
「ひとつの物語Aに主人公Bが存在したとして、
Aの『続編』ってことで『もう一つ』なのか、
主人公Bの相棒キャラC、『別視点』から見るか、
物語Aと時間軸はそのままで、『場所だけが遠く離れてる』物語Dのハナシか、
なんなら物語Aの中で語られてる物語D、つまり『劇中劇』のことか。
ひとくちに『もう一つ』っつっても、種類は多々、まぁまぁ豊富よな……」
俺が毎回投稿文の上下を「――――――」で区切るのも、「もう一つの物語」か。某所在住物書きは大きなあくび一つして、コーヒーを胃袋に流し入れた。
ほぼほぼ寝ていないのだ。ソシャゲの周回サポートが今朝で終わるから。
「その頭でハナシ考えるの?2個も?」
無理では?物書きはまたひとくち、コーヒーを飲む。
――――――
「もう一つの物語」。簡単そうで、なかなか攻めづらい気がするお題ですね。こんなおはなしをご用意しました。
最近最近の都内某所、森の中にある某稲荷神社敷地内の、一軒家に住むのは化け狐の末裔。
人に化ける妙技を持ち、ネズミを食わず、キッチリ水道水を使うがゆえに、狂犬病ともエキノコックスとも無縁な、物語的に非常に扱いやすい善き狐です。
人の世で生活し、人の世で就職し納税し、あるいは子供を孫を育てながら、幸せに、仲良く、人々の営みを見続けています。
そんな化け狐家族の末っ子は、お花とお星様が大好きな食いしん坊。
星の形のお花が咲く場所、おいしい食べ物を食べられる場所は、そこそこ、知っているのです。
今日の都内は最低気温が11℃。換毛期真っ盛り、まだモフモフ冬毛の生え揃っていない子狐には、ちょっとだけ、朝夕がこたえます。
このままでは、コンコン子狐、寒くてこごえてしまいます。何かあったかいものを食べて体を温めようと、子狐はしっかり人間に化けて、最近都内に越してきた魔女のおばあさんの喫茶店に向かいました。
去年の今頃、パンプキンポタージュとポテトのパンケーキが、とってもおいしかったのです。
あれを、今年も貰いに行こう。
子狐コンコン、ゾンビの仮装してる人にビビってめげそうになりながら、しょげそうになりながら、頑張って喫茶店を目指しました。
なんで最近、妖怪の仮装してる人が多いのかしら。
なんで最近、顔に絵の具塗ってる人が多いのかしら。
「それはね。明日が、ハロウィンだからよ」
チリンチリン。子狐が喫茶店の扉を開けると、涼し気なドアベルの音が、子狐を迎えます。
「日本のハロウィンは、私の故郷のとはだいぶ違うけれど、おかげで今の時期は私のような『本物』が歩いてたって、誰も気にしないの。皆、コスプレだと勝手に思ってくれるから」
さすがに魔法は人前じゃ使えないけれど、ね。
魔女のおばあさんは優しく、とても優しく笑って、コトコト煮え立つ魔女の小釜から、ポタージュをすくって子狐のスープジャーに入れてやりました。
「おばちゃんのおうちでは、明日、どうなるの?」
「さぁ、どうなってるかしら?」
「みんな、妖怪の格好してるの?みんなお顔、絵の具塗ってるの?」
「おみくじケーキが楽しいわ。それから、焚き火がとっても綺麗よ」
「たきび?」
「日本のハロウィンでは、焚き火もおみくじケーキも、やらないわね。別々の国、もうひとつのハロウィン、もうひとつの楽しみ方。私は良いと思うわ。迷惑さえ誰にもかけなければ。
ほら、あなたも」
はい。Treatsをいくつか、どうぞ。
スープジャーにフタをして、ちょっと大きめのランチボックスと一緒に、
魔女のおばあさん、子狐に料理を手渡します。
「もう一つのハロウィンを楽しんで」
子狐がランチボックスのフタを開けると、中にはいつか食べたポテトのパンケーキと、葉物野菜がシャキシャキしてそうなポテトサラダ、それからいくつかの甘くて幸せそうなお菓子が、たんと、たんと詰められておったのでした。
魔女と、子狐と、本場からかけ離れた「もう一つのハロウィン」の物語でした。
おしまい、おしまい。
ストーリーとは別のもう一つの物語の英訳
ナラティブ 人はストーリーではなくその中にいる
ナラティブには語り手の恣意的切断が常に含まれる
有限である人間は認識の段階で恣意性が働く
超越者の持つ究極の客観性に対する語り手の主観
それを通して保存される記憶にはさらなる恣意性が働く
ナラティブには何重にもそんな編集が行われている
有限である存在が故にありのままの現実を直観はできない
もう一つの物語
誰もが持つ、もう一人の自分と
もう一つの物語。
ふたつの間で葛藤しているかもしれない。
真逆なこともあるだろう。
受け入れられないことも。
認めたくないことも。
だけど、もう一つの物語だって自分が
主人公の物語だから、どちらも自分なんだ。
無駄なことなんて何もない。
今はわからないかもしれないけど、
必ず最後には一つの物語として、まとまる。
たくさん葛藤しよう
たくさん苦しもう
たくさん泣こう
全てはかけがえのない財産となる