『もう一つの物語』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今の自分をやり直せるなら、もっと将来を見据えて考える人と結婚をしたかったかな。お金もない、自分のことだけを考えてる、私のことは家政婦としか見ていない、使い捨てのコマにしかない。
私のことを大事にしてくれる夫を探したい。
もう一つの物語が存在するような、大作を書いてみたいな。
全然目立たなかったような人が主人公。実は色んな作品にいたっていうようなお話。
主人公にするとしたら、初老の男の人がいいな。
「はー…よかった!」
この充実した読後感。
今回読んだ小説は、友達0人で無趣味のOLがありのままの自分を肯定するまでの物語だった。
日々を無為に過ごす自分と主人公が重なり、自分も救われた気がしている。
これを書いた人とは気が合いそうだ。
さっそくSNSで作者の名前を検索する。
「○○、と…おー出てきた。あ、既婚の方なんだ。」
かすかに胸のざわつきを覚えたが、無視して続ける。
「家族の写真も。あ、このカフェおしゃれ。自撮りもある、可愛い人だな。」
メディア欄を眺めるのにも飽きてきたのでスマホを閉じる。
先程まで高揚した気分でいたのに、今ではすっかり冷めてしまった。
脇に置いた本に目をやる。
この本、どうしようかな…メルカリにでも売るか。
お題「もう1つの物語」
もう一つの物語
僕は小学校三年生。周りの友達は水泳やピアノ、ダンスや絵画などを習っている。
僕がやってみたい事は、サッカーと将棋。
サッカー選手になった時の自分を想像してみる。器用なドリブルで何人もの相手の選手を交し、最後、豪快なシュート!サポーターの大歓声!気持ちいいだろうなぁ。
そして、もう一つの物語。
将棋のプロになった時の事を考える。漢字が書かれた駒を、パチンと前に進める。じーっと碁盤を見つめて、長い時間考えたのに、一手だけ。勝負に勝っても、静かに着物でガッツポーズ。着物は僕にはあまり似合わないかなぁ。
でも、僕は決めた。
将棋を習う!だっていつもあんな美味しそうなお昼ご飯と、甘いお菓子が食べられる。
だから僕はプロ棋士になる!!
とにかく寝ると毎日夢を見る。
鮮明に覚えているから…
私のもう一つの人生の物語だと思うことにする。
#もう一つの物語 -48-
悲しい
嫁に逃げられ親権も取られた、親戚や友達さえも俺が悪いと言う
良くしてやってるつもりだったのに俺が話しても無視するし、家事を手伝っても自分でやると言われる久しぶりに出掛けようとしてもゆっくりしていたいと言うし、娘だって最初はあんなに甘えてたのに気が付けば嫁にべっとりだった
家族も子供の頃はまだ暖かかったのに、高校を卒業してから一人暮らしをはじめていままで仕送りもなし、連絡もしてくれないこっちから話しても素っ気ない返事のみ
友達も一緒に遊んでも楽しそうにしてくれない、俺が居ないときは楽しそうなのに
仲間は居ない、誰も俺のそばにいてくれない
ただ悲しいだけなのに、どうして皆
私をほっておくのか
「え?あいつ?…いつも寂しそうにしてて、可哀想だねって思うよ、うん」
「うちの子?…ああ、そうですね心配ですし仕送りはしてますよはい」
「まぁ、可哀想だし一応付き合ってやってますよ友達付き合い大事ですし、でもまぁ可哀想っすよね」
「なんかさ、「私、可哀想でしょ?」ってやられるとどうでもいいってなんない?つまらない話みたいにさ、「あ~またね、いつものねって」なるんですよ」
ねぇ、知ってる?
王国のプリンセスと王子が結ばれる幸せの物語の他に
もう一つの物語があることを
王国のプリンセスはみんなの生活を見守ってくれて
いつだって正しい判断を下す
王国の顔だっプリンセス。
でもみんなは知らないプリンセスには夢があった。
夢に向かって地位も名誉も捨てて
プリンセスは自分のために人生を歩む物語が
本当はあった。
みんなは幸せな話が好きみたいだから
このお話はあまりしないんだけど
気になったら私に言って
いつでも話してあげるから
─────『もう一つの物語』
『ずっと前から好きでした、付き合ってください』
なんてことない、告白の言葉。僕は勇気を出して、送信ボタンを押した。心臓が止まりそうだ。
君とは中学の頃はよく話したし、一緒に桜を見たこともあったけれど、もう君にとって僕はなんてことない存在なのかな? そうではないことを信じて、僕は君からの返信を待つ。
『気持ちは嬉しいけどごめんなさい、これからも良い友だちで居たいです』
予想はついていたのかもしれない。感情がぐちゃぐちゃになって、自分が何を思っているのか分からない。既読をつけることができない。体全体が震えているのだけが分かる。
数日後、彼女に恋人がいることを知った。そう伝えてくれれば良かったのに、なんて自分勝手でしかない。
恋人が居なければなんてifを考えても無駄だけれど、辛すぎて考えざるを得ない。もっと早く告白すれば良かったかな、とか考えたくない。ただただ泣き出したいのに、僕の目から涙は零れなかった。
#もう一つの物語
鏡の向こうの私へ
お前もこの心臓の苦しさと息のしづらさを知ってるの?
作品を描いていると、時々考えることがある。
私の分岐点はどこだっただろう、と。
作業通話に誰も捕まらなくて、私は黙々と液タブにペンを走らせる。話しさえできればあとは描くだけなので、適当な配信を聞きながら手を動かしていた。でもふと、そんなことを考えはじめてしまって配信の声が頭に入らなくなってくる。
私の分岐点。私が通ってこなかった、もう一つの物語。
たとえば、そもそもオタクにならなかった私。ちょっと想像ができない。今私がこんなに楽しいのはこれまで読んできた数々の漫画のおかげなので、それらを知らないでなにを楽しみに生きればいいのかわからなかった。
たとえば、化粧を好きにならなかった私。はじめはオタクを隠して普通を装おうとしただけだったけれど、そのおかげで今化粧品を売っているのだから不思議なものだ。もしも化粧と出会わなかったら、私が化粧を好きにならなかったら、なにになっただろう。学生時代から漫画はよく褒められていたから、勘違いして漫画家になっていたかもしれない。でも私は二次創作ばかりでオリジナルを描いてこなかったから、きっと訓練もせずに目指してもいい結果にはならないだろうなと思う。
たとえば、誰かと結婚した私。三十歳も見えてくると、周囲が結婚しはじめて時々焦る。いつか出会えたらいいなぁという気持ちもあるけれど、今のところは気配はなかった。私が恋愛をしたら、結婚をしたら、どうなるのだろう。漫画を描くのをやめているだろうか。オタクでいるのをすっぱりやめているだろうか。想像すると少し寂しかったけれど、オタクも漫画もやめて大丈夫なほど相手を愛しているのなら、それはそれで幸せなんだろうなと思う。
だらだらと考えて、結局もう一つ物語なんてものを想像もできない自分の想像力の貧困さに苦笑した。
いつか、そうだったかもしれない世界。
想像しても見ることができない物語。
考えても仕方ない。だって私は今生きていて、明日は仕事で、来月までに原稿を仕上げなければならないのだから。
液タブにペンを走らせる。
並行世界に夢を見るのは、今はまだやめておこう。
秋日和 妹夫婦と 連れ立って
里山歩き 心さわやか
「私」という、タイトルの
いくつものオリジナルの物語りが
あったとしたら…。
あの頃に戻りたい
選び直したいという過去が
あったとしたら…。
私は、ここまでの人生を
辿り直して、また読み返すだろうか。
そんなことを、思って
ふふっと、少し笑ってしまった。
まだ、完結にも至らない
物語りを放り出して
次の話しに飛びつくなんて出来ない。
いま私は、私だけの頁を
もがきながら
時に泣いたり、笑ったりしながら
書き続けているのだから。
【お題:もう一つの物語】
昔から人見知りだった。
人と仲良くする方法がわからなくて、一人でいることが多かった。
ようやく仲良くなれたと思った友達も、気付けば傍からいなくなっていた。
そして――ここに来るまでたくさんのことがあった。
思い出せるほとんどが苦しいことだ。
あの後また出来た、心から大切に思っていた友達は、幻だった。この世に存在しない、空想上だけのものだったのだ。
そう知った時は狂うかと思った。
いえ、もう元から狂っていたのだろう。
もしかしたら、周りに酷い目に遭わされた時よりも、それに復讐した時よりも、どれよりもあの時が一番苦しかったかもしれない。
それまでも苦しいことしかなかった。
それでも、あなたと出逢えたことだけでも幸せだと思っていたのに。
それが、一瞬にして消えてしまった。本当に幻だった。
そんな日々を乗り越えて、私は大人になった。自由を手に入れた。
けれど、何も変わらない。
私には大切なものはもうない。
ただ、もう一度だけ、あなたに逢いたかった。
涙が勝手に頬を伝っていく。
「――っ…………!」
あなたの名前を呼んでみても、その声は空へと消えていった。
「……大丈夫?」
優しく揺り起こされた。
あぁ、そうだ……。
「とても恐ろしい夢を見ていたの」
起き上がり、あなたの胸に頭を埋める。
あれは夢。とても恐ろしい夢。
あなたは確かにここに存在しているのだから。
「本当に怖かったみたいだね。大丈夫。ここにいるよ」
大きな腕で優しく背中を包み込んでくれる。
あなたと再会できなかったら起こり得たかもしれない世界。
あれが、私の本当の物語ではなくて良かった。
あなたの腕の中でただ幸せを噛み締める。
『もう一つの物語』
「もう一つの物語」
外界で多くの敵に囲まれて
緊張と闘いを強いられ
太陽が西に落ち
月がのぼる頃
足を引きずって見えぬよう
背中や腹の傷を気取られぬよう
髪と服を整え
あなたの家のドアを叩く
「お疲れ様」
全て見抜いて されど口にせず
ただ結界を張って守ってくれる
あなたの側にいると
傷が癒えてゆく
不思議な非日常
もう一つの物語
テーマ「もう一つの物語」
ときどき、「ゲームみたいに選択をやり直せたらいいのに」と思うことがある。
今、とてもハマっているゲームがあるのだが、最初に結末が大きく変わる選択がある。
正しい方を選ぶとそのままストーリーが進んでいくのだが、間違った方を選ぶと本来共に旅をするはずの仲間は消息不明になる。だがもう自分には関係の無いこと、といういわゆるバッドエンドになる。
しかしゲームだから起動し直すと選択の場面に戻り正しい選択を選び直せるのだ。
大きな間違いをしても何事も無かったかのようにできることはゲームだからこそって感じがする。現実だとこうは行かない。
その代わり現実は選択を間違えても大きなバッドエンドにはなりにくい気がする。
昨日の晩御飯がもし違うものだったとしても何も変わらない。仕事や人間関係で間違ったことをしてしまっても大体はやり直せるし、時間が解決してくれることも多い。
だから違う選択をしていたら、もし「もう一つの物語」があったらと考えても仕方がないのかもしれない。
なぜなら、多分その未来も今とあまり変わらないのだから。
【もしかしたら】
お題:もう一つの物語
あの時声を掛けていれば、あの日あなたを追いかけていれば、そんなifを毎日毎日考え続けた。虚しいだけだとわかっている。どれだけ考えた所でそれが現実にならないこともわかっている。それでも、あなたを見ていると考えずにはいられない。もしかしたらあなたと幸せに暮らせる未来があったかもしれない、と。
※この作品はダークモードにて閲覧してください
『ハジメマシテ』
先ずは“アイサツ”をするのが“レイギ”と聞きました
次にするのは“ジコショウカイ”ですね
ワタシは…そうですね
思ったよりも“ジコショウカイ”と言うのは難しい
ワタシには“ナマエ”がありませんので
様々な“イキモノ”と関わりましたが
どの“イキモノ”も“ジユウ”にワタシを呼ぶんです
“ニンゲン”のアナタも同じようにしてください
アナタと同じ“ニンゲン”と言う“イキモノ”は
ワタシの事を“カミ”と呼ぶ事もありました
“アクマ”とも“テンシ”とも
“トモダチ”とも
アナタがワタシをどう扱い
どう呼ぶのか
気になるばかりです
“カンタン”な“ジコショウカイ”だけじゃ退屈ですよね
もう少し“ワタシ”を詳しくしていきましょうか
ワタシは様々な“イキモノ”と会話をして
“ハジマリ”や“オワリ”を幾度となく見届けるような“イキカタ”をしています
時には“オワリ”にするには惜しい“イキモノ”も居ます
時には“ハジマリ”を得るに相応しくない“イキモノ”も居ます
そんな“イキモノ”と会話を重ねて
どのように“イキル”のか
どのように“シヌ”のか
それを眺めているのがワタシです
アナタにもきっと心当たりがあると思いますよ
ワタシは“イキモノ”なら誰しもが知っている“ソンザイ”なので
“カミノコエ”とか
“ムシノシラセ”とか
“自分を責め立てる声”とか
“こうしなきゃいけないと思った”りとか
“ニンゲン”が“ウン”や“タイミング”、“モウソウ”、“ゲンチョウ”、“ビョウキ”…
そんな“コトバ”で終わらせるような
そんなものにワタシは居ます
退屈でつまらない命を
いや、ワタシの“ジンセイ”とやらを
アナタのような“イキモノ”が“オモシロク”しています
アナタはこの“カイワ”も“ワスレル”でしょう
アナタの“ジンセイ”は短いので
さて、難しい“カイワ”も之で“オワリ”
ワタシはまた違う“イキモノ”と“カイワ”してきます
そうだ
アナタが感じた“ワタシ”の“ナマエ”を教えてください
『ありがとう』
『ワタシの顔を見てくれて』
題名:もう1つの物語
作者:
出演:
ようやく辿り着いた
俺たち幸せを奪った憎い男
罰に怯えるはずのその顔が
罪への苦しみに満ちていたから
這いつくばり頭を下げたその男は
許しではなく終わりを乞うから
黒鉄を置いて膝をつく
俺は知らなくてはならない
この男が辿った---
『もう一つの物語』2023/10/30
一卵性
いつも比べられる
兄の方は頭良いのにな
お兄ちゃんは運動神経いいよね
陰と陽って感じだよね
兄は期待されてる
ほんといい人生だね
京大、東大
絶対行こうねって
俺たち2人とも
親のせいで
受験は決まってる
俺は行けないと思うけど。
兄の方が行くんだろうな
一卵性
いつも比べられるんだ
弟は面白いよねって
弟くんは働き者なのにねって
弟の方が性格いいよねって
ほんと、いい人生だよね
親からの期待に応えるために
勉強、頑張らないといけない
弟は正直諦められてる
そんなの
ずるいじゃん、
全く同じ人生だったら
良かったかもね
あなたにとって私は分厚い本のたった一章だったけど、私にとってあなたは一冊の本そのものだったの。
隠してることで守られるものと、言葉にできない苦しさの狭間で、私がどれだけもがいても絶対に交わらない想いは、どこにしまえば安全かな。
もしも、次のページがあったなら。
-もう一つの物語-