『また会いましょう』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
また会いましょう
また会ってもらえるかな?
すごく不安なんだ
今日の僕は大丈夫だったかな?
君に楽しいって思えてもらえたかな?
また会いたいって思ってくれたかな?
この言葉を伝えるとき
ほんとに不安なんだ
また会いたいけど
君はどう思ってるのだろう
勇気が必要な言葉
また会いましょう
またあいましょう
再会を願う言葉、というのはどこの国の言語にもある。
出会いの数だけ別れがあり。
別れの数だけ再会を願う。
しかしまぁ全ての出会いが再会を喜ばれるかと言えばそんな事はないわけで。
「お久しぶりですわ桜子ちゃん!お元気そうです何よりですわ〜!」
「イヤーーーッ」
「また嫌われてしまいました」
「圧がつよいから」
「遠くから見るだけにします」
「そうしとけ」
「イヤッッ!!」
「嫌われてます」
「諦めろ」
「ごめんね、最近キ○ーティーハニーの曲ばかり聞かせていたから…桜子ちゃん、挨拶は?」
「オハヨウゴザイマス!オトトイキヤガレ!!」
八百屋の店先のでかいオウム。名前を桜子ちゃん。
普段はもう少しお淑やかなのだが、語気の強い言葉を最近になってやたら話すらしい。
「嫌われてません?」
「なんでこんな攻撃的なんだこの子」
「変よねぇ、うちの人はあんまり喋らないし、私もそんな言葉を使った事はないし」
「とりあえず開店中見てますね」
「お願いね。笹本さんとこの子にこんなお願いして良かったのか不安だけど」
「心配ご無用です。なによりいつもお世話になっているのはこちらですから」
ニコ!と笑顔を作って大丈夫ですよ、のポーズをとる。
笹本さんがお嬢に持ってきた話なら十中八九オバケだろ、原因。
スパッと解決すりゃいいけど。多分オバケも出てこない事ないだろ、俺という餌があるし。
八百屋のお手伝い、という名目でいるので雑務を頼まれる。
主に袋詰めと品出し。あと俺に裏から表に重いものの運び出し。
明日筋肉痛だなこれ。暫くすると妙な客が1人。
小学校低学年の少年だ。桜子ちゃんをじっと見つめて、なにやら話しかけている。
「大丈夫だったかオマエ、悪いやつきたらちゃんとイヤって言うんだぞ」
「イヤッッ!!」
「その調子だ!コイツ悪いヤツ!!言えるか?」
「コイツ悪いヤツ!!!」
「偉いぞ!」
なんか仲良しなんだが?
「悪いヤツってのが気になりますわね…」
「様子見だな」
「ですわね」
その後、誰も見ていない瞬間を狙ってオウムを傷つけようとしている人を確保。いやお嬢すげーよ。背中に目がついてると思う。
たまたま意識が外に向いてたけどさ2人とも。
お嬢一瞬で相手を締め上げてたもんな。
桜子ちゃんが声出した瞬間手が伸びてたもん。
ごじつかひつします
「」
また会いましょう
おれに会ったことあるって?そんなわけないだろ。今日が初対面だよ
え?会ったというより声を聞いた?ははぁ、そりゃまぁ街中なりどっかの店なりで聞いたんだろ。そんな雑踏でよく覚えてたじゃないか。
そうじゃないって?…食い下がるねぇ。じゃあそこまで言うんなら何処で会ったのか…いや、聞いたのか。教えてもらおうじゃんか。
ほぉら!言えないんじゃん!似たやつなんてごまんといるんだからやっぱおれたちは初対面なんだよ
じゃあ、そういうことだからさ。ちょっとおれ用があるんだよ。お前の妄言に付き合ってられないからさ。
まぁ、強いていうならだけど。神社で悪さするのだけはやめておけ。な。
もう会わない方がいいけどさ、まぁもし何かしらの縁ができたら、また会いましょう。
あなたからの電話しようで始まりかけた恋はいつの間にか私だけの片想いに変わっていた。
すき、だいすきと素直に伝えてくれるあなたが好きだった。やだと駄々をこねるあなたも好きだった。でも、最近のあなたは私にきらいって言うんだ。やだも言わなくなったんだ。そして、気づいたらあなたからの電話の誘いはなくなっていた。その時、この恋は始まってすらいないことに気づいた。私、前のあなたの方がすきだったな。さようなら。またどこかで会えますように。
探偵とは、イメージと裏腹に地味な仕事である。
アニメや漫画のような、密室殺人を解決したり、巨大な陰謀に巻き込まれたりはしない。
ほとんどは浮気などの素行調査で、次点が家でしたペットの捕獲くらいだ。
派手さはまったくなく、忍耐が要求される仕事。
それが探偵である。
とはいえ、探偵も人間だ。
毎日代り映えしない仕事では退屈するし、人間の闇を見ることも多いので病みやすい。
適度に気晴らしをしないといけないと、すぐに病気になってしまう。
そういうわけで、俺は機会があれば積極的にスリルのある仕事を取るようにしている。
という事で今回のお仕事は――
◇
「騙された―!!」
そう叫んでいるのは、ウチの探偵事務所で雇っている助手である。
先日、浮気調査の報告書をつくりながら『パーッとしてえ』と言っていたので、
気晴らしにスリルある仕事に誘ったのだが不満らしい。
到着する前はあれほど浮かれていたというのに……
何が気に入らないのだろうか?
「先生言いましたよね。
『今回はスリル満点な仕事』だって!」
「言ったぞ。
実際スリル満点だろ?」
「ええ、スリルだけはありますね。
スリルだけは!
だけど!」
助手は大きく息を吸って一拍置き、大声で叫ぶ。
「こ ん な ぼ ろ っ ち い 橋 の 上 で 仕 事 な ん て 聞 い て な い ! ! !」
助手は叫びながら、目の前の橋を指さす。
そこにあるのは、何時作られたのか分からないくらいボロボロの吊橋だ。
たまに使う人がいるとかで壊したりはせず、一応補強や修理が入っているらしい
けれどそれを知ってても渡るのをためらう位には、ぼろい橋である。
「なんだよ、不満なのか?
もしかしてお前、高所恐怖症か?」
「そうです。
高い所ダメなんです!」
「なら断れば良かったのに」
「こんなの聞いてないからです」
「お前が聞いてなかっただけだ。
報酬に目が眩んだだけだろ?」
「それは……」
「『今回は危険な場所だから、日当は倍』を聞いて、勝手に舞い上がったお前が悪い」
「でもでも……」
助手は往生際悪く、駄々をこねる。
とはいえ怖いものは仕方がない。
恐怖というものは、制御不能ななもの。
気合だけでどうにかなる場合は少ない。
とはいえ、このまま言い争いをしても仕方がない。
どうしたものかと考えあぐねていると、助手が突然真顔で俺を見る。
「ねえ、先生?」
「なんだ」
「吊橋効果って知ってます?」
「男女で吊橋を渡ると、仲が深まるってやつか?」
「はい。
でも知ってました?
一緒に吊橋を落とすと、さらに仲が深まるんですよ」
「待て!
それ犯罪で結びついただけじゃんか!
しっかりしろ!」
あのクールな助手がおかしくなってる!
『適度なスリルはクスリになるが、度を過ぎれば毒』というのを、体現したかのようなパニックぶり。
これ以上はいけない。
助手は下がらせよう。
「分かったよ。
作業は俺一人でやるから、そこで座ってろ。
倍は無しだが、今日の分の給料は払ってやる」
「い、いえ!
働きます。
お金がいるんです!」
「お前いつもそうだよな……
投げ銭だったか、ほどほどにしとけよな……
はあ、座ってていいから日当を倍に払って――」
「いえ、四倍にしてください。
そしたら働きます」
「……お前いい性格してんな。
もう面倒だから払ってやるよ」
「よっしゃあああ!」
助手は奇声を上げたかと思うと、「怖くない、怖くない!」と言いながら吊橋を渡っていった。
すげえ!
金の力で恐怖を克服したぞ、あいつ。
ちょっと様子おかしいけど、吊橋を見事渡り切って見せる助手。
あれなら仕事は出来るはずだ、多分。
ホッと一安心していると、助手が不思議そうな顔をしながらこっちに戻って来た。
「先生、この吊橋で何をすればいいんですか?」
「……この吊橋をイルミネーションで飾り付けるんだよ。
ほら端っこを持て。
一緒につけるぞ」
◇
後日談。
どうにかこうにかして、無事に吊橋をイルミネーションで飾り付けた俺たち。
張り切る助手が若干怖かったが、綺麗に飾り付けることが出来た。
依頼人からも満足してもらえたのだが――
「あれ?
依頼料が振り込まれてない!?」
依頼側のミスで振り込まれていないお金。
先方に連絡すると、謝罪と共にすぐに振り込まれたものの、記帳されるまで刺激的でドキドキの時間を過ごしたのであった
お金にまでスリルを求めてないんだよ!
卒業式の後で
いつも通りに遊んで
暗くなったら
いつも通りのまたね
あれから私は
どうにか元気でやってるよ
君はどうかな
元気にしているのかな
なんだか今日は無性に会いたいな
君が死んだ。
抜けるような青と羊雲が眩しい。
遠くまで行けそうな風が、
どこまでも続く草原に吹き付けた。
地面を背中に感じながら、
手を握ったままなのに君はもう返事をしてくれない。
否、もう二度と返事をしてくれないでしょう。
だがそれで良いのです。
すぐに僕も君に追いつくのだから。
実はもう目も開けていられないのです。
だから、
「また会いましょう」
_僕の愛しい人よ
また会いましょう
旅行のルートなんだけどこんな感じかな?
ホテルで作った行きたい所リスト
共有するから行きたい所追加しといて〜
そう言って次の日観光した。
あれから8ヶ月
連絡先は知っているけれど
久しく会話をしていない
そっと共有リストに
今住んでいる街の観光名所を入れておく
また会えるなんて思っていないけど
堂々と会える立派な人間になれたなら
その時はきっと
「また会いましょう」
って言う相手ほど、また会うなんてことない。
また会いましょう
何十回何百回生まれ変わったとしても
必ず、ここで『また会いましょう』
記憶になくても感じるだけでいい。
私は深い思いがあれば大丈夫だと信じているから
窓から差し込む月明かりで病室のベッドに横たわる幼馴染みの眠る顔がはっきりと目に映る。
もう何回この病室に訪れただろうか。
最初に訪れたときはあんなに暑かったのに今ではもうすっかり冷え込んでいる。
幼馴染みが入院してからほとんど毎日訪れているが幼馴染みはいつも目を閉じて眠っている。
朝に行っても昼に行っても夜に行ってもいつも表情を変えずにただただ眠っている。
でも今日はいつもと違うこと一つだけある。
それは幼馴染みが呼吸をしてないことだ。
いつもなら微かに呼吸をする音が聞こえるが
今日は全く聞こえなかった。
すぐに看護師の人に伝えたがもうそのときには
幼馴染みはもうこの世からいなくなっていた。
幼馴染みが退院したら告白してたくさんデートして
プロポーズするつもりだったのに。
もしかしたら幼馴染みが入院する前に告白していたら未来は今とは違ったのかもしれない。
でも俺にはその勇気がなかった。
結果告白も出来ずに死別した。
俺にとってこの世界はもう生きる価値もない。
みなさんまたいつか会いましょう。
俺は今から幼馴染みのいる世界に行ってきます。
みなさんは後悔のないように生きてください。
私ですか?
実はリリース初期から遊んでいまして。
おや、あなたも初期から!
もうずいぶんとやめていくプレイヤーを見送るばかりだったので、なにやら感慨深いですね。
このゲームもずいぶん様変わりしましたから、仕方ないのかもしれませんが。
まあ、私はいつのバージョンも飽きもせず楽しみましたがね。
あなたもですか?
うーん…もっと早く出会えてたらよかったですね。
いや、もうサ終だからそう感じるだけかも。
知り合ってても、あまり一緒には遊ばなかっただろうな。
ソロプレイ派なんで。
他のゲームですか?
これにずっとのめり込んでたから、他はなにも。
ああ、でも最近ひとつ事前登録したやつが今度始まるので…
そう!それです!
そうそう、そこが楽しそうで。
気が合いますね!
じゃあもし、そのゲームの中で出会えたら、その時はまたお話ししましょうか。
この嘘つき野郎
吐き捨てるように、笑顔で映る写真立ての男に呟いた
今の俺の表情を見たら、アイツは困ったように
笑うだろうか
お人好しで呑気なやつだからきっと、そんなリアクションをとるだろう。あぁ、予想はつくさ。
それだけ、俺たちが過ごした時間は長かった
ガキの頃からの付き合いだ。
一緒に、くだらない事で笑って、怒って、失恋したら
笑い飛ばして、何故かお互い号泣して朝まで語り明かしたりもした。
大人になってもこれからも、そんな風に付き合いが
続くと思ってた。思ってたのに。
「、、、馬鹿野郎。なんで、何も言わなかったんだ」
ひと月前、電話で久しぶりに飲みに行こうぜと
話してただろうが。お前は、あぁ、絶対行こうと言っただろうが。
この嘘つきヤロウ、馬鹿野郎、、バカヤロウ、、
いや、馬鹿野郎は、俺の方だ、、
ガキの頃からの親友だったのに、俺はアイツが
優しくて、気の弱い所があるのを知ってたのに
助けてくれって、言えないやつだったのを呆れてしっかりしろよと何度も言うくらいに理解してたのに、、
よりによって、なんでアイツの静かなSOSに気づいてやれなかったんだ
電話口で、喋るアイツの声が少し暗く沈んでたのを
違和感を覚えたのに。
後悔から、胸の奥が潰れるような嗚咽が漏れた
もうこの世界にアイツはいない。それだけが真実だ。
だがな、俺はこれが別れだとは思わない、いや
認めてやらねぇからな。今度会った時は、申し訳なさそうに笑うお前の顔、一発ぶん殴ってやるから覚えとけよ。
だから、しばしの別れだ
「また会いましょう」
最近、うちのメンタルがだいぶやられていてね。
聞いたんだよ。なにかあったのかって。
なんでもないの一点張りなもんだから、無理やり変わって見てみたんだ。
うちが何も言わないなら無理やりでもやるしかないし。僕らだからこそできる行動。
あぁ、そういう事なんだってわかった。
先生たちから責められて。
みんなから嫌な目で見られてるってわかった。
やっぱり人間って嫌いだ。こんな目しか向けることが出来ず、お気に入りだとかそんなもんつけだしてさ。
担任は比較的いい方だと思う。みんな平等、悪いことしていたらなんだろうとしっかり叱るから。
冷たすぎるとは思うけどね。
なんで人間ってこんな事しか出来ないんだろう。
うちが何をしたの?発表のものだってさ、全部全部うちが用意してたって僕知ってるよ。
「また会いましょう」って言ってたけどさ。その前に散々文句言いつけてきた。
先生たちも責めてさ。用意してもらった分際が、散々文句嘆いてさ。馬鹿じゃないの?
やっぱり不登校にさせた方がいいのかなぁ。
人間なんて大っ嫌い。自分たちが全て正しいとでも思ってさ。
みんながみんなそうじゃないなんて分かってる。でも少なくとも僕らの周りはそんな考えの奴らしかいない。
うちのメンタルが弱いことなんて知っているはずなのにね。
だから嫌なんだ、現実なんて。
僕らが何か一つやらかしてしまったら、みんなで責め続けて。顔の可愛い子は、何故か慰められて。
少し話が違うか。でも、顔で選んでないなんて言ってる奴も結局は顔で選んで。
そんなに顔なんて大事なのかな?顔なんていくらでも変えようと思えば変えるじゃん。金さえ貯めればの話だけど。
性格なんて変われないんだよ。うちは優しい奴なのに。
そんな奴よりも顔で選ぶとか。本当に、嫌だなぁ。
また会いましょう
「桜さんどこへ行くの」
彼が私を引き止める。
「どこにも行かないよ。けどね私死ぬの」
彼女は儚い声でそう呟いた。
その声は本当に衰えたようでどこか切なさを感じた。
「死ぬってそれってなんで?」
焦った声で彼は呟く。
「心臓病だよ。私心臓が生まれつき弱いの。
最近思ったの。生きるのって辛いね。なんでもうすぐ死ぬのにまだ生きているのかなって時々思う。それなら今すぐ死にたい 生きている時間が辛い 怖いの」
そう思うと更に心が、心臓が痛む。そして病気は悪化していくのだ。
彼女の声はとても震えていた。今にも泣きそうで俺はそんな彼女を抱きしめたくなった。守りたくなった。
「あのさ、死ぬ直前にまた会おうなんて言わないだろうな?」
やべぇ…焦った勢いで変な発言をしてしまった
自分でも何言っているかよくわからない。
「えー?何急に。また会おうかぁ。来世でもまた会おうって私が死んだら伝えるよ なんて、その時にはもう私居ないけどね」
「そんな悲しいこというなよ。最期は前向きにいようぜ」
俺は最期に彼女を励ました。そしてこの会話が最期となった。
俺が最期に聞いた言葉。「翔くんまた来世でも会おう」その一言だけだった。 そして彼女は静かに息を引きとった。
私は成人式に行かなかった。表の理由は振袖の着付けが面倒だから。本当の理由は、かつてのクラスメイトに会う資格など無いのではと勝手に思っていたから。優しくしてくれた女の子たち、いつもおちゃらけていた男の子。初めてお付き合いをしたあの人。会えば話に花が咲くとは思った。でも、どうしても顔を見せる勇気が出なかった。
成人式の後は同窓会があったらしい。幼なじみから何枚か写真が送られてきた。皆、昨日も会ったかのように楽しげだった。やはり勇気を持って行くべきだったと後悔した。
あれから1年が経とうとしている。次の同窓会までいつだろう。みんな、また会いましょう。
『私は今から少し寝るから、
貴方は夢の中へ追いかけてきてね』
真白いベッドの上でそう微笑んだまま、
彼女は帰ってこない。
今日も、彼女の夢へ行くために。
夜までずっと
生きるのだ。
「また会いましょう」 白米おこめ
あなたは確かにそう言ったのだ。
灰色の空の下、雑踏の隙間をすり抜け、ようやく静かになったその場所で。
それは約束だと、愚かにも信じてやまなかった。
盲信していうちに、あなたはこの世に愛想を尽かしてしまった。
今もまだ、心臓の穴は埋まらない。
だからこそ、まだ約束を信じている。
それがたとえ来世などではなくとも、おなじ地獄の釜の中だとしても。
/また会いましょう
美容師という職業柄と
長くこの道を極めたという事から、
それはそれは沢山の方と出会っては
別れを、繰り返してきた
若い頃は、お客様と親しくなると
相手に情が移りすぎて、ホントに
家族や友人のように思ってしまって
結局、数十年たったとしても縁が
切れれば、プッツリと来なくなり…
情が移れば移るほど忘れるまで
時間が掛かりホントに辛かった
けれど、私はたかだが美容師…
偶然巡り会って必要な時期にたまたま
技術を提供していた存在でしかない
お客様の心変わりなど日常茶飯事…
自虐的に言うなら、使い捨てな存在だ
そんな風に考えれば身も蓋も無いが…
苦しみ悩んだからこそ、今は違う…
必然に出会って、長い時間を一緒に
過ごしてきた事は奇跡的だし、
去ったとしてもお互いの学びは
完了したと思っている
だから、心から「ありがとう」が言える
もう、生涯会う事はないかもしれない
けれど、決してゼロではない。
「また、会いましょう」
そうやって、感謝をもってスッキリと
次に進む事が出来る
出会った人たちとの思い出は消えない
私の一生の財産になっている
『また会いましょう』
桃色の、大きな花弁をつけた桜の木。その花弁がふわふわと散り始めたあの日、貴方は僕に一言、言葉を遺して、1人未知の世界へと旅立った――。
少し広めの個室の病室。病室特有のしんみりとした雰囲気はなかった。そんな要素をひとつとして、感じさせられないような、桜の香りで溢れる和やかな雰囲気の部屋。そこには、白いベッドや綺麗な花が生けられていた。
僕と貴方が出会ったのは、奇跡といってもいいくらいだ。
病院の図書館で、たまたま、隣の席に座っていて、たまたま、読んでいた小説の作者が同じ人だっただけ。
そんな偶然が重なって奇跡となり、僕らはお互いの病室まで通い、世間話などをする仲になった。
この、二人だけの時間が楽しみで、寝る間も惜しんだな。
けれど、出会いは突然に、というように、別れも突然だった。
窓を開けて、おだやかな風に乗り、ふわふわと桜の花弁が手のひらに舞い込んで来た時。貴方の容態は急変した。
あなたの苦しむ姿を目の前にした時、僕のからだは固まってしまう。何とか必死に手を伸ばして、ナースコールを押し、先生を呼ぶ。
貴方が苦しまないように、先生は最善を尽くしてくれた。そのおかげで、命の灯りが途絶えてしまうまでの最後の1時間を、共に過ごせることができた。
結局、最後までいつもと変わらない話しをしていたけれど、その中でお互いに通じる想いを伝え合うことができた。
それもあってか、貴方は逝く前に僕に言葉を遺した。
今、思い返して考えてみれば、その言葉は、僕の貴方を失うことへの寂しさや喪失感、自分たちがまた会えることを願って、の言葉だと理解出来る。
彼女は、最後まで人の心を救うような、心優しき人間だった。
――「また会いましょう」。