『ないものねだり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私は、周りとすぐに比べてしまう癖がある。
-さんは、頭がよくて、かわいい。スポーツもできてみんなの人気者だ。それに比べて私は、ブスで暗くて、運動もそこそこ。あーあ、あの娘になれたらな~
-くんは、リーダーシップがあって、すごく頼りになるんだよなー。それに比べて私は…
これ以上考えると自分が、殺したいほど嫌いになるからやめよう。そもそも、こんなことを考える時点で性格が悪い。みんな、私にはないものを持っている。それが羨ましくて、妬ましくて、自分を自分で貶してしまう。自分にないなら、仕方のないことなのに…
いったいどうしたら…やめられるのだろうか。
あーあ、神様って不公平だ。
………無い物ねだり。
そう言われると、そうなのかもしれない。
無いものをねだって、何が悪い!!
なんて、言える分けない。
でもさー。みんなも、羨ましいでしょ?
誰かの何かが…。
子どもの頃、友達が持っているおもちゃを
欲しがったことがあった。
よく言う「よそはよそ、うちはうち」的な理由で
買ってもらえなかったわけだが
不思議と腑に落ちた。
なにかを無理に欲しがるより
自分のあるもので生きる。
幼心にそう思えたからか
無理に何かを欲する欲が、私にはない。
テーマ「ないものねだり」
#ないものねだり
権力がほしい、金がほしい。
そんなことを思いながら、朝の満員電車に乗車する。
汗臭い車両内。
上司からの、パワハラ。
毎日の恒例行事だ。
これがいやで嫌すぎて退社した人も少なくはなかった。
私は、平社員だ。
私には、今年で中一になる息子がいる。
旦那は、息子ができたと知ったとたんに逃げ出した。
ぞくにいう、母子家庭になってしまった。
女手一つで育ててきた息子は、母子家庭という事にコンプレックスがある。
昔、周りの子ども達にバカにされた。
それから、精神が弱い息子は、鬱になってしまいました。
精神病院に入院途中の息子の、入院代、生活費などの多大な出費で我が家は、消費者金融でお金を借りた。
だが、借りる場所を間違えてしまったようで法外な量の利息におそわれた。
あぁ、お金がほしい、命がほしい。
わたしは、息子を残して過労死してしまった。
けど、息子の事は空から見下ろしている。
いつまでも、愛しい息子。
ここには、まだこない息子。
あぁ、息子にあいたい。
息子は、ここにはない存在しない、そんなものを、私は求めてしまう。
みんなが自分にないものを持っている
だからそれを欲してしまう
尊敬、怨念、感情が、大きく動くとき
余計に反応してしまう
手にした瞬間気づく
この後どうしようかという消失感
だからわかる
欲しいだけという
ないものねだり
ないものねだり
みなさん
どこかに恋人が
いらっしゃるわね
あの人にも
オレが望んだのは、みんなと同じになることだった。
瓜二つの見た目と、同じ声と。
何もかも一緒なのに、唯一違うもの。
それは、オレの左目。
オレの目は、”おっど・あい”と言われるものらしい。
唯一違う目が、オレには”こんぷれっくす”だった。
なんで、オレだけ違うんだろう?
なんで、みんなと同じじゃなかったんだろう?
ずっとずっと解らなくて、怖くて、嫌われたくなくて。
必死で隠して、誤魔化して、笑ってた。
今だったら、”ないものねだり”してたんだなぁって思う。
でもその時のオレは、そんなこと考えてる余裕なんてなくて。
「俺は綺麗だと思うよ? 唯一無二って感じでさ」
そんなオレに、あの人はそう言ってくれた。
「こわく、ないですか? へんじゃ、ない?」
「怖くないよ。それも含めて、君だと思ってるから」
「ふくめて?」
「俺からしたら、個性があって羨ましいけどなぁ」
ニコニコと優しい笑顔で、オレの頭を撫でてくれた。
「ずっと、頑張ってたんだね。偉い、偉い」
みんなと違うオレを、認めてくれた。
ーーーだからもう、”ないものねだり”は止めた。
みんなと違うオレを認めてくれたあの人が、褒めてくれた”オレ”でいたいって、思ったから。
ないものねだり
「そうむくれなさんな。優男が台無しですよ」
「うるさい」
「仕様が無いでしょう? そんな風に頬を膨らませたって欲しいものは……嗚呼、今まではぜんぶちょーだいすれば貰えたんですねえ。可哀想に、甘やかされた末路がこれです」
「うるさい、うるさい。お前が悪い、全部です」
「いいや、違うね。悪いのはどこまでも貴方ですよ、先生。可哀想に。」
「先ほどから、可哀想可哀想と、愚弄するのも大概にしたらどうです。可哀想と思うのなら尚のこと、僕の欲しいものを返事ひとつで寄越したらいい」
「へっ、やなこった。俺はアンタの教え子で、お父上でもお母上でも無い。けれども、ええ、俺はそれでも先生だけには甘くて優しいから。正しいお強請りの仕方が知りたいのなら、いつでも教えて差し上げますよ」
「下衆が」
「可愛い可愛い、仔犬がきゃんきゃんと愛らしい」
「僕はただ、お前の、」
「先生、先生。俺から綺麗なものを求めちゃあいけません。無いものは無いんですから。求めるなら、もっと、奥深くから」
「いやだ、そんな汚いのは、いやだ。君にだってあるはずです。優しさの心根を、よもや胎に置き忘れていやしないでしょう」
「…………さあ、どうだか?」
#ないものねだり
ないものねだり
ないものねだりをする生き物なんです
それが僕らを補っているのですから
ないものねだり
気持ちが弱ってると
空想散歩。
今日は、ムーミン谷に行ってみた。
ムーミン谷の住人は、冬眠から
目覚め、春を楽しんでいる。
孤高のスナフキンも谷に戻って来た。
ムーミンが親友の帰りに歓喜する。
ムーミンママのふんわり優しい声。
さあ、皆さん、お茶にしましょうね。
のほほんとパイプをくわえた
ムーミンパパもテーブルの前に座る。
元気なイタズラするミィ。
ミムラ姉さん。ノンノ。
みんなが集まる谷の春の1日。
私も谷の住人になる。
絶対なるのだ。
絶対!って叫んだ所で
朝のアラームがなり空想散歩は終わった。
ないものねだりだろうけど。
まだ谷の住人になること、
あきらめていない。
貴女はもうここには居ない。それは自分でも分かりきっていることなのにも関わらず貴女を求めてしまう。ないものねだりだということは分かっている。だが、それでも貴女に私のとなりに居て貰いたい、貴女に私のとなりで笑って居て貰いたいのだ。だが今ごろ願ってももう遅い、貴女は帰ってこないのだ。ないものねだりなこの感情を抱き私は眠りにつく。
人生は取捨選択に溢れる
今日も私たちの道は分岐点に溢れていて、行きたい道を選び、他の道を捨てている
その選択に迷わない時もあるかもしれないが、私は迷うことが多い。しかも、戻ることは出来ない
だから後悔してしまう。ああしていればとか、悩んだ道と近い道を選んだ他者を羨んだりする
これも一種のないものねだりだと私は思う
さて、戻れない道やもう進むことができない道に思いを馳せる。このないものねだりは無駄なことだろうか
きっと、違う
この後悔があるから、これからの選択に理由が増える。選ぶ道に、付加価値が生まれたりもするだろう
オシャレに言えば、人生のスパイス。そんな気がする
これからも後悔しながら、貪欲に人生を味わいたい
最近あたたかくなってきて
もう少しで春が来るんだ、と思っていた
今日雪が降った
雪が「僕を忘れないで」と、
言っているような気がした
いつもは何も思わないのに
今日はそんなことを思った
明日には溶けて無くなるのだろう
忘れないよ また会おうね
また今日も
ないものねだり
夜の泥
息ができない
胸が苦しい
【ないものねだり】
週末久しぶりに君に会った
君は見たこともないくらい髪を短くしていて
赤茶色の毛色も相まって本当によく似合っていた
直視する事さえ難しいほどに可愛いと思った
同じソファに君は腰掛け、僕は寝そべり本を読み
笑う君の振動をソファ伝いに感じた時
これ以上の幸福はこの世に存在しないと
確信してしまえるこの中身が、狡さが
やっぱりどうしようもないほど嫌いだ
そういった中身を自分自身で直視する時
いっそこの汚い胸中を身体ごと貫いて欲しい、
なんて思ってしまう事もある
性別が変わってしまえば、と
思った事も一度ではないが
そんな簡単な話ではない事は
自分が一番よく知っている
普段はとても履けないと思ってしまうスカートも
日によっては履いてみたいと思えるし
自然と目で追ってしまうのは異性が多いが
心の底から戸惑い、愛らしいと思うのは君だけだ
そもそも異性になったとしたら
君とこうして並ぶ事も無かったかもしれないが
今の僕は自分の外見と立場を
うまく利用し続けている偽善者のように思えて
結局思考は上手く纏まらないまま
堂々巡りするのである
正常、とは一体どんな感覚なのだろうか
君を愛しているうちはきっと知り得ないのだろうが
君にしか、ないものばかりに目がいってしまう。
私にとって君は、
眩しくて届かない…近づくことも難しい。
でも、近づきたい。
なりたい気持ちがあるから、立ち向かえる。
ないものがあるから憧れる。
それも含めて自分なんだ。
[ないものねだり]
手に入らないと分かってるけど。
欲しいと思ってしまったのです。
笑顔を。言葉を。瞬きを。
全てコピーして、組み込んでしまったら。
髪を。瞳を。心音を。
全て真似て、作り直してしまったら。
私はあの子が秘めてた恋を、再現できたりしませんか。
人は
いつでも
人が持っているものに憧れる
自分にないものを欲しがる
だけど
今はなくていいのかもしれない
ほしいと思うものは
自分しだいで
いつか
手にすることができるはず
ないものねだり
あれがない、これが足りないって、ないものを今日も探していた。
たとえば、目に見えるもの。お金とか美味しい食べ物とか、ほしいものとか。目には見えているのに、私のものじゃないから。ほしいなぁ、なんて思ってもすべて手に入るわけじゃない。
それから、目に見えないもの。嬉しいとか、楽しいとか、友情とか、愛とか、夢とか。これらは目に見えるものより厄介で、わかりにくい。目に見えないからこそ、手に入ったのかすら気づかなかったりするから。
ないものねだりだね、って君が言うから。
あるものをねだってどうするんだ。ないから、ほしがっているのに。ないから、焦がれているのに。
あるものに感謝しなよ、って君は言うけれど。
そんなの、わかってるよ。もうすでにあるものに感謝はしている。
でもね、それでもまだ足りないんだ。
私はまだそれを諦めたくはないから。
【ナイモノネダリの森】
ナイモノネダリの森の中
大きな袋を抱えて
少女は歩いていきました
足元に咲いていた花に こんにちは
「あなたの花びらは素敵ね」
ナイモノネダリの森の中
綺麗な花びらのドレスを袋に詰めて
少女は歩いていきました
背の高い細長い木に こんにちは
「あなたの腕は細くて素敵ね」
ナイモノネダリの森の中
細くて長い枝を袋に詰めて
少女は歩いていきました
優しいおばあさんが こんにちは
『あなたの素敵な笑顔はどうしたの?』
少女は笑顔を探しましたが
たくさん詰め込んだ袋は大きく大きく膨らんで
なかなか見つけることができません
「私の笑顔はどこに行ったの?」
綺麗な花びらのドレスの下に
細くて長い枝の下に
少女の笑顔がありました
ナイモノネダリの森の中
笑顔を一つ袋に詰めて
少女は帰っていきました
森の入り口を潜った時と同じ姿で
ないものねだり
あたし、あたし頑張ったの。
どんなに難しいことだって、どんなに苦しい時だって。なんにも言わずに頑張ったの。できるように努力したの。きちんとやってみせたの。
なんでもできるようになったの。
そうしたら褒めてもらえるんでしょう。偉いねって、言ってもらえるんでしょう。認めてもらえるんでしょう。
こんな。こんな出来損ないのあたしでも、他の子みたいに抱きしめてもらえるんでしょう。
なんにもできないあの子達みたいに、生きてるだけで偉いんだって。やさしく褒めて頂戴よ。ねぇ。