『ずっとこのまま』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
悪夢を見た。
相棒が死んだときの夢だ。
俺を庇ってデジモンの攻撃を受けた。当たりどころが悪かったのだろう。相棒はそのまま起き上がることはなく、身体がデータに変換され消えていった。
俺は泣き叫ぶことしか出来なかった。
目を覚ますと見慣れた自室の天井が目に入った。
昨日溜まっていた仕事を終わらせてフラフラになりながらベットに沈むように寝ていたことを思い出し、ベットから起き上がった。
時間は9時前、大分寝ていたようだ。
俺は寝間着から普段着に着替え、下のキッチンに向かった。
「あ、安藤さん!おはようございます」
「やっとおきた!ボクお腹すいたよぉ」
「やっとおきたのかい?あんなに仕事ためとくからだよ」
そこには朝ご飯の支度をしているリリカとギルモンとディテイモンがいた。
「お前ら…飯まだ食ってなかったのか?」
「はい、ご飯はみんなで食べたいってギルモンが」
「みんなで食べるご飯は美味しいから!」
「今日の朝ご飯はパンケーキとベーコンエッグだよ、席について安藤」
お皿には出来立てのふわふわとした甘さ控えめのパンケーキにカリカリと焼けたベーコンが二枚、きれいに焼けた目玉焼きが乗っており、机の真ん中にはサラダととりわけ皿があった。リリカとディテイモンがパンケーキを運び、ギルモンがせっせととりわけ皿にサラダをつぎわけて朝食の準備が完了した。
「それじゃあ食べよっか。いただきます」
「「いただきます!」」
「…いただきます」
4人で囲む食卓。出来立ての朝ご飯を食べる自分達。
ご飯が美味しい、今日はどうする、仕事の内容、お昼ご飯の話。思い思いに食べて喋る。暖かく平和な時間。
ああ、どうかずっとこのまま、平和なときが続くと良いな。
そう思ってしまう。
あなたを見上げて
ただ、上目遣いしながら
ぶりっ子してたかったの
_ずっとこのまま
変わることはいいことだ。
変化がなくなれば、慣れてくれば、
楽にはなるが、時間が止まってしまう。
人間の短い人生で。
一度しかない人生で。
ただでさえ少ない時間を
止めるなんて勿体無いだろう?
しかし、 それでも、
止めたいと思うものは確かに存在するんだ。
なぁ、お前はどう思う?
俺は、ずっとこのままがいいと思うよ。
笑ってくれ。
2024/01/12_ずっとこのまま
【ずっとこのまま】
小指と小指を絡めて誓った
幼き日の約束
ずっとこのまま一緒だよ
約束はいつか忘れられる
約束はいつか破られる
それでも
どうか手をつないでいて
どうか手を放して行ってしまわないで
"ずっとこのまま"
柔らかな月明かりが闇を優しく照らす夜。閉院時間となり正面玄関の扉の鍵を閉めようと扉に近付き、扉周りを確認しに扉に手をかける。
「みっ」
いつの間にか足元にいたハナが声を上げた。少し驚いて肩を跳ねらせる。本当は叱りたかったが、それ以上に声を上げた理由が気になったのでハナの目線を辿る。
片手に鞄、糊のきいたスーツにダッフルコートを着た男が通りから曲がってこちらに近付いてくるのが見えた。暗がりで顔がよく見えない。
普通の人ならば誰かまでは判別できないだろう。
だが、こちらに歩み寄ってくる歩幅、スピード、歩く姿勢を見て誰かすぐに分かった。扉を開けて声をかける。
「急にどうした?なんの連絡も無しに来るなんて珍しいな」
「業務中だろうと思って、連絡しても意味が無いと判断した。突然の訪問、申し訳ない」
数メートル先まで来ると立ち止まって、申し訳なさそうな顔で頭を下げる。なんだか居たたまれなくて「そういうのはいいから、早く中に入れ」と早口で言って押さえていた手を離してハナを両手で抱き上げて、再び扉を開けて足で扉を抑えながら中に迎え入れる。
飛彩が「済まない」と呟き中に入ると、抱いているハナに人差し指を近付ける。ハナは自身の鼻に近付けられた人差し指の匂いを嗅いでいく。
猫は嗅覚が優れていて、匂いで敵かどうか判断している。猫の記憶力がどうなのかは分からないが、いつも一緒にいる俺以外の奴には来る度こうするようにさせている。飛彩は来る頻度が他の奴より多い為、言わなくとも自然とやってくれる。
匂いチェックが終わって顔を少し離すと「みゃあん」と一声鳴いた。いつもと変わらない声色。ハナの『OK』のサインだ。ハナの声を聞いて、頭を撫でる。飛彩の撫でる手つきに、ハナはウットリと目を閉じた。
「それで、どうした。急ぎの用でもあんのか?」
気になった事を口にする。時間的に病院から直接こちらに来たのだろう。そうなると真っ先に思い浮かぶのは、何か緊急を要する伝言か、至急必要な書類の依頼だろう。だが飛彩は首を横に振って顔を上げる。
「そうではなく」
「じゃあなんだ?」
仕事関連以外で急を要する用事とは一体……。考え込んでいると、飛彩が口を開いた。少し身構えながら言葉を待つ。
「明日は午後からの出勤で、年明けからここ数週間共にいる事が無かったから、せめて貴方と夕食を共にしたいと思ったのだが、」
「迷惑か?」とこちらの顔色を伺うように聞いてきた。
「……」
拍子抜けして、すぐに言葉が出てこず息を吐く。
身構えて損した。いや、こんな夜中に頼まれても困るが。
「大我?」
「……あぁ、悪い。別に構わねぇし、いいけど」
むしろ嬉しい、と心の中で付け足す。恥ずかしいから言わないけど。
するとハナが「みゃあ」と声を上げる。この鳴き方は『お腹空いた』という、ご飯の催促だろう。
「じゃあ悪いが、晩飯の用意手伝ってくれ」
「あぁ、分かった」
一度外に出てダッフルコートに付いた雪を払って丁寧に畳み、中に入るのを見て扉を閉めて鍵を閉める。
「まず、暖めてる間ハナを見ててくれ」
「承知した」
抱えていたハナを飛彩に託し、台所に入って壁にかけてあったエプロンを身に付け二人分の食事の用意に取り掛かる。
冷蔵庫から作り置きの料理を入れた大量のタッパーの中から豚の角煮を入れたタッパーを出して、棚から皿を二枚出すとその上に同じくらいの量の豚の角煮を置いて電子レンジの中に入れて温める。その間に二人分の箸とお椀を出して、炊飯器を開けてお椀の中に米を盛り付ける。電子レンジから電子音が鳴り響き、料理を乗せた皿を出す。開けた瞬間美味しそうな匂いと共に湯気が立ち込めて、空腹感が襲ってくる。次に計量しながらハナのご飯を皿に乗せる。
白米をよそったお椀と箸と皿とハナのご飯を、使っていないストレッチャーに乗せて居室に向かう。
「またせた」
常に開け放っている居室の扉をくぐると、ハナの「みゃあん」と元気な声を上げて俺を迎える。飛彩は俺が来た事を確認してハナを床に下ろす。いつもの場所にハナのご飯を置くと「みゃうん」と鳴いて食べ始めた。それを横目に見ながらベッドに腰掛ける。それに倣って俺がいつも使っている椅子に座る。
「頂きます」
両手を合わせて挨拶をする。
「召し上がれ」
そういうと箸を持って、ご飯を食べ始めた。俺も小さく「頂きます」と言ってから箸を持って料理をつつき始める。
「……やはり美味い」
「そりゃ良かった」
箸で一口大に切った角煮を口に入れて咀嚼する。よく煮えている上に味が隅々まで染みていて柔らかく、我ながら上出来な出来だ。白米を一口入れる。
「やはり貴方の料理は優しい味がする」
「……」
咀嚼しているのを理由に無視する。
「貴方の手料理が好きだ」
「……そうかよ」
白米を飲み込んでから短く返事をする。面と向かって言われるとむず痒い。
「そういや、そっちは変わりないか」
咄嗟に話題を変える。かなり無理やりだが、あまりのむず痒さに我慢できなかった。どう思われようが知ったこっちゃないしどうでもいい。
「そうだな……。これといって、変わった事は無いな」
話題を変えた事に不思議がる素振りを見せない事に安堵して胸を撫で下ろす。
「じゃあ近況は?そっちはなんかあったか?」
「近況か。それなら……」
そうして、夕飯をつつきながらの近況報告会が開かれた。近況を報告しながら雑談も挟んで夕飯を食べ進めていく。
喋りながらの夕飯が楽しくて『こんな時間がずっと続けばなぁ』という、らしくない絵空事を豚の角煮を味わいながら思った。
【ずっとこのまま】
絶対なんてないし永遠なんてない。
自分の中の「絶対」も未来でどうなるか分からない
それでもね。このままずっと君といたいと思うのです。
大好きな君たちのそばにいたいのです。
願わくば死ぬまで君たちを大好きでいたい。
いつこの好きが無くなるのか怖かった。
いつまで好きでいられるかな?って不安だった
でもね、そう思うほど好きになれた
君に出会えたこと、本当に嬉しくおもいます。
不安すらも好きな証拠なら愛せていける気がします。
絶対なんてないよ。ないけど。
「ずっと大好きだよ。」を今日も大好きな推しに。
君との未来を信じて。
#6 【ずっとこのまま】
【寒月】それは、
平安時代の二人の女性が正反対の詩句を出す程、
詠み手によってかわる不思議な存在である
「みゃー」
「こんばんわ」
すらりと、僕の手にすりつく黒猫。
「はいはい、ちょっとまってね」
最近、仲良くなった野良のお隣さんだ。
ササミ目当てにやって来るのだが、
代わりに僕の話を聞いてくれるので、
関係はWin-Winである。
美味しそうに、三日月のような目をさらに細める
愛おしい
そんな感情を抱くことは、あまり慣れないことだ。
なぜなら、
「…しんどかったよ。だってね、今日、
女の子に告白されたんだけど、普通に断ったんだ。
普通に断ったんだけど、その子泣き出しちゃって
『あなたは、「寒月のように冷たい人」ね』
だとさ、なんとも詩的な表現で嫌われちゃったよ」
ハハッ、と笑うけれど、ごまかせない
あの時の言葉は、たしかに冷え冷えとしていて
僕の心を締め付ける
(断ったのは、君のためなのに)
昔から、人が愛せなかった
それは、僕があまりにも冷たいせいで
だから、断ったんだ
僕はきっと、君のことを愛してあげられないよ
「…そんなつもり、無かったんだ」
そう言っても、誰も耳を貸さないことなど
分かりきっていた
「僕は、ずっとこのままでいいのかな?」
自問自答する
返答は単純明快、「変われ」
そう、誰からも言われる言葉。
…それが出来たら、ここまで苦しんでいないのに
「みゃー」
はっと顔を上げると
その返答に、答えるかのように君が鳴いた
それが、肯定か否定かは、分からないけれど
なんとも優しい声だった
そして、ゆっくり、身震いする
僕の腕のなかにスルッと入ってきた
柔らかくて、あったかい
「寒いの?」
クワーッと大あくびをして、僕を見る
さっきの雑念など、もはやどうでもよくなって
ふわふわと、頭を撫でた
月をみる
それはやさしい春月や、愛でられる秋の月とは違う
研ぎ澄まされたように、鋭く光る孤高の月
清少納言から嫌われ、紫式部から愛される
見る人にとっては、「変わる月」
そう、寒月
「…綺麗だ」
「みゃー!」
「わたしのこと!」とでも言うように、
愛しの人は目を細めた。
あぁ、ずっとこのまま
君といられたらな。
1日目【ずっとこのまま】
ずっとこのまま、16年前の恐怖を抱えて生きていくのが嫌だ。
昇華と消化したくて、いろいろ考察し、なぜ恐怖を持ったのか原因を見つけて、納得するんだけど、恐怖そのものについては。全く変わらない。
今も怖いまま。
私はあの時期、恐怖のあまり、自分の価値を見失ってしまった。その後、自分の価値を探していろいろやったけど、どれもうまくいかなかった。
上手くいかなかった原因は、「分」じゃないことばかりしていたから。
ここでの失敗経験が、ずっと恐怖の尾を引いているんだとも思う。
今回、この書くことにチャレンジしたのは、お金をかけずに続けることをすることで、自分を見出せるんじゃないかという期待。
ずっとこのまま、恐怖を体の中に持ち続けるのは嫌だ。
「ずっとこのままがいいな」
そう思う日は、何回来るだろうか。
その日が、いつもと変わらない日常なのかもしれない。
濃い一日なのかもしれない。
「ずっとこのままがいいな」
そう思わない日は、何回来るだろうか。
その日が、いつもと変わらない日常なのかもしれない。
濃い一日なのかもしれない。
そう思う日も、思わない日も幸せなんだと思う。
「ずっとこのまま」
今日もいつもと変わらず学校に行き授業を受けた。
帰りは電車に揺られ音楽を聴く。家に帰る前に明日の朝ごはんのパンを買いに行く。今日は金曜日だ。土日の分を買う。家に着いたら洗濯、掃除を終わらせる。
これが終わればあとはもう自由だ。私は一人暮らしをしている。だから自分のことはしっかり自分でしなければならない。まぁ高校生にもなって自分のことが出来なければ一人暮らしを許して貰えなかっただろう。
終わったら仲のいいネットのお友達と電話をする。暇になった人達が後々入ってくるだろう。そのあとはゲームしたり、ご飯食べたり、シャワーも浴びた。このあとは深夜1時前には寝るだけだ。
明日は特に予定がないがちゃんと寝る習慣をつけるのは大事だ。こんな特に代わり映えの無い1日だが私は生きてて幸せだ。こんな毎日が続けばいいのに。そう思いながらまた1日が終わる。
また明日も楽しめたらいいな。
「ずっとこのまま」
ベッドに寝転がって漫画を読んでいたら、猫が腹の上に乗ってきた。この上にはちょうど窓があり、陽当たりがよいため猫にとってもお気に入りの場所なのだ。よくあることなのでしばらく放っておいたが、そのうちトイレに行きたくなってきた。様子を伺いながらそっと身体を起こそうとするが、ペシッと尻尾が腕を打つ。細いまぶたの隙間から黄色い瞳がこちらを睨んでいる。起きるな、ということだろうか。
#ずっとこのまま
【ずっとこのまま】
おそらくほとんどの人が幼い頃経験するであろう、言い間違え。
ウチの子もだんだんと言葉を発するようになり、よくお喋りするようになった。
食事時の時は、
「いたまーしゅ」
(いただきます)と言い、公園に行けば、
「あーしゃ、するででーする」
(お母さん、滑り台する)と可愛らしい言い間違いをする。あまりに酷い言い間違いはさすがに治すが、こういった可愛らしいものは見守っている。
たまに何を言っているか分からないこともあるが、よく近所の子供たちが教えてくれることもある。
子供同士の意思疎通ってすごいなと思いつつ、その日も公園に向かった。
「あーしゃ、すべりだいする」
…聞き間違いだろうか。
「するででーするの?」
私が問うとやはり「すべりだい」と言った。
どうやら近所の子供たちが言い間違いを治してくれたらしい。
これも立派な成長と思いながらも、まだ可愛い言い間違いを堪能したかった私は、なんだか寂しく感じた。
せめて「あーしゃ」だけはもう少しこのままでいてほしいと願うのだった。
「そういえば、今日は私の誕生日でしたね。」
君が大人への階段をまた一段登った日。贈った髪飾りをそっと撫でながら、嬉しいと言ってくれたっけ。
これまで君に贈ったプレゼントの数は、君が一歩ずつ大人になっている証。時の流れとともに、次第に大きくなっていく。
少し前まで、あんなに小さかったのに。時の流れは面白い。君の成長をもっとみたいと思う反面、ずっとこのままでいてほしいとも思う。いつか、この手からひとり立ちする時が来ると思うと、嬉しいようで少し寂しい。
今この瞬間の君を焼き付けておこう。君は成長していくけれど、今の君を思い出せるように。
「ずっとこのまま」
幾度無く、建物の解体の話があった
その度に、民の反対運動で建物の解体は免れ
今も佇んでいるあの方は一体幾つなのだろうか…?
ずっとこの先も
ずっとこのまま
この町の主として創建された場所に佇んでいるのだろう
ずっとこのまま
ずっと同じ時を過ごしたい…君と出逢って、初めてそう希った…今迄、色んな出会いがあったけれど、こんなにしっくり居心地の良い相手とは、知り合ったことは無くて…まるで、ジグソーパズルの一片が、漸く見付かって叫びたくなるような嬉しさ…無意識にずっと探していたのかも知れない…あれやこれや思い描き乍ら、絡めた指に少し力を入れてみた…
入浴時は特に陰鬱と、ありえないほど日頃の自分を見返しては底深い鬱と湯船に浸かります。
ずっとこのままでいいのか、先の見えない人生に期待は持てないままうっすら溺れたい気持ちを抱えています。
それも上がればどうでもよくなってしまいますが。
ずっとこのまま
ぬるくなったお風呂に入ってる
出ると寒いから
ずっとこのまま
入ったままでいたい
でもこれダメなやつだ
ぬるま湯はいずれ
もっと冷たくなる
このままではいけない
追い焚きはもったいない
もう
出るしかない
ええいままよ!
ずっとあのまま
貴方にこの気持ちを伝えなければ
この関係が崩れることはなかったのかな
止めることができなくて溢れていった私の恋心、どこにも行き場がなくて
貴方と一緒によく帰っていた道
1人帰路に着く。
綺麗な星空が今は私のことを惨めだと嘲笑っているように光っていて、、、
あの関係に戻りたい
私の気持ちを強引に奥にしまって
もう後悔しても遅いのか、、、
#花鳥風月
こんな人生なんて、、、ずっとそう思っていた。
"人生は山あり谷あり"
そんな言葉をみなさんは聞いたことありますか?
私の人生は、ずっと谷ばかり。確かに、山もありました。でも、それは小さな山で大したことはない。
私は、心なしか大きな山を期待しすぎたばかりに谷底に自分が落ち続けていると錯覚していたようだ。
だが、月日は経って考え方も変わり、いつしか小さな山も幸せに感じるようになった。
平凡人生つまらない。一般論には染まらない。
なんて、思い続けた私の人生も、ずっとこのまま平凡人生でもいいのではないかと思う。
だって、大きな山、谷を繰り返していたら疲れてしまうでしょう?小さい幸せの積み重ねが1番いいのよ。
なぁんて、今日もマイペースに生きてゆく。
ずっとこのまま____
2024.01.12
「すごく幸福なことだと思う。羨ましいわ」
「そうかしら? 私は停滞を好まないけれど」
一枚の紙を中心にテーブルを挟んで向かい合うふたりの少女。彼女たちは教師から出された課題について議論を交わしていた。
その紙に書かれていたのはたった二言
『ずっとこのまま』その一文と,この言葉からあなたが考えたことを書きなさい。 という指示。
一人の少女はその一文を"これ以上を望む必要すらもない最高の状態"だと捉え,もう一人は"希望も目標も失った空虚な状態"だと捉えた。
少女達は互いに思う。自分たちの発言は正反対でいて同一。例えるのであればコインの裏と表のようなものだと。ゴールに辿り着くことは道標を失うことで,願いがないというのは満たされている証拠でもあるように。
そして二人の少女にとって『ずっとこのまま』であるということは理想ではなかった。なぜなら彼女達は成長の真っ只中。変化することに怯えず前に進み続けるのだから。
だから,『夢』とただ一言,用紙には記入されていた。
テーマ:ずっとこのまま