さよならを言う前に』の作文集

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さよならを言う前に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

8/20/2024, 9:36:13 PM

【さよならを言う前に】

(魔女と弟子)

師匠は魔女で、僕は魔女の使い魔。
人間ではなくなった僕は、年を取らない。師匠との繋がりがある限り、僕は心臓を貫かれても生きているだろう。魔女は長命、僕もいつまで生きるかもうわからない。

「師匠。もし、いつか僕に別れを告げたくなったら、その前に僕を……」
かなりの決心と共にそう口にしたのに、師匠の表情はいつもと変わらず穏やかだった。
「大丈夫よ。私は一度気に入ったものはそう簡単に手放したりしないから」

そう言ってもらえるのは嬉しいけれど、もしもの話だ。
「僕は、今更師匠から離れるなんて、耐えられないと思うんです」
「……仕方がないわね」
師匠がちょっと呆れたように言って、僕を見つめた。
「どうしても離れる必要がある時には、さよならを言う前に、あなたを完膚なきまでに消してあげるわ」

僕はホッとして笑った。
「良かった。約束ですよ?」
「ええ」
それから、師匠は小声でぼそりと言った。
「元から様子のおかしい子だけど、更に壊れてきてるわね……」

「聞こえてますよ」
使い魔になってから、聴覚が強化されているので。
「壊れているつもりはありません。僕はただ、師匠のことが好きなだけで」
「それがおかしいのよ。どうして魔女にそこまで尽くすの? あなたも元は人間なのに」

僕は自分の家族のことを覚えていない。
僕が知っている人間は、家族がいなかった僕を冷遇して魔女の生贄として差し出した村の人たちと、魔女の家を襲って僕を殺そうとした襲撃者。
その襲撃者のおかげで師匠の使い魔になれたわけだけど、だからといって感謝する気はない。

たまに師匠に頼まれて町まで買い物に行ったり薬を売ったりもするけど、あいつらは師匠の薬で助けてもらいながら、魔女の悪口はやめようとしない。僕のことも『気色悪い』と言っていた。
僕にとって魔女は優しくしてくれた恩人で、人間はろくでもないものなのだ。

「人間は僕の味方じゃなかったんです」
「それで魔女に捕まるなんて、不憫な子ね」
「僕は自分が不憫だとは思っていませんよ」
こんなにも気遣ってくれる愛しい人が隣にいる。
「好きです。僕のこと、捨てないでくださいね?」
師匠はもう一度「仕方がないわね」と言った。

8/20/2024, 9:23:59 PM

#30 さよならを言う前に

   [仲良くしてくれてありがとう]

  わたしが明日死んでも
  君が悲しまないように
  精一杯の笑顔で居よう。

  いつも迷惑かけてごめんなさい。
  友達で居てくれてありがとう。
  明日死んでなかったら
  また仲良くしてね。
  逢えなくなっても
  君のこと忘れないように、
  さよならを言う前に
  君のこと目に焼き付けるよ。
  死にそうになったら思い出せるように。
  亡くなったらごめんなさい。
  なるべく生き残るように努力するよ。
  
  今日は、ありがとう。
  来れるかわからないけど、また明日ね。
  さよなら。

8/20/2024, 8:50:18 PM

空は夕暮れ色に染まる
       さよならとさようなら
       明日も会えるよきっと
       今夜はシチューがいい
       謎のテレパシーを送る
       ライ麦パン買って帰ろ
       カラスが鳴いたら帰ろ
       お腹が空いている時は
       センチメンタルに注意
       食べること生きること
       疲れたのなら眠ること
       少しのことなんだけど
       気持ちって変わるから
       すうっと深く息をして
       真剣に考えることって
       ないのかもしれないよ


       『さよならを言う前に』

8/20/2024, 8:30:17 PM

さよならを言う前に



さよならを言う前に、
もう一度だけ、
私の名前を呼んで欲しかった。
貴方のその、
少し低くて、とても優しい、
何処か照れた様な声で。

さよならを言う前に、
もう一度だけ、
貴方の瞳に映る、
私を見たかった。
貴方の瞳はもう二度と、
私を映す事は無いだろうから。

さよならを言う前に、
もう一度だけ、
貴方に触れたかった。
私の隣に居てくれた、
貴方のその温もりを、
記憶に刻み込みたかった。

さよならを言う前に、
貴方の事が嫌いになりたかった。
そうじゃないと、私はきっと、
ずっとずっと、
貴方の事を愛し続けてしまうから。

ねぇ。
さよならを言う前に。
最後にもう一度だけ、言わせて。

『貴方を愛してる。』

8/20/2024, 8:21:41 PM















8/20/2024, 8:04:03 PM

たくさんのありがとうと

これからのしあわせを願う。

8/20/2024, 7:38:37 PM

さよならを言う前に


それが最後だったとわかっていたら
どうしただろう

誰かに

あるいはこの世に

その言葉を言う前に
最善を尽くせるのか
果たして何が出来るのか

そもそも
その言葉を言えるのだろうか

8/20/2024, 7:28:53 PM

旅立つ人よ 誰が為に命を散らし 帰らぬ気よ
大事な人の その名すら呼べず 話し足りない
尚更さようならと口に出来るものか

電車が行く 離されゆく体と体 温もりを抱く
話の続きは また会った時に ゆっくりと
堪えた涙で雲が更に滲む

8/20/2024, 7:22:58 PM

卑怯でもいい

あなたの心に残るなら


「愛してる」


_さよならを言う前に

8/20/2024, 7:14:56 PM

「ごほん ごほん
えー みなさま 
本日は『私』のお葬式に御出席いただき、
まことにありがとう御座います。
『私』からみなさまに直接御挨拶をと思いましたが、
御覧の通り話せる状況ではありませんので
誕生日を迎えたての私から
メッセージを送らせていただきます。


みなさまには『私』はどのように映っていましたでしょうか。
『明るくて、真面目で、元気で、涙もろい』
という感じでしょうか。
『悩みなんてなさそう』
なんて言われたこともありましたね。
その時は笑って、そんなことないよと言いましたが
内心は傷ついておりました。
『私』だってみなさまと同じように悩んでいました。

私は『私』というやつのことが
一番理解できませんでした。

他から『明るい・元気』と言われました。
そうそう『私』は明るくて元気な子だと思うと同時に、
それが仮面な気がしてなりませんでした。

また、『しっかりしていて真面目』と言われました。
分かる、『私』ってしっかり者でまじめって感じよね
でも、それが演技な感じもしてくるのです。

『お喋りだ』とも言われました。
何でもかんでもあったこと・感じたことを
ぺらぺらと話しますものね。
でも、全部を話している訳でもないですし、無言の空間が耐えられなく、みなさまに楽しんでもらわなければという気持もあるのです。

友達と話している時、とても楽しかったです。
もはや脳ではなく脊髄で話していました。
心の底から本当に笑っていました。
しかし、バイバイと友達と別れると
付き物が落ちたように、すっと表情が消えました。
私ですらさっきの笑いは嘘なのかと疑う程です。

人によって態度を変えていました。
いや、変わっておりました。
誓って言います。わざとではないのです。
お喋りな方でしたら聞き役になり、
話さない方でしたらお喋りになり、
おとなしいグループでは進んで笑われる行動をとり、
明るいグループではツッコミ役を買ってでました。
今日の参列者で初対面の方と話してみると、
『私』の印象が微妙に違うかもしれませんね。
みなさまからみる私は1人しかいないかもしれませんが、
1番『私』のそばにいる私から見ると
何人もいる気がしてなりませんでした。

1人になると、よく考えました。
本当の私は一体どれだと。
自分は明るいのか暗いのか何者なのか
年々分からなくなっていきました。

友達を信頼していましたが、
これを打ち明けられるのは母だけでした。
母は『私』と同じようなタイプでしたので
よく理解してくれました。
分かっています。
私が『本当に辛くて…』と話せば、
みなさま親身に話を聞いてくれていたことは。
こんな私を見せたくなかった・見せられなかったのと、
みなさまも見たくないと思うからです。

なので、愚痴を笑い話にしながら零しても、
本当に辛いことはひた隠しにし、
悩みは自分で消化しようと必死になりました。
心のうちは泣きながら、
本当に辛い話を笑い話に変えていました。
私はむしろ話せる人が1人でもいただけ、
幸せなのかもしれません。

しかし、最後に少しでも
みなさまが見れていない私を
理解してほしかったので、
お葬式でこの話をさせていただきました。

きっと私が知らないだけで同じような方も
いらっしゃると思います。
私自身どうしてほしいのかは分からないので、
対応の仕方をお教えすることはできませんが、
頭の中はきっとこのような感じです。
『私』に似た人に出会ったときに、
『私』のことを参考にしてくだされば嬉しいです。

『私』を信頼してくれていたみなさま
本当の私を見せることがずっと出来ず申し訳ないです。
本当に面倒くさい人でしたが、
本人に代わって言わせてください。
ありがとうございました。

メッセージをここまで書いていた私は
『私』の人生に戻ろうと思います。
『私』を愛してくれたみなさま
それではサヨナラ」

〜サヨナラを言う前に〜

8/20/2024, 7:09:26 PM

タイトル: さよならを言う前に

彼女の名前は美咲。小さな町に住む普通の高校生だった。毎日、友達と笑い合い、勉強に励み、時には恋愛の悩みを抱えながら、彼女は日々を過ごしていた。しかし、そんな平穏な日常が一変する出来事が訪れた。

ある日、美咲は学校からの帰り道、ふと立ち寄った公園で一人の少年と出会った。彼の名前は翔太。彼は美咲と同じ年頃で、少し内気な印象を持っていた。二人はすぐに意気投合し、毎日のように公園で会うようになった。彼らの友情は次第に深まり、やがて美咲は翔太に恋をするようになった。

しかし、翔太には秘密があった。彼は病気を抱えており、余命が限られていることを知っていた。彼は美咲にそのことを隠し、普通の高校生活を送りたいと願っていた。しかし、彼女の笑顔を見るたびに、翔太は心が痛んだ。彼女にさよならを言う日が近づいていることを知っていたからだ。

ある晩、美咲は翔太に呼び出された。公園のベンチに座り、星空を見上げながら、翔太は静かに話し始めた。「美咲、君に伝えなければならないことがあるんだ。」彼の声は震えていた。美咲は不安を抱えながらも、彼の言葉を待った。

「実は、僕は病気なんだ。治療を受けているけど、あまり長くは生きられないと思う。」翔太の言葉は、美咲の心に重くのしかかった。彼女は言葉を失い、ただ彼の目を見つめることしかできなかった。

「だから、君にさよならを言う前に、もっと一緒にいたいんだ。君と過ごす時間が、僕にとってどれほど大切か、君に知ってほしい。」翔太の目には涙が浮かんでいた。美咲は彼の手を握りしめ、心の中で何かが崩れ落ちる音を聞いた。

「翔太、私もあなたと一緒にいたい。どんなことがあっても、あなたのそばにいたい。」美咲は必死に言葉を絞り出した。彼女は翔太の病気を受け入れられない自分がいた。しかし、彼の気持ちを無視することはできなかった。

それからの数週間、美咲と翔太は毎日を精一杯楽しんだ。公園でのピクニック、映画鑑賞、夜空を見上げながらの語り合い。彼らはお互いの存在を感じながら、幸せな時間を過ごした。しかし、美咲の心の中には、いつか訪れる別れの影が常に付きまとっていた。

そして、ある日、翔太の体調が急変した。病院に運ばれた彼は、意識を失ってしまった。美咲は彼の手を握りしめ、涙を流しながら祈った。「翔太、目を覚まして。私たち、まだやりたいことがたくさんあるの。」

数日後、翔太は静かに息を引き取った。美咲は彼の顔を見つめながら、心の中で叫んだ。「さよならを言う前に、もっと一緒にいたかった。」彼女の涙は止まらなかった。

翔太との思い出は、美咲の心に深く刻まれた。彼女は彼のために生きることを決意した。翔太が望んだように、彼女は彼の思い出を胸に、未来へと歩んでいくことを誓った。

さよならを言う前に、彼女は愛を知り、別れの悲しみを抱えながらも、翔太との日々を大切に生きていくのだった。

8/20/2024, 7:08:00 PM

魔王のいるという城に向かい出発する日の早朝。
永遠の別れを告げる前に、どうしても言わなけれはならないことがあるのに、その相手が一昨日から姿を消してしまっていた。
「何処へ行ったの、師匠。」

最低限の体と技の鍛錬をしてくれて、ようやく「これなら魔王に少なくとも傷を与えられるだろう」と師匠に言わしめるまでに、私は成長した。

師匠に挨拶できない事を諦めて歩きだし、1つ目の森へ入ってすぐだった。
「忘れ物だ。」
「師匠!」
私は師匠に駆け寄ると「こんなに長くお世話になってしまい…」と別れの挨拶の言葉を話し始めたのだが、それを遮って師匠が「これを持って行け」と美しい宝石のついた指輪を私に手わたした。
「遠い昔に作られた指輪だ。なのに錆もくもりも全くない。身を守る魔法がかかっていると言われている。お守りとして持って行け。止めろと言っても行くのだろう。」
「師匠。」私は涙をこらえて「今まで本当にありがとうございました。」と言った。走馬灯のように脳裏をよぎる思い出をふり払い、永遠のさよならを言おうとするてと、師匠が「必ず帰ってこい。お前さんの悲しみが伝わりさえすればよいのだろう?必ず帰って来なさい。待っていてやるから。」そう言って町へと帰っていった。

私は師匠が見えなくなるまで見送った。
師匠のくれたお守りをくすり指にはめると少しゆるかった。私は涙をふり払い、意を決して魔王の城に向かい歩きだした。



お題「さよならを言う前に」

8/20/2024, 7:07:02 PM

今日は待ちに待ったおうちデートの日!

美術館を出て先生の家に直行する。

先生は何度も「本当にウチにいるだけでいいのか」と聞いてくれたが、私にはこれ以上ない幸福だ。

もちろん先生といろいろな場所へ出かけるのも楽しいだろう。でも人目があれば、先生と私が恋人っぽく振る舞うことはできない(恋人じゃないけど)。

要は、先生と思いきりくっつきたいのだ。

マンションに着いて、先生が鍵を開ける姿を見つめる。こんなちょっとした仕草ですら格好良く見えてしまう。

中に入り、先生が出してくれた麦茶を飲む。先生は普段お茶しか飲まないらしい。

「さて、何かしたいことはありますか?」

「えっと……じゃあ、映画観たいです!」

先生がノートパソコンを立ち上げ、サブスクの画面を開いて映画を選ばせてくれる。私は去年大ヒットしたアニメ映画をタップした。

泣ける映画と話題になった作品だが、私は非常にドキドキしていた。原因は、映画の面白さが半分、先生の隣にいるという事実が半分。

それでも次第にストーリーの中に引き込まれていき、終わる頃にはボタボタと涙をこぼしていた。鼻もすすっていたからか、先生がティッシュを渡してくれた。

「おもしろかったですね」

「グスッ、先生は泣かないんですか」

「泣きましたよ? 君にバレないように拭きましたが」

「えぇーっ、先生の泣き顔見たかった」

「そう簡単には見せませんよ」

「ケチ……」

こんな他愛もないやりとりがひどく愛おしい。相手が先生だからだろうか。

「次はどうします?」

「先生オセロ持ってるって言ってましたよね?」

「よく覚えてますね」

「えへへ、やりましょう!」


数分後、私はぐぬぬと唸りながら眉間にシワを寄せていた。先生、バカ強い。

「降参ですか?」

「ぐっ……も、もう1回!」

「いいでしょう」

……

「もう1回!!」

……

「もう1回!!!」

……

「も、う、い、っ、か、い!!!!」

…………

ぐぬぅ〜〜〜〜〜!

こてんぱんに負かされた私の眉間には、マリアナ海溝よりも深いシワが刻まれた。いったい何回戦やったのか、数える余裕すらなかった。

「ふぅ、さすがに疲れました。おや、もうこんな時間」

先生の言葉で時計を見ると、我が家の夕食の時間が差し迫っていた。

「えぇ〜、はやい……まだ1回も勝ってない」

「フフ、今日のところは諦めなさい。また挑戦すれば良いのです」

「うぅ……」

オセロの件も悔しいが、もっと悔しいのは先生とイチャイチャできなかったことだ。本当は一緒に寝っ転がってくっついたり、ストレッチと称して触れ合ったりしたかったのに!

先生の強さを恨めしく思いながら帰り支度をしていて、ふと気づいた。置いていた荷物から先生の匂いがする。

先生があっちを向いている隙に肺いっぱいに吸い込む。いい匂い。嬉しい反面、急激に寂しくなった。家に帰れば、この匂いは消えてしまう。

「さぁ、準備できましたか?」

先生が明るく尋ねる。私は返事ができなかった。

「煌時くん?」

私はつい、親との別れ際にぐずる幼稚園児のような態度をとってしまう。俯き、カバンを抱きしめたまま立ちすくむ。

先生はそんな私を見て、少しの間沈黙した後、思い出したようにこう言った。

「そうだ、さよならを言う前に、煌時くんにお願いがあります」

「? 何ですか……?」

「目を閉じてください」

「えっ、なんで??」

「いいから」

私には先生の意図がまったくわからなかった。しかし信頼している先生たっての頼み、きかずには帰れない。

私がぎゅっと目を瞑ると、先生がゆっくりと近づいてくる気配がした。

「開けちゃだめですよ」

囁いて、あとは静寂。

額にコツンという感触。次いで鼻には柔らかいものが当たる。自然とその続きを期待したが、それだけで先生は離れていった。

「はい、もういいですよ」

なんだ、もう終わりか……
残念に思いつつ目を開けると、首に何か掛かっている。

「これ……?」

「プレゼントです。今日の記念に」

いつの間に準備したのか、今日行った美術館モチーフのペンダントだ。先生からの初めての、形に残るプレゼント。

「せんせぇ、ありがと」

この時の私はきっと、世界一蕩けた顔をしていたに違いない。


テーマ「さよならを言う前に」

8/20/2024, 6:59:59 PM

さよならを言う前に貴方の顔を見つめた。
ああ、この笑顔。
ちょっと癖になるんだよな。
また次に逢えるまで。
何度でも思い出そう。

8/20/2024, 6:49:11 PM

なんやかんや夜に話すのが1番楽しい

と思った

いま

あと

すごくキュンキュンする

心臓バクバク

好きな人が年上って罪。

泥沼にハマってく私

ボロボロメンタル

誰にも知られたくないよね

8/20/2024, 6:19:29 PM

さよならを言うまえに

まずは部屋を片付けよう
大切な人への手紙を一通だけ残して
それから大好きなお洋服を着て外へ出よう
もちろん行先は何時も行く場所で

最後は、綺麗な海を目の前に
振り返って大きい声でこう言うんだ
「ありがとう」って
それから、さようならって
ちゃんと、伝えようね

8/20/2024, 6:16:55 PM

「私、あと3日で死んじゃうんだって」

彼女は寂しそうに小さく呟いた。わたしは思わず顔を上げ、彼女をじっと見つめた。

「やだなあ、そんな寂しそうな顔しないでよ」

痩せ細った手首を優しく握る。心臓がドクドクうるさい。
3日で死んじゃう…?どうして?あんなに優しくて、明るくて、いつも笑顔ないい子なのに。

「なんで、だって、」
「じゃあ、私はこれで!ちゃんと食べてよね」

ぴっ、とテーブルの上の料理を指差す。まって、と手を伸ばすが、彼女はこちらを見ることも無く行ってしまった。

「……まだ…話したいこと、いっぱいあるのに…」

今までの思い出も、これからの話も、…さよならすら言えていない。でも、わたしじゃあの子を追いかけられない。どうしてわたしじゃないんだろう。なんであの子なの。
震えた手で箸を持ち、ご飯を口に運ぶ。が、味はしない。

「……おいしくなんかないよ…っ」

カラカラと音を立てて箸が床に落ちる。そのまま小さな雫も床に滴り落ちた。…早く、食べれるようにならなきゃ。

8/20/2024, 6:13:39 PM

詩(お題)
『さよならを言う前に』


さよならを言う前に
予告編を見せてよ
伏線を教えてよ
その伏線を、回収してよ

さよならを言われたら
驚いて死んじゃうよ
突然は良くないよ
そうゆっくりと、時間をかけて

さよならを言う前に
その現実に、気づけってか?
目を閉じて、逃げていた
そう嫌なんだ、受け入れるけど

8/20/2024, 5:51:50 PM

「集合写真撮るぞ。集まってー」
「えやばい。前髪しんでるんだけど」
「竹内君、鏡持ってるよね。貸してくれない?」
いいよ、と渡した手鏡は、許可していないのに次々と他の女子へ回されていった。

雲ひとつない青空の下、体育祭はスムーズにプログラムを終えた。僕のクラスは、学年一位。
ようやく返ってきた手鏡をちらりと見てから、僕もカメラの方へ視線を向けた。

レンズを見つめながら、あの日もこんな天気だったな、と、もう何度目か分からない回想をする。


今日、別れ話をされる。初めて彼女からデートに誘われたことやその様子から僕は十分察していた。だからせめて、逃すのは大きな魚なんだと思わせるために、気合を入れてビシッと決めた格好をした。

泣かないと心に決めていたけれど、視界がじんわりぼやけてきているのを感じた。
「さよならを言う前に、一つだけいい?」
慰めの言葉だったらいらない。それとももしかして、少しは僕のことを意識していたとでも言うのだろうか。
彼女が口に手を添えて踵を上げ、内緒話をするような姿勢になるので、僕も少し身体を傾ける。泣き出してしまわないように下唇を噛みながら。

「鼻毛、出てるよ」


#さよならを言う前に

8/20/2024, 5:44:51 PM

別れ際、君は涙を流した。その涙の意味が私には痛いほどわかっていたし、君もそれをわかっていたのだろう。涙を止めようと強く瞼を擦る君の手を抑え、目元をそっと拭う。ハッとするような大きな瞳と目が合う。私を見つめるその瞳を覆い隠すように私は君を抱きしめた。君がこれ以上不安にならないように、これ以上涙を流さないように。しばらくしてゆっくりと体を離した私は、別れの言葉を小さく呟いた。
               #さよならを言う前に

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