『この世界は』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
はるか地平の向こうで砂埃が上がっている。
右から左に一直線で、かなり早い。
あれは恐らく多足蟲だろう。緊張しながら目を細めながら視線を追わせる。
と、砂埃は小さくなり、やがて消えた。こちらとは逆の方角に向かったのだろうか。
ともかくこちらにくる様子はないことに金土(かなと)アキラは安堵した。
−特に蝗や蟻に系譜を持つ蟲は、視界にはいったら直ぐに逃げなさいませ。捕獲されたら、死ぬより辛いですから−
伊-ハ三六がかつてアキラに言った言葉だ。
一度だけハグれに小蜘に遭遇したことがあるが、あれは獣族や器械族(または妹のヒスイ)ならともかく、アキラのような生身の人間に太刀打ちできるものではない。
この世界の食物連鎖に最上位は、間違いなく奴ら蟲族と言える。
「あれは、百足、かな。こっち来なくて良かったねえ」
ヒスイが手のひらを額に当ててアキラと同じ方向を見ながら言った。
「遮るものがないとはいえ、相変わらず凄まじい視力だな」
半分呆れながら「たぶん4-5キロはあるぞ?」
「あたし、視力10.0だからね!」
ヒスイは笑いながらアキラを横目でみた。
「まあ、伊ハと離れてから、お前がいるのは心強いよ」
彼女の言葉は誇張ではなく、寧ろ謙遜しているくらいだろう。もっと詳細にみえているはずだ。
「そうでしょう、そうでしょうとも。」
もっと頼りなさいと胸を張るヒスイ。
「生意気な。必要な時だけ頼むよ。あの双子を見習って、一方に寄りかからないようにしたいもんだよ」
「…そうだね。今日こそ街につきたいな」
ヒスイはひとつ伸びをして、南を指差す。
「じゃあ気合い入れなきゃな」
「走る?」
無理無理と手をヒラヒラさせて、アキラは南へ歩き出した。
今、この瞬間、一分一秒が過ぎていき
私が現在書いているこの文章も
文字を綴ろうとする時から未来であり、
綴っている現在、
綴った瞬間から過去へと移り変わっていく
この世界では、誰かが決めた当たり前が基本となるが、
誰が決めた基本を自分の当たり前にするかはそれぞれである
同じことをして生きていても
同じようで同じにはなれない
真似をしても、それもその人の個性である
誰1人同じ人など居なくて
みんな孤独を抱えて、1人であり、独りではない
前を向けば誰かしらが居る
知らない人でも、勇気を踏み出して1秒先の未来に、今進み出せば1秒前の過去の自分を誇れるだろう
今は出来なくてもいつか出来るように
周りが否定しても自分だけは誇れるように
この世界で生きていく限り、辛いこともあるけど
この世界は小さいから、せめて自分はこの世界よりも大きく居たいと願う
残酷で、矛盾に満ちてて、理不尽で。
無力さに打ちのめされたり、諦める方が楽になるかも、と思ったりしてしまうけれど。
ふと見上げた空が。
瓦礫の中に咲く花が。
何気なく交わした視線が。
――とても綺麗だったから。
懸命に前に進む足が。
人々を鼓舞する声が。
誰かを支える腕が。
――とても力強かったから。
残酷で、矛盾に満ちてて、理不尽で。
どうしようもない世界でも、この世界は生きるに値する、とあなた達が思わせてくれたのです。
前を向ける日ばかりじゃないけれど、立ち止まったり蹲ったり、怒りに任せて喚き散らしたりしてしまうけれど、生きていこうと思ったのでした。
END
「この世界は」
ひかり
かげ
太陽
月
深い深い闇のなか
照らすため、照らされるため。輝くために生まれた。
この世界は不思議に満ちている。見方を変えれば謎だらけだ。例えばすれ違う人の家や夕食から、いつも通る道に立つビルの内装も知りたいかはともかく知らないまま生きていく。教科書に書かれた内容ですら専門家にでもならないとそうそう確かめようのないこともあるだろう。タイムマシーンでもない限り歴史の真相なんて確かめようがないだろう。インターネットに乗っているたくさんの情報もそもそも確かめようがないものが多い。極論自分が見たもの以外、何なら幽霊見たり枯れ尾花とも言うわけで自分が見たものすら信用ならないかもしれない。人生の大半は知りようもないことに囲まれて生きていく。一つ一つ確かめはじめたらおそらくは時間足りないだろうから曖昧な理解と棚上げを繰り返しながら日常を過ごしている。
『この世界は』
どれくらい遠くまで来たのか
あの日から何か変われたのか
僕は弱虫でずっと逃げていた
嫌なことから遠ざけるように
だけど時間は過ぎ去る毎日だ
止まってくれと願うよう祈る
それでも世界は止まる事なく
周り続けることを止めないさ
この世界に生まれたその意味
いつか辿り着けるのだろうか
行き先のない旅路のゴールへ
END-名も無き小説家-
美しいはずのこの世界は、いつの間にか、何者かによって蝕まれている。
何者か?
それは、自己中心的な欲望剥き出しで生きている、人類すべて。
自然破壊から始まっている。
今、自然を破壊した事によって、行き場を無くした生き物達の復讐が始まる。
あの頃のままだったら、どんなに美しい世界の姿であっただろうか。
もはや、修復する事すら出来ない現実。
後がない現実。
私は今までに「この世界は」など偉そうに言えるような事1つでもをしてきたのだろうか。わからない。これからか?、いや、わかることが出来るかどうかさえあやしいのだ。ただ1つ言えることがあるように思えた。私はふとそれを人混みに呟いてみた。集団の中や、自分が見えない存在だから大丈夫な所でしか言えない。人間の弱いところだったと思う。私が悪かったのかもしれない。しかし、今さら考えてももう遅い。言ったことはとりもどせない。結局、それはごみとしての評価にしかならず、世界中からのバッシングにズタズタにひきさかれ、やがて波に飲み込まれていった。結局疑問のわからないままただただもみくちゃにされ、そこらじゅうに狼のいる広野にポツンと残され、なにも出来ず立ちすくんでいることしか出来ないでいる自分しか残らなかったのである。
この世界へ
「なぜ貴方達は見ず知らずの人間にたいし、集団で簡単に人を殺せるような言葉を投げ掛けるのですか?こんなの生きものが住める世界じゃありません。」
私はこんなことで簡単に殺される生き物ではない。腐ったこの世界を終わりにするため、私はそのアプリを消去しホームにある音楽アプリをタッチしおもむろにイヤホンを耳に突っ込んだ。頭の中にめぐる音楽、やがてそれは風のようになり、私の身体中に激しく巡り、弾け散った。なんとも言えない快感。ニヤニヤして震えが止まらなかった。鼻の奥から漏れ出てくるように永遠に、淡々と続く。 いつの間にか私は眠りに落ちていた。その日の目覚めはいつもとはちがかった。なんだか脱皮でもして、新しい肌で初めて太陽を浴びるような、とにかくこんなに気持ちの良い朝は今までになかった。私は泣かんばかりに、ドラマチックに叫んだ、「生きてて良かった!私の住める新しい世界をみつけた!あぁ素晴らしきこの世界!!!!」
新しい世界
後書き
この話は創作なので私はネットで傷ついたことはありません。なので実話ではないのですが、色々とあった時、音楽が私の味方をしてくれことは事実です。それは私にとってのすくいが音楽だっただけなので皆さん次第でそれは変わると思います。ただ私が伝えたかったことは簡単にまとめられませんが、大まかなテーマとしては「自分を救えるところで生きることも大切だ」ということかもしれません。かいた私にもうまく伝えられないので微妙ですが(笑)まあ、誰にでもある、心の一部にあるモヤをなんとなく物語にしただけかもと思います。初めて書いてみたので長くて下手ですが、暖かい目で見守っていただければ幸いです。
お題 この世界は
この世界は嫌なことしかないわ…
早く死にたいと思いつつも、1/1の地震でなくなった人のことを思うと辛い思いもある…。
「この世界は…」
「この世界は、本物だと思えば本物で、本物ではないと思えば本物ではないものだと、そう思えて仕方ないのです」
「この世界は本当に存在するのでしょうか」
「この世界は」
この世界は君に優しくない。
優しい君は、棘だらけの世界を抱きしめる。
ヤマアラシを裸で抱きしめるようなものだ。
自分の流した涙に溺れそうになって、必死に不規則な呼吸をしている。
贖罪する罪人のように。
子を無くした母親のように。
私は君の両目を手で覆う。
瞼の下で忙しなく動く眼球が君の動揺を伝えてくる。
君がすべてを捨てられないのなら、私が君から奪ってあげよう。
君に見せたい、美しいものがある。
君も美しいと思ってくれるだろうか。
波音が響く。
足元は断崖絶壁。
君の涙が作った海は、悲しみと諦めの色をしている。
優しい君を、優しくない私が抱きしめる。
もう世界を見つめない君の瞳は、今は私の理想を映していた。
ココアとミルクがゆっくり混じりあって
ホッとひと息
カーテンのすき間から外をのぞくと 灰色の空が見える
雪が降ってきそう
いま この世界は 何も持たない僕だけのもの
やがて雪が舞ってきて、子供たちの明るい声がきこえる
いま この世界は希望に満ちている
カップの中身が空っぽになって 僕は立ち上がる
右を見れば犬の耳を持つ人間が居て、左を見れば尖った耳を持つ人間が居る。上を見たならば箒に乗って悠々と空を飛んでいる。
俺が迷い込んでしまったこの世界ではこの光景が当たり前で、日常で、常識であった。
どうやらこの世界には『魔法』というものがあるらしく、今俺が居る場所も魔法学校だ。人間だけではなく獣の耳や尾を持つ『獣人』に、永い年月を生きる『妖精』まで存在しているらしい。
事実、俺の周りには人間も獣人も妖精も、果ては人魚までもが勢揃いしている。
魔法が使えない俺であるが、紆余曲折を経て相棒と共にこの学園で様々なことを学んでいる。元居た世界とはあらゆるものが違っていて、勉強がとても楽しい。
偉人達も全く知らない人物だし、各人が成した偉業にも非常に興味が湧く。
俺自身が魔法を使えたなら、きっともっと楽しい日々になるのだろうと常々思ってはいるが、結局のところ相棒とマブ共が居れば魔法が使えようが使えまいがどっちだって良いんだ。
お前達が居てくれるだけで俺は無敵になれるのさ!
この世界の空も、星も、花、海、あらゆる自然が、俺の事を受け入れてくれている。最近、なんだかそう感じるようになってきた。
#この世界は
テーマ“この世界は”
この世界は、誰かの創作した世界かもしれない。
私達は、その誰かの描いている
登場人物に過ぎなくて
過去の記憶も、実際に経験した事ではなく
その誰かが考えただけの、設定でしかないかもしれない。
その誰かが、創作することに疲れたら
私達は、永遠に同じ場所で止まり続ける。
創作していたものを全部消したら、私達は消えてしまう。
それだけのモノなのかもしれない。
この世界は、美しい。
残酷も不平等もそれ以外のものも
懐中に忍ばせて、幸せと悲しみ
愛や嘘 苦しみ、痛み、怒りもあるけれど
それでも 時が止まったような
瞬間に美しさが きらめく。
ふわりと
舞い落ちる雪のように
触れると、沁みる。
どれだけ 否定しても
この世界は、美しい。
【お題:この世界は】
『この世界は』
この世界は二種類のものが存在しますわ。
私か、私以外か。
私、自分以外のものにあまり興味がございませんの。
その手に持っているものは何か?
まあ、お目が高いこと!
これは『心が見えるオペラグラス』
知り合いに貸していただいたの。
試しに使ってみましょうか。
悪役令嬢は外へと足を運び、
小さな蟻たちを見つけた。
一生懸命働いてる子もいれば、お仕事をサボってる子もいますわ。人間とさほど変わりませんわね。
『ヨイショ ヨイショ』
『サムイ!』
『オサンポ タノシイ』
悪役令嬢は道端にひっそりと
咲く小さな青い花を見つけた。
屋敷の庭に咲く薔薇やりんごの花に比べたら、
華やかさや香り高さはありませんが、
控えめで愛らしいですわね。
『フマレタトコロ イタイ』
『ア ダレカミテル』
『ワタシ キレイデスカ』
屋敷へと帰ってきた悪役令嬢は
今日の出来事を思い出した。
私の興味がなかったものにも
心は宿り、日々を生きている。
この世界はなんて美しいのでしょう。
そう思いませんこと?セバスチャン
この世界は
偽りでも美しく
そして偽りが故に醜くもある
岩から滴る癸
石の上にも三年 雨垂れ石を穿つ
その信念 信仰 本心なら
それは偽り、狂気、でもなく真の己の心なり
しかし、少しの嫉妬否四罪四凶そして七罪の自覚
なければ生まれた場所すら帰れなくなる
顔もない渾沌と化す
果たして人は物はなにを思うのだろうか
分けるということだけは忘れていけなかった
と、私は思う
この世界は︎︎ ︎︎"怖い" 所だなって思う。
色んな事件や事故が沢山起こってるから。
2024年の1月1日石川県能登半島で震度7の地震、そして津波…
沢山の負傷者が出て沢山の死者が出た…。
心からのご冥福をお祈りします。
2度と怖い世界を作りたくない。
この世界は他人なくして生きていけない。でも私はそんな他人(人間)がそれほど好きでないし、それでべつによい。
この世界は
今あるこの世界って何だろう…130億年だか遥か遠い昔に、何らかの大爆発が起きて…其れから遥かな時間の後に、地球が出来て、其れからまた遥かな時の後、人間が現れて…そして今、こうしてある日常…色々な見えない繋がりの中で、私がいて…何の為に、存在して、この世界の中で、生きているのか…世界は限りなく大きくて、ちっぽけな存在の私…この世界って何だろう…