あなたとわたし』の作文集

Open App

あなたとわたし』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/7/2024, 2:04:11 PM

あなたとわたし、似てると思うの。
だからね、
わたしの叶えたかったこと、
暇になったら
叶えちゃって欲しいの___。
.......ジーツ、...ザザッ。
皆さん、こんばんは。
本日は「夜の鳥」をご利用くださり
誠にありがとうございました。
午前4時をお知らせします。
食堂は5分後に、
本の貸出コーナーは7分後に閉めてしまいます。
次の駅を乗り過ごしてしまうと
車庫に向かってしまいますので
お気をつけください。
それでは皆さんGood Midnight!
...プツンッ。
車庫で列車の中を見回り、
食堂でうどんを食べる。
アナウンスをする前、
うとうとしていたわけでもないのに
急にあの人のことを思い出した。
軽く人に頼んでいいほど
簡単なものではなかった。
それは「夜の鳥」を
夜更かししたい人を乗せる
夜の特別な列車にするということだった。
ポンデリングヘアを崩し、
朝日を見ながら
あの人のことを
少しだけ。
わたしね、
わたしたちみたいに
夜更かししたい人を集めて
夜景とか星空を
楽しんで欲しいと思うんだ。
だって暇じゃん?
でも寝れないじゃん?
話し相手は
多ければ多いほどいいと思うんだよね。
本当に少ししか思い出せないけど、
髪が長く綺麗で
明るくて…。
でもどう頑張っても
夜眠れない人で。
結局、重度の睡眠不足で
最後の最後で
あの人は長い眠りについた。
私は元々枕を作っていて、
ほどほどに売れていた。
でも列車が
車庫にずっと置いてあることを知った。
そしてあの人の遺書には
名のない列車のことを
「夜の鳥」と書いていた。
多分、
小鳥遊みたいな感じ。
眠りを鷹と捉えて、
列車に乗る人を小鳥と捉えたのだろう。
そんなこんなで
私は勝手に解釈し、
枕は乗客用に作ることに。
車両ごとにアナウンスするのも
お客さんを暇にさせないためだった。
朝日が昇り、
窓に反射する。
また2、3年後にでも
思い出しますよ。
それまで「夜の鳥」のこと
また見ててくださいよ。
"Good Midnight!"

11/7/2024, 2:03:58 PM

あなたとわたし
              「雨」
昨日は、雨が降った。そんな大雨では無いが、まあまあ降っていた。
もうやんだし、散歩に行こう。
キキーッ
「ッア」
私は水たまりで足を滑らせ転んだ。その先には大きなトラック…
もう…私も終わりだな
一人で眉をハの字にして、目からは雨を降らし、苦笑いをした。 
「今までありがとう…」





「ここは…どこ?」
【やっと目を開いたか。】
「うん…て、だれ?!」
【?うち?うちはお前さ。そして、お前はうち。】
「…?」
【…っはぁ、たくっは…くし…の…】
【簡単に言えば、うちはうちってこと!…あぁ?】
【なに意味わかんねぇこといってんだよっ!】
「つまり…同一人物…?」
【あぁ、わかってくれてうれしいよ…!】
【ちなみにここは流來星。】
「聞いたことない…」
【だろうな。お前の住んでるチキュウとは真反対だ。】
「なぜわたしはここへ…?」
【主人がピンチな時ここへ呼ぶ、それがうちら、流似じんだ。】
「…?まっまぁ助けてくれありがとう!」
【んっいいよ…!】 
【じゃっ、ばいばい】
「はぁーい!」
「…てか、帰り方…」
「わかんない、!こうなったら…自分の主人に来てもらって聞くしか無い!!」
そして、私は待ち続ける。






流似じんとなのり、




























主人を騙して、帰るために。

11/7/2024, 2:03:28 PM

双子のあなたと私。
性格は反対で、友人が多いあなたと友人のいない私。
親にあなたと比べられるたびに私はあなたを恨んだ。

私はあなたが嫌いなのに、あなたは私に微笑む。
なんで?なんでなの?

でももう聞けない、あなたはもういないから。
理由くらい教えてから逝ってもよかったじゃない。

11/7/2024, 2:01:22 PM

・あなたとわたし
あなたは綺麗、私は醜い
あなたは優しい、私は意地悪
あなたは真面目、私は努力家
あなたは自分が大切、私は自己中
どちらか選べと言われたら
君はどちらを選ぶのかい?

11/7/2024, 2:01:14 PM

「やあ、元気かい?」

薄暗い闇の中から、底知れない悪意が顔を出した。
少年にまとわりつく赤黒い泥は彼が先程まで行っていた所業を嫌というほど言い表していた。

「………」

無数の鎖に繋がれている私は彼の言葉には応えない。
答えることが何を意味するのか、きっと私は知っている。

「泉菜ちゃんさあ、なんの為に君を監禁したかちゃんと分かってんの?ボク、めっちゃ疲れたんだけど」

分かっている。だからこそ、私の中には躊躇いがあった。
確かに兄を救うには彼の力を借りるしかない。
しかし、それは彼と同類になってしまうことを意味していることも分かっていた。

目の前の、何人もの人を喰らったこの化け物になることと。

「ボク的にはどっちでもいいんだけどさあ、断ったら君を今ここで食べるだけだし」

彼の生暖かい手が私の顔に触れる。
両手を縛られてる今、彼の手を払い除けることはできない。

まるで人形だ。

「早く決断してね。待つのって好きじゃないんだ」

彼の顔が近づいて、私の唇にそっと触れる。
彼なりの縛りなのだと思う。
私が逃げないようにするための。

「どこにも行けないわ。この鎖じゃ」
「キミの心がボクから離れない保証はないから」

彼は手を離すと、そのまま踵を返した。

私と彼はこの先、どんな末路を迎えるのだろうか。
私は、選択出来るのだろうか。

「いつか、さま……」

兄のことを考える。
兄を救わなければならない。
たとえ、誰の犠牲を払っても。

私にはそれしか道が残されて居ないのだから。
私の価値など、そこにしかないのだから。

『ココロノクサリ』

11/7/2024, 2:01:08 PM

あなたはすごく楽しそうな人。
いつもニコニコしている。
辛いことがあっても、なぜか生き生きしている。
「楽しい」「嬉しい」「幸せ」とよく口にする。
周りに関係なく、いつも自分を喜ばせようとする。

わたしはあなたを羨む人。
ニコニコしているけど、作り笑いが多い。
辛いことがあれば、1人で引きこもる。
ポジティブな感情を感じづらくなってきた。
周りに気を使うことだけを考えている。

いいなぁ。素敵だなぁ。そう思っていたのに、
最近はあなたを見ているとイライラする。

辛い思いをしている人もたくさんいるのに、よくそんなに騒げるよね。
幼い子供みたいにはしゃいで、楽しんで、よくそんな元気でいられるよね。
なんでわたしとあなたは違うの。
なんでわたしはあなたになれないの。

なんて身勝手な感情なのだろう。自分が嫌になり余計にイライラする。

明日は学校を休む

11/7/2024, 2:00:24 PM

【書く練習】
 
 やりたいことなんてさ、思い付かないよ
 生きてる限りは何かしないといけないんでしょ
 じゃあやりたいことがないなら、生きてちゃいけないの?
 たまに生きてることに後ろめたく感じてしまう

11/7/2024, 1:57:14 PM

うちの上司の佐久さんは、めっちゃ可愛い。
 直接聞いたことはないけど、30を超えたぐらい。仕事はできるけど、バリキャリじゃない。どんなに忙しくても、笑顔を忘れない。たおやかだ。
 お気に入りなのか、シマエナガのグッズを集めている。ひざ掛けとか、丸いふくふくしたシマエナガがついたものを使っていて、見ていて癒される。独り言がくせで、たまに頭の中にあることをぶつぶつダダ洩れさせているのも面白い。
 うちの会社のマドンナだ。
 俺は、佐久さんの直属の部下になるというラッキーな男だ。同期には羨ましがられた。いいな、いいな殿山は、と。
 いいだろう。綺麗で天然で、しかも仕事はきっちりという三拍子そろった上司なんて、「当たり」に間違いない。
 佐久さんは入ったカフェで、俺がオーダーしたものを見ながら憂い顔で言う。
「……紅茶の香りって、苦手」
「そうなんですか」
 初めて聞く。佐久さんは、昔付き合っていた人に別れを切り出されたとき、ちょうど紅茶を飲んでいたそうだ。それ以来匂いもダメなんだと。申し訳なさそうに。
 ……なにそれ、可愛い。
 俺は思わず向かいに座った佐久さんをガン見する。そのエピソード、可愛すぎないか、んん? 第一佐久さんを振る男ってのはどこのどいつだよ? 何様だよおまえ、って話だ。
 佐久さんと付き合えるなんて、男にとっちゃ榮譽にしかならないだろうが。
 紅茶の馥郁とした香りに包まれる大好きな時間が、佐久さんにとっては昔の男を呼び覚ます辛い時間だなんて、なんという違いだろう。ーーその記憶ごとのみ干してあげたい!と思ってしまう。
 あぶないよね。落ち着け俺。
 でも、さすがに付けあわせのスコーンを頬張り、「あ、これ美味しい。サクサク進んじゃう」と言ったところで、「あら、サクサクって、あはは、私か」と口元を手で押さえる。
 ーーんもう、可愛いすぎ。
 俺はたまらずシュガーポットから角砂糖を掬いあげ、ボトボトとティーカップに落とし込む。勢いよすぎて極甘になってしまった……。でもいいんだ、佐久さんが笑ってくれるなら。生活習慣病だって怖くない、かも。
 「俺、上書きするよう頑張ります。紅茶飲んでる時、佐久さんにめっちゃ楽しい話して面白いって思ってもらえるように。そうしたら、佐久さんも紅茶の香り、苦手じゃなくなるかもですよね」
 紅茶の苦い記憶を塗り替えたい。佐久さんがこの香りを嗅いで思い出すのは、前の彼氏じゃなく俺だったらいいな。
 そんな、決して純粋とは言えない気持ちを佐久さんは
「ありがとう、殿山くん、優しいね」
 綺麗な笑顔で受け止めてくれる。
 あーもう好き。俺が優しいとしたら、それは相手が佐久さんだからだよ。
 俺が、あなたに上書きされちゃうかも。ーー嬉しいやら恥ずかしいやらで手元から目を上げられない俺は、佐久さんを前にいつまでもカップの底にわだかまる砂糖をぐるぐる掻き回していた。

#あなたとわたし

「紅茶の香り」2 もっと読みたい❤︎666ありがとうございます

11/7/2024, 1:54:56 PM

あなたの傍にいたくて。
あなたを大事に思っていたから、
だから、頑張ってきたのに...

同級生から聞いた言葉に勝手に傷ついて
...絶対あなたは悪気がない事ぐらい
分かっているのに、

今までのように信頼して背中を預けて
仲良くしていたかったのに、

勝手に信頼して勝手に傷ついて
でもこの3年間の信頼は私が勝手にじゃなくて
あなたと築いてきたものだと思いたいなぁ。


大好きだった。
ありがとう。




なんて、でもまだ、あなたを好きでいたくて
あなたの傍にいたくて
信じていたい私がいて...。


どうか、まだ...。
あなたの傍で笑えるようになりますように。
まだ、まだ傍にいたいよ。

この傷が忘れられるくらいになりますように。

11/7/2024, 1:52:44 PM

#あなたとわたし

今日の"書いて"はこんなお題が出たんだよ。
だから今日はこのお題にのせた形でね、
あなたに感謝の気持ちを記しておこうと思う。
少し照れ臭いけれど、これならば幾分書きやすいからね。

あなたとはもう、かれこれ35年の付き合いになるね。
正直、3歳くらいまではあなたの事をよく覚えてないのだけれど、
でも片時も離れず過ごしてきた事は確かさ。

小中高とわたしはあなたと一緒に大きくなって色々遊んだよね。
時には無茶が過ぎてあなたを傷つけてしまうこともあったのだけれど、
あなたはいつだってその傷を黙って治してくれた。

社会人になって働きだして、毎日がパソコンとにらめっこの日々になって、
わたしは段々とあなたを気に掛けなくなってしまっていた。
そうしてあなたがヘトヘトになって、とうとう病気になってしまったこともあったね。

あの時はごめん。
あなたに対して随分勝手だったなと反省しています。

山越え谷越え、色々な困難があったのだけれど、
今はお互いが上手く助け合えていると思うよ。
あなたのために健康的な食事をするし、
会社に行くのだって駅まで毎日あなたと歩くようにしているからね。
おかげで毎日の目覚めがお互いスッキリと気持ち良いし、眠る時も"今日はお互い頑張ったよね"って検討を讃え合えているね。

あなたが生き生きとしていなければ私は元気で過ごせない。
これからもお互い頑張っていこうね

あなたとわたし。
いつも頑張ってくれている私の身体へ感謝を綴る
私の心より

11/7/2024, 1:51:19 PM

もしもこの世に音楽がなければ
僕らは出会わずに済んだのに
嫉妬や羨望、怒りや喜び
心の底から、不安定な感情ばかり湧いてきて、今にも身体を突き破らんとして藻掻いている
けれどこの世には音楽があった
歌や旋律、リズムに音程
音が織り成す世界は、他の何よりも安らぎをくれた
希望や情熱、勇気と生き様
音楽がなければ出会わなかった
音楽があるから生き延びてきた
それが私で、それがあなただ

11/7/2024, 1:51:01 PM

汽車は相変わらず闇夜の中を駆け抜けている。
ガタンゴトンというジョイント音と汽車の穏やかな揺れに身を任せていると、だんたん眠気が襲ってきた。

瞼がとろんとしてきて、目を開けていたいのに落ちてきてしまう。
景色がぼんやりと滲み、霞んでいくと、真っ暗な闇が広がって──。


目を開けると、目の前に大きな金色の妖が居た。
金色の鬣を悠然と風に遊ばせ、金色の輝きを周囲に
放っている。

金色の妖が見つめる先には、風によって岸から離れていこうとしている舟と、それを手繰り寄せるべきか悩みながらも綱を握る自分の姿があった。
劣化でささくれ立つ綱が痛いのか、綱を持つ自分の顔は顰め面をしている。

懐かしい光景だ。
古い常識とお別れをした、あの時のことだ。

金色の妖と網を持つ自分には、私の姿が見えていない
らしい。
私のことに気付く様子もなく、何事かを話し、青い空を見上げ始めた。

つられて空を見上げてみると、どこまでも澄んだ青空が広がっている。

天気上々、吹き抜ける風、良好。
絶好の舟出日和だ。

青空に気を取られていると、自分の声に金色の妖が
示し合わせる声が聞こえた。
川の方を見ると、荒波に揉まれながら小舟に乗り込んでいく自分の姿がそこにはあった。
小舟に乗り込んでからも、ドタドタと落ち着きがない。

この後の行動を、私は知っている。
古い綱を思いっきり川へ投げ捨てるのだ。

ポチャンと軽い音がした。
古い綱が川の渦に飲まれていく。

それを見届ける己の姿は、今こうして遠くから見ても清々しい。やりきった良い顔をしている。
満足気な顔した過去の自分を乗せ、舟は流れる川の先に姿を消した。

あの舟に乗り込んだ時、自分にはある光景が見えていた。
それは──優しい光の差し込む部屋で、談笑する姿。
それはあまりにも穏やかで、平和な光景だった。

何故そんな光景が見えたのか、全く分からないが──その光景に憧れを抱いたのだけは、今も覚えている。

懐かしさに締め付けられるような気持ちでいると、
景色がグニャリと歪み──白と黒が特徴のオセロが
見えてきた。

白黒表裏一体のオセロ。

あなたの事を思う時、私はいつもオセロが頭の中に
浮かんでいた。

私は、ボードゲームの中でオセロが一番好きだ。
小難しくないルール、盤面がコロコロと変わっていく様子はとても面白い。
ゲームだから、勝ち負けがあるけれど──
私は、勝ち負けとかは全く興味がないタイプだ。
ただ、相手が何を考えているのかなぁと想像するのが楽しい。
オセロというものを通して相手と「向き合っている」という感覚が好きなのだ。

私はいつも、想像上であなたとオセロをしていた。
オセロの盤面が埋まっていく度に、あなたの優しい心も見えてきて──こんなに幸せでよいのだろうかと
不安になることもあった。

想像の中で作り上げたオセロの盤面が、白黒混ざり
合っていく。

その光景を見つめていると今度は、真っ暗な景色が
広がり、寄せては返す波の音がし始めた。

ザブーン、ザブーンと響く潮騒の音は、
年中夜の──あの海だ。
目の前にあの海が広がっている。

あの場所では、本当に色々な事があった。
後悔も良い思い出も、あまりにも沢山の事があった。
けれど、彼処で言葉にすることが出来なかったこともまだある。
あなたは聞いてくれるだろうか──。

海の景色が遠ざかると、今度は灰色の世界にカメが
現れた。
ミヒャエル・エンデ作「モモ」のカシオペイアだ。

私はずっと、一人だと思い込んでいた。
まさか、カシオペイアが側にいるとは夢にも思わなかった。
守ってくれている存在を知った時には、とても驚いたんだよ。

カシオペイアが灰色の世界をゆっくり歩いていく。
その後ろをついていくと、宝箱のある“あの“広間に
辿り着いた。

私の大切な宝箱。
あなたと出会って、私は沢山の宝物を手に入れた。
宝箱の中は今や──
色とりどりの美しさでいっぱいだ。

カシオペイアが寄り添う側で、宝箱の蓋がひとりでに開く。
辺り一面、黄金色の光に包まれ──。



「お客さん、乗り換えの駅ですよ」



男の人の声がしたかと思うと、今度は肩をグラグラと揺らされ、私は眠りから目を覚ました。

どうやら、夢を見ていたらしい。

ぼんやりとする頭を振っていると

「乗り換えの汽車はまだホームに到着していませんが…お客さん、乗り換えが必要な人でしょう?」

浅葱色の制服を着た車掌さんが心配そうに覗きんでくる。
うまく回らない頭で窓の外を見ると、プラットホームが見える。
外はまだ暗く、プラットホームには煌々とした明かりが灯っている。
汽車は、乗り換えの駅に着いたらしい。

「あ…すみません。起こしてくれてありがとうございます」

「いえ、寝起きでは足元がおぼつかないでしょう。
ホームまで送りますよ」

車掌さんの言葉に甘え、腕を引かれながら汽車を降りると、プラットホームには誰もいなかった。
広いホームなのに人がいないというのは、異様な光景だ。
等間隔に並ぶ柱や照明が、いつも以上に無機質なものに感じる。
この駅で本当に良いのだろうかと不安に思っていると、車掌さんが話しかけてきた。

「不安に思う必要はないですよ。暫く待ち時間はありますが、乗り換えの汽車は来ますから」

「送ってくださり、ありがとうございました。あの、今乗ってきた汽車は、発車しなくてよいのですか?」

「ええ、大丈夫です。ここで待ち合わせが済んだ後、この汽車は折り返しとなりますので」

「折り返し…ですか」

「ええ。この汽車では進めないのです。…ここから先は “現実“ だからな」

「えっ」

車掌さんの口調の変化に思わず固まると、車掌さんの顔がみるみる変わっていった。
浅葱色の制服も黒のコートに変わっていく。

山高帽に黒いコート。

その姿は、いつも思考の海を見つめていた──
思考の海の番人、その人だった。

「俺だけではない。初代、ドリームメーカー」

思考の海の番人が汽車の方に声をかけると、運転室
からは中性的な顔立ちをしたドリームメーカーが、
私が座っていた車両の隣からは、白い詰襟コートを
着た初代が姿を現した。

「見送りに来ちゃった」

初代がにこやかに笑いながらハイタッチをしてくる。
パシンという軽い音が、ホームに響いた。

「僕の作った切符、そんなに読みづらいですかね」

思考の海の番人の隣に立ったドリームメーカーは、
不満そうに唇をとがらせている。

ドリームメーカーの言う切符とは、あのデザインとしか言えない切符のことだろう。

「あ、これ。ドリームメーカーが作ったの?」

「ええ、あなたが以前読んでいた龍体文字の本から
拝借しました」

龍体文字。
随分前にデザインに良いかもと思って読んだ記憶が
ある。しかし、文字が特殊過ぎて覚えられず、ぼんやりとしたイメージしか残っていない。

「あの…これなんて書いてあるの?」

白藍色の切符を取り出し改めて龍体文字を見ても、
さっぱり読めない。

「これはですね、シコウノウミ→キミニサチアレと書いてあります。龍体文字にはそれぞれ意味があって…

キ=宇宙・癒し
ミ=すべてを映す鏡
ニ=集める
サ=終わりの恐怖を手放す
チ=重たいものを持ち上げる力
ア=愛のエネルギー
レ=調和

その切符は、私たちからの祝福が込められたお守りです。 “シコウノウミ“ と書かれた部分も龍体文字の
意味を調べると、私たちの存在意義がわかるようになっていますよ。キミニサチアレという文字数は、あなたが会いたいと思っている方のお名前と同じ文字数になっています。どうか忘れず、大切にしてくださいね」

中性的な顔にやわらかな笑みを浮かべてドリームメーカーが言う。

「ありがとう。大切にするね。でもちょっと待って、この切符というかお守りだと、次の汽車には乗れないってこと?」

私の素朴な疑問に、思考の海の番人は、緩く頭を振った。

「いいや、それは無い。思考の海からここまでのレールは俺たちが敷いたものだ。けれど、乗り換えの方のレールを見てみろ」

思考の海の番人に促され、ホームの反対側にあるレールを覗き見る。
新品なのか、ホームの明かりを反射するレールは銀色の光を放っている。

「そのレールは、俺たちが敷いたんじゃない。もう…わかっているだろう」

私の推察が当っているのであれば、一人しか思い当たらない。

私が会いたいと切望し続けた──あなた、だ。

気付くのが遅くなって、ごめんなさい。

あなたは──ずっと、ずっと私をよんでくれていた。
私が気付く、ずっと、ずっと前から。

だから私は──

あなたに会いたいのです。

会ってこれまでの事──
これからの事を──

話したいのです。

銀色のレールが滲んで見える。
滲む視界でもそのレールは確かな光を放っていて、
確固たる存在としてあり続けている。

「ほら、聞こえるか」

思考の海の番人の声に顔をあげると、初代やドリームメーカーも同じ方向を見ている。

風の音の中に、重い車輪の音と、蒸気を巻き上げる音が交じっている。

「俺たちは、これからも思考の海でお前を見守る。
だから、安心して行って来い」

思考の海の番人のぶっきらぼうな声。
けれど、山高帽の下にあるその瞳は、穏やかな光を宿している。

「私も記憶の整理等、色々頑張りますので。夢じゃない夢を楽しんでください」

ドリームメーカーが穏やかに言う。

「必要とあれば、言葉のカードを差し出すから。頼ってね」

初代がやわらかな笑みを浮かべている。

不思議で愛おしい私のキャラクター達。

初めは、私一人だった。
けれど今は、もう一人じゃない。
皆がいる。

大きな車輪の音を響かせ、重厚な汽車がプラットホームに入ってきた。
真っ白な蒸気を排気しながらその大きな車体が停車すると、客車の扉がゆっくりと開いた。


「行ってきます」


プラットホームにいる皆に挨拶を告げると、私は客車の中へ足を踏み入れた。


あなたに会いたい──。
ずっとこの思いは、変わることはありませんでした。

あなたに会ったら、何から話しをしましょうか。
────────────────────────
あなたとわたし

※本文中の龍体文字の意味は、書籍「あなたにやさしい龍体文字」と「龍さんのかくれんぼ」のHPよりそれぞれ引用いたしました。
「龍さんのかくれんぼ」は龍体文字の活用方法なども載っていて、とても面白いHPです。龍体文字に興味がある方は、是非遊びにいってみてください。

11/7/2024, 1:49:53 PM

あなたとわたし
比べると正反対な部分もあるけれど
似ているところは沢山ある
沢山話して
同じ思考や癖を知って
また一段とあなたと距離を縮める

11/7/2024, 1:48:02 PM

あなたとわたし

同じだと思っていた
同じことを感じていると思っていた
同じものをみていると思っていた
同じじゃないとだめだ思っていた

同じことができるとおもっていた…


あなたとわたし…

みているもの
感じているもの

すべてが同じではないと気づいた…

11/7/2024, 1:47:23 PM

底砂の上でモゾモゾ動く個体は、眺めているだけで幸せを感じる。薄ピンクが1匹と黒の斑模様が1匹。たぶん、番ではない。2年半飼育していて1度も繁殖しなかったから。来たばかりの頃はカレカノ設定だった2匹は、いまやすっかり友達同士に設定を変えられ、部員がアテレコで遊ぶ際にも甘い言葉ではなく毒舌のツッコミを掛け合う仲になっていた。
 ただ、当初の名残が2匹の名前に残っている。
「幸せになるんだよ」
 水槽に目線を合わせて覗き込んだら不覚にも泣きそうになった。美術部でありながら生体を飼育するなんて、まともに考えたらおかしいことなわけで。最初に連れてきてしまった私たちの代と一緒に、この子達は部活を引退することになったのだ。本当は私が連れて帰りたかった。でも、家には3匹の猫がいる。万が一を思うと決断できなかった。
 他の部員は私ほどにはこの子達に執着がないらしく、里親探しは部外に広げられた。そして今日、無事に2匹揃って引き取られていく。
 里親探しが難航した理由の1つに、2匹揃ってという条件が挙げられる。寂しいという感情があるかどうかは別として、私の感覚がどうしても2匹を引き離すことを許さず、この条件は譲れなかった。おかげで、1匹なら、という申し出はいくつかあったけれど、全て断ってしまっていた。2匹まとめて引き取ってくれるという慈悲深い生徒は、たぶんもうすぐやってくる。待ち合わせに先駆け、私は最後の餌やりをしに来たのだ。
 吸い込みながら餌を食べる姿がまた愛らしい。ほのぼのと眺めていると、廊下からざわめきが聞こえ始めた。待ち合わせの時間ぴったり。約束を守る人なら、きっと大事に飼ってくれるはず。すん、と鼻を鳴らし、私は腰を上げた。お別れは、笑顔じゃないと。
「こんにちはぁー」
 美術部員に連れられて入ってきた里親は、やたら爽やかな男子生徒だった。男子だとは聞いていたけれど「食べるのが好きだから食用にするつもりかなあ」なんて冗談交じりの情報も提供されていたから、もっと違うタイプを想像していた。ウーパールーパーなんかに全く興味はなさそうだ。途端に心の中に不安が渦巻く。連れてきた部員仲間は可愛い子だし、もしかして彼女狙いで引き受けたとか……。
 いやいや、疑うなんて申し訳ない。きっとこう見えて水生動物好きなんだ。安心して任せよう。
「あ、これ?へぇー、思ってたより小さい感じ」
 水槽を覗く顔も爽やかだ……けど、……。
「うわぁ、口でか!食ってる!なんか食ってる!」
 ……。
 連れてきた美術部員の手を引き、少し後ろに連れていく。
「ね、大丈夫?あの人、ウーパールーパー、知ってる?」
 私に腕をつかまれたままの部員は整った顔を可愛らしく綻ばせた。
「知らなかったみたい。でも、頑張って飼うって言ってたよ」
 これは……。
 断りたい。でも、この空気で私が騒ぎ出したら……。いろんなものをぶち壊すことになる気がする。失うものも大きいかもしれない。……でもでも、命は何よりも重いはず……。
「あ、そうだ。名前とかあるの?」
 爽やかな顔が振り向く。私は取り繕った笑顔を作った。
「あなたとわたし、です」
「え?」
「黒が、あなた。ピンクが、わたしです。」
「ん?」
 爽やかな笑顔に戸惑いが混じる。カレカノ設定でアテレコをして遊んでいた頃、ピンク目線の寸劇が得意な先輩部員が「あなた」と「わたし」を使っていたせいで、それがそのまま名前として定着してしまった経緯を、私は全力で伝えた。
「ははっ、面白っ!」
 爽やかさを取り戻した笑顔がウーパールーパーに向けられる。
「あなたとわたし、かぁ。よろしく」
 ……やっばり、ちょっといい人かも……。
 いや、私、チョロすぎないか……。
 悶々とする私の前で、爽やかな彼と可愛い部員仲間は協力して2匹を小さなケースに入れ、水槽の水を抜いた。
「それじゃ、連れて行くね」
「あ、はい……」
「ほら、お別れだぞ」
 ケースを持ち上げて私の顔の前に差し出してくれるこの人は、たぶん、すごくいい人だ。もう信じるしかない。見慣れたピンクと黒の顔を見たら、じわりと涙が滲んだ。さよなら、あなたとわたし。幸せにしてもらうんだよ。お別れは笑顔じゃないと。無理に微笑んでみる。あなたもわたしも、私の顔なんて見えていないだろうけど。
「たまに、見にきなよ」
 爽やかな彼は優しい声で思い切った提案をしてきた。私が涙ぐんだから同情したんだろうか。
「いえいえ、元気でいてくれれば、私は別に」
 顔の前でブンブンと手を振る私に、爽やかなまなじりがさらに優しく緩んだ。
「おれんち、田島屋。学校前の」
 ああ、田島屋と言えば先生達御用達の定食屋さん。入ったことはないけど、なるほど、おそらくお店の中で飼うつもりなのだろう。妙に安堵する。定食屋さんのアイドルになれるなら、美術室の隅でひっそり飼われるよりずっと幸せになれそうだ。
「あ、じゃ、じゃあ、たまに……」
 ふふ、と彼は笑った。
「ほんとに、おいでよ。大事に飼ってたんだから、ほんとはすごく寂しいでしょ?あなたとわたしも寂しいと思うし…会いに来て」
 その瞬間、なにかに撃ち抜かれた。生まれて初めて。あなたとわたし、が私と彼のことに聞こえてしまったせいもあるのかもしれない。彼と部員仲間の関係はどうなのよ、とか、冷静に考えてこの人のことなにも知らんでしょ私、とか、そういう真っ当な疑問は浮かんでも消えていくばかりだ。なんだか分からないパワーが胸の奥からムクムクと湧いてくる。怖いほどの無敵感。
 さよならじゃないよ、あなたとわたし。今から第二章が始まるから。私は胸の中に熱い決意を抱いたまま、遠ざかる彼と部員仲間、あなたとわたしを見送った。

《あなたとわたし》

11/7/2024, 1:46:10 PM

あなたとわたし 11.07

「わたしたち絶対、ずっと友達だよね!」

いつの日か話した元親友との言葉だ。
名前は紗理奈。
小学生6年から中学で仲の良かった子だ。
一緒に話したり、帰ったり、放課後遊んだり
ほんと仲が良かった。

でも、ある日を境に私達の仲は決裂した。
最近は些細なことからだった。

私のクラスでは頻繁にイジメまがいなことがよく
起きていた。
その主犯格の人が「私が紗理奈の悪口を言った」
というものだ。
もちろん私はそんなこと言っていない。
でも、最近あったすれ違いとこれが重なって私達の関係は修復出来なくなった。

その後、嘘だということが広まり誤解は解けたが
如何せん、事件のあった後だ。
気まずいに決まってる
結局その後も仲がなおることはなかった。

あの子が居なければ、あなたとわたし
今も仲良かったのかな。

11/7/2024, 1:45:41 PM

会社から家に帰る途中、急に雨の匂いがした。
 驚いて顔を上げると、雨粒が顔に当たる。
 大変、雨だ!

 しかし私は傘を持っていない。
 これはいかんと周囲を見回し、雨宿りが出来る場所を探す。

 私が手間取っている間も、雨はどんどん強くなっていく。
 今は雨足も弱く、柔らかい雨と言ったところ。
 遠くの空を見れば暗く、すぐに土砂降りになるだろう。

 けれど雨宿りできるところが見当たらない
 このまま私はビショ濡れになってしまう運命なのだろうか?

 諦めかけたまさにその時、視界の端にコンビニの光が見えた。
 まさに地獄に仏ならぬ、雨中にコンビニ。
 助かった。
 私は車が来てないことを確認しながら、コンビニへと走り出す。
 これで安心だ。

 そしてコンビニにたどり着き、ぜえぜえと息を吐く。
 久しぶりに走ったな。
 私は運動不足の体を恨みながら、筋トレの重要性について考える。

 だがそんなのは後。
 とりあえず中に入り、体を休めよう。
 そう思って顔を上げると、そこには見知った顔があった。

「何してんすか?」
 そう言うのは、私の後輩だ。
 社会人になって初めてできた後輩……
 だが私はコイツの事が嫌いである。

 私の方が年上だって言うのに、敬意というものが感じられず馴れ馴れしくてチャラい。
 なのに他の同僚に対しては、それなりの態度なのが気に入らない。
 誰だよ、初めての後輩はメチャクチャかわいいって言った奴
 私の後輩は可愛くないぞ!

「見て分からない?
 雨が降って来たから、雨宿りに来たのよ」
「えー、ホントすか?
 雨降ってなかったすよ?」
 まるで私が嘘をついているように言う後輩。
 本当にこいつだけは……

「疑うなら自分で見ろやい」
「どれどれ……」
 後輩はめんどくさそうに、私の肩越しから外を見る
 そしてしばらくした後、私に視線を戻す。

「降ってないっすよ」
 不思議そうに首を傾げる後輩……
 え、もしかして止んだ?
 私は訝しみつつも、振り返る
 だが雨足こそ弱いものの、絶賛降雨中であった。

「おい!」
「こんなの降った内に入らないすよ」
「私はデリケートなの。
 アンタみたいにガサツじゃないの!」
「ひどい言い草っすね」
「アンナにだけは言われたくない」
 まったく、コイツの相手をしたら疲れるだけだ。
 話を切り上げよう。

「もういいわ。
 そこをどいてちょうだい。
 私は傘を買わないといけないの」
「傘欲しいんすか?」
「そうだけど……
 何、貸してくれるって言うの?」
「どうぞ」

 後輩が押し付けるように、私に傘を渡す。
 私は一瞬呆ける。
 確かに口には出したものの、本当に貸してくれるとは思わなかったからだ。

「ちょ、あんたの傘は?」
「大丈夫っすよ。
 こんなの降った内に入らないっす」
 そう言って、私が止める間もなく後輩は雨の中を駆けだしていく。
 すぐに雨足が強くなり土砂降りになるが、後輩は戻ってこなかった。

 私はしばし呆然とした後、あることに気づく。
「もしかして気を使われた?」
 何という事であろう。
 後輩が傘の無い私を慮って、濡れることをいとわず傘を貸してくれたのである。
 どうやら私はアイツの事を誤解していたようだ。

「ふーん、意外とかわいいとこあるじゃん」
 なんだかんだ言って、アイツは私の事を心配してくれてたんだな。
 私は後輩の優しさにニヤニヤして――

「あ!
 この傘ボロボロじゃん!」
 あちこち穴が開いた、ゴミのような傘だった。
 だからくれたのか?

 本当に可愛くないやつ!

11/7/2024, 1:45:31 PM

あーなーたーとーわーたーしーってきて、なーかーよーくーあそびましょ、ってくるのすごいな、仲良くしようって思考を忘れてるのを痛感。

【あなたとわたし】

11/7/2024, 1:45:15 PM

あなたとわたし。
正反対の二人。
「どうにかなる」が口癖のあなた。
「ああなったらどうしよう」が口癖のわたし。

まったく違うから一緒にいたいと思ったの。
正反対だからこそ、一緒にいれば見える景色も広がるはずよね。

#あなたとわたし

11/7/2024, 1:45:05 PM

あなたはこんなに優れているのに、私はなにやってもうまくいかない
どうしても比べてしまう 劣等感半端ない

Next