七紫

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君とすごした、あの日の話。

通り雨に遭遇してバス停で雨宿りしたり。
どちらかが傘を忘れればふたりで共有して。
ふたりとも忘れた日は、君が雨合羽を持ってて、救世主だと思ったな。

田んぼだらけの田舎で、君と畑道を走って遊んで泥だらけになって。
山に入って遭難して親心配させたり。
唯一ある駄菓子屋でラムネ買って乾杯して。
都会行ったらお土産絶対!ルールも作って。
勉強で分からない所があれば、先生だけじゃなくて村の人たち色んな人に聞きに回って。
青い空が広がる山の頂上に登って、日向ぼっこしたり。
虫何びき捕まえられるか勝負したり。
捕った分だけ持って帰ったら、返してきなさいって怒られた時もあったっけな。
近くの町のひまわり畑に潜り込んでかくれんぼしたり。
ひまわりの種が好物の近所のハムスターにおすそ分けしたり。

緑が橙に染まる頃、君の誕生日も迎えて。
誕生日プレゼント、何あげたっけな。
確か…似顔絵だった気がする。
親がせっかく掃除したもみじの山にダイブして散らかして。
ちゃんと親の手伝いもふたりでこなして。
山が橙に染まったときは、ふたりで山が燃えてる〜って大騒ぎしたこともあったなぁ。

雪が降った日は、ふたりだけで雪合戦して。
小さいかまくらも作って、その中で寝ちゃって行方不明になった時もあったな。
積もった雪にダイブして形残したり、雪食べてるのバレて、親がかき氷作ってくれて。
雪解けが始まった時は、冬が待ち遠しくてたまらなかった。

学校にある桜が咲いたら、そんなことなんてすっかり忘れて。
道端にたんぽぽも見つけて。
学年が上がって、お兄さんお姉さんになって。
入ってきた1年生が可愛くてたまらなくて好きだったなぁ…。

中学生に上がったら、ふたりとも少し疎遠になっちゃって。
クラスも違うし、男女でそんなに仲良くできない雰囲気になって。
少し気まずくなっても、前の通りの関わりに戻って。
勉強して、部活して、一緒に帰って、勉強会して。

高校はもう、違う学校だったしなぁ。
それぞれ彼氏彼女作って、経験して、別れて作っての繰り返し。
相手が自分のことを好きじゃないって思い切ってたからこそそうなったんだろうな。

大学生からは同じ大学で同じ学部で、行きも帰りも一緒で、もう付き合ってたと思う。
どっちからか告白して、実って、喧嘩して、ぶつかって、戻って。
愛を育むってこういうことを言うと思う。


あれから歳を重ねすぎた私たち。
あの青春と呼ぶ日常を、心に終い取っておきたい。
あの日々は一生の宝物になるだろう。

178テーマ【夏】

超絶長くてごめんなさい。
これだけ長くなるとか想像してませんでした。
だれが想像できたんだろうね。
一応四季の移り変わりを表せられる言葉表しました。
気に入っていただけたら嬉しいです。

6/28/2024, 11:34:45 AM