北部極寒の地のそのまた、ずっとずっと奥の方
それは、辺りは雪と岩しかない場所
人間も動物も植物も住めない…いや正しくは
❝誰も居ない場所❞が存在しました。
目録でしか確認されていない❝謎の場所❞にロマンを感じた数多の冒険者達や研究者達は、その謎の場所へと船と犬橇を使い向かいました。
《其処は何故、謎の場所と呼ばれているのか?》
《誰が、この目録を残したのか?》
《其処には何があるのか?》
男達は、この謎を解き明かしたいために向かって行ったのです。
ですが…不思議な事に誰一人、犬一匹帰ってきません。
2日が経ち…5日が経ち…それでも帰ってきません。
謎の場所へと向かわなかった人達は、遂に捜索隊を派遣し彼等も謎の場所へと向かわせました。
謎の場所へと向かわなかった人達は、
すぐに帰ってくるだろう。と、誰もが思いました。
ところが、救助へ向かった捜索隊も帰って来ないではないですか。
最初と同じ日数が経っても、誰も帰ってきません。
トランシーバーで連絡を取っても繋がりません。
周波数が合ってないのでは?と、1人が言うと
出発前に2機とも合わせたから繋がるはずだ!と、
大柄な男の人が答えました。
※トランシーバー※
トランシーバーは、遠く離れた人同士で連絡を取り合う事が出来る機械で、大きさはエアコンのリモコンより
一回り大きい。但し、周波数を設定する際に決まりがある。
自分20→ <繋がる> ←20相手 で、連絡が取れる
自分19→ 【繋がらない】←20相手は、連絡が取れない
*お互いのトランシーバーを同じ〘数字で合わせる〙*
✼片方が違う周波数だと❨連絡が取れない❩✼
この様な仕組みになっている。
…話を元に戻そう。
捜索隊も冒険者も研究者も戻って来ないので、また
新たに捜索隊を派遣し2度目の救助へ向かわせようとしました。ところが、2度目の捜索隊を派遣する際に
※待機組(謎の場所へと向かわなかった人達)の中で
→ 捜索隊を向かわせようとする賛成派
→ 捜索隊を向かわすことを中止にする反対派
に、分かれて日夜口論を繰り返し行っていたのです。
反対派の意見は、また今回も誰も帰ってこなかったら?
捜索隊を派遣した事も無駄になってしまう!
と、述べ
一方、賛成派の意見は、今回こそ何か収穫があるはず!
帰ってこない事の原因も掴めるはずだ!
と、お互いに引き下がりませんでした。
新たに派遣された捜索隊は、勝手に向かうことも出来ないので待機するしかありませんでした。
とうとう、この口論が7日目を迎えたところで事態が動こうとしました。
それは、7日目の朝…時間帯は電波時計で8時を少し過ぎた頃、終わらぬ口論にうんざりとした表情を浮かべながら聞いていた待機組の1人が気分転換に外でタバコでも吸おうとシェルターの扉を開け外へ出ようと右足を外へと一本踏み出した時でした。右足の靴底に何となく変な違和感を感じたので目線を地面へと移すと其処には雪に覆われた【何か】があります。
男は、驚き叫びながら尻もちをつき【何か】から離れようと必死にもがき続けました。
叫び声を聞いた他の人達が駆けつけ、尻もちをついた男を落ち着かせたり状況を整理しようとしたり、【何か】を見て同じく叫んだり、正体を知ろうとシェルターの中へ運ぼうと提案を出したり…起ころうともしなかった事が起きてしまい皆、パニックになってしまいました。
そんな中、ただ1人冷静に傍観していた人間が居ました
その人物は、なんと徐ろに自身が着ている上着の内ポケットから銃を取り出し一発天井へと発砲しました。
バンッ!っと、破裂音と火薬の臭いが耳と鼻に響き
そして香りパニックになっていた人達は一瞬にして静かになり発砲をした人物へ注目をしました。
その人物は、小柄な体格ながら服装は皆と同じ男物を身に着け顔を防寒マスクで覆っていました。
落ち着け
ただ一言、これだけを言いました。
その声は、オペラに例えるとアルトパートぐらいの
少し低めの声でした。ですが、その声を聞いた男達は不思議な事に冷静を少し取り戻し始め【何か】を運ぶ者
尻餅をついた男と共に自身を落ち着かせようとする者
【何か】を調べるために奥の部屋へと案内する者に分かれて動き始めたではありませんか
小柄な体格の人物の傍を通る際には、皆敬礼を一つし
続々と奥の部屋へと続く扉から出ていきました。
小柄な体格の人物も開けっ放しの扉を閉め鍵を掛け
皆と共に奥の部屋へと向かいました。
【何か】の正体が分かったのには然程時間が掛かりませんでした。
正体が分かった。と、連絡を聞きつけたのは
そこから約3時間弱後の事
調べていたのは、救護班と捜索隊、研究者の3名
彼らの目の前の白い布で覆われた【何か】を見つめながら静かに救護班が口を開き話し始めた。
身体中に傷が多く、そして凍傷が激しくて顔までは分からなかった…だが、他に何か分かる物があるかと持ち物を調べたら、上着の内側に名前が書いてあった。
彼の名はジェニファー/ルザガリナス血液型はB+型
まさかと思い、冒険者名簿一覧表と研究者名簿一覧表
を片っ端から調べたら、見事にビンゴ
なんと最初に冒険者として謎の場所へと向かって
行った1人だと分かったよ。
何故彼が、今になって帰って来られたのか?食糧も無い中でどうやって?正直、分からない事が多い
だが、1つだけ分かったことがある。
まずは、コレを見て欲しい…
彼の左手袋の中から出て来たんだ。
そう言って、彼はクシャクシャになって丸まっている
紙の切れ端を見せくれた。
コレは…?私は、救護班に問い掛けた。
だが彼は、分からない。と、だけ返して
とりあえず、コレは何なのか見てみよう
そう言って、ピンセットで丁寧に平げ始めた
丸まっている紙の大きさは大体、女性が握り拳を作る大きさぐらいだ。
この紙は、彼…ジェニファーが丸めたのだろうか?
それとも、【別の誰かに託された】のだろうか?
ますます謎が深まるばかりだ。彼は一体…
色んな事を考察していると、終わったよ。と、
救護班の声が聞こえた。
私は、何か分かった?と、話すと
彼は、困った顔をしながらコレは何語?と、ピンセットに挟んだままの紙を私に見せてきた。
其処には、単語?らしき文章が幾つも書いてありました
「 Fεi (〜) ba(〜) bu gbεmεi ye
ashweshwε gbεmεi shiem⊃ oshara nyεjofoi 」
私も読めない。貴方達は読める?
こう言い捜索隊と研究者にも紙を見せてみたが
2人共首を横に振っていた。どうやら彼等も読めないようでした。ところが、研究者は何かを閃いたみたいで
他の研究者にも声を掛けてみるよ!1人ぐらいは読める奴がいるだろうから!っと、その場小走りで立ち去りました。残された私たちは、他に手掛かりはないのか?見落としは無いのか?再び、彼ジェニファーの持ち物を再び調べたが、何も出てきませんでした。
一方、謎の文面を読める者を探しをしていた研究者でしたが連れてくる人、連れてくる人皆誰も読めないと首を横に振るばかりでした。
1人くらいは読める奴がいると思っていたのに…
それでも同じ研究者かよ!
とうとう彼…研究者は紙を持ったまま落胆してしまいました。希望の光を失ってしまったのです。
此処には、必要最低限の機械と食糧しか無い。
調べたくても人工衛星の軌道が合わないと繋がらない
場所…思わずその場にいた人達は皆
大きなため息を1つこぼしていました。
『凍てつく 北 洞窟 人 食べる
鏡 人 攫う 危険 逃げる』
…?何ですかコレ
声がした方に目を向けると紙を持っていた研究者の側に立ち、マグカップを片手に紙を覗き込んでいた人物が指を差しながら話しかけてきたではないですか。
キミ!コレが読めるのかい!?
床に座り込んでいた研究者は驚きの余り声を荒げ彼に紙を見せて聞いていた。その場にいた研究者達も冒険者達も捜索隊達も一斉に驚いた声をあげた人物と、アッサリと解読をしてしまった人物に目を向け更に驚いた表情をしていたのだ。解読を解いた彼も驚いた表情をしながら
えぇ…。読めますよ?
ただ…この文面の単語の書き方は微妙に違いますけれど
意味は分かります。
研究者から紙を受け取りマグカップを片手に、この部屋の真ん中のテーブルへと向かい歩き始めた。歩くと同時に周りの我々も一斉にテーブルを囲むように配置についたのだ。コレは、何処の文字だ!この意味は何だ!?
各研究者、冒険者、捜索隊は、この地の地図を拡げ始めこの地の全体の地図、もっと細かく地形が描かれている地図、研究者達が持ってきていた研究資料、各言語が書かれている辞書、手当たり次第役に立ちそうなものを全て拡げたりホワイトボードに貼り付けてある各冒険者や研究者、捜索隊の顔が写っているプロフィールの数約67名分も真ん中のテーブルへ動かして近くへと寄せ動かしました。
…それで?兄ちゃんコイツは何語なんだい?
冒険者の1人が腕組みをしてテーブルの真ん中に置かれた紙を睨見つけ静かに冷静な声で彼に語りました。
マグカップを持っていた彼は、グイッとカップの中の飲み物を飲み干しダンッ!と、音を立てテーブルへ乱暴に置き彼も同じく紙を睨みつけながら話し出しました。
…言語は、ガ語だ。アフリカのガーナ語でSpellが違うのは…憶測だがコレは『教えた側』と「書いた側」が違う人物でどちらかが、アフリカ出身の1人って事だ。
ジェニファーは、張り出されたプロフィールを見ると
どうやらロシア出身らしいな…彼は託されたのだろう。
そして、コイツの意味だが…こう伝えたかったのだろう
❝北の洞窟にある氷で凍てつくされた鏡は、人を攫い
喰らう危険な鏡だ。近づくな死ぬ気で逃げろ❞
12/27/2025, 1:01:57 PM