「夢の中にまで出てくんなよ…!!」
その日、俺は届きもしない主人公に叫んだ。
あれは人じゃない。
なんでも持ってる主人公みたいな奴。
俺を狂わせた奴。
主人公の事しか考えられなくて、強さが足りなくて。
もう見たくもなかったあの顔と、また合わなければならないのに。まだ弱い。もっと。もっと力があれば。認められる、俺の力が。
それで、主人公にも…俺と同じ思いをさせたい。
夢なんか、主人公が俺に背中を見せて走って行くだけだ。俺はそれを見て手を伸ばす。届かない事なんてとっくに分かってる。
「あのさ、…ちゃんと寝てる?」
「うるさいな、関係ないだろ」
「…寝れないの?」
「どうでもいいだろ!黙っててよ!!」
「っ、……………」
それでねーちゃんが居なくなる。
あたしの弟が夢を見ている。
……あたし、ねーちゃんでしょ、強くなきゃ、守らなきゃ。あの子を背中に入れなきゃ。
早く、助けてあげてくれない…?
主人公。
_2024.1.13.「夢を見てたい」
瞳を閉じれば夢を、夢を見れば主人公を思い出す弟よ。
一人で抱え込んで自分一人で解決しようとしてもできない姉よ。
円盤、sgrくんは切実に寝てくれって思ったけど、番外編でちゃんとクマ消えててよかった。
「"強くて、優しくて、友達がいて、みんなに好かれてて、ちょっとおっちょこちょいなとこがあって、賢くて、めんこくて、かっこいい主人公"みたいになりたかったんだなーって」
1/13/2024, 3:15:41 PM