星野 エナガ

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アイツはいつも俺をミている。
え?どこだって?ほらほらあそこ、あそこの電柱の後ろにいるヤツだよ。ミえるか?どう見ても人間じゃあない。いや、人の形をしているが、人じゃあない。幽霊かなんかの類だ。俺を呪っているわけでもなく、守っているわけでもない。ただ、見ているだけだ。え?俺に惚れているんじゃあないかって?いいや。それはありえねぇよ。俺は子どもだし、自分のことを「俺」って言う戸籍上女だし、それに、自分で自分の中にあった子宮をえぐって取り出すイカレた野郎だよ?
え?そのやばいところに惚れたんじゃあないかって?それもそうだな…アイツはそーいうところに惚れたのかもな… いいや、でも俺はまだ生きていたいしな。霊界に行きたくない。
どっかいい感じのお寺か神社知らない?お祓い行きたい。知らないか…だよなぁそれじゃあネットで探して一緒にいこうよ。一人だと幽霊相手だから怖いからさ…
でもなぁ。…なぁ今から質問をする。クレイジーな質問をな。…一回だけ、アイツが目の前に現れたことがあるんだ。ベットで寝ている時にだ。アイツは俺の瞳を見ていたんだ。そんで、一瞬で居なくなった。こっから質問だ。
アイツに見つめられるのが悪くないと思う俺は異常か?

『見つめられると』より

3/28/2023, 11:42:55 AM