-夏-
この目に見えるあの夕陽みたいに
僕だって燃えている
この急カーブを走って走って
力尽きるまで走り切らなきゃな
若草色を真っ赤に染まった身体で突っ走る
色んな奴を横目にしては、風に身を任せる
ぐるぐるぐるぐる
同じような所をずっとずっと…
どのくらいの奴らに勝ってきたのか
いや、数なんかどうでもいい
こうやって灰になり
僕は役目を果たしたのだから
いい夏だったよな?
そうくすぶってた最後の姿を見届けて
奥さんは一息で僕を樹木の方へ吹き捨てた。
6/28/2022, 11:37:06 AM