君と最後に会った日
僕はなぜ気付かなかったんだろう
なぜちゃんと話を聞いてあげなかったんだろう
もっと彼女の声に耳を傾けていたら、、、
もっと彼女の目を見て話をしていたら、、、
これが君との最期にならずに済んだかも知れないのに。
彼女は春の木漏れ日のような人で
笑った顔がとても可愛らしい
いつもメソメソ泣いてる僕の横で
そっと優しく寄り添ってくれた
学生時代はお互い友達や好きな人が出来て
昔みたいに一緒にいる時間は少なくなったけど
家が近いのもあって
時々二人で話しながら帰ったりもした
その時間が僕は好きだった
あの日も帰るタイミングが同じで
二人で自宅まで肩を並べて歩いてた
僕のしょうもない話に横でクスクス笑う彼女
いつもの帰り道、いつもの日常
これは明日も明後日も当たり前にあるものだと
そう思い込んでいた
彼女の家は僕の家から200m程先にある
2人で歩いていると帰り道もあっという間だ
僕の自宅に着く頃、彼女が何か言いかけた
「...ぇり...くない」
「ん?ごめんもう1回言って?」
「いや、ううん!なんでもない!」
「なんだよそれ笑まぁまた明日!」
「うん、また明日、、ね!またね!」
これが君との最期の会話だった。
6/26/2023, 7:28:03 PM