踊り子

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好きな色はと問われれば、確かに思い浮かぶものがあって、その感触や濃淡の具合さえ浮かんで来るのに、でもそれは上手く口から出てこない。
この体の何処かを切り裂いて、中のもやもやとした霞をはいと掬い出し、差し出すことが出来たなら、色も温度もなにもかも、至極簡単に伝えることが出来るだろうに。
これがその色ですと。

伝えるというのはいつだってもどかしい。



“好きな色”

6/22/2024, 5:11:12 PM