《どうして君はそんななの?》
鏡の中の自分が言う。
《いつまで子供のままでいるつもり?
自分がいい年をした大人だってわかってる?》
矢継ぎ早に放たれる言葉に、僕は何も言い返せない。
だってその通りだからだ。
本当に自分が嫌になる。
精神年齢はいつまでも子どもで、人に言われるまで行動できず、相手の顔色ばかりをうかがう日々。
《ボクが君に取って代われたらいいのに》
「…僕も、君に変わってもらいたいな…」
こんな自分はいなくなってしまったほうがいい。
そんな思いをこめてつぶやくと、鏡の中の自分は一瞬驚いた表情をしたけれどそれはすぐに憎しみに満ちた表情になった。
《――…ああ、本当に。ほんとうにどうしてかな。なんで、どうしてどうしてどうしてどうしてどうして!!!!
どうしてなんの役にもたたない根暗な君が外にいて、このボクが鏡の中なんだ!!!!!!!》
11/3/2023, 11:05:12 AM