「お前が今、ここにいるから俺らの物語は語り継がれるんだよ!ずっとずっーと、永遠に!」
そうやって笑う彼は俺にとっての太陽で。
その彼の笑顔で周りが笑い、空気が柔らかくなる。彼を嫌う人なんてひとりもいなくて、人生で初めて永遠に幸せであって欲しいと思った奴だった。
……なのに。それなのに。彼は呆気なく俺を置いていった。彼が太陽なら俺は月だった。太陽の彼に照らされて、彼がいるから輝いて見えるだけ。彼がいなければ他と変わらない単なる石ころで、俺自体に何か秀でたものがあった訳では無い。だから彼がいた頃の俺らの物語だけは100年先も永遠に語り継がれた。
2/4/2023, 9:18:17 AM