我が家のお雛様は美人だと母は得意そうに言う。
母は私よりもひな祭りを楽しんでいる。
あられも買うし、ちらし寿司や蛤のおすましも作る。すべて、お雛様にお供えするためだ。人間はついで、お雛様のおこぼれに預かれるだけに過ぎない。
以前はお雛様が美人だから何だ、ひな祭りが何だと思っていたが、ここ数年は違う。
母が毎年、生き生きとひな祭りの準備をしている姿はどこか励まされるような気持ちにさせられる。
季節を感じること、季節の行事を楽しむこと、その準備に手間をかけること、物を大事にすること、お気に入りをつくること。
そういうことを積み重ねて、生きていけばいいと教えてくれている気がする。
3/3/2024, 10:09:04 AM