朝起きて、「おはよう」と挨拶をすれば、テレビをつけてくれる。私の寝ぼけ眼は、アナウンサーの声で徐々に覚醒する。
油を引いたフライパンをコンロにかければ、換気扇をつけてくれる。私は背が低いから、スイッチを入れるために背伸びをしなくて良いことはありがたい。
家を出る時間が近づくと、「ピ」と給湯器のスイッチを消してくれる。ついつい忘れがちな私が「悪いねぇ」と声をかけると、「ピピピピ」とそれを連打する音がする。お怒りのようでした。
夏は私がいなくても、エアコンをつけておいてあげる。だって暑いの、苦手そうだからかわいそうで。
「行ってきます」
誰の姿もない部屋へ、声をかけると電気がチカチカと点滅した。
7/9/2024, 11:48:19 AM