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にいやん、見て、見て。魚いるよ!

みずき!
待って、今行くから!
危ないから、覗き込むな〜。

はしゃぐ妹に急いで追いつくと、手をしっかりつないで抱え込むようにして、二人でそろりと防波堤の下を覗き込む。
テトラポットの合間を魚影が見え隠れする度に身を乗り出して喜び、

あれ、何て魚?ニモ?

何やろなぁ。

よく見ようと、もう少し乗り出したのが良くなかった。
いやな感じと共にスルッと滑り落ち、軽くなるのを感じた。
一瞬の出来事で手を伸ばすこともなく、ただただ呆然と目で追うのが精一杯だった。

あぁ…。




まるで木の葉のようにユラユラと身をよじる度に夏の日射しをきらめき返しながら沈んで逝く。

キレイ!あれ、何?

………にいやんの眼鏡や。

「きらめき」

9/4/2023, 4:49:01 PM